伊藤亜紗のレビュー一覧

  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    5人の理工学者の体を使った研究がどれも面白く役に立つ様子も素晴らしい。特に脳との関連が強く障害者や機能を失ってのリハビリなどへの貢献など、期待が高まる。
    お猿のしっぽを動かす実験は特に面白かったです。
    体が「できるようになる」ということの不思議さに魅せられました。

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    2023年06月08日
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?

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    会話体でするすると読め、吃音について知ることができる。対象読者を過信しすぎない難易度と分量に感心する。ひろく中学生に読んでもらおうと思ったらこの程度のゆるさが必要。難しすぎ盛り込みすぎの子ども向け本があふれている中、しっかりと子どもを見ている人が書いている(もしくは編集している)のだろうなと感じる。

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    2023年06月02日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    「できる」ということはどういうことなのか、科学的な視点から論じている本。

    五人の科学者へのインタビューをもとに、著者が考える「できる」論が書かれていて、興味深い話が盛りだくさんでした。

    ピアニストの脳と指と「できる」ということ、桑田真澄の投球コントロールから得られること、リアルタイムにコーチングする技術、(ついていないはずの)尻尾をコントロールできるようになる不思議、声を出さなくてもアレクサに指示を出せる?…。

    昔なら、ドラえもんがポケットから出してくれたようなテクノロジーが、今は現実のものとなっていて、脳と体の関係が少しずつわかっていく。そして、その技術が、障害のある人への助けになったりする。


    私は、伊藤亜紗さんの本を読むのはこれが初めてでした。
    以前にも、医療情報を発信しているお医者さん達の話題の中に幾つかの本が紹介されていて、気になっていました。

    これ1冊を読んだだけでも、いろいろな気付きをもらえたけれど、伊藤亜紗さんが伝えようとしてくれていることの一部しか受け取れていない気がする。


    なので、他の本も読んでみたいと思います。

    どんどん「読まなくちゃ」の本が増えていきますねー。
    頑張ろうー。
    (頑張る先に何かがあるわけではないけれどw)

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    2023年05月30日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    テクノロジーが身体の機能み拡大させていく。テクノロジーと身体反応との循環というかフィードバックがあるんですね。そのテクノロジーをどういう風に使っていくか、という発想も面白い。長嶋監督の指導の仕方も、意外と本質を捉えた指導かもしれませんね。変動の中の再現性。脳の可塑性。

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    2023年05月22日
  • 感性でよむ西洋美術

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    西洋美術の入門書と言っても良いんじゃないでしょうかね。

    実は、西洋絵画が好きで、コロナ禍前は、良く美術館に行っていました。コロナ禍になってからは、ちょっと足が遠のいていますが。

    美術館では、横にある解説を読みながら絵画を見るわけですが、やっぱりさぁ、それだと頭に入らないわけですよ。常日頃「あぁ、自分で分かっていればなぁ」と思っていたんですが、これで少しは時系列的に西洋絵画の歴史が整理できた気がします。

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    2023年03月21日
  • 感性でよむ西洋美術

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    巻頭に、本篇中で言及されている美術作品の写真が配されている。親切。内容の良さも合わせ、かなりお得な一冊。初っ端から示唆に富み、美術展ではつい解説に目が行ってしまう自分なんかは、ちょっと反省というか後悔もあったりして。今後の鑑賞に活かすべく、美術史とかそれぞれの特徴とか、いろいろ勉強になりました。下記は覚え書き。

    古代、神々→中世、キリスト教→近代、人間
    古代→実物を見て描く→遠近法
    ルネッサンス→バロック、つきつめると両者の感性を揺れ続けている美術史

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    2023年03月02日
  • 手の倫理

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    道徳の倫理の違いについて初めて考えたし本書を通して理解できた、パンチラインは沢山あったけど1番最後の章「不埒な手」でそれまで論じてきたことの根本をもう一度問い直そうとしているのが構造として面白かった、伴走ランナーや身体で感じるスポーツ観戦を実際に体験(体感?)してみたい

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    2023年02月18日
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?

