伊藤亜紗のレビュー一覧

  • 手の倫理

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    今日の世の中を覆っている合理性や生産性という価値観は違う、ふれることを通じて得られる非合理で生々しい感覚に価値を見出そうとしている。今日に必要な思想だと思った。

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    2022年02月15日
  • 手の倫理

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    人が人にさわる/ふれるときの交流、スポートや介助などさまざな関わりの場面で触覚がもたらす
    コミニュケーションや人間関係の可能性について綴られています。
    全体的に哲学的な内容ですがそもそもの「さわる」と「ふれる」、「道徳」と「倫理」の違いなど
    テーマに深入りするワードに関する説明がとてもわかりやすくより興味をそそられました。
    触覚は視覚に比べて情報を得るために要する時間が長く、繊細に扱わないと信頼関係を損なう可能性も大きい。
    それでも相手とのより深い相互理解を得るための「ふれる」ことの重要性にとても納得がいきました。
    人との関わり合いなど見つめ直したくなる一冊でした。
    内容の割に文

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    2022年01月23日
  • 手の倫理

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    ーー信頼があるところにだけ、メッセージは伝わっていくのです(p.165)

    コミュニケーション論としても、教育論としても、演劇論としても読むことができる本。
    「手」という「距離ゼロ」のメディアを通じて、私たちは「生成モード」のコミュニケーションを行なっている。当たり前のことを改めて言葉におこしてもらうことで、今、自分やその周囲の人たちに何が欠けていて、何が可能なのか、何が起きているのかを、今までとは違った視点で捉え直すことができた。
    また、ブラインドランナーの方と伴奏者の方の言葉が印象深い。

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    2022年01月20日
  • 手の倫理

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    ふれる、と、さわる、にはじまり、手を介したコミュニケーションや、未だコトバに至らない思いがダイレクトに伝わる感覚などを、様々な事例や筆者自身の体験から、丁寧に言葉を連ね、分析されています。
    そのありありとした感触や、相手に委ね、相手からも委ねられる感じが、言葉による思考、分析、コミュニケーションとはまた違ったありようを示されていて、そのようなふれ合いの持つ可能性を感じさせてくれました。

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    2021年11月16日
  • 手の倫理

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    親鸞会などのいう難度海よりも、小舟にすがる生き方のほうがいいと思っていた。つまり、道徳で安らぎを得るよりも、その場その場を悩み、オロオロする倫理がいいと改めて思わせてくれた。

    それから、する対されるの関係でなく、お互いにあるというのも、J哲学を超えて、西田幾多郎の主客不分離を思わせた。

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    2021年10月09日
  • 手の倫理

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    筆者の論考の基になるのが視覚障害者との(触覚による)コミュニケーションなのだが、そこから触覚によるコミュケーションの要素をキーワード(伝達モードと生成モード、共鳴、などなど)として抽出していく様が鮮やかで、とても面白い。

    最終章では触覚の「不埒」で扇情的な側面(触覚のその素晴らしい特性から、思ってもみない欲望や衝動が掻き立てられてしまう。セックスの翌日に入浴介助をすれば不快な重なりが生まれることもある)にも触れる。

    ただそれは決して不道徳なことではなく、普遍的な善を追求する「道徳」を相対化し、むしろ現実的な場面に即し、悩みや葛藤を伴い、そしてより創造的な、「倫理」の世界に近づいていくものだ

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    2021年08月29日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

    購入済み

    Want to repeat!

    I really loved each stories in this book. I have a father who has been blind for long time and this noted me that how "I" should see his vision and his life as if I was him. I will definitely go back to read again because I did not get many points and would love to read it again to get mor

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    2020年11月06日
  • 感性でよむ西洋美術

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    説明してもらわないと、素人は気付かないことがたくさんあった。
    機会がある時、ここで教えてもらった視点で絵画を観てみようと思う

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    2026年01月17日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    昔、バイオフィードバックについて知った時、
    これはすごいと思った。
    肩こりする人が肩こりしにくい姿勢を学習できたり、
    骨盤底筋を鍛えて尿漏れしなくなったり、
    下腹に適度に力を入れてぽっこりしなくなったり、
    いろいろ出来るんじゃないかと思ったのに。
    主にリハビリに使われているらしくて、
    一般の人が気軽に使える技術になってないのは
    どうして?

