伊藤亜紗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中学生、高校生を対象にしたシリーズだが、大人が読んでも考えさせられる1冊。
「自分の身体は思い通りにならない」ということを考える内容。前半では著者自身の経験を中心に、吃音について説明されている。同じ音を繰り返す「連発」、言葉が出てこない「難発」の状態について語りながら、そんな身体とどう付き合うのかという視点で考える。吃音についての知識が自分になかったのもあるが、「言い換え」をするという回避法があるということ、しかし、言い換えをすることで自分のアイデンティティに影響が出る、と考える人もいるということが非常に興味深かった。
後半、最後の2章は「言葉を獲得しよう」と言い、自分の身体のままらならなさに -
Posted by ブクログ
人が人にさわる/ふれるときの交流、スポートや介助などさまざな関わりの場面で触覚がもたらす
コミニュケーションや人間関係の可能性について綴られています。
全体的に哲学的な内容ですがそもそもの「さわる」と「ふれる」、「道徳」と「倫理」の違いなど
テーマに深入りするワードに関する説明がとてもわかりやすくより興味をそそられました。
触覚は視覚に比べて情報を得るために要する時間が長く、繊細に扱わないと信頼関係を損なう可能性も大きい。
それでも相手とのより深い相互理解を得るための「ふれる」ことの重要性にとても納得がいきました。
人との関わり合いなど見つめ直したくなる一冊でした。
内容の割に文 -
購入済み
Want to repeat!
I really loved each stories in this book. I have a father who has been blind for long time and this noted me that how "I" should see his vision and his life as if I was him. I will definitely go back to read again because I did not get many points and would love to read it again to get mor
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Posted by ブクログ
新書。アメリカに行く途中のバスと飛行機の中で読み始めた。俺の興味の領域にある聾者の話にも似た今回は視覚障害者について書かれた本。もう20年も会っていないが俺には生まれつきの視覚障害者のはとこがいて、小さな頃一緒に遊んだのを思い出す。
全体的に読みやすく、わかりやすい例や過去の学者の考えなども引用しつつ書かれている。この本通してのテーマが、「情報」ではなくて「意味」が大切なのではないかというもの。俺自身も情報には惑わされず、情報のみ摂取するような事を避けていた。なるほど意味かあ、と自分の考えを言語化されたようで好印象を持つ。そしてこの考え方は今後の人生のテーマになるかもしれない。
この本の中 -
Posted by ブクログ
面白かった。
「なんとなく素敵」「感じが悪い」
言葉にしづらい身体感覚や感性は、
100%個人的なものではなく
社会的、規範的なものであるということが強調される。
肥満に対する否定的な感覚は
アフリカ系アメリカ人への差別意識が関係しているという話も興味深い。
やっかいで曖昧でうつろいやすい「感性」
「成立の歴史を知る事は、感じ方を変えるための第一歩となる」と語られるように、歴史を知ることで当たり前を疑い、別の捉え方への可能性を開いていく。
その姿勢は、美醜の感性だけでなく
自分の中の「当たり前」全般にも応用できるはず。
あなたの『良い感じ』もわたしの『微妙』も
社会の中で作られてきた -
Posted by ブクログ
面白かったけど少し難しい。規範的感性の他者化、差別化、そしてその理性的な規範から逸脱する感性の話など面白かった。また、黒人が、自分を否定する眼差しを内面化してしまい、その結果主体形成を難しくしているという話など興味深かった。そしてそれをブラックアーツムーブメントで、黒人の美学として同胞をエンパワメントし、主体形成の一助となる話は、なにか現代日本でも活かせる考え方ではないかと思う。ある属性から、他者からの眼差しで抑圧されていると感じている人々の解放を目指すような動きは、いろいろとありえるだろうと思う。(安易な代入は、差別構造を矮小化する危険もあるだろうことにも留意する必要があると思う)
スタイル -
Posted by ブクログ
ネタバレお盆休みに読書をじっくりしたい、と思い本屋で30分ほど悩み手に取った1冊。
人間の感性に興味があり、特に身体の美意識というテーマに興味深さを感じ買って早速読み切った。
新書に読み慣れていないので所々学術的な記述や表現は頭に入りづらく苦戦したが、面白かったところがいくつかありあたらしい考え方や観点を発見できたので読めてよかった。
・身体的な特徴を持つ人々が見世物として晒されていた場所に足繁く通っていた人間の多くは、上流階級の人間よりもそこに虐げられ差別も味わっていたような移民や下流労働者であった事実。ただ身体の特徴で笑いものにする、というよりはその見世物として晒された人間を見て自分は見世物 -
Posted by ブクログ
「できる」という当たり前の感覚を、テクノロジーと身体の関係から見直していく内容で、読んでいるうちに自分の体の捉え方が少し揺らぐ感覚がありました。
ピアノやスポーツ、リハビリといった具体例が多く、難しそうな話でも意外とすっと入ってきます。
努力や意識よりも先に体が学んでしまう感覚の話は、普段何気なく使っている「できる」という言葉の曖昧さに気づかされました。
ただ、語り口は平易でも内容はかなり思考寄りなので、すぐに役立つ実用性を求めると少し違うかもしれません。
それでも、読み終えたあとに“体を使って生きている”という当たり前のことを改めて意識させられる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
面白い!という感想が出たら正解なんじゃないかと思った一冊。もちろん、書いてあることや構成に興味が持てない場合もあるかと思います。そうではなくて、目の見えない人の美術鑑賞の仕方、死角がないことなど本書で紹介されるエピソードに対して、すごい!じゃなくて面白い!という感想が出たら正解なのではと思わされました。それは、著者の、すごいという感想は、(無意識に)「見えない人はできないはずなのにできてすごい」という意味になっているという指摘に共感したからです。
本書を読むとあらゆる製品や制度が身体障害がない側ベースで作られているなど、それは当たり前なんだけど、そうなっていることによる優劣感ができていることに