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    100ページもない本なのに気づきがたくさん。やはりちくまのこのシリーズは良いですね。おすすめ本も面白そう。

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    2023年02月11日
  • 感性でよむ西洋美術

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    ルネサンス、バロック、モダニズム、キュビズム、抽象画まで、人同士を比較して見ていくので、違いが分かりやすく、面白かった。

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    2023年02月09日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。
    御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。

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    2023年01月20日
  • 「利他」とは何か

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    中3生の模試の国語で、伊藤亜紗さんの『「うつわ」的利他』の一部が題材として出題されていて、興味をもったので読んでみました。
    「利他」は「偽善」「自己満足」「押しつけ」と紙一重で、特にネットではそんな言葉で全く関係のない赤の他人から揶揄されたり非難されたりする可能性もあって、最近はうっかり親切な行動もとれないような雰囲気があったりもします。だいたい、「偽善」「自己満足」「押しつけ」をすり抜ける「利他」ってどんなものなんだろう。そんな思いがありました。
    伊藤亜紗さんの章は読みやすく分かりやすかったですが、いちばん面白く興味深く読めたのは中島岳志さんの『利他はどこからやってくるのか』でした。志賀直哉の『小僧の神様』、チェーホフの『かき』、モースの『贈与論』に出てくる様々な贈与に関する慣習、「ありがとう」への違和感の話…ポロポロと目から鱗が落ちていく…「ふと」とか「思わず」とか、そういう「オートマティカルなもの」に動かされる。きっとそうなんだろうと思いました。
    國分功一郎さんの『中動態から考える利他ー責任と「帰責性」』は非常に難しくて、十分に理解できたとは思えていませんが、ここで述べられている「神的因果性」というのは中島さんの章で出てきた「オートマティカルなもの」と同じようなものかな、ととらえると少し分かる気がします。「中動態」については以前別のところで読んで、「そんな態があるのか!」と驚いたのを覚えています。自分の中で何かが動く状態を指す態。こんなことを思いつくなんて、学者さんて本当に本当に頭がいいんだなあ。

    「しよう」と思って善いことをするのも、いいことには違いないけれど、「思わずしちゃった」的にできればよりいいのかな。

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    2022年12月15日
  • 「利他」とは何か

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    以前に『借りの哲学』を読んだので、恩を受けると負債の考えが生じるというのは何となく理解してました。利他は自己満足を満たすため、というのも。震災で炊き出しをしていた某有名人に対して「偽善」、「売名か?」というコメントを思い出します。

    思いやりに満ちた世界の方が良いに決まっていても、なかなか利他には難しい側面があるのは事実です。個人の意識に対する小さい時からの教育と社会の制度、インフラ設備など、みんなが意識しないほど社会の仕組みに溶け込ませることが大事だと本書を読んであらためて思いました。

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    2022年11月27日
  • 手の倫理

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    触覚を通じたコミュニケーションは「距離ゼロ」ではなく、相手の内面にふれる「距離マイナス」なのだという考え方。
    今までそこまで考えてしてたわけじゃないけど、コロナ禍で「握手」が気軽なものではなくなったことで変わる人間関係もあるのかなーとか思ったりもした。

    一方的な「さわる」と相互的な「ふれる」
    ただ発信するだけの「伝達モード」とやり取りを重ねる「生成モードのコミュニケーション」
    後者を正解とするのが「道徳的」な態度なのだろうけど、必ずしも一方的な発信が悪ではないのが現実。
    今はどちらの態度でふれれば、あるいはさわれば良いのか考えるのが倫理というもの。

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    2022年11月15日
  • 「利他」とは何か

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    ネタバレ

    「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おすすめ。

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    2022年10月20日
  • 「利他」とは何か

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    ネタバレ

    利他: うつわになること。意図的な行為ではなく人知を超えたオートマティカルなものであり、そこに利他が宿る。

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    2022年09月13日
  • 手の倫理

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    社会構成主義的な言語によって意味が社会的に構成されているという考えには、なるほどと共感するところが多いのだが、素朴な疑問として、身体性とか、倫理性とか、スピリチュアリティとかをどう考えるのかというのは、もやもやする。