    ちえっ。
    と思っていたら、それ以上の技術がわんさと出ていてたまげた。
    上手に出来る自分のお手本があると、
    上達が早いらしい。
    私でも早く走れる様になったり、
    ドッジボールで早い球投げられる様になったり、
    踊れたり、内股が直ったりする?

    ウィスパーボイスを

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    2026年01月09日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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    ネタバレ

    耳で見て目できき鼻でものくうて口で嗅がねば神は判らず
    出口おにさぶろう

    対話についての読書会に、オンラインで参加した。知らないおじさんが熊谷晋一郎と伊藤あさの話をしていた。恥ずかしながら読んでなかったので即購入したのがこの本。

    障害については大学でもすこし学び、自分なりにある程度理解しているつもり。たが、まだまだだなと感じた。障害者が障害者なりに人生楽しんでいるのは知ってたけど、その一歩先に進んで、そのユーモアセンスにも注目している。
    見えないからこそできる美術鑑賞。見えない人の空間認識。見えることで帰って現実が制限されているように、感じた。
    もし、自分が見えなくなっても、前向きに笑いに変

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    2025年12月30日
  • 手の倫理

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    触覚や「手」を用いたコミュニケーションに関しての本

    「さわる」と「ふれる」の違い

    「さわる」が一方的な物理接触を表すのに対し
    「ふれる」は、触れられる方の受容が必要で、安心と信頼によるもの
    また、双方向性があり、コミュニケーションとしても成り立つ行為
    ゼロ距離の先、マイナス距離として内部の情報まで知ることができる可能性を持つ

    タイトルの「倫理」という単語の意味
    「道徳」は「こうあるべきという概念」
    「倫理」は道徳を前提にしつつも、ケースによって個別に悩み考え導き出す個人の最善手


    タッチレスの時代
    新型コロナ禍を経て、感染予防の観点から接触の忌避、またはハラスメント予防のためのタッチレ

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    2025年12月16日
  • ヴァレリー 芸術と身体の哲学

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    本書は「詩」がいかにして身体(観者)に作用するかと言う事を通じて、芸術一般についての「装置としての機能」を独自の視点で解説した文章である。

    ヴァレリーが語る「装置」とは、おそらく「詩」ないしは、芸術表現における表現が、鑑賞者にいかに作用するか、または作用させる効果を持てるか、と言う問いが主な命題であっただろう。

    いわゆる「芸術」と称される学問において、世間一般的な感覚からすると、かなり主観性が強く、尚且つ精神論やスピリチュアルを想起させるのではないだろうか。しかし、本書では「芸術」(詩作)というものがいかにして鑑賞者に作用し、「効果」を持っているのか、と言う事が名言されている。芸術における

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    2025年12月11日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    面白い。興味深い。こんな研究してるところがあるんだ!ワクワクする。そんな一冊。
    エクソスケルトンで弾き方を体験すると、その後外したあとも複雑な弾き方ができるようになっているのは、凄い。意識が体を縛っていると、体は意識以上のことができない。しかし、目的を意識しないと、体はそれを目指して動けない。そのジレンマを、エクソスケルトンをつけることによって、自分自身が意識している以上のことを体に体験させる。すごいなぁ…
    桑田選手の投球フォームを調べると毎回ブレがある。たけど、回転とか投げる方向とかの目的は的確に達成している。選手自身は全く同じフォームで投げているつもりでも、そういう事が起こる。

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    2025年12月02日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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    目が見えないと指先の感覚が異常に鋭くて嗅覚で何でもわかっちゃう、みたいな先入観を気持ちよく訂正してくれる。ある、ない、ではなく違う2つのものがありそれをフラットに見て感じることができるのが理想だなと感じた。視覚に頼りすぎている自覚をし、電車で目を閉じて足裏の感覚に集中してみた。わくわくする本だった。

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    2025年11月30日
  • 手の倫理

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    数年前から気になっていたけど、
    リアル書店ではなかなかお目にかかれなかったこちら。
    なんといつもの工夫舎さんに
    「ありますよ」
    と、難なく言われてようやく購入。
    講談社選書メチエの本自体はじめてだ〜。

