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私たちは日々、五感――視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚――からたくさんの情報を得て生きている。中でも視覚は特権的な位置を占め、人間が外界から得る情報の8~9割は視覚に由来すると言われている。では、私たちが最も頼っている視覚という感覚を取り除いてみると、身体は、そして世界の捉え方はどうなるのか――? 視覚障害者との対話から、〈見る〉ことそのものを問い直す、新しい身体論。生物学者・福岡伸一氏推薦。
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Posted by ブクログ
目の見えない人に出会ったら、自然と「大丈夫かな」「手を貸した方がいいかな」と思ってしまう。実はそれって「いらぬお節介!」だったのかも? 目の見えない人の見ている世界を「空間」「感覚」「運動」「言葉」「ユーモア」から解説。 想像するには限界がある世界を、とにかくわかりやすく説明してもらえて目からウロ...続きを読むコでした。 見える私たちも実はいろいろな器官を使っているらしい。でも視覚による情報はとにかく強烈。そうなると視覚に頼りがちになり、だからこそ見えない事に対する不便さも強く感じるんでしょうね。 見えない人たちは視覚にとらわれず、あらゆる器官を使って軽やかに生活している。 見える人よりむしろ視野は広く、なんなら「死角」もないから、かなりダイナミックな世界を見ているようです。 夜停電したって平気だし…「目明きとは不便なものよ」うー、確かに! 特に「ユーモア」の章はグッときました。これは視覚だけでなく、あらゆる不自由さをヒラリとかわしていく術ですよね。 目が見える見えないに関わらず、困っていたら助ける・助けてもらう。お互い過剰に気を使わず、補い合って仲良くできたら…。読んでよかったです。
価値観が変わった。見えている側が優位でスタンダードという勘違いに気づけた。今の世の中が相手のことを考えてるようで実は外面だけのように見えた。これからは自分視点でモノを考えずに相手を含めたダブルスタンダードのなかで色々な人と繋がっていこうと思う。
これまでの既成概念を根底から覆してくれた。とても興味深く、人に話したくなる内容。福祉ではなく、研究対象として中立的な立場で論じているのもとても良かった。世界が広がるきっかけになった。
「見えない」は欠如ではなく、もう一つの豊かな世界の形。 介護の現場に関わってきましたが、本書を読んで、 自分がどれほど「健常者の尺度」で相手を推し量っていたかに気づかされ、 ハッとしました。 「目が見えない」という状態を、光を失った不自由な状態と捉えるのではなく、 視覚以外の感覚を研ぎ澄ませた、...続きを読む全く別の「体の使い方の流儀」として描き出す著者の視点。 そこには、同情ではない、他者への真の敬意が流れています。 特に印象的なのは、見えない人が空間を「点」や「線」ではなく、 独自の感覚で立体的に捉えているというエピソードです。 私たちはつい「助けてあげなければ」という一方的な思いに駆られがちですが、 彼らの体の内側にある論理を知ることで、 真の意味での「寄り添い」とは何かを考えさせられます。 専門職としてのスキルの前に、 まず「人間としての想像力」を豊かにしてくれる一冊です。 ケアに携わる人はもちろん、自分とは異なる世界を生きる他者を、 より深く、温かく理解したいと願うすべての人におすすめしたい名著です。
この本は面白いです。 目の見えない人が、健常者と同じようなことができたり、目の見える人には感知できないような能力を発揮する姿を見ると、「すごい!」という言葉が出てしまいます。しかし、「すごい!」という驚嘆の背後には、見えない人を劣った存在と見なす蔑みの目線がある。「すごい」は単なる「すごい」ではなく...続きを読むて、実は「見えないのにすごい」ということなのです。 この本は「すごい!」ではなく「面白い!」、「へえ、そんなやり方もあるのか!」というヒラメキを得たような感触を提示してくれます。 私はこの本を見つけた時、見える人が使っているものを使わず、見える人が使っていないものを知ることで、体の潜在的な可能性を示唆してくれるのではないかと思い、手に取りました。 読んでみると、体の使い方の可能性だけではなくて、見えない世界をどのように構築して、世の中を渡っているのか、見えている自分にはスルーしていた柔軟な世界があるのだと思いました。 健常者と障害者が、「面白い」の立場にたつことで、今よりもっと見えない人に寄り添って、お互いの違いについて、理解を深めあって、対等な立場になれるような気がします。