    まあ、「そういうものは社会的構成だ」的な説明もあったりするのだが、普通に考えてそうとも言い切れないないだろうと思う。

    哲学ではなくて、人と現実的に関係しあうなかでは、そのあたりはなしにはできない。

    この本は、基本、哲学なのだが、そういうリアリティとの関係を身近な体験を踏まえながら、少しづつ手探りで前に進めていく感じがよい。

    いろいろな話しがでたところで、明確な答えに辿り着くわけではないのだが、その辺りもまた触覚的でいいかな。

    やはり、身体というのがあって、そして他者の身体があって、その関係から生まれてくるなにか?そこは言語やロジックだけではなくて、こうやって、すこしづつ近づいていくということが大事なんだろうと思う。

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    2022年07月14日
  • 手の倫理

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    他者へのかかわりについて深く考えさせられた。とても分かりやすく触覚を色んな点から考察していて、触覚の素晴らしさも感じた。

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    2022年03月30日
  • とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡

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    東工大ではここ10年くらいをかけ、「リベラルアーツ」の名のもと、理工系の学生たちに文系的な知を体得してもらう取り組みをしている。本書はその取り組みを中心的に推進してきた池上、上田、伊藤3氏によるもの。各氏の論稿と鼎談を収載している。
    自分も含め、文系の人々は理系からっきしって人けっこういるけど、社会に生きたり本読んだりしながら生きている以上、いくら苦手意識をもっていたとしても理系の人のほうが文系分野を取り込みやすいだろう。そして理系の人が文系の素養(リベラルアーツ)を手にすればよりよい世のなかがつくりやすいような気がする。たとえば、科学技術を純粋に探究しているうちに核兵器ができちゃうようなことがあるとして、リベラルアーツや人間の根幹に関する知があれば、倫理的にすべきでないことを止めるなり逡巡するなりといったことができるのではないだろうか。
    著者3氏を中心とした東工大での取り組みの様子(特に上田氏執筆の章)は非常に読みごたえがあった。リベラルアーツという新たな方向性(実は東工大のそもそものお家芸だったのだけど)に向かうにあたり、周囲の反対や非難を受けながらも一歩ずつ進めていった軌跡は、いわばリベラルアーツ的な知をもって、東工大にリベラルアーツを植えつけた実践例ともいえるのではないだろうか。
    とはいえ、やっぱり「いい大学」だからできたんだろうなとも思う。学生集めや経営に必死な大学では、とてもこんな時間と余裕をかけた取り組みはできないだろうな。
    ついでにちょっと批判めいたことを書くと、リベラルアーツの取り組みは「とがったリーダー」を輩出するためのようだけど、リーダーってとがっているほうがいいんだろうかとまず思う。もちろん、とがったリーダーが必要な場もあるだろうけど、そうじゃないタイプのリーダーが最適な場もあると思うから。
    さらにいえば、リベラルアーツがリーダー育成と結びつけられているのもちょっと疑問。東工大という「いい大学」の自負として、歯車になる人でなくリーダーになる人を育てるんだっていう意識(エリート意識的なもの)が見え隠れする……と思ってしまうのはひがみだろうか。リベラルアーツが生きるための知だとすれば、それはリーダであろうとなかろうと身に着けるべきことなのでは。

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    2022年02月26日
  • ヴァレリー 芸術と身体の哲学

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    自分が所有している機能以上の機能を引き出し知覚する行為としての詩に対しての考察はとても興味深かった。ヴァレリーの詩やテクストを全く読んでいない状態で読んだが十分に楽しめた。

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    2022年01月02日
  • 手の倫理

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    視覚によるコミュニケーション、言語によるコミュニケーションよりも、もしかしたら、さわるとかふれる、接触面のコミュニケーションの方が相手を理解できる場合もある。信頼や愛がなければ成り立たないコミュニケーションだから

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    2021年12月10日