    ざっくり言うと、触覚のお話。

    普段、私たちは何かを認知する時、
    視覚に頼ることが多い。
    対象物と距離をとることにより、安全に観察することができる。
    古代から認知の方法として、最も尊ばれたのが、視覚、次に聴覚。
    嗅覚、味覚がさらにその下、触覚は1番低級な感覚として捉えられていたんだそうだ。低級かどうかはわからないけど、確かに何かを認知する時、「触る」ことが1番ハードルが高い(低級からのこの言い

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    2025年11月30日
  • 手の倫理

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    「さわる」と「ふれる」。その似て非なる言葉。ケアすることが日常の私も、よく分かる感覚。さわることは医学的であり、ふれるはケア的。同じ手が触れ合うということでも、こちらの気持ちは相手に伝わっていると感じるし、自分でも触られた、ふれられる、は大きく違うし、言われなくても体で分かってしまうもの。
    とても興味深く読んだ。ただ、最後の入浴介助の話はちょっと疑問。介助者は裸になる必要はないし、洋服を着ている、濡れないように防御している(防水エプロンをつけるなど)ことで、ケアの提供だとより認識するのでは、と思う。私の知らない入浴介助で服を脱いでする場合もあるのだろうか。ただ、触覚は本人の自覚以上に体が勝手に

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    2025年11月17日
  • 「利他」とは何か

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    「贈与」や「利他」がタイトルに含まれる本が増えていますね。

    現代に生きる私たちは、交換や利己によっぽど疲れているのでしょうか。

    ただ「贈与」や「利他」に漂う胡散臭さがあるのも事実。

    結局人間は純粋に利他的には生きられないのではないか。

    最近、私の考えていたことです。

    この本を読んで、その考えは合っていると感じるとともに、
    利他は意図せずしっかりと存在することも実感できました。

    それは自分という器を誠実に生きるということ。

    自分が全力になれることを全力でやることが、人類の歴史や系譜に奉仕することになるという作家・磯﨑憲一郎さんの言葉は、私たちの迷いを幾分和らげてくれるのではないでし

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    2025年11月13日
  • 「利他」とは何か

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    「利他」に偽善的なものを感じつつも、必要なものだよなあという気持ちもあり、興味のあるテーマなので読んでみた。
    正直3章以降は難しすぎたのだけれど、伊藤亜沙さん、中島岳志さんの文章に、何度も視野を広げてもらった。以下、特に印象的だった部分のメモ。

    伊藤亜沙さんの文章では、効果的利他主義という考え方を知った。徹底的な「評価と比較」をして行う利他だ。
    例えば、他者のために働きたいと考える若者が、限られた給料のNPOに就職したりせずに、ウォール街でお金を稼いで寄付する方を選ぶというような考え方となる。
    利他の原理を「共感」にしないのが目的らしい。共感によって行う利他では、ふだん出会うことのない遠い国

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    2025年10月10日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    体の無限の可能性×テクノロジー。人間は自分の体を使いこなせてないっていうけど、科学や機械と通じるとこんなにもできることが増えるんだな
    と驚いた。きっとこれからもどんどんテクノロジーが発展していって、人の活動を豊かにしていくんだろうなと思いました。とりあえず介護や看護の場面で何か職者も患者も楽に生活できる物ができたら嬉しいね…。

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    2025年09月13日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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    ネタバレ

    これも脳の多様性なんだろうなーと思いながら、

    目の見えない人に焦点を当てるすることで、そのおもしろさをあらためて感じました。

    本書はとても読みやすく、空間、感覚、運動、言葉、ユーモアの5テーマから、著者が5人の今は目の見えない方々とのやり取りなどを通して気づきを受けた言動などを組み合わせ、見えない人が世界をどのように見ているかを、考えていく作品になっています。

    とくに現代社会のさまざまな事柄が、視覚に偏重気味であることにも気づかされ、だからこそ、目が見えない場合を想像したり、目の見えない人の脳や身体のつくりを学ぶことは、普段の当たり前の世界を相対化させるための触媒になるのですね。

    言葉

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    2025年07月22日