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Posted by ブクログ
リオデジャネイロでのパラリンピックが盛り上がりは2020年に向けて障がい者スポーツへの関心のギアを一段階上げると思います。NHKの放送もソチの時は教育テレビの福祉番組が中心にあったように覚えていますが今回は総合テレビでスポーツとしての中継が存在感を増していました。本書も社会福祉的な論点ではなく身体論としての切り口が新鮮でした。手に取ったのは以前にたまたまお話を伺った5人制サッカーの日本代表の落合啓士選手がインタビューに答えているのを見つけたからなのですが、その際、見えている時代にサッカーを見てからその後ブラインドサッカーに入る選手より、初めからの選手の方が可能性が高いかもしれない、と言われていたのを思い出しました。失ったものを取り戻す、のではなく、持っているものを強める。身体論としての障がい者スポーツが時代に投げかけるメッセージは大きいと思います。
Posted by ブクログ
いい試みの一冊だった。
障害者と健常者の違いをハンデと称し、その差を埋めて同じにすることを平等とする、そんな一般認識に一石を投じる。「同じ」にすることを強調するのでなく、「違い」に注目する。注目するだけでなく、その違いの先にさらなる可能性を見出そうとする試みが、明るい!
本書では視覚障碍者を取り上げる。視覚障碍者によるスポーツは
「私たちの多くがいつもやっているのとは違う、別バージョンの「走る」や「泳ぐ」」
だという。さらに、
「それを知ることは、障害のある人が身体を動かす仕方に接近することであるのみならず、人間の身体そのものの隠れた能力や新たな使い道に触れること」
と考えることがすごい!見えないことで発揮される他で研ぎ澄まされる感覚を「能力」とする発想が前向きだ。
その発現をルールの定められたスポーツの場に求める。そのルールは敵味方とも平等だし、ハンデではないのだ。なんなら、その同じルールの下で、つまり、「視覚を使わない」という“ルール”で視覚障碍者も晴眼者も同じ土俵で戦えばいいのかもしれない。
そこまで本書は突っ込んでないけれど、究極はそういうことじゃなかろうか? 条件さえ満たせば、ブラインドサッカーにJリーガーが完全目隠しして同じピッチに立つということだ。それが究極の平等なのかも?という可能性を垣間見せてくれた。
ブラインドサッカー、水泳、陸上、ゴールボールのパラリンピック選手との対話がメインの本書。視覚に頼らない「能力」を有する彼らの発言が実に前向きなのが何より素晴らしい。彼等には我々に見えていないものが見えている。
スキルを高め、判断力を磨くために、ブラインドサッカーの、つまり視覚に障碍を持つ加藤健一選手が、
「視野を広く持ち、次にどうなるか予測を立てておくことが必要」
と言ってのける。これに快哉をとなえずにいられようか。天晴だ。
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