【感想・ネタバレ】目の見えない人は世界をどう見ているのかのレビュー

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社会モデル(「障害が問題なのではなく、障害があることで抱える不自由を解決できない社会が問題なのだ」という考え方)がとてもよく理解できる名著だった

僕たちの社会は多様性とか言いながら、マジョリティの視点を捨て切れていないんだ

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2024年01月25日

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本川達雄「ゾウの時間ネズミの時間」
時間感覚は生き物ののサイズによって違う。ゾウにとっての一秒はあ、にも満たないかもしれないが、アリにとっての一秒はあーっというふうに長い。時計のような絶対的な時間は本当はないものであって、個々の生きもののサイズに対応した主観的な時間があるのみである。
足りない部分を想像力で補って、さまざまな生き物の時間軸を頭に描きながら、他の生き物と付き合っていくのが、地球を支配し始めたヒトの責任ではないか。この想像力を啓発するのが動物学者の大切な仕事だろうと私は思っている。(138項)
フランス語ジュヌセクワ(je ne sais quoi)いわく言い難いもの。例えばモテる人の魅力のように、感じ取る事はできるけど、言葉にしにくいもの。分からなぃのではなく、分かってはいるんだけど、言葉にできないもの。
美学は、要はこのジュヌセクワに言葉でもって立ち向かっていく学問。痒いところに手を届かせようとする学問。
同じ空間でも視点によって見え方が全く異なります。同じ部屋でも上座からと下座から。ノミの視点で床から見たり、ハエの視点で天井から見下ろしたら、全く違う視点が広がっているはず。私たちが体を持っている限り、一度に複数の視点を持つことはできません。
耳で見て目で生生端で物空手口で書かねば上をわからず。出口鬼三郎
ダイアログインザダーク
自立とは依存先を増やすことである。自立と言うと、依存を少なくしていき0にすることだと思いがちです。しかし、周りの人から切り離されることではなく、様々な依存可能性をうまく使いこなすことこそが障害者の自立であると。健常者=自立している人と思いがちですが、その実態は自立しているふりをしているだけなのです。そう考えると、周囲のスポーツサポートをうまく生かしながら生きている障害者とは、むしろ依存のスペシャリストであると言えます。
ソーシャル・ビュー
作品を見て、新しい発見があったりだとか、気づきがあったりだとか、感動した時が行って良かったと思う時だ。美術館に行って良いと思う時。
鑑賞するとは、自分で作品を作りなおすことなのです。見えない人がナビゲーターと呼ばれます。見える人から言葉を引き出し、その場を作り出しているのは見えない人の存在です。

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2024年01月22日

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視覚障害者との関わりへのきっかけを生物学的な興味とし、中学のときに読んでいた本川達雄先生の「ゾウの時間ネズミの時間」を紹介している。自分もこの本を手に取ったきっかけが最近読んだ「動物たちのナビゲーションの謎を解く」の中で視覚障害者が杖を叩いて反響音で周りに何があるのか把握するというエピソードに興味を持った同じく生物学的興味からだった。
視覚障害者が世界をどう見ているかが書かれており、美術品の鑑賞をプロセスで楽しむなど目新しい内容もあり面白い。

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2023年11月07日

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目が見えない人の世界の見方を知ることで、自分の世界の見方に気づける本だ。著者の伊藤亜紗氏は大学3年のときに専攻を生物学から美学に変更、いわゆる文転した異色の経歴の持ち主。その異色さがもたらす視点であるのか、本書を読んでいると、自分が当然だと思っていた世界がまったく当然ではなかったと思わされる経験をたくさんすることができる。見田宗介氏の『時間の比較社会学』で、古代、中世の日本、ヘレニズム、ヘブライズム、近代社会の時間の観念を理解することで、初めて近代以降の時間の観念を正確に、今までとは違った形で捉えられるようになったように、本書でも五体満足ではない人の視点から自分たちの視点が相対化、明確化される。私がとても好きなジャンルの本だ。

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2023年10月22日

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読みやすい文体と好意的な好奇心で「見えない世界」を覗き込む筆者の姿勢がすごく良かった。
見えない人の世界の柔軟性に学びが多かった。

