前川裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京の弁天代警察署で生活安全課係長を務める無紋大介。46歳の警部補である。
東大卒だが敢えてノンキャリアとしての道を選び、昇進試験や本庁捜査一課への栄転を断り続けているという変わり種だ。
彼には「こだわり無紋」というあだ名がある。疑問を感じれば些細なことでも徹底的に調べ上げずにはいられないというところからついた異名らしい。
そして、そのこだわりから判明した事実をもとに組み立てた無紋の推理で解決に結びついた事件も少なくなく、無紋は自然と一目置かれる存在となっている。
そんな東京下町の名物捜査官、無紋大介の活躍を描くサスペンスミステリー。シリーズ2作目。
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問題の家は下町の住宅街の一角にあった。ゴミを大量に溜め込み、あたり一帯に異様な悪臭を漂わせる、いわゆる「ゴミ屋敷」だ。
玄関前の駐車スペースには車の代わりに缶切りやハサミ、ホチキスなどの金属の不燃ゴミが山積みにされ、そのまわりに生ゴミの入ったビニール袋が散乱している。
そして、それらを取り巻くように置かれたエアコンや冷蔵庫、洗濯機などの粗大ゴミが公道にまではみ出し、明らかに人々の通行を妨げていた。
さらに庭に目を移せば、薄汚れた自転車のほか大型のテーブルや椅子などで埋め尽くされ、家屋の窓がほんの少し見えるだけの状態だ。
景観の悪さと通行妨害、耐え難い悪臭と衛生面の悪さなどから、行政代執行は時間の問題だと思われていた。 (「プロローグ」※本編5章とプロローグ及びエピローグからなる。)
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問題のゴミ屋敷は無紋大介が勤務する弁天代署管内にあるのですが、犯罪までいかない町内の困りごとは地域課の管轄になります。
また、プロローグ最後に「噂」として紹介される、積み上げられたゴミと暴力的な悪臭は家屋内の腐乱死体をカムフラージュするためのものではないかという疑いについても、担当するとすれば刑事課です。
だから、生活安全課の無紋がどう関わるのかがひとつの焦点でした。
さて、その展開です。
まず、通り魔による連続殺傷事件が管内で起こったため、署内に捜査本部が設置され刑事課は掛り切りになります。
さらにゴミ屋敷の老主がなかなか手強く、区役所の職員や地域課の警官が交渉しても埒が明かないため、弁天代署に協力要請がきます。やむなく無紋の部下の1人、境なたねが立ち会うのですが、ある事情で無紋にお鉢がまわってくることに……。
これら凶悪な刑事事件と町内の揉め事という一見無関係と思える出来事が、徐々に絡み合いを深めながら進んでいきます。 ( 詳細は控えます。)
ストーリーはよく練られているし、無紋の推理の過程も丁寧に描写されています。ただ前作と比べ、インパクトが弱かったという印象を受けました。
また、文章の洗練具合も ( 特に序盤において ) 改善の余地があるのではと感じます。上梓までの時間的余裕がなかったのかも知れませんが、無紋ファンからすると残念に思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ結論から言うと面白い
だけど、ちょっとした「?」が浮かばれることが多かった印象。
最後のまさかそっちか!となったのは面白かったけれど、善雄の死に方はなんとも....そんなあっさりと死ぬのか...と解せない気持ちもある。
個人的に心理学を齧ってる人間からすると、ちょこちょこ出てくる高倉の心理学情報は知っていることもあったり、ふむふむと感じる部分があって学んだ人からすると多々面白いかもしれない。まあ、心理をメインとしているから、死に方にはあまりこだわりがないと言うかそこに視点を置いてないのでこの結果、となったのかもしれない。
映画があることを知らなかったので、ちょっと観てみようかと思う。
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Posted by ブクログ
2008年、夫の実家に帰省していた夫婦がおびただしい血痕を寝室に残して失踪。夫の兄が殺人で起訴されるも無罪となり、以来未解決のままとなっている通称「川口事件」を調査したフリージャーナリストによるノンフィクション…という体裁のフェイクドキュメンタリー。
気付けば最近小説はフェイクドキュメンタリーばかり読んでいる。
前川裕作品は久々だが、これまで同様、犯人を含めて異様な人間が次々に登場する展開は不気味でありながらどことなく安心感すら覚える。文章もところどころ(特に妙に官能小説めいた性的な箇所)引っかかる部分はあるが相変わらず妙に読みやすく、あっという間にラストまで進んでしまった。
しかし、似た手法で書かれた同作者の『死屍累々の夜』と比較すると、事件自体や真犯人とされる人物に魅力が乏しく、オチが煮え切らないこともあってあまり好きにはなれなかった。