伊藤亜紗のレビュー一覧

  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    「はじめに」からグイグイ引き込まれる内容だ

    バーチャルリアリティを使ってけん玉の技をトレーニングする
    球の動く速度はかなり遅い
    このトレーニングにより、96.4%が技を習得したという

    (TVでもこういうの見たぞ!ご高齢の方のリハビリだ
    負荷をかけたトレーニングをさせたいが、故障してしまう可能性も高い
    よって編み出された方法とは…
    負荷の少ない器具を使うのだが、バーチャルでは実際より負荷の高い器具を使っているという設定にし、
    そのバーチャル映像を見ながらリハビリトレーニングするのだ
    これにより身体を痛めることはなくなり、かつ効果があったという)

    「自分の体を完全にコントロールでき

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    2023年05月18日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    脳と体の関係について、おもしろそうな本であったため読書
    テクノロジーと人間の体の可能性について

    メモ
    ・体のゆるさが体の可能性を拡張している
    ・自分の体を完全にはコントロールできないからこそ、新しいことができるようになる。

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    2023年05月08日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    伊藤亜紗さんの「見えないスポーツ図鑑」は期待外れだったが、本書は面白かった。
    楽器演奏やスポーツ技術の習得に苦労した経験のある人や、今苦労している人には新鮮な視点が得られるだろう。

    桑田真澄の投球フォームのデータには驚いた。
    30球ほど「同じフォームで」投げて貰ったところ、大学や社会人の投手よりズレが大きかったのだ。
    桑田の制球力には定評があり、コントロールのブレは少ないのに、これはどういうことだ。

    フォームのばらつきがコントロールの誤差を生んでいるのではない。
    誤差を含んだフォームからの調整力がコントロールの良さを生んでいるのだ。
    実践の投球では、マウンドの傾斜や土の硬さ、風の強さや向き

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    2023年03月26日
  • 感性でよむ西洋美術

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    西洋美術の入門書と言っても良いんじゃないでしょうかね。

    実は、西洋絵画が好きで、コロナ禍前は、良く美術館に行っていました。コロナ禍になってからは、ちょっと足が遠のいていますが。

    美術館では、横にある解説を読みながら絵画を見るわけですが、やっぱりさぁ、それだと頭に入らないわけですよ。常日頃「あぁ、自分で分かっていればなぁ」と思っていたんですが、これで少しは時系列的に西洋絵画の歴史が整理できた気がします。

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    2023年03月21日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    けんだま練習のAIのことをちらっと聞いて、興味を持った。
    身体ができないことを、科学技術の力でできるようになるとはどういうことだろう?

    できるようになるというのが、「自分の輪郭の書き換え」ということであって、他者と比較してディスられるものではないという意見に共感。

    桑田のピッチングフォームのことから、状況が変わる中で常に結果が同じくなるように合わせるというのは、なるほどと思った。
    身体を全く同じように動かしたところで、環境が違うとどうにもならないだろうから。

    それまでの自分じゃないところに誘う役割として、「暗示をかける」みたいにテクノロジーを使うということなんだ。
    テクノロジーを外した後

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    2023年03月19日
  • 感性でよむ西洋美術

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    巻頭に、本篇中で言及されている美術作品の写真が配されている。親切。内容の良さも合わせ、かなりお得な一冊。初っ端から示唆に富み、美術展ではつい解説に目が行ってしまう自分なんかは、ちょっと反省というか後悔もあったりして。今後の鑑賞に活かすべく、美術史とかそれぞれの特徴とか、いろいろ勉強になりました。下記は覚え書き。

    古代、神々→中世、キリスト教→近代、人間
    古代→実物を見て描く→遠近法
    ルネッサンス→バロック、つきつめると両者の感性を揺れ続けている美術史

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    2023年03月02日
  • 手の倫理

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    道徳の倫理の違いについて初めて考えたし本書を通して理解できた、パンチラインは沢山あったけど1番最後の章「不埒な手」でそれまで論じてきたことの根本をもう一度問い直そうとしているのが構造として面白かった、伴走ランナーや身体で感じるスポーツ観戦を実際に体験(体感?)してみたい

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    2023年02月18日
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?

