前川裕のレビュー一覧

  • アパリション

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    戦慄のホラーサスペンス。

    日本ミステリー文学賞新人賞受賞作『クリーピー』よりもサスペンスフルであり、なかなか真相を見せてくれずに、最後までドキドキさせるストーリーが非常に良い。

    予備校講師とミステリー作家の二足の草鞋を履く矢崎の兄が、ある日突然失踪する。同じ頃、二組の夫婦の失踪事件が発生し、犯人と思われる不審人物の声が矢崎の兄とそっくりだった。矢崎の周りで次々と起こる不可解な事件。果たして…

    まるでミスリードを誘うかのような『アパリション』という挑発的なタイトル。『アパリション』とは幽霊、妖怪、亡霊という意味なのだが、そういう類いのものは一切登場しない。そのせいもあるのか、数々の伏線が全

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    2016年10月17日
  • クリーピー

    購入済み

    映画を観るかは迷います

    映画のcmで興味を持ち、セールになってたので読んでみました。あっという間に読んでしまう面白さでした。
    誉田哲也さんをマイルドにしたようなテイストで、そんなにグロテスクな場面もないと思います。
    西野を映画で演じる香川照之でイメージしつつ読むとめちゃくちゃ怖いです。
    続編も読もうかな。

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    2016年07月03日
  • アトロシティー

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    デビュー第2作。またも恐怖がジワジワと迫り来るミステリー。昨今、テレビや新聞で目にするような事件と特異な人物、人間関係が描かれ、ストーリー展開がなかなか読めない面白さはあるのだが、どうにもスッキリしない読後感だった。その理由は張り巡らされる伏線の全てが納得する形で回収仕切れていない事にあるようだ。

    大学の非常勤講師を務めるジャーナリストの田島は母娘の餓死事件を調査するうちに悪質訪問販売集団の存在を知る。少しずつ闇の世界に足を踏み入れる田島は…

    なかなか面白い滑り出しだったのだが、作品全体としては前作の『クリーピー』の方が面白かった。

    タイトルの『アトロシティー』とは、暴虐、非道、残虐、残

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    2015年07月19日
  • アトロシティー

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    古本屋のばぁさんにオチまで言われて持たされた一冊(また✖️4)

    何となく誉田哲也『妖の華』みたいなスピード感。(この一冊もばぁさんより半強制)

    半グレ集団と警察の狭間で事件に巻き込まれるジャーナリストの話なんだけど、没入感良い感じ!
    ちょいちょい波があるからスラスラ読めましたが、リアリティを保たせている分、小波の連続といった感。(生意気すみません)

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    2025年12月06日
  • クリーピー

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    隣人の中年男性は感じの良い人物だが、いるはずの妻が全く姿を見せない、娘の様子がおかしい、など不審な点が。ついに娘が「あの人お父さんじゃありません」と漏らし、徐々に異常性が明らかに。
    クリーピーの題名の通り、気味が悪くゾッとするミステリー。

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    2025年09月29日
  • 嗤う被告人

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    いわゆる「紀州のドン・ファン事件」を綿密に調査した上でインスパイアされた完全なるフィクション小説。しかし冒頭からのイライラさせられ感は相当なもので、主人公の女性弁護士の魅力のなさと事件の語りが後出しじゃんけんで進んでいくところは、完全にミステリーの禁じ手で、途中で読むのをやめようと思ったほど。我慢しながら読み進めると、この欠点と思われたところも実は巧妙な仕掛けだったと思わせる回収劇はまあそこそこではある。でも本質的に、そこまで素晴らしいプロットでもなく、面白いミステリーとまでは言えない。

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    2025年09月04日
  • K 時代の恋人

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    作詞家を目指しながら流行歌詞K(藤圭子インスパイア)のマネージャーをする。飲み屋で手伝いをする女性のことを好きになるが、これがトラブル一丁目。