今年に入って3ヶ月で30冊ほど本を読みましたが、その中でも三本指に入るほど面白く著書でした。 本書の個人的に至言だと感じたのは「視覚がないから死角がない」という言葉。 「我々」は視覚という五感の中でもとりわけ多くの情報を取得可能な感覚に如何に依存しているか。 内容の興味深さも然ることながら、著...続きを読む者の言葉の紡ぎ方がとても素敵で温かい気持ちになりました。
生物学から美学に転向した東工大准教授が、視覚障害者と関わって得た、見ることや障害ということについての考察 とてもわかりやすい日本語で書かれているが、その内容は今までにない概念のものが多くく、多分野にまたがる 著者がご自身の略歴から書かれているが、珍しく興味深い視点である 3本脚の椅子は4本脚の椅...続きを読む子の脚が1つ無いものではないといった椅子の例えや、 「違いをなくそうとするのではなく、違いを生かしたり楽しんだりする知恵の方が大切である場合も」という考え方は、障害者に対する考え方を改めさせてくれる 早速、ソーシャルビューイングを探して申し込んでみた 「『思い通りにならなくてはダメだ』『コントロールしよう』という気持ちさえなければ、楽しめるんじゃないかな」と、情報の欠如を、だからこそ生まれる意味によってひっくり返すとは凄まじい
・見えないことは、欠陥ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること。 ・「意味」とは「情報」が具体的な文脈に置かれたときに生じる。 ・見える人が見えない人にとる態度は、情報ベースになり勝ち。 そこに意味ベースの関わりも追加していきたい。 ・人は、物理的な空間を歩きながら、実は脳内に作り上げたイメ...続きを読むージの中を歩いている。 ・私が情報を使っているのか、情報が私を使っているのか。 ・人は世界を捉えるように、世界を創る。 ・3次元を2次元化するのは視覚の特徴。 ・平面性は文化的イメージによって補強される。 木星と、月。 ・人は「過去のもの」を使って目の前の対象を見る。 ・見えない人は空間を空間として認識している。 ・視覚がないから死覚がない。 ・見えない人は、物事のあり方を「自分にとってどう見えるか」でなく「諸部分の関係が客観的にどうなっているか」で把握する。すなわち、この客観性が、見えない人特有の3次元的理解のもと。 ・表と裏、内と外も等価に見る。 ・「面白い」の立場に立つことで、お互いの違いについて対等に語り合える。 ・想像できると、それをもとにお互いを比較できるようになる。 ・鑑賞とは自分で作品を作り直すということ。 ・自分の体に合わないデザインやサービスをナナメに見てみる。 ・マゾヒズムとユーモアは密接な関係がある。 ・自分という存在から距離を取るのがユーモアの基本。
ずっと気になっていた本。 障害があることはイコールマイナスではない。それは健常者の発想というところに、まずハッとした。障害者と聞くと、うっかり不自由な人、できない人というイメージを抱きがちで、だからこそ周囲がサポートしなければいけないものと思ってしまう。 でも彼らには彼らにとっての世界があり、身体が...続きを読むあり、見え方がある。 五感についての記述がとても良かった。普段の自分の感覚の使い方、体の使い方を見直すと、気が付かなかったことにたくさん気がつけた気がする。
点字識字率が一割程度しかないこと 触るということのセンシティブさ 足の感覚の重要性 回転寿司やレトルトパック、自動販売機は何かよくわからないから運試しのような感じ 見るということは取捨選択がある、例えば裏側が見えなかったりする 見えないことによって全体をよりリアルな形で理解することもある 思ってた...続きを読むのと違うっていうのがたくさん
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伊藤亜紗
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