伊藤亜紗のレビュー一覧

  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?
    思い通りにならない体と向き合う。吃音を例に話しているが、吃音の症状も向き合い方も一人ひとり違って、「吃音ってこういうもの」って決めつけない姿勢が全てに通じて大事だなと思った。思い通りにならない自分の体に、自分のメタファーを見つけること。鍵の錆びついた扉だったり、果汁たっぷりのゼリーだったり。メタファ...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    社会モデル(「障害が問題なのではなく、障害があることで抱える不自由を解決できない社会が問題なのだ」という考え方)がとてもよく理解できる名著だった

    僕たちの社会は多様性とか言いながら、マジョリティの視点を捨て切れていないんだ
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    本川達雄「ゾウの時間ネズミの時間」
    時間感覚は生き物ののサイズによって違う。ゾウにとっての一秒はあ、にも満たないかもしれないが、アリにとっての一秒はあーっというふうに長い。時計のような絶対的な時間は本当はないものであって、個々の生きもののサイズに対応した主観的な時間があるのみである。
    足りない部分を...続きを読む
  • 感性でよむ西洋美術
    『感性でよむ西洋美術』
    とあるが、この本を読んだからといって、すぐに作品が伝えたいメッセージを読み取れるようになるわけではない。
    ただ、この本では古代から続く美術史を概説するとともに、各時代の作品の特徴を社会的背景をもとに読み解いていくもので、学生時代まったく世界史に興味がない人間でも、明日から美術...続きを読む
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    体が動くとき、脳がその命令を出し、力の入れ方や動き方をコントロールしている。――大筋ではそうなのだけど、実際に身体に起きていることを細かく見ると、事はそう単純ではない。頭で指の先まで考えてコントロールしているわけではないし、どころか、頭で理解できている動きと実際の体の動きが全然違っているなんてことも...続きを読む
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    1章が最も分かりづらいという珍しい本だった。

    全体:テクノロジー、主にAI技術を用いて、ヒトが何か出来るようになることの方法、意味、段階を考察する。テクノロジーを、ひいては、自分の感覚を自分に取り戻す、研ぎ澄ますことに通じている。

    1章:ピアニストの手を自動で動かす機械。
    頭でイメージを掴む前に...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    視覚障害者との関わりへのきっかけを生物学的な興味とし、中学のときに読んでいた本川達雄先生の「ゾウの時間ネズミの時間」を紹介している。自分もこの本を手に取ったきっかけが最近読んだ「動物たちのナビゲーションの謎を解く」の中で視覚障害者が杖を叩いて反響音で周りに何があるのか把握するというエピソードに興味を...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    目が見えない人の世界の見方を知ることで、自分の世界の見方に気づける本だ。著者の伊藤亜紗氏は大学3年のときに専攻を生物学から美学に変更、いわゆる文転した異色の経歴の持ち主。その異色さがもたらす視点であるのか、本書を読んでいると、自分が当然だと思っていた世界がまったく当然ではなかったと思わされる経験をた...続きを読む
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    何かが「できる」ようになるには、頭で理解できるより先に身体が理解している。さまざまな動きの試行錯誤から偶然に正しい動きができて、そこでようやく意識は「あ、こうするのか」ってなる。この発見をいかに早くできるかが鍵となっていると。誰かに教えてもらうことは、この気づきに早く近づくための方法。

    この本では...続きを読む
  • 手の倫理
    倫理と道徳を区別して、倫理とは一般の存在しない、個人が線引きを行うことで作られる、ある種の創造性を含んだものであることが提示される。「多様性」のような、ビッグワードやスローガン的なものに吸収されていく、あわいのある存在を見落とさないようにしたいと考えようになったのは、本書の指摘が大きかったかもと思う...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    そうそうたる顔ぶれがそれぞれに「利他」について説いているんだけど、何となく見えてくるものがある。特に、伊藤亜紗と中島岳志の利他論に学ぶところが大きい。すなわち……。
    利他とは、人のためになることのようなとらえ方が一般的だと思うけど、それを意識的にするのは「利他」ではない。何らかの気持ちのメカニズムが...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    読みやすい文体と好意的な好奇心で「見えない世界」を覗き込む筆者の姿勢がすごく良かった。
    見えない人の世界の柔軟性に学びが多かった。
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    とても面白い読書体験だった!!
    工学、テクノロジーは機械や技術という側面から見ると「近未来的」「すごい」「難しい」と、自分ごとの延長として捉えにくいのだが、誰もが共通して持っている「肉体」というレンズを通して見るととても身近なものに思えてくる。

    障害や様々な面から日々人間の肉体について研究されてい...続きを読む
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    (今のところ)今年一番面白かった一冊。

    体がある技能を習得するとき、何が起こっているか。
    技術がそれにどう関与できるか。
    美学者である著者が、五人の工学系の研究者の試みを通して体の持つ可能性を探索する。
    最新の技術を、伊藤さんのナビゲートでその研究室に行って見学するような気分で読める。

    最初に登...続きを読む
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    「できるようになる」ことをテーマに身体とテクノロジーのこれからの関係を論ずる一冊。読み進めるに連れて自分がどう身体使ってきたか、使ってきてないかについて思いを巡らすことができる。
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    介護や看護、医療職の人に必ず読んでほしい。

    4本足ではなく3本足のバランスで立っているだけという表現や、欠けているんではないということ

    障害は不自由ではなく、むしろ自由な発想がある
    大切なことを学びました
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    ゲームには疎くて「バーチャル」の世界を体験したのはテーマパークや映画館くらいなものだから
    「ないしっぽをふる」訓練がどんなものか、想像するだけで気のせいか頭のてっぺんがむずむずするけど、面白そう!意識と体、運動の関係など
    5人それぞれの研究対象と経歴もとてもとても興味深い。ふだん音声入力をほとんどし...続きを読む
  • 感性でよむ西洋美術
    今まで何となく観ていた絵画を、時代ごとの枠組みで比較することで知らなかった新たな発見がたくさん生まれた。そして、感性で読むとあるように、アカデミックに比較しながらも、印象や感想を用いて比較する楽しみも味わえた。
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?
    「きっと体が好きになる!14歳からの身体論
    体は思い通りにならない。けれど体の声に耳をすませば、思いがけない発見が待っている! きっと体が好きになる14歳からの身体論。」

    伊藤亜紗(いとう・あさ)
    1979年、東京生まれ。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長。同リベラルアーツ研究...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    【背景】
    ①なぜ読むか
    いわゆる“障害”をもつ人が見る世界を知りたいと思ったから。
    ②何を得たいか
    視覚障害者がどのような世界を見ているか感覚的に得る
    ③読後の目標
    二元論的な優/劣を克服するための一助とする
    【著者】伊藤亜紗
    【出版社】光文社新書
    【感想】
    特支での経験から、人の優劣などを疑うよう...続きを読む