伊藤亜紗のレビュー一覧
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「できる」ということはどういうことなのか、科学的な視点から論じている本。
五人の科学者へのインタビューをもとに、著者が考える「できる」論が書かれていて、興味深い話が盛りだくさんでした。
ピアニストの脳と指と「できる」ということ、桑田真澄の投球コントロールから得られること、リアルタイムにコーチングする技術、(ついていないはずの)尻尾をコントロールできるようになる不思議、声を出さなくてもアレクサに指示を出せる?…。
昔なら、ドラえもんがポケットから出してくれたようなテクノロジーが、今は現実のものとなっていて、脳と体の関係が少しずつわかっていく。そして、その技術が、障害のある人への助けになった -
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「はじめに」からグイグイ引き込まれる内容だ
バーチャルリアリティを使ってけん玉の技をトレーニングする
球の動く速度はかなり遅い
このトレーニングにより、96.4%が技を習得したという
(TVでもこういうの見たぞ!ご高齢の方のリハビリだ
負荷をかけたトレーニングをさせたいが、故障してしまう可能性も高い
よって編み出された方法とは…
負荷の少ない器具を使うのだが、バーチャルでは実際より負荷の高い器具を使っているという設定にし、
そのバーチャル映像を見ながらリハビリトレーニングするのだ
これにより身体を痛めることはなくなり、かつ効果があったという)
「自分の体を完全にコントロールでき -
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中3生の模試の国語で、伊藤亜紗さんの『「うつわ」的利他』の一部が題材として出題されていて、興味をもったので読んでみました。
「利他」は「偽善」「自己満足」「押しつけ」と紙一重で、特にネットではそんな言葉で全く関係のない赤の他人から揶揄されたり非難されたりする可能性もあって、最近はうっかり親切な行動もとれないような雰囲気があったりもします。だいたい、「偽善」「自己満足」「押しつけ」をすり抜ける「利他」ってどんなものなんだろう。そんな思いがありました。
伊藤亜紗さんの章は読みやすく分かりやすかったですが、いちばん面白く興味深く読めたのは中島岳志さんの『利他はどこからやってくるのか』でした。志賀直哉 -
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触覚を通じたコミュニケーションは「距離ゼロ」ではなく、相手の内面にふれる「距離マイナス」なのだという考え方。
今までそこまで考えてしてたわけじゃないけど、コロナ禍で「握手」が気軽なものではなくなったことで変わる人間関係もあるのかなーとか思ったりもした。
一方的な「さわる」と相互的な「ふれる」
ただ発信するだけの「伝達モード」とやり取りを重ねる「生成モードのコミュニケーション」
後者を正解とするのが「道徳的」な態度なのだろうけど、必ずしも一方的な発信が悪ではないのが現実。
今はどちらの態度でふれれば、あるいはさわれば良いのか考えるのが倫理というもの。 -
Posted by ブクログ
社会構成主義的な言語によって意味が社会的に構成されているという考えには、なるほどと共感するところが多いのだが、素朴な疑問として、身体性とか、倫理性とか、スピリチュアリティとかをどう考えるのかというのは、もやもやする。
まあ、「そういうものは社会的構成だ」的な説明もあったりするのだが、普通に考えてそうとも言い切れないないだろうと思う。
哲学ではなくて、人と現実的に関係しあうなかでは、そのあたりはなしにはできない。
この本は、基本、哲学なのだが、そういうリアリティとの関係を身近な体験を踏まえながら、少しづつ手探りで前に進めていく感じがよい。
いろいろな話しがでたところで、明確な答えに辿り着