伊藤亜紗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ずっと以前から、私が求めていたものは利他だったんだなぁとわかった。
小さい頃から「意志が弱い」ことがコンプレックスだったけど、むしろその「余白」が私には力になっていたのかもしれない。
状況に身を置き、そこから生まれる力にほだされて、気づいたら動いてしまってきた。
「そうやって仕事増やして、自縄自縛してる」
これも真実だろうけど、それは「だから私はダメなんだ。バカ」ということに帰するのではない。
そもそも、状況に流されてまとまりがつかなくなったという物語の帰結で私をマイナス評価する必要なんてないのに、そういう気持ちにさせられてしまうのはなぜなのか。
他者から受ける評価への恐れ、かな。
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Posted by ブクログ
〈自分の体の感覚を言葉にする〉
『どもる体』『目の見えない人は世界をどう見ているのか』などを執筆し、本人も吃音当事者である筆者による、「吃音」を例にしながら体と世界の関わり方について記した一冊。
そもそも「吃音」とは、しゃべろうとしたときに同じ音を連続して言ってしまったり、言葉につまったりする症状のことです。「どもり」とも言われています。
第1章で筆者は、自分の「体」というものは「思い通りにならないもの」だと言っています。
どんな顔になるのか、どんな運動が得意なのか、どんな障害を抱えるのかなど。化粧、美容整形、トレーニングなどで理想に近づくことは可能ですが、思ったままにすることは不可能です -
Posted by ブクログ
中学生、高校生を対象にしたシリーズだが、大人が読んでも考えさせられる1冊。
「自分の身体は思い通りにならない」ということを考える内容。前半では著者自身の経験を中心に、吃音について説明されている。同じ音を繰り返す「連発」、言葉が出てこない「難発」の状態について語りながら、そんな身体とどう付き合うのかという視点で考える。吃音についての知識が自分になかったのもあるが、「言い換え」をするという回避法があるということ、しかし、言い換えをすることで自分のアイデンティティに影響が出る、と考える人もいるということが非常に興味深かった。
後半、最後の2章は「言葉を獲得しよう」と言い、自分の身体のままらならなさに -
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人が人にさわる/ふれるときの交流、スポートや介助などさまざな関わりの場面で触覚がもたらす
コミニュケーションや人間関係の可能性について綴られています。
全体的に哲学的な内容ですがそもそもの「さわる」と「ふれる」、「道徳」と「倫理」の違いなど
テーマに深入りするワードに関する説明がとてもわかりやすくより興味をそそられました。
触覚は視覚に比べて情報を得るために要する時間が長く、繊細に扱わないと信頼関係を損なう可能性も大きい。
それでも相手とのより深い相互理解を得るための「ふれる」ことの重要性にとても納得がいきました。
人との関わり合いなど見つめ直したくなる一冊でした。
内容の割に文 -
Posted by ブクログ
筆者の論考の基になるのが視覚障害者との(触覚による)コミュニケーションなのだが、そこから触覚によるコミュケーションの要素をキーワード(伝達モードと生成モード、共鳴、などなど)として抽出していく様が鮮やかで、とても面白い。
最終章では触覚の「不埒」で扇情的な側面(触覚のその素晴らしい特性から、思ってもみない欲望や衝動が掻き立てられてしまう。セックスの翌日に入浴介助をすれば不快な重なりが生まれることもある)にも触れる。
ただそれは決して不道徳なことではなく、普遍的な善を追求する「道徳」を相対化し、むしろ現実的な場面に即し、悩みや葛藤を伴い、そしてより創造的な、「倫理」の世界に近づいていくものだ -
購入済み
Want to repeat!
I really loved each stories in this book. I have a father who has been blind for long time and this noted me that how "I" should see his vision and his life as if I was him. I will definitely go back to read again because I did not get many points and would love to read it again to get mor
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Posted by ブクログ
自分の体に何かしらの不具合を抱えている11人の話。摂食障害、ALS、PEM…色々な人達が登場するけれど、驚いたのは伊藤亜紗さんのインタビューの切り込み方が思いの外、ストレートだったところ。気になったとしても、なんとなく触れにくい事を率直に聞いていて、逆に相手も話しやすくなるのかもと思った。
自分の体でありながら、自由にならない体。この不自由さを様々な工夫や気持ちの持ちようで、なんとかしている。皆さん、明るさが感じられるところもあったりして、ただただすごいなと思ってしまった。
自分で自分の体の居場所をつくる。健康であることに感謝しつつ、不具合があるところも折り合いをつけて付き合っていく。状況に関 -
Posted by ブクログ
全盲の人と言えば、まず私は「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」の白鳥さんを思い浮かべるので、この本にも登場されて、前掲の本を読んだ時の衝撃を思い出した。
そしてこの本でも数々の驚きがあった。
大岡山、富士山、月などは目の見えない人の方が本当の状態を認識されていて、えーっとなった。
「見えない人には死角がない」というのも、すごいこと教えてもらったという感じ。
点字の認識も変わった。
筆者の「障害者」に対する考え方は、すぐには100%納得できないものもあり、自分で改めて考えたい。
「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」はぜひ行ってみたい。