前川裕のレビュー一覧
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解説にある通り、「展開を予測できない実に気味の悪い(クリーピーな)物語」。イヤミスというほどではないが、読後謎が解けてスッキリするという話でもない。終始気味が悪く、作品によく合ったよいタイトル付けだと思った。
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『大学で犯罪心理学を教える高倉(たかくら)は、妻と二人、一戸建てに暮らす。ある日、刑事・野上(のがみ)から一家失踪事件の分析を依頼されたのを契機として、周囲で事件が頻発する。野上の失踪、学生同士のトラブル、出火した向かいの家の焼死体。だがそれらも、本当の恐怖の発端(ほったん)でしかなかった。「奇妙な隣人」への疑惑と不安が押し寄せる、第15回日本ミステ -
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ネタバレ第6章にある、手紙が野上本人のものでは無いと睨んだ「ある1人の警官」は谷本?
だとしたら気づいていた当時園田にコンタクトをとらなかったのはなぜ?
本小説のような結末は予想出来なかったはずだし、少なくとも西田澪の安否は分からなかったはずだから犯人を捕まえるつもりなら筆跡鑑定による確証が無くても高倉と2人で乗り込む位のことは出来たのでは?
そもそも高倉に勘づいていたことを当時話さなかったのは業務上の守秘義務的なもの?そうだとしたら既に高倉とはその一線を超える情報交換をしていたから別の理由があるのでは無いか。
その1点が気になるのみでストーリー全体は面白かった。心理専攻の高倉とサイコの心理戦がもう -
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Posted by ブクログ
前川裕『クリーピー ラバーズ』光文社文庫。
『クリーピー』シリーズ。シリーズでお馴染みの犯罪心理学者・高倉孝一が助手の夏目鈴を従え、『高倉犯罪相談所』を開設する。高倉の元に持ち込まれる気味の悪い事件……6編から成る連作短編集。
いずれの短編も男女の歪んだ欲望が招いた事件が描かれ、生々しく恐ろしいが、同じテイストの短編ばかりで少し食傷気味。不思議なのは、どの短編にもショートカットのボーイッシュでショートパンツに臍出しTシャツの女性が登場すること。
『倒錯者』。高倉が依頼者が抱える問題を見事に解き明かす安楽椅子探偵風のミステリー。
『不法監禁』。高倉の元に助手の鈴が鈴が所属する劇団の何者か