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2023年08月11日

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介護や看護、医療職の人に必ず読んでほしい。

4本足ではなく3本足のバランスで立っているだけという表現や、欠けているんではないということ

障害は不自由ではなく、むしろ自由な発想がある
大切なことを学びました

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2023年06月21日

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【背景】
①なぜ読むか
いわゆる“障害”をもつ人が見る世界を知りたいと思ったから。
②何を得たいか
視覚障害者がどのような世界を見ているか感覚的に得る
③読後の目標
二元論的な優/劣を克服するための一助とする
【著者】伊藤亜紗
【出版社】光文社新書
【感想】
特支での経験から、人の優劣などを疑うようになった。周囲からは、特支の生徒を通常級の生徒と同様に扱う姿勢を指摘されたが、私は正しかったと思う。
本書では、視覚障害者のエピソードを筆者が読みやすくまとめている。彼女の本に共通することだが、出演者が皆「かわいそう」でないところが痛快だ。
その点で、某お涙頂戴番組とは一線を画す。
真の意味での平等・対等に近いのは、著者の姿勢だと私は思う。
話は脱線するが、人は様々なモノサシを使って人を評価する。特に現行の日本の学校制度は、まさにそれそのものである。また、社会全体が学校化する昨今において、その傾向は強化されている。ミシェル・フーコーも指摘しているが、監視の主体が内在化されつつある。それが生み出す閉塞感を打破する契機のひとつを、障害者が担っていると思う。
社会包摂が加速的に進んでいるが、一方で支援学級への“隔離”など、排除も同様に加速している。だからこそ、社会を外側から見ることが出来るのではないのだろうか。我々が失った視点をもつ(意図的ではないかもしれないが)人々を、もう少し大切にしたい。

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2023年03月25日

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自分の凝り固まった考え方を丁寧にとこほぐしてくれる1冊。優劣があるわけではなく、椅子の支え方が違うだけ、という言葉にすごく納得感があった。
筆者がとても丁寧にインタビューや観察をしていることが伝わってくるのもとても良い。

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2023年02月28日

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「利他とは何か」を読んだ際、伊藤さんが書いたところが興味深かったので読んでみました。情報と意味を対立させて「見えない人」がどのように世界を認識しているか書かれた本。ただ、具体であって抽象や一般ではないことが記されている。非常に面白かった。障害というのは近代以降に生まれた概念で産業の発展に伴い、労働内容の均一化が起こった。それに伴って、かつてはみえなくてもできる仕事があったのに、みえないから均一化された労働ができないことに焦点があたるようになったというのが興味深かった。

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2023年01月20日

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私は見える人です。
見えない人、見えにくい人の世界を体験するとはできませんが、見えることが逆に不便で生きづらいのかもしれないと思ってしまうような本でした。
何の本だったか忘れたけれど、以前読んだ本に障がい者の人を見かけたら助けてあげるではなくて、声をかけるだけでいいというようなことを読んだような記憶があります。
社会は障がい者への支援を実施しているけれど、時々思うのは
それは、本当にその人が望んでいる支援なのか
ということ。
当事者の声は、ちゃんと聞いているのかな?
助けてあげなければならない存在ではなく、助け合える存在になれれば良い。

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2022年08月23日

購入済み

Want to repeat!

I really loved each stories in this book. I have a father who has been blind for long time and this noted me that how "I" should see his vision and his life as if I was him. I will definitely go back to read again because I did not get many points and would love to read it again to get more understanding! and I am glad that I could read this book on online because since I am not living in Japan right now, I was looking for a digital one for this book, and I eventually find this site!!

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2020年11月06日

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目が見えないということがどういうことか少し理解したように思う。

聞かされて「そうだったのか」と思うこともあれば「やっぱりそうなんだな」と思うこともあった。

例えば触覚に関して、点字を読むのは触覚ではないと言われていて、それは想像するとすぐに納得できた。
ただ、目が見えない方の点字の識字率が13%程度と少ないことは知らなかった。大人になってからでは覚えるのがなかなか大変だそう。もっとたくさんの方が読めるものと思ってたので気を付けたい。

他に聴覚に関しては以前読んだ「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」の白鳥さんも出てきて、思いだしながら読み進められて理解が深まった。