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    100ページもない本なのに気づきがたくさん。やはりちくまのこのシリーズは良いですね。おすすめ本も面白そう。

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    2023年02月11日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。
    御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。

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    2023年01月20日
  • 「利他」とは何か

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    中3生の模試の国語で、伊藤亜紗さんの『「うつわ」的利他』の一部が題材として出題されていて、興味をもったので読んでみました。
    「利他」は「偽善」「自己満足」「押しつけ」と紙一重で、特にネットではそんな言葉で全く関係のない赤の他人から揶揄されたり非難されたりする可能性もあって、最近はうっかり親切な行動もとれないような雰囲気があったりもします。だいたい、「偽善」「自己満足」「押しつけ」をすり抜ける「利他」ってどんなものなんだろう。そんな思いがありました。
    伊藤亜紗さんの章は読みやすく分かりやすかったですが、いちばん面白く興味深く読めたのは中島岳志さんの『利他はどこからやってくるのか』でした。志賀直哉

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    2022年12月15日
  • 「利他」とは何か

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    以前に『借りの哲学』を読んだので、恩を受けると負債の考えが生じるというのは何となく理解してました。利他は自己満足を満たすため、というのも。震災で炊き出しをしていた某有名人に対して「偽善」、「売名か?」というコメントを思い出します。

    思いやりに満ちた世界の方が良いに決まっていても、なかなか利他には難しい側面があるのは事実です。個人の意識に対する小さい時からの教育と社会の制度、インフラ設備など、みんなが意識しないほど社会の仕組みに溶け込ませることが大事だと本書を読んであらためて思いました。

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    2022年11月27日
  • 手の倫理

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    触覚を通じたコミュニケーションは「距離ゼロ」ではなく、相手の内面にふれる「距離マイナス」なのだという考え方。
    今までそこまで考えてしてたわけじゃないけど、コロナ禍で「握手」が気軽なものではなくなったことで変わる人間関係もあるのかなーとか思ったりもした。

    一方的な「さわる」と相互的な「ふれる」
    ただ発信するだけの「伝達モード」とやり取りを重ねる「生成モードのコミュニケーション」
    後者を正解とするのが「道徳的」な態度なのだろうけど、必ずしも一方的な発信が悪ではないのが現実。
    今はどちらの態度でふれれば、あるいはさわれば良いのか考えるのが倫理というもの。

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    2022年11月15日
  • 「利他」とは何か

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    「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おすすめ。

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    2022年10月20日
  • 「利他」とは何か

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    利他: うつわになること。意図的な行為ではなく人知を超えたオートマティカルなものであり、そこに利他が宿る。

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    2022年09月13日
  • 「利他」とは何か

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    専門が異なる著者らの視点から「利他」を考察する。利他は主義にすると怖い。なぜって「私の思い込み」でやったことが、結果的に他者の助けになれば「利他」だろうが、時として「余計なお世話」にも「押しつけ」にもなる。自分の思いを正当化して、相手の言葉や反応にほとんど耳を傾けず、独善的な「支配」でしかなかったとしたら……。若松さんの“利他は行うものではなく、生まれる”という意見がストレートに効いた。

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    2022年07月24日
  • 手の倫理

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    社会構成主義的な言語によって意味が社会的に構成されているという考えには、なるほどと共感するところが多いのだが、素朴な疑問として、身体性とか、倫理性とか、スピリチュアリティとかをどう考えるのかというのは、もやもやする。

    まあ、「そういうものは社会的構成だ」的な説明もあったりするのだが、普通に考えてそうとも言い切れないないだろうと思う。

    哲学ではなくて、人と現実的に関係しあうなかでは、そのあたりはなしにはできない。

    この本は、基本、哲学なのだが、そういうリアリティとの関係を身近な体験を踏まえながら、少しづつ手探りで前に進めていく感じがよい。

    いろいろな話しがでたところで、明確な答えに辿り着

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    2022年07月14日
  • 「利他」とは何か

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    「器」のような人に自分はなれるだろうか?

    人間は意志の保有者ではなく、思考が留まる「場所」なのだということ。自分が人生に対して抱いている不可抗力的な恐ろしさの断片を言語化してくれているように感じた。

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    2022年04月10日
  • 手の倫理

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    他者へのかかわりについて深く考えさせられた。とても分かりやすく触覚を色んな点から考察していて、触覚の素晴らしさも感じた。

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    2022年03月30日
  • とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡

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    東工大ではここ10年くらいをかけ、「リベラルアーツ」の名のもと、理工系の学生たちに文系的な知を体得してもらう取り組みをしている。本書はその取り組みを中心的に推進してきた池上、上田、伊藤3氏によるもの。各氏の論稿と鼎談を収載している。
    自分も含め、文系の人々は理系からっきしって人けっこういるけど、社会に生きたり本読んだりしながら生きている以上、いくら苦手意識をもっていたとしても理系の人のほうが文系分野を取り込みやすいだろう。そして理系の人が文系の素養(リベラルアーツ)を手にすればよりよい世のなかがつくりやすいような気がする。たとえば、科学技術を純粋に探究しているうちに核兵器ができちゃうようなこと

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    2022年02月26日
  • ヴァレリー 芸術と身体の哲学

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    自分が所有している機能以上の機能を引き出し知覚する行為としての詩に対しての考察はとても興味深かった。ヴァレリーの詩やテクストを全く読んでいない状態で読んだが十分に楽しめた。

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    2022年01月02日