    面白いのかそうでもないのかどっちかよく分からない。恋愛の部分は良いのだが、マネージャーや作詞家の部分と合ってない気がする

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    2025年09月03日
  • K 時代の恋人

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    ネタバレ

    たまたま最近わたしの中で藤圭子ブームが起きていて、その類まれな人生について調べ、YouTubeで洋楽のカバーを聞くなどしていて、一昨日もカラオケで新宿の女を歌い、あぁ、彼女は亡くなる時も新宿の女だったなぁ…などという話しをしたところだったので、オマージュとしてタイムリーに読め、わたしの藤圭子のイメージと一致するところが多くおもしろかったのですが、
    それはさておき、いつもはハードなホラーを書かれる前川裕さんのハードなラブストーリーには戸惑いました笑

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    2025年08月02日
  • クリーピー

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    ネタバレ

    狂気
    どうしたらこんな人間が?
    と思ってしまう。

    隣に住む家族
    普通に見えるが偽物の父親が混ざった家族だった。
    そこでは西野と名乗った。

    本当の名前は矢島。

    事件が起き隣に住む西野が、同級生の兄矢島であることを知る。

    とにかく気持ちが悪い。

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    2025年04月25日
  • 公務執行の罠 逸脱刑事

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     東京の弁天代警察署で生活安全課係長を務める無紋大介。46歳の警部補である。
     東大卒だが敢えてノンキャリアとしての道を選び、昇進試験や本庁捜査一課への栄転を断り続けているという変わり種だ。

     彼には「こだわり無紋」というあだ名がある。疑問を感じれば些細なことでも徹底的に調べ上げずにはいられないというところからついた異名らしい。
     そして、そのこだわりから判明した事実をもとに組み立てた無紋の推理で解決に結びついた事件も少なくなく、無紋は自然と一目置かれる存在となっている。

     そんな東京下町の名物捜査官、無紋大介の活躍を描くサスペンスミステリー。シリーズ2作目。
              ◇
     

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    2025年04月06日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    2020年。若い作家との対談集in京都。
    「詠坂雄二」未読。メンドくさそうな性格w
    「宮内悠介」未読。
    「初野晴」読んだことある。
    「一肇」未読。
    「葉真中顕」未読。
    「前川裕」未読。
    「白井智之」大好き。
    「織守きょうや」最近名前知った。
    「道尾秀介」もう大御所だったのね。未読。
    「辻村深月」トリはそうだよね。
    後輩を育てたい、という気持ちが伝わってくる。さくっと読めるし、作家の人となりもなんとなく伝わり、対談集よいね。

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    2025年04月05日
  • 嗤う被告人

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    「紀州のドン・ファン事件」をヒントにしたとあるが、亡くなったのが資産家で若妻が容疑者というところまでは同じで後の展開は全く別物。接見を重ねる新人女性弁護士が真相を追うがごちゃごちゃしてストーリーに入り込めなかった。。いつもの気味悪さを感じず作者さんらしさがなかった。残念。

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    2025年03月16日
  • クリーピー

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    ネタバレ

    結論から言うと面白い
    だけど、ちょっとした「?」が浮かばれることが多かった印象。
    最後のまさかそっちか!となったのは面白かったけれど、善雄の死に方はなんとも....そんなあっさりと死ぬのか...と解せない気持ちもある。
    個人的に心理学を齧ってる人間からすると、ちょこちょこ出てくる高倉の心理学情報は知っていることもあったり、ふむふむと感じる部分があって学んだ人からすると多々面白いかもしれない。まあ、心理をメインとしているから、死に方にはあまりこだわりがないと言うかそこに視点を置いてないのでこの結果、となったのかもしれない。
    映画があることを知らなかったので、ちょっと観てみようかと思う。

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    2025年02月27日
  • 公務執行の罠 逸脱刑事