触覚や聴覚以外にも章ごとに人間の五感について書かれていてその各感覚の使い方の違いが面白くかった。
意識して視覚意外も使って生活すると新しい見方や発見がありそうに思えた。

障がいに限らず、自分と違う感覚を持った方の生活や仕事、話を聞いたりするのは面白い。

いい読書体験になりました。

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2024年05月11日

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「目の見えない白鳥さんと…」の白鳥健二さんも登場します。あっちは感性鋭いノンフィクション作家、こっちは美学(芸術や感性的な認識について哲学的に探究する学問)の専門家による本。きっと違った視点で語られているのだろうなと手に取りました。

不勉強で美学という学問分野そのものを全く知らなかったけれど、なかなか興味深い学問のようです。ただし本書は専門書ではないので表面的な面しか触れていません。それでも、点字を読む能力と文章を読む能力の比較とか、点字を読める人の触覚が特に優れている訳ではない事とか、なかなか面白い内容でした。

個人的には昨今のSDGsやバリアフリーでの支援疲れを感じていたので、最終章の「善意のバリア」や「つかえ」の話が腑に落ちました。

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2024年03月29日

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「障害を面白がる」という様々に誤解を生みそうなスタンスの重要性を、具体的な事例を多数挙げつつ説いている。「見る」という認識作用は、必ずしも「眼」という器官で「見る」ことに限られない、ということを実例をもって示していて、目から鱗である。

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2024年01月19日

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まさに「目の開かれる」ような本。薄く、文体もやさしく、読みやすかった。
「情報」と「意味」の違いは、他の分野にも用いることができる視点だと思う。
近所であれば、ソーシャルビューに一度参加してみたい。

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2023年10月03日

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もともと生物学を目指した人がアートを専攻してこの本を書いたと…なかなか面白い経歴の持ち主。目の見えない人の感覚をうまく想像することができた。すっかり当たり前になってしまっていることが身の回りにも多くて、新たな視点に気づかされた

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2023年07月27日

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ネタバレ

タイトルのとおり、目の見えない人から見た世界がどのようなものか、空間、感覚、運動、言葉、ユーモアの観点から紹介した本。

見えない人の不自由さばかりを想像し、気の毒だと思いがちだが、それは見える人からの感じ方に過ぎず、見えない人の方がむしろ自由な楽しみ方をしている面もあること、視覚がないから死角がないこと、つまり、見えている人より、むしろフラットに、自由にモノを見たり感じたりできることなど、いろいろ参考になった。全盲の人も美術鑑賞を楽しめる、ソーシャルビューという方法も面白そう。

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2023年05月19日

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見えないという障害を持っている人に手を差し伸べるという考え方を持っていることで壁が生じてしまっているのだなと思った。様々な場面で人はサポートを受けており、障害の有無にかかわらず、助けを得ることは生活していく上で必要なことである。障害を持ちながら生きていくということはうまく周囲のサポートを得られることが重要で、一人で自立するということはただ単に一人で何でも出来るということとは違うのだと感じた。目の見えない人の世界のとらえ方を少し理解することに役立つ一冊だと思う。

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2023年04月16日

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これは新しい視点。確かに障害と言う字の如く、健常者からすればハンデがあると言うイメージが植え付けられている。本書はそうではなく、捉え方によっては自由な事なんだよ、と。
確かに視覚情報はかなり比重があり、他の感覚がなくてもかなりの物事を理解出来る反面、他の感覚でないとわからない事が見えなくなる。これは視覚に限らず全ての事に言えると感じた。大人のイメージで子供の想像力を壊さないように気を付けないと…。
あとは障害者に変な距離感を感じる事も指摘されていたが、これは長く付き合っていく中で打ち解けないと難しいな。

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2023年03月07日

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目が見えない人がどのように世界を捉えているのか、目の見える人がいかに視覚の情報に頼っているのかという本 目が見えない人全員が点字が読めるわけではない

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2023年02月28日

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読まないで聴くはじめてのオーディオブック。東工大リベラルアーツ伊藤亜紗教授著。目の見えない人との絵画鑑賞法とは?健常者の優しさ押し付けではなくその人になった想像力こそが大事なのかも、いろんなことが目に入りすぎて五感の衰えを日々感じる今日この頃。

