【感想・ネタバレ】源氏物語 紫の結び ニのレビュー

あらすじ

都に戻った源氏は紫の上と再会を果たします。明石の君との間に生まれた姫君の入内を進め、並ぶ者のいない栄華を極める中、女三の宮という一片の暗雲が物語に影を落としていきます。

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Posted by ブクログ

光源氏も中年にさしかかり、その変わらぬ色好みぶりに読んでいていっそ感心してしまいます。
一巻目の藤壺のくだりははらはらしすぎてちょっと胃もたれする感があったけど、二巻になるともう少し気楽に読める不思議。一巻より面白くなっています。
光源氏の、朝顔の姫宮へのしつこさも、すごい、と脱帽するばかり。
姫宮は六条御息所の娘です。
正妻(葵上)を死に追いやった生き霊の女(六条御息所)の娘にここまで入れ上げるというのが、いい女の前ではこまけえこたあ気にすんな、の精神なんだろうか。
終盤は、いよいよ「若菜」を途中まで見せて終わります。源氏物語は「若菜」まで読むのが真髄、とよく言われていることは知っていたので、やっとここまで辿り着いたかと感慨深い。このまま3巻まで突き進みます。

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2023年07月31日

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読みやすくていいですね。 
しかも和歌。
目をあちこち移動させる必要がない。

昔、瀬戸内寂聴さんの講演会で「私の源氏物語は、歌を読みやすくしました」と仰っていたのを思い出しました。
歌って、現代語訳するときに難しいものなんですね。

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2023年02月12日

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主に源氏の君の子供(冷泉帝・夕霧・明石の姫)に関わる源氏の君の話。 ひたすら源氏の君賛美の内容にうーんとなったんだけど、当時はこれがウケたのだろう。身分が高くて高スペックでイケメンで何でもできてモテモテでも、妻との会話で他所の女の人の器量をあれこれ言うような人は御免だなあ。 内容は相変わらずとても分かりやすかった。身分(昇進するたびに呼び名が変わる)で呼ばれるときも括弧書きで名前を書いてくれるのがとても助かった。

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2017年08月18日

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須磨明石から光源氏が帰還。六条御息所の娘(斎宮女御or梅壺女御、のちの秋好中宮)が入内、絵の御前試合。明石の娘が上京、紫の上の幼女となり入内するまで。明石女御の入内の用意など。夕霧の生活と雲居の雁との結婚話。女三の宮の輿入れ。本当に上手くいいところを抜粋している。個人的には飛ばされてしまった好きな箇所などもあったりして、それもまた面白い。

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2017年06月01日

Posted by ブクログ

中の品の方々をさっくりと省き、本流に目を向けた源氏物語2巻目。

きました。女三の宮。源氏の君の許せないことたった一つ。女三の宮と結婚したっつーことですよ。
紫の上は正式にお披露目して結婚したわけじゃないから、いわゆる側室的なポジションのまま1番に愛される人だった。正妻の座は葵の上が亡くなってから空席だったはずだったのに。
ここで、位の高い女性を迎えるというね。

紫の上にとったら裏切り以外の何物でもないという仕打ち。許せないですね!

でもこれが、平安時代の諸々を表しているようで面白いところですね。子供がいる明石の君は安泰とかね

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2017年03月11日

Posted by ブクログ

あぁ、この人はもしかして夕霧がそんなに嫌いでないのでは。

ということで、ちょっとダレる感のある「須磨」から帰ってからの「源氏物語」ですが、なかなか、魅力的にかかれていました。

「宇治十帖」の楽しさは俵 万智に教えてもらったし、いろいろな人の「源氏物語」を読むもんだなぁと思いました。

ただし、「若菜」が、上下にわかれているのはいいのですが、「若菜」の上の途中でこの本が終わっているのは、ちょっといただけないなぁ。

そして、紫上と女三の宮が会っているのをいいことに、朧月夜の君に会いに行く光源氏。
最低ですな。

その最低さが、ほんとうに淡々と書いてあって面白いです。
うーん。この淡泊な感じが、いい味になっています。

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2014年07月28日

Posted by ブクログ

二巻の表紙は明石の君です。(書影、なおりました!)

