無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
暴走するアメリカ民主主義──その「原型」はハリウッド映画の中にあった! 「トランプ現象」は突然起きたものではない。それは言うなればアメリカ建国のときからの「病巣」であり、それを誰よりも鋭く見抜いていたのが映画人たちだったのだ。いま、映画を語らせれば右に出る者はいない町山智浩がその蘊奥を尽くして語る「映画から見たアメリカの病理」。その深層に触れたとき、あなたはきっと戦慄するであろう。ハリウッドが封印しつづけた米国の恥部とは? 映画史上最高の傑作がKKKを蘇らせた? ディズニーが東京大空襲をけしかけた? トランプは60年前に映画で予言されていた? 映画評論家町山智浩のライフワーク、ついに結実!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
暴走するアメリカ民主主義──その「原型」はハリウッド映画の中にあった!
「トランプ現象」は突然起きたものではない。それは言うなればアメリカ建国のときからの「病巣」であり、それを誰よりも鋭く見抜いていたのが映画人たちだったのだ
いま、映画を語らせれば右に出る者はいない町山智浩がその蘊奥を尽くして語る「映画から見たアメリカの病理」。その深層に触れたとき、あなたはきっと戦慄するであろう。
本書の目次より
人種差別に火を付けた「史上最悪の名画」◆『國民の創生』
「アメリカの大義」に利用された人々◆『滅びゆく民族』
ディズニー・アニメが東京大空襲を招いた?◆『空軍力の勝利』
封印された「戦場の英雄たち」◆『光あれ』
スプラッシュ・マウンテンは「奴隷制」の世界だった?◆『南部の唄』&『クーンスキン』
アメリカ・ショー・ビジネス史の汚点とは◆『バンブーズルド』
黒人教会爆破事件から始まった大行進◆『4リトル・ガールス』
石油ビジネスがもたらした「狂信」◆『エルマー・ガントリー』&『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
アメリカン・ドリームに踊らされる人々◆『何がサミーを走らせるのか』
かくして「民意」は捏造される
◆『群衆』
リバタリアンたちは今日も「アイン・ランド」を読む
◆『摩天楼』
メディアと広告代理店と政治のトライアングル
◆『群衆の中の一つの顔』
今も続くマッカーシズムの呪い
◆『影なき狙撃者』
独裁者は民衆の喝采から生まれる
◆『オール・ザ・キングスメン』
インディの帝王が命懸けで撮った「最も危険な映画」
◆『侵入者』
こうして歴史は改変される
◆『フォレスト・ガンプ』&『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
「國民の創生」は、それまで貧乏人向けの見せ物と蔑まれていた映画を文学などと並ぶ芸術として認識させた「技術的」には優れた傑作。だが内容は、現実では家畜のように扱われていた黒人奴隷が酷使されていた農園を地上の楽園のように描いたり、実際は南軍が北軍の砦を攻撃したのがきっかけで南北戦争が起こったのに映画では逆に描いたりなど、事実の歪曲が多い。最も問題なのは、KKKを英雄として描きKKKを再生させるきっかけになったこと。
「滅びゆく民族」は、アメリカ先住民族が生きる権利を手に入れるために戦争に参加するなどの苦難の歴史を描いたもの。
スパイク・リー監督の「バンブーズルド」は、アメリカのショービジネスの汚点であるミンストレルショーに正面から切り込んだ問題作。ミンストレルショーは、顔を黒く塗った白人がでたらめな文法の英語を喋りスイカとフライドチキンを貪る無知で滑稽でズルくてスケベな黒人を演じながら黒人音楽を陽気に唄って踊るショーで、黒人への偏見を広げるものと汚点になった。
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は、石油産業が巨大化して工業化社会となったきっかけの石油産業振興と工業化したアメリカについていけない人々が宗教にすがったことから起こった宗教ブームについての映画。
なんと言っても衝撃的なのは、日本では感動作として知られる「フォレストガンプ」や明るく楽しい人気作として知られる「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が、アメリカでは歴史的事実を歪曲した映画として非難されていること。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が黒人差別と非難されているのは、ラストのパーティのシーンで主人公マーティが「ジョニーBグッド」を演奏してそれを聴いたチャック・ベリーがロックンロールを発明する、つまり白人が黒人にロックンロールを教えたという展開になっているのが黒人の功績を白人が横取りしていると叩かれた。実際にはマーティがロックンロールを演奏する3ヶ月前に、チャック・ベリーが「メイベリーン」なる曲をチャート入りさせているので、あのシーンは成立しない。