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    前川裕『公務執行の罠 逸脱刑事』講談社文庫。

    シリーズ第2弾。

    東大文学部歴史文化学科出身の地元採用のノンキャリアで変わり者の逸脱刑事こと、都内の弁天代署の生活安全課の警察官である無紋大介を主人公にした警察小説。

    前作の方が面白かった。

    逸脱刑事と言いながら、さほど逸脱しているとは思えない。また、こだわり捜査と言っても、骨相学やら哲学などの知識をひけらかすだけで、それで真相に辿り着いたとは思えない。

    何時もながら、ヘソ出しやミニスカートとかの描写があるのは前川裕の趣味なのだろうか。


    逸脱刑事、無紋大介は管内の『ゴミ屋敷』問題を扱うことになる。『ゴミ屋敷』の住人は元大学教授の柳とい

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    2025年02月20日
  • クリーピー

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    ネタバレ

    ストーリーは先が読めず、次から次へと奇妙で不可解な事件が起こるため、飽きないで面白い。主人公である犯罪心理学の高倉が女学生に下心を持っている様子が垣間見えるのは個人的に気持ちが悪くて好きじゃない。
    捜査に協力するくせに、犯人をいざ追い詰めそうという時に警察に電話せず、生徒を連れて行き、あげく死なせてしまうというのは不用心すぎていささか話としておかしいまでもある。
    だが、推理しながら読んでいっても犯人がわからず、多少無理はあるとしても結果としての犯人が納得のいくものだったため、面白かった。

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    2025年02月05日
  • 文豪芥川教授の殺人講座

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    トイレ、妻のダンス教室、合宿所にて
    一家行方不明、講義参加にて。

    短編になっているので、結構すぐに解決、でした。
    人が死んでないのは2話だけ。
    凝っているというべきなのか
    4話目はすごかったです、双方が。
    最初のトイレも別方向ですごかったですが
    はめたのか、はめられたのか。
    逆転すると、感情は恐ろしいですから…。

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    2024年10月23日
  • イアリー 見えない顔

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    ネタバレ

    物語全体に終始流れる不穏な空気。

    広川の自宅周囲で起きる事件、広川が務める大学の総長選、妖しげに近づいてくる亡き妻の妹、新興宗教に取り込まれる若者、、、

    一見何の関係もなさそうな出来事が全て繋がって、元凶は意外な人物で面白かった。

    ラストまでよくわからないというか、(あえて)不完全燃焼なところもあって、そこがマイナスポイント。
    リドルストーリーは苦手だからすっきりさせたいんだよなぁ。笑

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    2024年10月20日
  • クリーピー

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    映画を先に見た。比べると、わたしにとって小説の方が断然面白い。映画はなんでそこで一人で行くかなーってツッコミどころがありすぎた。小説はそういった引っかかりなく読めた。
    普通に暮らす人の理解の及ばない、怖い人ってほんとうにいるのかな、こんな人が近隣にいたらきっと逃れられない…と思わせる、その意味でホラーな作品。黒い家的なホラー。

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    2024年10月20日
  • 号泣(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前半はゾワゾワしながら読んでたけど、後半はかなり失速。
    半分くらいで犯人もわかり、動機も「こうだったら嫌だなあ」がそのまんま。胸糞なのにものすごくさっぱりしていて、不思議な読後でした。
    前タイトルの『愛しのシャロン』はシャロン・テートのことかな?と思ってたけど、まあ、ですよね(苦笑)という感じ。
    真優と累の手紙はちょっとグッときた。

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    2024年10月19日
  • クリーピー ラバーズ

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    ネタバレ

    クリーピーシリーズ 第4作。
    今回も短編集。

    「高倉犯罪研究所」に持ち込まれる様々な事件。

    流れ的には事件の相談と見せかけて自分の犯行を暴いて欲しい、告白したい人達が吸い寄せられてくるという展開。

    展開はワンパターンだけど、それぞれの依頼人に色々な背景があり高倉の対応も様々でその点は楽しめた。

    ただ、展開が読めてしまうことが多かったのでそこは残念。

    もう少しどんでん返し的な要素があればもっと楽しめた。

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    2024年08月19日