げみのレビュー一覧
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昨日1月19日は、森鷗外の誕生日。
毎年、谷根千にある森鷗外記念館が、無料となります。
友人を誘い、森鷗外旧居「観潮桜」跡地に建つ記念館へ。友人は、wikiでは、誕生日が2月17日になっているけど?と。まあ旧暦か新暦の違いでしょうとは思いつつ、受付のお姉さんに確認させていただく。
鷗外自身が、誕生日を1月19日と公表していたので、当館ではその意向を受けて、とのこと。
鷗外は、文久2年(1862)生まれ、まだ江戸時代、新撰組が活躍し始めた頃。誕生日は旧暦。
観覧料安いんですけどね。
平野啓一郎氏が、森鷗外をかなり尊敬する作家として評価されているインタビュー映像なども放映されている。舞姫の解説では -
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小学生のころ(多分)教科書で読んだ高瀬舟。
比較的好印象で自分の中に残っていた作品だが、改めて読むと、月明かりの照る夜更けに舟の上で、自分の境遇を語る喜助とそれを聞く同心の心持ちが心地よい静けさを醸し出すなぁ、と思いました。
その静けさをイラストがいい具合に冗長させてる素敵な絵本です。
心地よい静けさ、というと語弊があるかもしれません。人の際限ない欲と、安楽死のための殺人という深いテーマを盛り込んだ作品なので考えさせられる点は多いのですが、それを押し付けないふんわりとした包み込む雰囲気があるのが心地よいと感じます。
2023.1.8
7 -
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村山早紀さんとげみさんのコラボ。
瞬く星空の下なのかと思ったが、透明の傘をさしているのは雪なのか⁇
とても幻想的で、青年を見上げている白い猫が、なんとも言えずに愛しい…。
そんな表紙に惹かれて、ページを捲る全4話。
表題作の「約束の猫」が、表紙となったのが読んだあとにわかる。
こんなにも猫が身近に感じられるとは思わなかった。
そばに居てあたりまえのような存在になっている。
実際、犬としかいっしょに生活したことはないのだが…。
それでもこれほどまで猫に惚れるとは…。
「七日間のスノウ」拾った子猫を家族に内緒で、こっそり育てたけれど…。家族の愛を感じられる(涙腺崩壊もの)
「五千年ぶん -
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あれ?森鴎外の文体好きかも
はい、13おネエとなる森鴎外+げみの『高瀬舟』でございますよ
『高瀬舟』にはいろいろ語りたくなるポイントがあるんですがめんどくさいのでガッツリはしょりますw
一応「考えさせられますね」とかそれっぽいこと書いておこう
で文体です
あれ?森鴎外ってこんな感じだったっけ?
何作か読んだことあるはずなんだけど、特別好きな作家とかでなかったはず
でもなんか心地よいかも
あ、でもあらためて何か読み返そうとも思ってないですけど(おい)
にしてもやっぱげみさんいいわ〜
げみさんのイラストいいわ〜
世界観を壊さない寄り添ったイラストでありつつ幻想的な余白も感じさせる
他のイラ -
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乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとげみさんのコラボ作品「蜜柑」です。やっと手にすることができました!!
