伊藤亜紗のレビュー一覧

  • 手の倫理

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    今日の世の中を覆っている合理性や生産性という価値観は違う、ふれることを通じて得られる非合理で生々しい感覚に価値を見出そうとしている。今日に必要な思想だと思った。

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    2022年02月15日
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?

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    中学生、高校生を対象にしたシリーズだが、大人が読んでも考えさせられる1冊。
    「自分の身体は思い通りにならない」ということを考える内容。前半では著者自身の経験を中心に、吃音について説明されている。同じ音を繰り返す「連発」、言葉が出てこない「難発」の状態について語りながら、そんな身体とどう付き合うのかという視点で考える。吃音についての知識が自分になかったのもあるが、「言い換え」をするという回避法があるということ、しかし、言い換えをすることで自分のアイデンティティに影響が出る、と考える人もいるということが非常に興味深かった。
    後半、最後の2章は「言葉を獲得しよう」と言い、自分の身体のままらならなさに

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    2022年01月27日
  • 手の倫理

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    人が人にさわる/ふれるときの交流、スポートや介助などさまざな関わりの場面で触覚がもたらす
    コミニュケーションや人間関係の可能性について綴られています。
    全体的に哲学的な内容ですがそもそもの「さわる」と「ふれる」、「道徳」と「倫理」の違いなど
    テーマに深入りするワードに関する説明がとてもわかりやすくより興味をそそられました。
    触覚は視覚に比べて情報を得るために要する時間が長く、繊細に扱わないと信頼関係を損なう可能性も大きい。
    それでも相手とのより深い相互理解を得るための「ふれる」ことの重要性にとても納得がいきました。
    人との関わり合いなど見つめ直したくなる一冊でした。
    内容の割に文

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    2022年01月23日
  • 手の倫理

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    ーー信頼があるところにだけ、メッセージは伝わっていくのです(p.165)

    コミュニケーション論としても、教育論としても、演劇論としても読むことができる本。
    「手」という「距離ゼロ」のメディアを通じて、私たちは「生成モード」のコミュニケーションを行なっている。当たり前のことを改めて言葉におこしてもらうことで、今、自分やその周囲の人たちに何が欠けていて、何が可能なのか、何が起きているのかを、今までとは違った視点で捉え直すことができた。
    また、ブラインドランナーの方と伴奏者の方の言葉が印象深い。

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    2022年01月20日
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?

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    今までは、心には個性があった方がいいけど、体は平均値に近い方がよいと思っていた。

    “きみの体はきみの「こうありたい」には応えてくれない” p.62

    体には、どうがんばったって平均値にはなれない部分がある。それをネガティブに捉えるのではなく、あるいは白々しい前向きな言葉で語るのではなく、自分にぴったりな表現を考えること。

    考えて考えて考え抜いた先に、豊かな「わたし」が作られる。自分が嫌いな人や、別の誰かになりたいと思っている人に、本書をおすすめしたい。


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    2021年11月09日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

    購入済み

    Want to repeat!

    I really loved each stories in this book. I have a father who has been blind for long time and this noted me that how "I" should see his vision and his life as if I was him. I will definitely go back to read again because I did not get many points and would love to read it again to get mor

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    2020年11月06日
  • 体の居場所をつくる

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    三宅香帆さんがおすすめされていた。

    自分の体をコントロールできないもどかしさは、誰もが一度は経験したことがあるのではないだろうか。

    加齢に伴う慢性頭痛やPMSに悩む私もその一人だった。
    「なぜ?」と原因を追求し、医療に頼るのも大切だが、本書を読んで視点が変わった。
    「遺伝だから」「年齢のせいだから」と原因に名前をつけることが、症状固定化させていたのではないか。
    もっと柔軟な視点で自分の体と対話していきたい。

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    2026年09月17日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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    新書。アメリカに行く途中のバスと飛行機の中で読み始めた。俺の興味の領域にある聾者の話にも似た今回は視覚障害者について書かれた本。もう20年も会っていないが俺には生まれつきの視覚障害者のはとこがいて、小さな頃一緒に遊んだのを思い出す。

    全体的に読みやすく、わかりやすい例や過去の学者の考えなども引用しつつ書かれている。この本通してのテーマが、「情報」ではなくて「意味」が大切なのではないかというもの。俺自身も情報には惑わされず、情報のみ摂取するような事を避けていた。なるほど意味かあ、と自分の考えを言語化されたようで好印象を持つ。そしてこの考え方は今後の人生のテーマになるかもしれない。

    この本の中

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    2026年09月10日
  • 身体の美学入門 感性から捉えなおす人間の本質

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    面白かった。
    「なんとなく素敵」「感じが悪い」
    言葉にしづらい身体感覚や感性は、
    100%個人的なものではなく
    社会的、規範的なものであるということが強調される。

    肥満に対する否定的な感覚は
    アフリカ系アメリカ人への差別意識が関係しているという話も興味深い。

    やっかいで曖昧でうつろいやすい「感性」

    「成立の歴史を知る事は、感じ方を変えるための第一歩となる」と語られるように、歴史を知ることで当たり前を疑い、別の捉え方への可能性を開いていく。

    その姿勢は、美醜の感性だけでなく
    自分の中の「当たり前」全般にも応用できるはず。

    あなたの『良い感じ』もわたしの『微妙』も
    社会の中で作られてきた

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    2026年08月31日
  • 身体の美学入門 感性から捉えなおす人間の本質

