げみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本屋大賞も獲られて、最近気になる作者さん。
フォローしている方のレビューに惹かれて、10年前に書かれたシリーズ物に行ってみる。
人の心の動きを香りとして感じとることができる香乃(高2)は、祖母が営む香り専門店「花月香房」で暮らしている。ゆるりと営業する日常の中、そこで起きる謎というかトラブルめいた出来事にアルバイトの雪弥(大学生)と一緒に対処していくといった設定。
店を訪れた老婦人の“消えた手紙”のゆくえ、訳あり家族の相続にまつわる過去の記憶、大学のゼミ室でなくなったメガネのありか…。
匂い袋、香木、練り香水など店で扱う香りに、香乃が感じる人の動きの香りを絡ませて進む話は、まずまずうまく出来ていてサクサクと読める。鎌倉を舞台にして少しレトロでゆるくて可愛らしい雰囲気もいい感じ。
他人と違うという香乃自身の悩み、それを理由とする香乃と家族の関係、幼い頃から続く香乃と雪弥の関係なども縷々語られるが、こちらは今後の展開の種まきもあるのだろうがちょっと面倒くさかったかも。
最近シリーズ物に行っては2,3冊読んで後が続かずが増えているが、これはどうかな。取り敢えず、次へは行ってみる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ母が出勤中に突然倒れ亡くなり途方に暮れる42才の引きこもり女性。四十九日を前に、亡き母から招待状が届く…『独りぼっちの楽花生パイ』。
亡き夫が拾った三毛猫・小梅と暮らす67才の女性。いつまで一緒に暮らせるか不安になり、SNSで引き取り手を募集することに。ある親子に決めたものの小梅との別れを決められず…『猫とティラミス』。
葬儀の生前予約した元教師夫妻。その後すぐ妻が亡くなり、50年連れ添った妻が夫に用意したくろねこのおやつとは…『泣きたい夜のマロングラッセ』。
メモリアルホール谷中の岩清水宛てにくろねこカフェの招待状が届く。差出人は元社員で半年だけ勤務した男性。事情が気になる風花は当日くろねこカフェを訪れる…『さよならはベーコンのチョコレートがけ』。
気の合わない社員、データだけではわからないこと、新米社長の風花の悩みは続く。自分の好き嫌いで他人を疑ってはならない。決めつけ良くない。今の世の中にこそ必要なことかも。私も気をつけておかないと。
今回もほっこりするエピソードばかり。『泣きたい夜のマロングラッセ』の老夫婦が素敵。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ二つの世界に生きる香奈多(かなた)と瑚子(ここ)。
香奈多が語るパートと、瑚子が語るパートが交互に出てきて物語が進んでいくが、どこかちぐはぐな印象を受ける。
展開するごとに、その謎が判明していくのだが、過去の話の伏線回収と、これからの二人の未来の話のどちらもが温かくてホッとした。
かなしいことがあっても、かなしいだけで終わらせない。そんな決意が二人の中に共通している。
それは香奈多のお母さんの言葉でもある。
「かなしいのは、いっしょにいられたことが幸せだったからなんだって。だからさだからさ、そのかなしいのは、パパが最後にくれたプレゼントなの。すっごく大切にしないといけないものなんだって。」
そして互いの世界に生き続ける二人を繋げたのは一見、意地悪に見える佑実で。
「この世に友だちは一人もいない」と信じきっていた二人が、実は色んな人に見守られているという事実は、とても優しく、勇気づけられる。