横須賀線の汽車の車中が物語の舞台…。鬱々としていた私が出会ったのは、見すぼらしい風情をした13,14歳くらいの少女だった…。そもそもなぜ自分とこの少女が一緒の車両に乗らなければならないのか…と感じながらも、その少女から目が離せない…。だけど、少女が車窓から見送りの弟たちに蜜柑を放る場面は、そこまでの重い雰囲気が一気に晴れて清々しさを感じさえ感じさせます。きっと、少女は家族のもとを離れて奉公先に行くのであろう…見知らぬ場所へ行くのに不安もあるだろうに、こうして家族の幸せを願っている -
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〈乙女の本棚シリーズ〉
梶井基次郎+げみ
表紙の絵に釘付け…。
美しい青年と檸檬のバックに浮かぶ色彩のレトロ感に惚れ惚れする。
何に憂いているのか…この青年には孤独が似合う。
身体の辛さか借金なのか、街を浮浪し続けては、見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられた。
檸檬を買った。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も丈の詰った紡錘形の恰好も好きだから。
始終私の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛んで来たと見えて、わたしは街の上で非常に幸福であった。
この檸檬の重さが彼にとってちょうど良かったのか。
丸善へ入り本を積み上げ、その頂き -
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村山早紀さんとげみさんのコラボ。
紫色と藍色に輝くのは黄金の星。
その中心に青年と亀、彼らのバックには満開の桜の木という…なんとも優美な表紙の絵。
3つの短編はとても優しい。
「花ゲリラの夜」綺麗で強い薔薇のようなさゆりさんは、私を散歩に誘うと町中に種をまく。
知らぬ間に咲いて誰かが喜んでくれたら幸せな気分になる。
そう、花は誰かを幸せにして、誰かに勇気を与えてくれるのかもしれないと思う。
「春の旅人」遊園地で見かけたおじいさんから聞いたのは、若い頃に北極星から来た亀と話をしたこと。
この星で生まれて宇宙へと旅立つ、同じこの星で生まれた、地球のきょうだいと呼ばれたことを。
まるで夢のよ -
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乙女の本棚5冊目は梶井基次郎!
いやーなんだか甘やかされてる
おじさんたちが若い頃はなーもっと苦労して苦労して一人前になっていったもんだ
こんなことだから最近の若いヤツは軟弱ですぐ泣きごと言うんだわ!
と飲み会の席で最も嫌われるおじさん代表的な考えもなくはないんよ
梶井基次郎なんてほぼ詩やからね
意味なんてわからんのよ
そもそも本人が易しく伝えようなんてしてないんだから
その棘だらけの難解な文章を苦労して苦労して読み解くのに意味があるんだから
そういった意味では乙女の本棚なんて天津甘栗と一緒ですからね
しかもすでに剝いて袋詰めしてあるタイプの天津甘栗ですからね
いがぐりの状態すっ飛ばして -
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乙女の本棚シリーズから、小川未明さんとげみさんのコラボ作品「月夜とめがね」です。大好きなげみさんのイラストでテンションあがります!しかも、今まで読んできた乙女の本棚シリーズの表紙は作中にも使われてたけれど、この作品の表紙は作中にはないみたい…まぁ、それはどうでもいいかな(^-^;)
小川未明さんは「日本のアンデルセン」と呼ばれる方らしいですね…!読んで納得です。ストーリーは、月のきれいなある晩のこと…いつものように針仕事をしていたおばあさんのもとをたずねてきた、めがね屋さんと少女が描かれています。月の青白い光が、なんともやさしく、心にしみこんでいくような…そんな感じがしました。どこまでも -
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どんな美しい音楽も、どんな美しい詩の一節も、辛抱がならなくなるほどの、えたいの知れない不吉な塊。
それを抱えながらとある果物屋で魅入られ手にした檸檬を、京都の丸善で積みあげた画本の頂きにのせる。そしてそのまま店を立ち去る。
くすぐったい悪戯心によって取り残された檸檬は、あと十分後にはきっと大爆発をするのだ──。
ひさしぶりに読み返したけれど、これってメタファーとして現実に置き換えるとけっこう恐ろしいよな、と思う。
駅とかに不審物が置かれていた、なんてニュースを最近よく耳にするからだろうか。
日常に倦んだ誰かの気まぐれ。怖いけれど、でもそれが、檸檬の色彩のように鮮やかで魅惑的な響きを伴っている -
ネタバレ 購入済み
あら?
二人が、結婚して終わり。最後に、双子の赤ちゃんが産まれて、両家の、おじいちゃん、おばあちゃんが、大喜びという、おまけ付き。めでたしめでたし。