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    面白かったけど少し難しい。規範的感性の他者化、差別化、そしてその理性的な規範から逸脱する感性の話など面白かった。また、黒人が、自分を否定する眼差しを内面化してしまい、その結果主体形成を難しくしているという話など興味深かった。そしてそれをブラックアーツムーブメントで、黒人の美学として同胞をエンパワメントし、主体形成の一助となる話は、なにか現代日本でも活かせる考え方ではないかと思う。ある属性から、他者からの眼差しで抑圧されていると感じている人々の解放を目指すような動きは、いろいろとありえるだろうと思う。(安易な代入は、差別構造を矮小化する危険もあるだろうことにも留意する必要があると思う)
    スタイル

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    2026年08月23日
  • 体の居場所をつくる

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    身体そのものが「外部化」してしまうのは、健常の人たちにも熱が出たりだるかったりした時にしばしば起こることだが、ここに出てくる方たちの状況は、苛烈である。
    コロナ後遺症による筋痛性脳脊髄炎の「ともちゃん」が数分のうちに身体がコントロール不能になってしまうさま、壮絶だった。
    だが、ここに出てくる人たちはそれを悲観することよりも、因果関係に落とし込まずに「居場所をつくる」。それしかないといえばそうなのかもしれないが、逃れられない現実から得た強靭さに、人間の持つ、うーん、なんと言えばいいか、崇高さ?みたいなものを感じた。

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    2026年08月21日
  • 身体の美学入門 感性から捉えなおす人間の本質

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    AIの時代に対抗するには、または支配されないためには、人間が持つ「感性」を研ぎ澄ますしか方法はないのだろうか?
    もしかしたら、近い将来にこの「感性」さえもAIに奪われてしまうのかもしれない。

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    2026年08月13日
  • 体の居場所をつくる

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    体も心も居場所を見つけることは難しい。ライフワークだ。極限の状況での模索を共有いただくことでその手がかりをもらう。

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    2026年08月12日
  • 身体の美学入門 感性から捉えなおす人間の本質

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    ネタバレ

    お盆休みに読書をじっくりしたい、と思い本屋で30分ほど悩み手に取った1冊。

    人間の感性に興味があり、特に身体の美意識というテーマに興味深さを感じ買って早速読み切った。

    新書に読み慣れていないので所々学術的な記述や表現は頭に入りづらく苦戦したが、面白かったところがいくつかありあたらしい考え方や観点を発見できたので読めてよかった。

    ・身体的な特徴を持つ人々が見世物として晒されていた場所に足繁く通っていた人間の多くは、上流階級の人間よりもそこに虐げられ差別も味わっていたような移民や下流労働者であった事実。ただ身体の特徴で笑いものにする、というよりはその見世物として晒された人間を見て自分は見世物

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    2026年08月11日
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉

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    「できる」という当たり前の感覚を、テクノロジーと身体の関係から見直していく内容で、読んでいるうちに自分の体の捉え方が少し揺らぐ感覚がありました。
    ピアノやスポーツ、リハビリといった具体例が多く、難しそうな話でも意外とすっと入ってきます。
    努力や意識よりも先に体が学んでしまう感覚の話は、普段何気なく使っている「できる」という言葉の曖昧さに気づかされました。
    ただ、語り口は平易でも内容はかなり思考寄りなので、すぐに役立つ実用性を求めると少し違うかもしれません。
    それでも、読み終えたあとに“体を使って生きている”という当たり前のことを改めて意識させられる一冊でした。

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    2026年07月30日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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    読みやすくよかった。
    4本足の椅子と3本足の椅子では立ち方が違うという例えは分かりやすく、視覚抜きで成立しているというのが理解できた。
    また、見えないことにより視点に縛られることはない、という話も面白かった。
    美術鑑賞のワークショップも面白いと感じた。
    情報から意味へ価値を転換していくことについて、今の時代、ますます重要であると思う。
    ※それが嫌な人もいるだろうなと思った。他者の意味を過剰に無駄と思い切り捨てる人。まあそういう人もいるだろう。

    本書にも書いてあるが、全員が全員そうじゃない、ということを心がけたい。

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    2026年07月25日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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    面白い!という感想が出たら正解なんじゃないかと思った一冊。もちろん、書いてあることや構成に興味が持てない場合もあるかと思います。そうではなくて、目の見えない人の美術鑑賞の仕方、死角がないことなど本書で紹介されるエピソードに対して、すごい!じゃなくて面白い!という感想が出たら正解なのではと思わされました。それは、著者の、すごいという感想は、(無意識に)「見えない人はできないはずなのにできてすごい」という意味になっているという指摘に共感したからです。
    本書を読むとあらゆる製品や制度が身体障害がない側ベースで作られているなど、それは当たり前なんだけど、そうなっていることによる優劣感ができていることに

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    2026年06月18日
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか

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    「見えない」人を「あー。視覚障害がある人ね。」で終わらせない本。

    自分は視覚障害について学んだことがあるので、良い意味であまり衝撃は受けなかった。

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    2026年05月21日
  • 体の居場所をつくる

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    面白かった。
    接触障害から回復した方の話で出てきた、「そこにあるトラブルとどうにか折り合いをつけて生きていくという対処法は、原因があって結果があるから原因を特定して取り除く、という現代的なアプローチの強烈なオルタナティブになる(意訳)」というのがとても印象的だった。
    今、常習累犯窃盗のおばあちゃんに話を聞いているけど、自分でも「なんでやってしまうのかわからない」ということについてどうにか原因を特定しようとするのはあまり意味のない作業なのかもしれない。

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    2026年04月26日
  • 体の居場所をつくる

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    体の居場所なんて考えたことがなかったけど、11人のインタビューから「体」との距離感を通して自分を向き合う問いが突きつけられた。苦しさもあるけどなんかとても尊かった

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    2026年04月23日