「フォレストガンプ」が物議を醸したのは、カウンターカルチャーに身を投じるジェーンを徹底的に尻軽女として揶揄していること。極めつけのシーンが、ジェーンがストリップ小屋で「風に吹かれて」を全裸で唄い観客から卑猥な野次を浴びるシーン。問題のシーンでのジェーンをゼメキス監督は、「ジョーン・バエズのイメージ」と語っている。つまりゼメキス監督は、反戦運動家でフォークシンガーのジョーン・バエズをストリッパー扱いして貶めているのだ。その他にも反戦運動家を女に暴力を振るう偽善者として描いたり、ジョン・レノンの名曲「イマジン」をレノンが共産主義に能天気な夢を抱くお花畑左翼の歌のように描いた部分も問題だが、最も問題なのはゼメキス監督が知能指数の低い人の言いなりになる無垢なフォレストガンプをアメリカ人の理想として描いたこと。
それは、大衆の代表のふりをしながら実際は金持ち優遇策をとり貧富の差を広げるレーガンやブッシュをのさばらせトランプを大統領選挙で当選させた反知性主義につながる危険なもの。
知られざるアメリカの1面を知ることが出来る映画を網羅した映画解説本です。
Posted by ブクログ
『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』で町山本にハマりかけた時期があった。アメリカのあらゆる方面に巣食う暗部を克明に、そしてエキサイティングに描き出していて、読んでいる分には本当に面白い。
本書も「読んでいる分には…」と言える一方で、ちょっぴり笑えない部分もある。一番分かりやすい例で行くと…
「ロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85年)と『フォレスト・ガンプ』(94年)の楽しさの裏側には、60年代の反戦運動や公民権運動に対する強烈な敵意が隠されている。それが甘い菓子に混ぜられた毒だ」(P 5)
えぇー…マジすか?フォレストはともかくBTTF好きだし、こないだもロゴ入りのキャップ買っちゃったんですけど。(知らんがな)
ベトナム戦争に対する反戦・黒人の公民権運動に湧いた60年代を否定的にとらえ、ひたすら白人の優位性失墜について嘆く…。衝撃以外の何物でもない。あれだけ慣れ親しんだBTTFが危険認定されているのが、笑うに笑えなくしている。
このように政治的・社会的に危険だと見なされるものもあれば、デリケートだったり考えさせられる題材の映像作品が、計20作紹介されている。
ディズニーランドにある スプラッシュ・マウンテンの原作『南部の唄』(1946)は「史実を歪曲して伝えている」という理由でDVD化がされていない。ファンの間でも有名な話である。しかしそれ以前にも、ディズニーは、とんでもない作品を世に放っていたのをご存知だろうか。
『空軍による勝利』(1943)。日本に向けた本土爆撃の必要性を謳ったもので、何とW.ディズニー自らが製作を企画。結果として、チャーチルやローズヴェルトを突き動かしたという。
YouTubeに全編上がっていたのでチェックしてみたが、まぁ日本人からすれば胸糞悪い…。
特に終盤では、ディズニーとは思えないリアルなタッチで、日本の街が完膚なきまでに爆撃を受けている。(アニメーション部分は『バンビ』や『白雪姫』のスタッフが手掛けているんだとか)コメント欄は見渡す限り英語で、アニメーション技術や内容を賞賛する声で持ちきりだった。
2004年に米国内でDVD化されたそうだが、日本には知らされていない。天下のディズニーに冷ややかな一瞥をくれてやるか、「うぅ〜…でも過去は過去!今は今!」と支持を辞めないか…今を生きる日本人にとっては反応が分かれるところかも(!?)
『4リトル・ガールズ』(1997)は、一番考えさせられた作品。教会が爆破され、黒人の少女4名が犠牲となった事件をドキュメンタリーにまとめている。
事件に怒りを覚えた白人学生が猛勉強の末に司法長官となり、犯人を起訴。犯人は黒人へのヘイトを終生取り下げなかったが、二人房で一緒になった黒人の面倒をとてもよく見ていたとの事…。
事件が、4人の少女が、2人の男の良心を呼び起こしたのだろうか。そうした問いが、今も付き纏っている。
先住民や黒人・その他有色人種への差別、インテリの排除に赤狩りetc…
「自由の国」というのは所詮理想論。あんなに広い土地を持っておきながら、どこまでも排他的で窮屈なのが、アメリカって国なんだな。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用