堀江敏幸のレビュー一覧

  • 私的読食録(新潮文庫)

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    dancyuで連載されているのが好きで購入 昔から食べ物が出てくる本、向田邦子の海苔弁だとか、若草物語の砂糖漬けライムだとか、エーミールの血入りソーセージだとかに思いを馳せていたが、確かにそれは食べたことないのに味わっている

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    2023年08月16日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    読むのに時間がかかってしまったけど、すごく面白かった。
    竹取物語、堤中納言物語 : 読みやすい。普通に面白い短編集。
    伊勢物語 : 女遊び三昧の主人公が嫌な感じで、なかなか読み進められなかった。
    土左日記 : 紀貫之って面倒臭い。女たちの水浴び(胎貝や鮨鮑!)を覗き見しといて、これはモト歌があって…と言い訳してるのウケる。
    更科日記 : 江國香織の訳がいいのか、作者に共感しまくり。
    当時の結婚制度、女房の仕事など謎が多いのできちんと調べてみたい。

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    2023年08月14日
  • 私的読食録(新潮文庫)

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    この類の本は今ある積読の高をさらに高いものにする。物書きが紹介する様々な作家の本について、その中でも「食」に特化した紹介。
    角田光代さんと堀江敏幸さんが代わる代わる紹介していく。
    元々が素晴らしい表現で書かれているのに、この二人を介して出てくるのだから更にパワーアップしている。堪らない。
    食べ物の味、匂い、そのシチュエーション、ありありと描かれて、読み終わる頃には何冊かメモしているだろう。絶対に。

    一作品につき3ページほどで読みやすい。だった3ページでも惹きつけられてしまうイチコロだ。

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    2022年06月17日
  • 私的読食録(新潮文庫)

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    角田光代は20代後半かけて30代までよく読んでいた作家でした。様々の作品が映画化やドラマ化にされていて、女性の感情を丁寧に描く作者だと思いました。堀江敏幸は別の作品でかなり挫折してしまって、角田さんとならきっと挫折せずに読めるんだろうと思い購入。往復書簡だと思いきや、雑誌「dancyu」での散文集でした。それぞれ読書記録の中、「食」に関する内容を紹介するエッセイ。これもまたたくさん触れ合ったことないの作者や作品の中、食べ物や食卓な話が書かれて、短い文章だけどどんどん作品を読みたくなるような描写ばかりでした。

    「本来私たちは、病むことではなく健やかであるために食べるのだ、と。」(池澤夏樹 君の

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    2021年12月08日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    竹取物語(森見登美彦)
    伊勢物語(川上弘美)
    堤中納言物語(中島京子)
    土左日記(堀江敏幸)
    更級日記(江國香織)
    月報:小川洋子・津島祐子

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    2017年04月05日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    好きな作家さん目白押しで、これは読むしかないなと。

    伊勢物語おもしれえええってなっている。
    川上弘美の作品かと思うくらいどんぴしゃの訳にうっとり。余韻。
    竹取物語はポエム調の和歌がたまらん。これも森見作品かのよう。すばらしいテンポ感。
    堤中納言物語はおもわずニヤリ。
    土左日記は前段と括弧書きの注釈に痺れるし、更級日記は瑞々しくて女の日記感がさすが江國。

    この全集、ほんとぴったりな人に訳を頼みますよね。さいこう。

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    2017年01月04日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    自分がいかに古典にいい加減に接してきたかを思い知らされることになった。
    かぐや姫の話は誤解が多かった。もっとも、絵本の印象が強くて、かなり違訳を信じていたのかもしれないけれど、それも原典をきちんと読んでいない証拠。
    伊勢物語では、こんな太古から微妙な男女の機微があったのだと感銘を受けた。

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    2016年12月14日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    「こんな、おちゃらけの文学なんてあり得ない!」とも思うけど、50年後でも意味が通じる本として残せたので、これぞ文学なのかも知れない。
    全30巻の中で、この3巻だけを選んで読んでみたけど、結構当たりだったかも・・・!

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    2016年02月24日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

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    さすがは並みいる男性作家が選んだ作品集である。全部面白い。
    「ちょっとちょっと…」と傍で話しかけられるような親しげな語り口と
    抜群のリズム感が心地いい。特に気に入ったものを少し…。

    「道化の華」
    ラスト3行でいきなり視界がぱあっと広がり、ぞくっと怖くなる。
    視点のトリックで読者を驚かせるのが上手い。
    「彼は昔の彼ならず」
    心の本質が似通った人間が近くにいると、お互いに感応してしまうのだろう。
    口先三寸のペテン師のような男を非難している主人公の男もまた、
    親の遺産で遊び暮らす怠け者。
    才能ある芸術家のパトロンになりたいという、
    彼の下心を見透かしたペテン師の作戦勝ち。

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    2015年06月05日
  • 私的読食録(新潮文庫)

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    danchuに連載された食に関わるリレーエッセイを集めた一冊。
    著者は角田光代さんと堀江敏幸さん。
    取り上げられるのは小説が多いけれど、エッセイやノンフィクションなど、幅広い。

    100作取り上げられていて(連載ではもっとたくさんあったのかな?)、自分が詠んだことがあるのはたった15作。
    タイトルだけ知ってはいる、というものを含めても、30余りしかないのだが、知らない作品に関するエッセイも面白く読ませてしまう。
    ここらへんはさすが手練れの作家のお二人。

    面白さを伝える力だけではない。
    作家の味読力のすごさも随所に感じられた。
    ピンポイントに「食」というテーマに引き寄せるものもあるのかもしれな

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    2025年06月15日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    「小さな表現の差にこそ大きなぶれがあることを身をもって学んだ。」
    堀江敏幸さんのこの文が表現の芯を食っていて好きだ。

