小池昌代のレビュー一覧

  • たまもの

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    40歳になる主人公の未婚の女性は、幼馴染で高校生の時に付き合ったことのある男性から、8ヶ月の男の子、山尾を預かった。程なくその父親は失踪。両親の協力を得ながら、1人で山尾を育て上げた10年間が書かれている。甘やかすでもなく、血の繋がらないことに引け目を感じさせるわけでもなく、随所に惜しみなく注がれる愛情をひしひしと感じられた。両親や付き合いのある男性に老いを感じる寂しさ。「順番は守れ」と山尾に言った一言が印象に残った。

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    2016年08月28日
  • 口訳万葉集/百人一首/新々百人一首

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    折口信夫の「万葉集」と小池昌代訳の「百人一首」
    はどちらも、少し難解というか、その良さがすべて理解
    できたわけではありませんが豪華な内容だったと
    思います。万葉集や百人一首をここまで深く読んだ
    ことは初めてかと思います。
    百人一首は、昔覚えた記憶があるのですが、割と
    忘れているもので、半分以下しか覚えていません。
    でも、かけ言葉や謎、背景、意味がここまで
    詳しく読めたのは初めてかもしれません。
    『新々百人一首』は中にはいい句もあるのでしょうが
    個人的に丸谷氏の旧態のかなづかいがどうしても
    気持ち悪くて、読む気になりません。
    なんで旧かなづかいをわざわざする必要があるので
    しょうか???
    現代の

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    2015年12月01日
  • たまもの

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    幼なじみ男性の生まれたばかりの子ども山尾くんを生活費とともに未婚の女性がひとりで預かるがいっこうに引き取りにこないまま山尾は小学生になる。なかなか想像しがたい物語のスタートではありましたが、山尾くんは読書が好きな男の子で手がかからない様子であり、預かった方も、不規則な生活に落ち入りがちな校正の仕事からせんべい工場勤務に転職し、山尾くんと一緒にいる時間を確保するようなごく普通の配慮をした母親役でした。淡々とお話は進み、どちらもこの生活に不満がなく
    むしろ満たされた空気に包まれており、むしろこの先山尾くんが自立するときが来たら、ふたりの心のバランスが崩れてしまいそうに感じました。

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    2015年03月29日
  • たまもの

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    読売新聞の小泉今日子さんの書評を読んで読みたくなった。著者は詩人と知りうなずいた。装画も描かれたようだ。

    ある日突然山尾という一歳未満の子を渡される。不思議な名前と思ったが、百人一首の柿本人麻呂の「あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかもねむ」が由来。その山尾も11歳になった。最後に山尾がわたしに「なにびびっているのさ」と言う。

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    2015年01月15日
  • 悪事

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    8編の短編を一冊に纏めたもの。「悪事」というタイトルにピッタリの当たり屋を描いた作品もあるが、悪意・本人は意識していない心に沈殿した澱のようなものを感じる作品集。

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    2014年12月26日
  • たまもの

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    血のつながりなんてさほど関係ないのかもしれない。
    預かった男の子をこれほど愛情深く育てられるんだもの。

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    2014年11月02日
  • ことば汁

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    タイトルからして何やら淫靡な響きを持つ幻想的な短編集。非日常的なシーンに意外な小道具や人間模様が交わって官能的でさえある情緒を醸し出す。

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    2013年11月10日
  • ことば汁

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    2013/05/02
    濃密で官能的な短編集。
    ことば汁というタイトルがとてもよく合っていると思う。
    ピース又吉がオススメなのも納得。

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    2013年05月02日
  • ことば汁

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    感光生活がめちゃくちゃよかったので、読んでみた。ことば汁、ことばしる、ほとばしる…かなぁとか思いました。感光生活のほうが好きです。

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    2012年11月16日
  • ことば汁

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    ヴィレッジヴァンガードで、手にとった作品。
    本の帯は「ピース又吉」がコメントしていて、そのコメントと【ことば汁】というどろっとしたタイトルに魅せられて購入。
    6つの物語で構成されていて、どれも人間の欲望や欲求などが、艶めかしく・獣のように書かれている。
    個人的には【女房】と【つの】が好き。

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    2012年05月27日
  • ことば汁

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    一つのきっかけを元に狂って歪んでゆく物語集。
    妄想の毒々しさがタイトルに現れていると思います。
    「ことば汁」…タイトル買いでした。秀逸なタイトル。

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    2012年03月12日
  • ことば汁

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    嫌いじゃないけど、読み終わった後になんとも言えない淋しさだけが残る。
    女にとって歳をとることって、ただ辛いだけなの?
    大人のおとぎ話としては、なかなか面白い。

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    2012年03月09日
  • 感光生活

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    日常生活の中に立ち現れる新たな変容と、記憶のように甦る永遠の相…。「わたし」という謎の中心に生きて在る感触へむけて、深く降りてゆく15の短篇集。
    コイケマサヨという登場人物の周りで起こる不思議な物語の数々。エッセイのような味わいの短編集で、小池昌代が本格的に小説を書き始める前の作品らしいが、後の「狂気すれすれの作風」は既に感じられる。
    (C)

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    2010年05月29日