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2022年11月01日

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視覚に制限があることから見える人から引き算的な世界を生きていると想像しがちだけど、実態は全然違う。

健常者は見えるが故に、物の見方が拘束させていることがある。
視覚障がい者は見えないが故に、物事の見方に自由度がある、身体・器官の使い方に自由度がある。
見ると観るは違う。

そういう人たちと接することで自分の中にあった絶対的な観念を相対化してくれる。障がいを持つ人と生きる社会を拒絶したらこのような体験・気づきは得られないんだろうなと思わせてくれた本。

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象の時間、ネズミの時間
→時間感覚は生物の大きさによって違う

動物と人間世界認識

情報としての記号
意味としての記号

環世

(視力が弱い人ならではの能力を見て )違いを認めることと特別視することは違う。
→劣っているという前提があるのではないか。
→見えない人のイメージを固定化する

展示は読む時と打つときで左右反転するから大変

点字理解能力=触覚能力ではない。
→点字を読める人といって、敏感な触覚があらゆる場面で見受けられるとは限らない(モノの触り分け )
→目が見える人と同様、点字を"理解"している

視覚障害者は足が重要なセンサー
→足は移動手段、と、この器官はこの役割と決め打ちすると世界の認識方法が紋切り型・狭くなる

自立とは依存先を増やすことである

(美術 )鑑賞とは、自分で作品を再構築すること

言葉による美術鑑賞
→見えない人へ美術作品を説明する過程で見えている人も見えているが故の誤りに気づくきっかけに。


障害って何?
→健常者・障がいの観点は大量生産時代に生まれた。
→産業社会は画一的な大量生産ができるかどうかで人間に区別をつける。
昔は障がい者と括られる人にも何かしら役割があった。

老化も障がいの一つ→障がいは他人事じゃない。

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2022年09月27日

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自分の頭をぐいっと働かせて視点の変更を促すのにとても役立つ内容ばかり。面白い。

環世界、情報と意味、大岡「山」駅、
点字は「読む」こと(使っている器官は違うけどやってる仕事は「読む」、つまり触って「読める」し聞いて「眺める」こともできる。器官と能力を切り離す)、
ソーシャル・ビュー(美術館鑑賞方法)、運試しとしてのパスタソース選び

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2022年09月25日

ネタバレ 購入済み

新たな視点に気づかされます

2020年中学入試では栄光学園、中大附、東京都市大附で出題、高校入試では東京学大附で出題された。
先日、目の見えない人に道を聞かれて、説明にとても苦慮したことがあって読んでみた。
実は足の裏から多くの情報を得ているとか、美術館で絵画鑑賞するとか、驚きの世界であった。
大切なのは、見えている人が強い、見えない人は弱いという無意識の上下関係を作らないこと。
「見えないことが障害ではなく、見えないことで何かができなくなる、そのことが障害である」という言葉が胸に突き刺さる。
障害者が引け目を感じない世の中であってほしい。

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2020年12月14日

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小学生の頃位から目が悪いことを自覚するようになり、近視、遠視、乱視、斜視の全部アリ状態なので
いつか見えなくなるのではという不安は予てより持ち合わせていた。
売れているらしいことと書名が気になり読んでみた。
発見も多かったがほとんどが中途失明者の話で先天的に視力のない人はどのように見ているのか気になった。

日本の視覚障害者の点字識字率は2006年厚生労働省調査で12.6%。
★今時、苦労して点字を覚えなくても便利なものがいろいろあるらしい。

4本脚の椅子から脚を1本抜けば、その椅子は倒れるが、元々3本脚の椅子は立てるバランスで設計されているのだ。
★視覚障害を能力欠損とは考えずに元々なかったものとして考える。

目の見えない人は晴眼者よりも物を空間的に捉えている。見える人は二次元、見えない人は三次元に見ている傾向がある。
富士山を晴眼者は銭湯の絵みたいな台形をイメージすることが多い。しかし、見えない人は立体の円錐をイメージするという。
★どちらも事前情報があっての再現だと思うのだが、もう少し突っ込んだ説明が欲しかった。

