あらすじ
昭和の歌姫〈K〉と
青酸コーラ殺人事件。
時代が二人の運命を繋ぎ、翻弄する--
『クリーピー』『号泣』著者が
昭和100年に贈る
新境地の恋愛×サスペンス!
内田剛さん(ブック・ジャーナリスト)、絶賛!
「甘美な記憶に苛烈な現実、そして昭和が生み出した鮮やかな闇。
魂の奥底にまで響く余韻はいつまでも消えない!」
昭和40年代半ば、私は学生運動で揺れる大学を中退し、デビュー間もない女性歌手〈K〉のマネージャーとなった。
やがてスターダムに上り歌姫と呼ばれる〈K〉への恋心を封印し、
新宿の居酒屋で働くキエを映画に誘い、交際を始めるが、ある衝撃的な出来事をきっかけにキエは姿を消す。
二人を再び繋いだのは、日本を震撼させた青酸コーラ無差別殺人事件だった!
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Posted by ブクログ
なんと暖かく、そして淋しく、でもうれしい純愛物語でしょう。
二人の気持ちが手に取るように分かり、もどかしさで潰されそうになりながら読み進めました。
前半の兄の強烈に害悪な存在に読むのが嫌になりましたが、後半は切なく温かい気持ちでいっぱいでした。
最後の1ページで最高に幸せにさせてくれて満足です。
タイトルとなった昭和の歌姫と、モチーフにされた有名な未解決事件はこの作品においては話の核にはなっておらず人によっては期待外れと感じるかもしれません。
かくいう私もそうです。
でも結果的にそれでよかった。無駄に事件に軸をおくといい話にならなかったと思います。
Posted by ブクログ
二〇二〇年、六月。〈私〉は花園神社の遊歩道前を通り過ぎようとしていた。七十三歳の小説家である〈私〉はかつて芸能プロダクションを経営していて、芸能界という華やかであざとい世界に身を置いていた。衝撃的な死とともにその生涯を終えた歌手のKのマネージャーをしていたこともある〈私〉にとって、コロナ禍の事情もあり、開かれるかも分からないKの追悼集会は気になるものだった。そして回想されていく当時の出来事。大学を離れ、Kのマネージャーになった〈私〉、居酒屋で出会ったキエとの恋、彼女の兄とのトラブル、そして唐突な別れと世間を揺るがす大事件――。
ということで、『クリーピー』や『アパリション』、『死屍累々の夜』など、心底怖いサイコスリラーを立て続けに発表している著者の最新刊は、帯にも〈新境地〉と書かれているように、私が勝手にいままで抱いていた著者へのイメージを一新する切々と胸にしみるラストが印象的な恋愛ミステリ、恋愛サスペンスでした。ひとつの〈とある事件〉が深い影を落とす、ふたりの恋はどう決着が付くのか。当時の時代背景に想いを馳せながら、読み心地の良い文章に浸るのが楽しい一冊でした。
Posted by ブクログ
作詞家を目指しながら流行歌詞K(藤圭子インスパイア)のマネージャーをする。飲み屋で手伝いをする女性のことを好きになるが、これがトラブル一丁目。
面白いのかそうでもないのかどっちかよく分からない。恋愛の部分は良いのだが、マネージャーや作詞家の部分と合ってない気がする