前川裕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
戦慄のホラーサスペンス。
日本ミステリー文学賞新人賞受賞作『クリーピー』よりもサスペンスフルであり、なかなか真相を見せてくれずに、最後までドキドキさせるストーリーが非常に良い。
予備校講師とミステリー作家の二足の草鞋を履く矢崎の兄が、ある日突然失踪する。同じ頃、二組の夫婦の失踪事件が発生し、犯人と思われる不審人物の声が矢崎の兄とそっくりだった。矢崎の周りで次々と起こる不可解な事件。果たして…
まるでミスリードを誘うかのような『アパリション』という挑発的なタイトル。『アパリション』とは幽霊、妖怪、亡霊という意味なのだが、そういう類いのものは一切登場しない。そのせいもあるのか、数々の伏線が全 -
購入済み
映画を観るかは迷います
映画のcmで興味を持ち、セールになってたので読んでみました。あっという間に読んでしまう面白さでした。
誉田哲也さんをマイルドにしたようなテイストで、そんなにグロテスクな場面もないと思います。
西野を映画で演じる香川照之でイメージしつつ読むとめちゃくちゃ怖いです。
続編も読もうかな。 -
Posted by ブクログ
デビュー第2作。またも恐怖がジワジワと迫り来るミステリー。昨今、テレビや新聞で目にするような事件と特異な人物、人間関係が描かれ、ストーリー展開がなかなか読めない面白さはあるのだが、どうにもスッキリしない読後感だった。その理由は張り巡らされる伏線の全てが納得する形で回収仕切れていない事にあるようだ。
大学の非常勤講師を務めるジャーナリストの田島は母娘の餓死事件を調査するうちに悪質訪問販売集団の存在を知る。少しずつ闇の世界に足を踏み入れる田島は…
なかなか面白い滑り出しだったのだが、作品全体としては前作の『クリーピー』の方が面白かった。
タイトルの『アトロシティー』とは、暴虐、非道、残虐、残 -
Posted by ブクログ
東京の弁天代警察署で生活安全課係長を務める無紋大介。46歳の警部補である。
東大卒だが敢えてノンキャリアとしての道を選び、昇進試験や本庁捜査一課への栄転を断り続けているという変わり種だ。
彼には「こだわり無紋」というあだ名がある。疑問を感じれば些細なことでも徹底的に調べ上げずにはいられないというところからついた異名らしい。
そして、そのこだわりから判明した事実をもとに組み立てた無紋の推理で解決に結びついた事件も少なくなく、無紋は自然と一目置かれる存在となっている。
そんな東京下町の名物捜査官、無紋大介の活躍を描くサスペンスミステリー。シリーズ2作目。
◇
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ結論から言うと面白い
だけど、ちょっとした「?」が浮かばれることが多かった印象。
最後のまさかそっちか!となったのは面白かったけれど、善雄の死に方はなんとも....そんなあっさりと死ぬのか...と解せない気持ちもある。
個人的に心理学を齧ってる人間からすると、ちょこちょこ出てくる高倉の心理学情報は知っていることもあったり、ふむふむと感じる部分があって学んだ人からすると多々面白いかもしれない。まあ、心理をメインとしているから、死に方にはあまりこだわりがないと言うかそこに視点を置いてないのでこの結果、となったのかもしれない。
映画があることを知らなかったので、ちょっと観てみようかと思う。
-
Posted by ブクログ
前川裕『公務執行の罠 逸脱刑事』講談社文庫。
シリーズ第2弾。
東大文学部歴史文化学科出身の地元採用のノンキャリアで変わり者の逸脱刑事こと、都内の弁天代署の生活安全課の警察官である無紋大介を主人公にした警察小説。
前作の方が面白かった。
逸脱刑事と言いながら、さほど逸脱しているとは思えない。また、こだわり捜査と言っても、骨相学やら哲学などの知識をひけらかすだけで、それで真相に辿り着いたとは思えない。
何時もながら、ヘソ出しやミニスカートとかの描写があるのは前川裕の趣味なのだろうか。
逸脱刑事、無紋大介は管内の『ゴミ屋敷』問題を扱うことになる。『ゴミ屋敷』の住人は元大学教授の柳とい