    『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」の続きが無いことが本当に悔しい。
    平安時代でルッキズムに苦言を呈してるこの短編が1番好きだったからこそ、悔しい。

    『竹取物語』は1番読みやすかったから、お勧めです。

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    2025年01月29日
  • 土左日記

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    教科書で断片を学習したが、全編読むのは初。教養として一度は読んでおくのが良いと思った。堀江氏の解釈も面白い。本は自分なりに解釈して読むからこそ面白いのだ、と改めて思った。解釈を選択させる国語の試験の馬鹿馬鹿しさ。

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    2024年09月14日
  • こどものころにみた夢

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    文章と絵で綴られた「こどものころに見た夢」をテーマにした短編アンソロジー。夢の世界は辻褄が合わないような不思議な光景、場面展開が見られるけれど、現実とぜんぜん関連がないわけではないですよね?その夢と現実との繋げ方というか絡め方が12人の作家ごとに違うのが面白いです。これは夢の中?と読んでいて戸惑うものもあり。え!これ現実に起きたこと?というものも。ミステリーあり、サスペンスあり、ロマンスあり、回顧録あり、お笑いあり…一つ一つは短いけれど、なかなかに濃い内容でありました。歌人の穂村弘さんのお話が一番印象に残りました(爆笑でした)。

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    2023年12月26日
  • 私的読食録(新潮文庫)

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    「読むことでしか食べられないものがある」最大首肯。私も、『メアリー・ポピンズ』のクランペットや『大草原の小さな家』のヘッドチーズを食べて大きくなった人間です。
    本とメシ好きにはたまらないdancyu 連載コラム。この中に出てくる本、次々ポチッて全6冊くらい買いました。角田さん、堀江さんが順々に美味しそうな場面や描写を論じてくださるのだが、単なる食&本エッセイにとどまらず、おふたりの知見と筆力でもって1編1編が短編小説のような仕上がりに。
    間に挟まる対談も楽しき。

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    2023年08月03日
  • こどものころにみた夢

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    怖い夢、儚い夢、おもらしの夢…? 角田光代、石田衣良、島本理生、市川拓司、長野まゆみといった豪華作家らが美しい絵と共に綴る「夢物語」。『小説現代』連載に書き下ろしを加えて書籍化。

    実際に読んだのは文庫本ではなく古いほう。

    石田衣良や穂村弘のお話が印象的でした。そんな私は永遠の肛門期…。

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    2023年01月13日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

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    中村文則さんのエッセイを最近読んだので、その繋がりで読みました。

    太宰治の人となりについてはほとんど何も知らないので、読む前の勝手なイメージでは「気難しく人嫌い」な人かと思っていましたが、作品を読むと「ユーモアの感覚もあって、実際に話せばあんがい話好きな人だったんじゃないか」という印象を受けました。

    個人的に良かったのは富嶽百景の一場面で、天下茶屋の2階に寄宿している主人公が店の人間とも親しくなってきた頃、店の若い女性店員が1人で客の相手をしている時に、わざわざ1階に降りて隅でお茶を飲みながら遠巻きに見守ってあげているところです。

    そんなにあからさまな優しさを出す感じの主人公じゃないんで

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    2022年10月02日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    伊勢物語、きちんと読むの初めて。
    川上弘美さんの日本語は美しいな。
    和歌の訳がそこはかとなく典雅だ。
    物語絵でよく出てくる有名な九段の八橋、宇津山だけにあらず。
    しかし業平はすごいね、さすが歴史に名を残すプレイボーイ…

    三十段の、歌を「逢うのは 一瞬 恨みは 永遠」て訳すのはしびれる。伊勢物語もすてきだけど川上弘美さんもすてき。

    最後125段
    「生きるとは
     なんと
     驚きに満ちたことだったか」
    ってところなんて、めっちゃすてきじゃないですか


    もりみーの竹取物語もすごく面白い。
    もちろん元の話自体が面白いけど、彼の訳がなんともシュールで人間臭くて好きだ。
    しかしなんておもしろい話なんだ

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    2022年09月27日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    錚々たる方々の訳した古典文学!
    竹取物語がモリミーの手にかかると、翁や貴公子たちの下心がスケスケで困惑するかぐや姫が目に浮かんでしまう。
    和歌の訳がまたニヤニヤ。
    むかし男ありけり、の伊勢物語はこんなに長いお話だったのかと驚いた。恋愛だけでなく友情や仕えた親王とのやり取りが印象的だった。
    男としか出てこないので、これが業平のことなのか、時期はいつなのかとモヤモヤもするけれど、一遍の凝縮ぶりに愕然とする。
    堤中納言物語はいろんなテイストの話が襲いかかってきて気が抜けない。
    和歌の訳が絶妙!
    有名な虫めづる姫君の女房たちの嫌らしさときたら、普通に和歌を訳しただけでは伝わってこないかも。
    土佐日記、

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    2021年06月06日
  • 私的読食録(新潮文庫)

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    様々な作品に登場する食べ物、そのシーンを、二人の作家が読みながら食べ尽くす。そんなエッセイ。読みながら、作品を食べたいと思った。そして、おなかが空いた。グ〜。

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    2021年03月21日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    教科書、それも抜粋でしか触れたことがなく、苦手意識もあった古典文学が、現代語訳と更に訳者の個性も加わったことで、とても読み易く物語に入り込めた。
    また、この全集には対となる「作家と楽しむ古典」という本がある。
    訳者自身による解説で、原典への解釈やそこから感じた思いなどを知ることができて、物語への理解がより深まったように思う。
    是非合わせて読んでもらいたい。

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    2020年10月07日