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出会い、片恋、成就、激情、エロス、裏切り、別れ、追慕……。古今東西の詩人は、愛の諸相をいかにうたってきたのか。詩人・小池昌代独自の鑑賞眼で厳選された39篇が、どこかに置き忘れた感情を呼び覚ます。恋愛中の人はもちろん、そうでない人、ふだん詩になじみのない人にこそ読んでほしいアンソロジー。詩人略歴付き。
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Posted by ブクログ
一見何気ない日常風景を切り取ったように思える詩も、恋が始まる瞬間を捉えたものかも…と考えて読むとまた違った面白さがあります。筆者の思う様々な形の恋、それらを気軽に楽しむことができる一冊です。
恋のさまざま――はしがきにかえて I 一目惚れ――ヴィスワヴァ・シンボルスカ 沼野充義 訳 報告――宮澤賢治 はい は楽しい いなかです――E・E・カミングズ 藤富保男 訳 初恋★――吉原幸子 「ニ」(あかしあは尽きないのに)――岸田衿子 井戸のまわりで ヤニス・リッツォス――中井久夫 訳 時こそ...続きを読む今は……――中原中也 橋★――まど・みちお 樹下の二人――高村光太郎 わかれのかた★――江代 充 ねむりねこと★――松井啓子 夜の脣――大手拓次 伝説★――会田綱雄 II 強い腕に抱かる――萩原朔太郎 なめる/蛇★/未来★――谷川俊太郎 プレゼント★――三角みづ紀 とてもたのしいこと――伊藤比呂美 欲望――ピエール・ルイス 沓掛良彦 訳 無声慟哭――宮澤賢治 薔薇の内部★――リルケ 富士川英郎 訳 夜までは★/舌★――室生犀星 男について★――滝口雅子 住所――ソホラーブ・セペフリー 鈴木珠里 訳 娘に――シャロン・オールズ 江田孝臣 訳 かぜのなかのおかあさん――阪田寛夫 III 雷――林 芙美子 秋の犬――村野四郎 緑――左川ちか 住所とギョウザ――岩田 宏 おやすみスプーン★――正津 勉 夢――茨木のり子 沈黙II――ローゼ・アウスレンダー 加藤丈雄 訳 あけがたにくる人よ★――永瀬清子 貝殻骨――須藤洋平 布良海岸――高田敏子 そろばん/切符――中 勘助 遅い★――新藤涼子 好日――天野 忠 はる なつ あき ふゆ――大岡 信 恋の枝を燃やす――あとがきにかえて 〈付〉詩人略歴
『通勤電車で読む詩集』の続編です。 編者の小池さんは、「はしがきにかえて」で、 「恋するひとは狂気のひとだ。彼らの目は中心を失い虹色になって輝いている。うらやましいがおそろしい。それはもはや、尋常な状態ではないのだから。恋は事件でなく、事故なのだと思う。そんな彼らに恋歌のアンソロジーを薦めてみたとこ...続きを読むろで、読んでいる場合じゃないかもしれない。では恋歌を読むのは誰か。今日も明日も、一見恋とは程遠い現実のなかで、汚れにまみれながら生きている、わたしたちではなかろうか。(中略) これって恋愛詩?と思われるような作品も、ここにはさりげなく、混ぜてある。でもそれが、わたしの願う恋の姿だ。恋うとは遠いものに橋を渡すこと、そうだとしたら、詩のことばはみんな恋を生きている」と語られています。 前編と同じくすべての詩に小池さんの解説付きです。 私が好きだったものを挙げると 「一目惚れ」ヴィスワヴァ・シンボルスカ なんて素敵な詩!と思いました。 「報告」宮沢賢治 たった2行ですが、確かにりんとした風景です。 「樹下の二人」高村光太郎 あまりにも有名な詩ですね。 素晴らしいと思います。 「夜のくちびる」大手拓次 「未来」谷川俊太郎 佐野洋子さんに宛てられた詩ですね。 「プレゼント」三角みづ紀 三角みづ紀さんの作品は何作か読みましたが、私もこれに一番惹かれました。 「夢」茨木のり子 「プレゼント」 (前略) わたしたち 本当は おらんひとなのかもしれんけど それでも このひとが大好きだ その事実にこころを殴られ わたしは 不覚にも 泣いてしまう
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