小池昌代のレビュー一覧

  • ことば汁

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    日常の中のちょっとしたズレを描いた6つの短編です。
    なにげないふりをして、読む者の胸にいきなりサクッと刃を突き刺すような小説でした。
    〝女房〟という短編以外は、いずれも主人公は、けしてもう若いとはいえない年頃の女性たちです。老い、孤独、欲望・・・・著者の筆によって、主人公たちはふと踏み込んだ非日常の世界で、心の襞を露わにされてしまいます。けれど不快な読後感はありません。それどころか、読み始めたらついつい惹き込まれてしまいます。
    「ことば汁」という書名は、鍋の中の言葉のごった煮というイメージだそうです。思えば人生なんて矛盾だらけ、人の胸の中もコトコト煮込んだごった煮のようなものですネ。

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    2012年08月20日
  • Cloud on the 空き家

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    ネタバレ

    40を超えて独り身のわか子は、定職につけず、唯一の肉親である兄も風呂で溺死をし、死ぬ所から物語ははじまる。兄の孤独を心配しているくだりがあるが、自分も、知人と呼べる人しかおらず、昔付き合っていた人も死に、ポツリポツリと亡くなっていく。和歌が好きという古風な趣味をもつ彼女だが、雇空き家管理のバイトに趣味の欄に書いた事がきっかけで、和歌に理解がある雇い主で、何とか受かり、空き家を掃除管理するのだが、ハエやドブネズミなどあまりの家の酷さに辞めたくなる。度々和歌が登場する。そんな中の雇用主のイケメンの甥だったか大学院生の子がその空き家を使いたいと訪れてから、わか子に芽生えた恋愛感情に、胸が痛くなった。

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    2025年08月21日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    純文学作家の発想
     ひとつづつ評していく。

     川上弘美。未来SF。
     発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。
     人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすためだらう)。そこでの恋愛。
     厳密にいへば、人間と他種ではゲノムの相補性が少ないからありえない。遺伝子組換かもしれない。まあそこは目をつむることにしても妙だ。
     未来でも入籍といふ制度は残ってゐる。人間に本能の性欲が残ってゐるんだらうけど。結婚しない人や、核家族がどうなったかも書いてない。
     妙にSFが現実路線のわりには

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    2024年10月10日
  • 百人一首

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    ずっと昔によまれた詩なのに、詩人の選ぶ言葉の一つ一つが新鮮さを連れてくるのがおもしろい。
    詩訳も良かったけれど、解説に見られる言葉の美しさや、どこをどう捉えて解釈したか、詩訳までの道筋を見られるところがまた良かった。

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    2024年07月28日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    百人一首について語った小池昌代さんの解説が、僕の感性ととても一致しており、自分の感じたことを解析もしてくれた。

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    2023年10月09日
  • この名作がわからない

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    ざっと読みのつもりが、案外面白くて一気読み。
    1章が一番面白かった。
    小池さんのおかげで、小谷野さんのうんちく語りも鼻につかずに読める。
    しかし対談が文字になると自分とは違う倫理や嗜好を面白がる人か、そもそも許容するキャパがない人か、という差がはっきり読み取れて興味深い。
    小池さんの深沢七郎愛がとても良かった!

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    2023年08月29日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    心に残るというものではないけれど 日頃あまり読まないようなファンタジー要素のある1冊で、実力のある作家さんたちが書いているものなので、文章的にも楽しめる。感動的とかではないけれど、たまには一味違ったものを読みたいという気分のときには良いと思う。

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    2026年01月12日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
    興味深く読んだ。
    もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。

    一作だけ、多和田葉子の漢字の話はすでに読んでいた。

    特に印象的だったのは、
    本谷由希子、迫力とリアリティと奇想天外で面白かった。
    村田沙耶香、細かく書き連ねて積み上げるのがうまい。
    吉田知子、多分この中で一番好きなタイプの作家。
    小池昌代、切れ味がよい。
    星野智幸、描写がうまい。

    というかんじ。
    編者は岸

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    2023年03月22日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    作家が翻訳した作品について、テクニックや翻訳きた際の感想などを書いた本。
    てっきり作品によって翻訳された作品がたくさん読めると思っていたのですが、おそらく講演会があった際の対談した内容がそのまま本になったような形です。
    作家さんの言葉でここが好き、難しいなど書かれていてそれはそれで面白かった。

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    2022年08月13日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    ネタバレ

    古事記 712年 天武天皇の命により  池澤夏樹
     神様の血縁関係
     歴史 神話 伝説 系譜 歌謡
     なる=勝手に生まれてきたもの
     ヤマトタケル 弱いものへの共感

    日本霊異記 平安初期 日本最古の仏教説話集 伊藤比呂美
     ブロークンな漢文
     性を書く博愛主義
     くながひ=杭を交える、つっかえる(婚、愛婚) とつぐ=戸を継ぐ(交通)
     
