【感想・ネタバレ】ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考えるのレビュー

あらすじ

未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった——。

「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。
消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。

生命、自然、生と死、共生と敵対。
いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。


【目次】

・はじめに——禍の街から、生命と自然のゆくえを見つめる
・ウイルスは我々に何を伝えに来たのか
・植物の時間
・足し算的時間と合理のひび割れ
・元の日常という脅威
・人間の体と植物の体
・〈凝固した日常〉を突き刺すもの
・被造物の底
・体を失う日
・「いる」の喪失とは何か?
・死の無力さと分身の持つ力
・コロナさん
・ようこそコロナちゃん
・聖なるもの
・垂直の家族、水平の家族
・コロナとはうまくやっていけるかもしれないが、人間同士ではそうではないのかもしれない
・ヒトと人
・グラブとアンパン
・アニミズム思考のほうへ
・二つの小説
・意味の非人間性
・覚知される世界、コロナの迷い
・堆肥男
・胎盤とバースデーケーキ
Ⅱ リレーエッセイを終えて
・生の全体性を取り戻す
・帯状疱疹ウイルスと私
・想像力の果てからやってきた使者
ひび割れた日常を生きるためのブックガイド

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。
御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。

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2023年01月20日

Posted by ブクログ

人類学者・小説家・美学者によるリレーエッセイ。コロナウィルスをきっかけとして、人間と自然の関係を考える。オンライン授業の広がりで、仕事を持った社会人学生が、必須科目を受講しやすくなったという話を聞いたことがある。視点が違うとマイナスもプラスに転じる。振り返ってみると、コロナウィルス感染の蔓延に脅威は感じても、ウィルスそのものに怒りはない。結局、苛立つ原因は人間側の言動に対してだなと改めて思う。

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2021年09月23日

Posted by ブクログ

人類学、文学、美学それぞの観点が交錯するリレーエッセイ。
「三人寄れば文殊の~」というが、同じ災厄を経験した世界中の人々から、コロナと共存する智恵はきっと出てくるはず。

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2021年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コロナ禍の社会の中にいる3名の視座、リレーエッセイ

日常という状態とは?
ウイルスと生活するとは?
自然の営みとは?

コロナ禍を捉え直す試みは、全体から見つめ直す作業になる
僕らはどのように変わるのか、変わっていくのか

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

人類学者、作家、障害についての研究者三人によるコロナ後の日常についての刺激的なリレーエッセイ。
同じテーマを語っていても、各々の感じ方や表現の個性がとても興味深い。類似性と違いが同時に目に入ってくるのが楽しい。

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2022年07月03日

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