【感想・ネタバレ】向日葵のある台所のレビュー

あらすじ

学芸員の麻有子(46歳)は、東京の郊外で、中学二年生の娘・葵とともに、穏やかに暮らしていた。そんな折、麻有子の姉・鈴子から「母が倒れたので引き取って欲しい」と電話があった。母とも姉とも折り合いが悪く、極力関わらないようにしてきたのに――。姉の勝手な振る舞いにうんざりしつつも、受けざるを得なくなってしまう。小さい頃から、何かにつけて麻有子の行動を否定してきた母と暮らすのは、やはり自分の心が許せない。しかし、「いったん引き受けて、やはり居心地が悪いと自主的に戻ってもらおう」という葵の提案のもと、絶縁状態だった母親との生活が始まった。すると、今まで知らなかった葵の一面も新たに見えてきて――。「家族」という見えざる檻は、思い出までも閉じこめてしまうのか。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

親の介護、そして母と娘の確執…
そんなありがちな家族の問題について描かれた小説。

主人公は中学生の娘を持つシングルマザー。ある日、母親と同居している姉から連絡があり、母親を引き取って一緒に住んで欲しいと懇願される。
主人公は以前から姉には甘いのに自分には辛く当たる母親が嫌いで、断るつもりがうまく丸め込まれ、同居を受け入れる…

当然うまくはいかないが、だんだんと中学生の娘が潤滑油になり、母親との間にある壁もなくなってゆき、母と和解できる…特に母親がこれまで辛くあたってきたことの理由を話し、心から詫びるシーンは感情が揺さぶられるものがあった。

ちょっと理想的すぎるエンディングではあるが、ほっこりする話でした。

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2025年04月10日

Posted by ブクログ

毒親との関係って重たい。結局その親も酷い目にあってたりして同情しそうになるけど断ち切れる人もいるのだからどうなんだろう。
葵ちゃんはホントにいい子で考え方が大人すぎる。こんなできた子を持った麻有子は幸せですね。

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2025年09月13日

ネタバレ 購入済み

重い….….

物凄く、重いテーマだった。主人公は、母親から、躾という名の元に、虐待まがいに(いや、実際、虐待だ)、厳しく育てられ、母親から、離れたくて、大学に進学する事で、家を出て….….何度も、途中で、読むのを止めようかと、思いながらも、読んでしまった。自分勝手な姉にも、腹が立つし、年をとって、病気になって、娘との関係をやり直したいという母親にも、何を今さらという感じは、有るけれど、主人公が、穏やかに笑い合える母と娘を望んでいるならば、少しでも、それに近づいていって欲しいと思う。

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

家族というのを考えさせられますね。
話せばわかる。
その話をするのが難しいですね。
この本を読めば少しは伝わるのかな。
母と娘の話だから父親や息子だったらどうなるのか。
考えられますね。

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2021年03月16日

Posted by ブクログ

どんなに親に後悔されても、自分の子供時代は戻らない…

1番親に愛されたい時期に、ひたすら家事をし、学校の成績が良くても、何かで表彰されても褒められることのない主人公。
褒められることもなければ、失敗すれば、舌打ちされる。
46歳になっても、きゅうりの塩揉みに気をつかう麻有子。きゅうりを切る度に思い出す親へのトラウマ。
それを何とか乗り越えながら、生きて来たのに、いきなりトラウマの原因となった実母との同居。
面倒を見たくないからと押し付ける自分勝手な姉もムカつくし、葛藤しながらも結局母親を迎え入れてしまう主人公にも、結局いいようにしか描かれないものなんだな、と思った。
実際、物語はほぼ和解して終わってる。
もっと母親の病気が進行してから、終わるのかと思ったから、意外とあっさり終わった感じ。
一貫して主人公の麻有子と母、そして麻有子の娘の葵との母娘の話が描かれる。
葵は凄い良い子だし、母親が苦労してたら、自分もしっかりしなきゃって気持ちも分かるけど、あまりにも良い子過ぎて、ちょっと出来過ぎ。
それ以上に子供の頃に母親に受けた傷は簡単に消えたりしない。
親がこっちが子供だったからと、自分が子供の時の言い訳をすることを鵜呑みになんか出来ない。
物語としては、とてもいいのだけど、毒親を許せるか許せないか、と言う点では主人公に共感することが出来なかった。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

今でいう”毒親”から虐待されて育ったシングルマザーの麻有子がその母と同居することになった物語
家族だから全て分かりあえるわけではなく、一人ひとり別の人格をもった人間同士だよなとしみじみ思った
育児中、母・正恵には正恵の気持ちや理由があったのが後半に描かれている…んだけどそれをやっぱり子どもである麻有子にぶつけたのは違うだろと思う
自分の都合を人にぶつけるんじゃないよ~!!
姉の鈴子が割りとイヤな人間だった…ので登場シーンは読んでて少し疲れます
麻有子の娘・葵が優しくて健やかでホッとする!
最後はこれからへの明るい希望を感じて終わる、少しずつでも前に進めそう

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2024年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分に過度に厳しく接するいわゆる毒親の母からほぼ絶縁状態で暮らす麻有子。娘の葵と楽しく充実した日々を送る母娘の家に、あの母と同居することになり、、、。という話です。

言いたいことをズケズケ言ってしまう私には、「言いたいことを言わずにやり過ごす」麻有子が理解できず、姉の鈴子に母との同居を押し付けられても強く自分の意見を主張しない麻有子の振る舞いにモヤモヤしながら読みました。

一方、母の立場を理解しつつ祖母や叔母の気持ちにも配慮でき、明るく活発で努力家の娘・葵のある意味スーパーマンのような存在にスッキリしたり、ホッとする。

このモヤモヤとスッキリの行き来をしながら一気に読める小説です。ちなみに表紙のパンが乗ったお皿の絵が気になって読みました。

物語の最後の方で、なぜ麻有子に厳しくしたのか理由が母から語られるのですが、「そうなんだ、じゃあ和解しましょ」とはならない、母は自分を正当化させているだけだ。心に傷を負っても頑張って生きてきた麻有子の意地と、そんな母から生きる知恵と力ををもらっていて、葵にも同じように教育してきたと気づかされ、混乱する気持ちが擬似体験できました。

母と麻有子の「娘」に対する最大の違いは、「感謝の気持ち」なんですね。

毒親はどこまでも毒親なのかと思っていました。母・正恵はテレビの毒親の子に対する接し方を観て自分が毒親だと気づき、「変わり」ましたがこれはなかなかのファンタジーなのでは。自分の死が迫っていると知ると、長年の自分思考や態度を変えられるものなのでしょうか。

最後に、読み終わってタイトルを改めて目にして、葵の存在によって今後の3人の生活が、少しづつ明るいものになっていくことをしみじみと想像しました。

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2022年07月27日

Posted by ブクログ

なかなかハードな内容…
ぼったくり続きで読んで.
表紙からも同じ様に軽い感じで料理の話かなーって思ったけど…
前半…読むの辞めたいなーって思ったけどなんだかんだで一気読み
.
うーん.
とにかく葵ちゃんが良い子すぎだわ.
まさしく向日葵

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2022年01月06日

Posted by ブクログ

学芸員の麻有子は、娘と二人暮らし。ある日、
折り合いが悪い姉からの電話によって、平穏な
日常が崩れていく。倒れた母親を引き取るものの、
過去のトラウマから逃れられず…。
「家族」の違和感を描いた衝撃作。

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2020年10月07日

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