    竹取物語 平安前期  森見登美彦
     かぐや姫が地球に来た理由は不明  
     帝さえも拒否し、世の中のルールをすべて拒否して帰っていく

    宇治拾遺物語 鎌倉初期  町田康
     原曲を再現するのではなくカバー曲、メロディーもムードも変えない
     原文から聞こえてくる音

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    2022年08月18日
  • 恋愛詩集

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    一見何気ない日常風景を切り取ったように思える詩も、恋が始まる瞬間を捉えたものかも…と考えて読むとまた違った面白さがあります。筆者の思う様々な形の恋、それらを気軽に楽しむことができる一冊です。

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    2022年05月14日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    川上弘美さんの、愛した人の骨の話が、秀逸だった。自分には、強烈な作品もあったが、面白い企画だと思う。

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    2021年11月18日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛でも偏愛でもなく、変愛。変な愛の短編集。変だけど当人たちにとっては大真面目。
    幻想小説を読んでいるときみたいな、いつの間にか背後にこことは違う世界の気配がぶわっと広がって迷い込んでいくような没頭感を覚える作品が多め。
    一部文章が合わなくて読みづらい作品もあったけれど、そこを乗り越えたらすいすい読めた。
    形見…川上弘美さん
    梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる…吉田篤弘さん
    クエルボ…星野智幸さん
    あたりが好み。

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    2020年04月06日
  • この名作がわからない

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     小谷野氏の価値観の分かりやすさについては、よく理解できた。
     今まで、何故こういう評価をするのかと不思議だったから。
     まあ、そういうこともあるよなあってことに共感しないわけね。

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    2020年02月27日
  • この名作がわからない

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    いつもの小谷野節を受ける小池昌代が素晴らしく、このコンビで毎年文学賞批評をやってもらいたいと思った。

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    2020年01月05日
  • この名作がわからない

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    神は絶対助けてくれないとちゃんと言ったのは曽野綾子だけらしい。
    率直でものごとを誤魔化さない曽野綾子、小池女史も一度会ったことがあり、さらに好きになったらしい。

    私は具体的な策で助ける気は無いあげくに、祈るしか無いとか、祈りますね、なんて善人ヅラするクリスチャンが苦手である。

    様々な次元は混ぜないに限る。
    万事尽くして、天命を待つ。
    人間のスタンスは常にここにある。


    いわゆる名作とされている著名な一編を、
    本当かなぁ、そうかなぁ、と疑問を投げかける小谷野氏。
    名作なんだから!と頑張って良さを探求するも良し、
    こんなののどこが良いんだよ!と投げ捨てるも良し。
    一つの文学との関わり方の本。

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    2019年11月27日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    恋愛ではなく「変」愛を集めたアンソロジー。 
    どこへゆくやら全くわからない。
    予想も付かない展開、意味さえわからなくなるけれど、なぜか読むのを止められない引力。
    奇妙な、強烈な印象を残す読後感です。
    面白かった。

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    2018年08月16日
  • 恋愛詩集

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    恋のさまざま――はしがきにかえて

    I
    一目惚れ――ヴィスワヴァ・シンボルスカ 沼野充義 訳
    報告――宮澤賢治
    はい は楽しい いなかです――E・E・カミングズ 藤富保男 訳
    初恋★――吉原幸子
    「ニ」(あかしあは尽きないのに)――岸田衿子
    井戸のまわりで ヤニス・リッツォス――中井久夫 訳
    時こそ今は……――中原中也
    橋★――まど・みちお
    樹下の二人――高村光太郎
    わかれのかた★――江代 充
    ねむりねこと★――松井啓子
    夜の脣――大手拓次
    伝説★――会田綱雄

    II
    強い腕に抱かる――萩原朔太郎
    なめる/蛇★/未来★――谷川俊太郎
    プレゼント★――三角みづ紀
    とてもたのしいこと――伊藤比呂美

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    2017年01月28日
  • たまもの

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    40歳になる主人公の未婚の女性は、幼馴染で高校生の時に付き合ったことのある男性から、8ヶ月の男の子、山尾を預かった。程なくその父親は失踪。両親の協力を得ながら、1人で山尾を育て上げた10年間が書かれている。甘やかすでもなく、血の繋がらないことに引け目を感じさせるわけでもなく、随所に惜しみなく注がれる愛情をひしひしと感じられた。両親や付き合いのある男性に老いを感じる寂しさ。「順番は守れ」と山尾に言った一言が印象に残った。

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    2016年08月28日
  • 口訳万葉集/百人一首/新々百人一首

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    折口信夫の「万葉集」と小池昌代訳の「百人一首」
    はどちらも、少し難解というか、その良さがすべて理解
    できたわけではありませんが豪華な内容だったと
    思います。万葉集や百人一首をここまで深く読んだ
    ことは初めてかと思います。
    百人一首は、昔覚えた記憶があるのですが、割と
    忘れているもので、半分以下しか覚えていません。
    でも、かけ言葉や謎、背景、意味がここまで
    詳しく読めたのは初めてかもしれません。
    『新々百人一首』は中にはいい句もあるのでしょうが
    個人的に丸谷氏の旧態のかなづかいがどうしても
    気持ち悪くて、読む気になりません。
    なんで旧かなづかいをわざわざする必要があるので
    しょうか???
    現代の

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    2015年12月01日