「すごい!」という驚嘆の背後には、見えない人を劣った存在とみなす蔑みの目線がある、
自分はそんなとき「面白い!」と言うようにしている。
★確かに「こんなこともできるなんてすごい」という見下した意味も含むだろうし、
障害者が「すごい!」と言われて不快感を持つのであれば、そのような発言は控えるべきだろう。
しかし単純に驚けば「すごい!」と言ってしまうし「面白い!」だって
「そんなこと当たり前だ」と不快に感じる障害者もいるすもしれない。
私は「興味深い!」と表現したい。

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2024年05月15日

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こういう本は、インタビュー→その内容を消化→既存の研究内容とすり合わせて昇華、という構造だと思うのだが、昇華の部分が特に物足りなかった。
インタビューの内容はかなり良い題材だと思う。しかしそれで辿り着く考察が「はぁ普通やな」みたいな話で、イマイチ感動がなかった。
筆者の考察が面白くなくて、インタビューの方が面白いねということになっちゃえば、最早インタビューをそのまんま載せた方が役に立つことになってしまう。

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2024年04月28日

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盲目の人と接することがあり、何か得られないかなと読んでみたが、易し過ぎて特に新しい発見はなかったかな。これが初見ならばいい入門書なるのかもしれない。
読むのならば、目の見えない白鳥さんと~でいいと思う。追加でコテンラジオの障害の歴史やヘラルボニーの活動を知ると、より理解が深まると思う。

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2024年03月09日

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目の見えない人に、何を聞いてみたいだろうか。
そこは暗闇の世界なのか。
聾唖の人をどのように区別し、愛するのか。
寡黙な優しさを感じられるのか。
盲目の世界において、美しさとは。
価値観はどのように変わるのか。

残念ながら、本著はそういう観点では、インタビューをしない。また、登場する「目の見えない人たち」は、生まれつきではないから、イメージの記憶を持つ。映像記憶の無い人に関心があったので、先の質問リストも合わせて、少し残念だった。

ジュヌセクワ。
フランス語で「いわく言いがたいもの」、言語化の対義語。暗黙知みたいな事だが、それだと、視覚障害者には伝わらない。視界から消える事で不自由に感じるもの(大多数)、逆に消える事で却って集中力を増す、または、囚われなくなるもの。

脳内で映像化し、その映像化のために言語があるとしたら、映像を持たぬ視覚障害者にとって言語とはどのような役割なのだろう。色々、消化不良な感じが拭えない。

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2024年01月15日

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目の見えない人の世界が少しだけ想像できた本。
何か足りないことに嘆くのではなく、今の状況を受け入れて前へ進むことの大切さを改めて感じた。目が見えない状況でのスポーツに関して興味がもてた。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

目が見えない人の世界の見方が面白かった。
目が見える人は見えているようで、意外と見えていない。例えば、目が見える人は風景を見る時、立体的ではなく、平面的に見ている。目が見えない人は頭の中で想像して見るので、物を立体的に捉えている。
また、見えない人は想像力や推理力が優れているので、人の話を聞いた時に、見える人が理解できないような話も、話の断片を繋ぎ合わせていって、理解することができたりする。
目が見えないからかわいそうと捉えるのではなく、どういう世界なんだろうと興味を持ってみることも大切だなと学んだ。

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2023年08月08日

Posted by ブクログ

感想
目の見えない人と見える人の境界を揺らす。価値観を流動的にすることで多くの人は不安に苛まれる。不安を手懐け、事実を直視すれば差別も緩和する。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目の見えない人は、立体をこんなふうに捉えるんだ、見えない人ならではの日々の楽しみ方があるんだ!
思わず「すごい!」と思いました。

「すごい!」という驚嘆の背後には、見えない人を劣った存在とみなす蔑みの目線がある、自分はそんなとき「面白い!」と言うようにしていると著者は書いていますが、私は著者とは違う考えです。

確かに「すごい!」には「こんなこともできるなんてすごいですね」という見下した意味もありますが、例えば、一流アスリートの身体能力を「すごい!」と言うときには、人は純粋に驚いているだけなのではないか思います。

「面白い!」は、「すごい!」より遅れて感じる驚きの表現のように感じます。

障害者が「すごい!」と言われて不快感を持つのであれば、そのような発言は控えるべきだと思いますが、そう神経質にならず、咄嗟に「すごい!」と言ってしまってもいいのではないかと私は思います。

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2023年02月02日

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