荻原規子バージョン源氏物語。
快調です。

官位を与えられなかったため、自主的に謹慎の道を選んだ光源氏は、須磨に来ていました。
訪れた人が驚くほどの侘び住まいで、さすがにしばらくは女性を口説くこともなかったのですが。
運命かと思わせる成り行きが色々あって、明石の入道の娘とそういう仲に。
「真の罪はない」などと何度も出てくるのが~おいおい、って感じだけど。
朧月夜の君が、表向きは天皇(源氏の兄)の女御ではなく、宮廷の女官だからでしょう。

晴れて都へ戻った源氏は、紫の上と嬉しい再会。
むつまじく暮らし、次第に栄華を極めていきます。
明石の君に子が生まれ、都で育てたいがどうするか、紫の上にいつ打ち明けるかなど迷いもするのですが。手元に引き取り、紫の上が可愛がって育てます。

六条御息所が病の床に伏し、源氏はその娘の前斎宮の後見人になることに。
入内するよう藤壺の宮に促され、その支度をします。
このときの帝は実は、源氏と藤壺の間の子。
帝の女御二人が張り合う絵合わせの行事のために、源氏は家にある見事な絵を持ち出し、さらには須磨で描いた自作で評判を取ります。

いまだに藤壺の宮は憧れの女性で、距離がある中にも、何かあるたびに心の奥深く響く存在。
出家した藤壺の宮の苦悶に比べると、源氏はいまだに慕う気持ちのほうが強くて罪悪感は少ないですね。
37歳で藤壺が病に倒れると、情け深い人柄が知れ渡っていたため、すべての人が悲しむことに。
源氏の嘆きは一通りではありません。
若い帝は僧都からひそかに出生の秘密を知らされ、源氏に親不孝をしていたと考えます。

葵の上が生んだ源氏の長男・夕霧は、幼馴染の雲居雁と相愛でしたが、雲居雁の父(葵の兄で、内大臣。若い頃は頭中将)に引き離されます。
それも大人になっていくにつれて、許されるのですが。
(雲居雁の生母が、早く離縁して今は別な人の北の方になっているというのがちょっと面白い)

明石の君は、田舎育ちとは思えない品位と才覚を備えた女性。
身分を自覚して娘を手放し、身を引いていましたが、娘の明石の上が春宮(源氏の兄の子で、次の天皇)に入内することになり、付き添っていくことになります。

太政大臣となり、六条院に壮大な邸宅を築いた光源氏。
そこに、女三の宮の降嫁という大きな問題が‥

一巻目よりいくらか落ち着いて、都での優雅な催しややり取り、人々のいろいろな思惑が描かれます。
淡々とした文章ですが、紫式部が宮中で見聞きした経験から、華やかさに実感がこもっているのでしょう。
こういうふうに人の気持ちは動くもの、この場合はこうした方がふさわしい、などと、当時は宮廷で働く人や縁組を考える人の参考書にもなったのでしょうね。

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2014年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

= 澪標

光源氏28歳。都で復権。帝(源氏の兄)が,藤壺の宮との不義の息子の春宮に譲位して,朱雀院となる。
新帝が年若いため,引退した葵の上の父が摂政となり,源氏は内大臣となる。
承香殿の女御の息子が次の春宮に立つ。
明石の君に娘が生まれる。
源氏は,弘徽殿の大后にはあれこれ世話を焼くが,不遇時代に冷遇された紫の上の父(兵部卿宮=藤壺の宮の兄)だけは許さず,冷たく当たる。
御代代わりのため,斎宮も交代になり,前斎宮の母・六条御息所ともども京に戻ってくる。
六条御息所が息を引き取る前に娘(前斎宮)のことを源氏に託し,源氏は娘を引き取り,帝に入内させる準備を進める。

= 絵合

朱雀院は,前斎宮を自分の元に来させたがっていたが,源氏は藤壷の宮とも相談して,結局帝に入内させる。
帝には権中納言(かつての頭中将)の娘が入内していたので,帝の寵愛をめぐって競合が生じた。
権中納言側と源氏側とで,絵の優劣を競う会などが催された。
源氏は出家したいと考えているが,帝がもう少し大人になるまでと封印している。

