紫式部のレビュー一覧
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現代語訳が先に書かれていて、またそれが丁寧なので、古文があまり読めなくても充分に楽しめる。
紫式部の目を通して語られる宮仕え事情。古の日本に興味のある私からしたら、当時を知れる最高の書物だった。これまで、日記系は堅苦しいものだと決めつけていたが、そんなことはなかった。もっと日記系に親しもう。
そして、殊に紫式部の心情の所は、原文の方が直に伝わってくる。世の中に対する思い、宮仕えに対する思い…決して明るいことばかりではないが、つい彼女の言葉を反芻し、噛み締めてしまう。世の中も仕事も、時代は違えど思う所はあるのだと、救われた気持ちになったからだ。
現世を鬱陶しく感じたとき(頻繁すぎるが)、背 -
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Posted by ブクログ
NHK大河「光る君へ」に乗り切れないので拝読。
結論、読んで良かったです。
高校時代、古典(教師)が嫌で嫌で…源氏物語もサッパリ分からない。そのような状態の私にピッタリな本作。
高校時代に出会えていたら、もう少し古典の成績が良かったかも知れません。
それはさておき。
スーパーイケメン源氏と、スーパー美女・藤壺をおばにもつ若紫姫の王道ストーリー。
一目惚れした夕顔との死別、決められた結婚により冷めた関係の葵の上、謎の悪女弘徽殿…現代のベタストーリーの根幹は源氏物語だったんですね。
おとぎ話のようにはいかない、貴族社会の現実性が源氏物語の価値であるのだと気づきました。
「光る君へ」でまひろが -
ネタバレ 購入済み
シキブ最高!
超有名な源氏物語の作者なのに、その人となりはほとんど知られていなかった紫式部さん。シキブの愛称で漫画になり、彼女の息吹が伝わってきました。今でいうHSPかも知れませんね。繊細で生きづらい人といいますか。根暗なシキブさんの方が、ひけらかし型のナゴンさんより親しみを覚えます(笑)娘の賢子さんは父親に似た気質で上手く生きたんですね。それぞれ持って生まれた個人差があるのでしょう。
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自己肯定感が低い紫式部日記の一部を楽しくマンガにした本です。
夜中に目が覚めてたのでちらっと読むつもりが、面白くて眠れなくなりました。巻末の原文を除くと1時間ぐらいで読めます。
紫式部は夫の死後、源氏物語を書いて評判になり、中宮彰子の女房としてスカウトされます。イヤイヤ働くことにしますが、初出仕の日に総スカンに遭い、5か月間のひきこもり生活に。宮中に戻ってからは漢籍が読める知的さ隠し、周りの目を気にしながら宮中に馴染んでいきます。
彰子の出産時の騒々しい祈祷の様子には笑ってしまいます。カリスマ陰陽師・安倍晴明も祈祷のメンバーの一人。政敵の呪いを恐れる当時の考え方に面白さを感じるものの、出産 -
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光源氏も中年にさしかかり、その変わらぬ色好みぶりに読んでいていっそ感心してしまいます。
一巻目の藤壺のくだりははらはらしすぎてちょっと胃もたれする感があったけど、二巻になるともう少し気楽に読める不思議。一巻より面白くなっています。
光源氏の、朝顔の姫宮へのしつこさも、すごい、と脱帽するばかり。
姫宮は六条御息所の娘です。
正妻(葵上)を死に追いやった生き霊の女(六条御息所)の娘にここまで入れ上げるというのが、いい女の前ではこまけえこたあ気にすんな、の精神なんだろうか。
終盤は、いよいよ「若菜」を途中まで見せて終わります。源氏物語は「若菜」まで読むのが真髄、とよく言われていることは知っていたので -
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清少納言曰く「派手好きな旦那」を持ち、華麗なる宮廷ロマンス文学を執筆した紫式部のことだから、見た目も性格も男女関係もさぞかし華やかな人物だろうと想像していた。紫式部日記を読むまでは。
イマイチ乗り気じゃない宮仕えが、やがて自分の得意分野(物語執筆活動や出産時の記録係、彰子への漢文講義等)を活かして宮中に居場所を見つけるとともに、知識をひけらかすことなく周囲とも波風立てず穏やかな人物を装うことで時の権力者・藤原道長にも一目置かれるような唯一無二の存在となった処世術は、現代人の我々にも参考になりそうだ。
「マウント女子」とは対極的な紫式部。かと言って容易く周囲に流されるような頼りない性格でも -
ネタバレ 購入済み
薫の後悔
薫は、早く浮舟を呼び寄せていればと後悔する。そんな中、妻の女二宮の姉に心惹かれて苦悩する。同じ桐壺帝の子孫なのに、運命が別れてしまった女たちの対比が鮮やか。
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ネタバレ 購入済み
薫の過失
薫は浮舟をいつ邸に迎えるか迷っており、警備も少なかったゆえ、匂宮と浮舟が関係を持ってしまった。追い詰められる、浮舟。薫がすぐに邸に迎えるか決めていればこうならなかったのに。残念。