秋川滝美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私が不動産をテーマにした話が好きなのは、家が好きだからなんだと思う。
今はもう家を建ててしまったから、これからどんな部屋に住もうか等と考えることは恐らくないと思うが、物件を探している人を見るのも、物件の紹介もかなり興味がある。もういっそのこと、不動産業界に転職しようかしら……笑
しかし、不動産業界はもちろん楽しいことばかりではない。多大な時間をかけて関わった客でも、あっさりと物件を断ってくることもあるそうで、なかなかシビアな世界でもある。
本書の主人公である麻琴も、どんな部屋を紹介しても断られてしまう客、部屋探し中に喧嘩し始める夫婦等様々な客達に手を焼いている。
麻琴のすごいところは、客の本当に求めていることを知ろうとするところだ。営業成績に繋がるからというのもあるが、じっくりと客一人ひとりの生活やら何やらを考えていたら、いくら時間があっても足りないだろうに。
客自身でも気づいていないことに気づき、的確に物件を紹介していく彼女の姿はかっこよかった。
仕事は良い感じなのに、恋愛面が何だか踏ん切りつかない中途半端な状態なところなんかは、読んでて若干だるかったが、ラストで綺麗に蹴りをつけたので良し。 -
Posted by ブクログ
どんなに親に後悔されても、自分の子供時代は戻らない…
1番親に愛されたい時期に、ひたすら家事をし、学校の成績が良くても、何かで表彰されても褒められることのない主人公。
褒められることもなければ、失敗すれば、舌打ちされる。
46歳になっても、きゅうりの塩揉みに気をつかう麻有子。きゅうりを切る度に思い出す親へのトラウマ。
それを何とか乗り越えながら、生きて来たのに、いきなりトラウマの原因となった実母との同居。
面倒を見たくないからと押し付ける自分勝手な姉もムカつくし、葛藤しながらも結局母親を迎え入れてしまう主人公にも、結局いいようにしか描かれないものなんだな、と思った。
実際、物語はほぼ和解して終わってる。
もっと母親の病気が進行してから、終わるのかと思ったから、意外とあっさり終わった感じ。
一貫して主人公の麻有子と母、そして麻有子の娘の葵との母娘の話が描かれる。
葵は凄い良い子だし、母親が苦労してたら、自分もしっかりしなきゃって気持ちも分かるけど、あまりにも良い子過ぎて、ちょっと出来過ぎ。
それ以上に子供の頃に母親に受けた傷は簡単に消えたりしない。
親がこっちが子供だったからと、自分が子供の時の言い訳をすることを鵜呑みになんか出来ない。
物語としては、とてもいいのだけど、毒親を許せるか許せないか、と言う点では主人公に共感することが出来なかった。