= 松風

源氏31歳。
二条院の東院が完成し,花散里の君が移り住む。
東の対には明石の君を住まわせる心づもりをする。
しかし,明石の君は都に住むのに気後れし,明石の君の母の祖父の古い屋敷が大堰川のほとりにあったので,そこを整備して母と移り住むことにする。
源氏は,明石の姫だけでも二条院に引き取りたいと考える。
紫の上も,幼い子を可愛がる性質なので,乗り気になる。

= 薄雲

源氏は明石の君を説得し,明石の姫を引き取ることにする。
太政大臣(葵の上の父)が亡くなる。
続いて,藤壷の宮も病に伏し,37歳の若さで亡くなる。
さらに,式部卿の宮(朝顔の斎院の父)も亡くなる。
立て続けに大事な人が亡くなる事で,帝は自分に原因があるのではないかと悩む。
源氏が宥めるも,帝は源氏が実の父だという事を知ってしまっており,複雑な心境である。が,自分が知った事を父に知られては気まずいだろうと考え,胸に納め,ますます悩む。帝は源氏に譲位したいと考えるが,いさめられる。
それでも,帝は源氏を太政大臣相当に昇進させる。
前斎宮が二条院へ里下がりをした際,源氏は前斎宮への恋心をほのめかす。
いまだにそういう心情が残っている事に,源氏自身驚くが,以前のようにそこから先には進まない。

= 朝顔

現斎院(朝顔の姫宮)は,父の服喪のために人を降りる。
源氏は,朝顔の姫宮が元の屋敷に戻った事を知り,以前の恋心を再燃させる。
が,朝顔の姫宮は相手にしない。
源氏が朝顔の姫宮に言い寄っている事を噂に聞いて,紫の上は嘆き悲しむ。

= 少女

源氏33歳。
相変わらず朝顔の姫宮にちょっかいを出している。
亡き葵の上の息子が元服する。
源氏は,若いうちにあまり高い位につけるのは良くないと考え,息子を六位につけ,大学寮に入れて勉学を積ませる。母方の親戚にはそれが面白くない。
前斎宮(梅壷)を中宮に立后させる。後の秋好中宮。
源氏は太政大臣になり,右大臣に昇進した元頭中将に執政権限を委譲する。
内大臣には娘(雲居雁の姫)がもうひとりおり,葵の上の息子(冠者の君)と一緒の屋敷で育ったため,非常に仲が良い。2人は,密かに恋文を交わすようになる。
一方で,内大臣はこの娘を春宮に嫁がせたいと考える。
冠者の君と雲居雁の姫の仲が内大臣に知れてしまい,遠ざけられてしまう。
源氏は,冠者の君を花散里の君に預ける。
源氏は六条に新しく邸宅を建て,そちらに移る。明石の君もようやく引っ越してくる。


= 梅枝

源氏39歳。
明石の姫の裳着があり,春宮の元服も行われる。
葵の上の息子は宰相中将(夕霧)となっている。
源氏は夕霧がいつまでも独身である事を心配し,中務の宮の姫との縁談を勧める。
内大臣は,雲居雁の姫と宰相中将を一緒にさせてやった方がよいのではないかと思い始める。


= 藤裏葉

ついに内大臣が折れて,息子(柏木)を使って,夕霧を雲居雁の姫のところへ手引きする。そして晴れて結婚する。
明石の姫が入内する。明石の君がお世話役として内裏に入る。
源氏は太上天皇と同等の位を得,内大臣は太政大臣に,夕霧は権中納言に昇進する。
夕霧と雲居雁の姫は祖母の大宮が住んでいた三条屋敷に移る。
六条屋敷に帝の行幸があり,准太上天皇たる源氏と帝が並ぶと瓜二つである。
横に控えた権中納言も併せて,源氏の血族の栄華を極めた時と見える。

※太上天皇は引退した先帝のこと。略して上皇。院とも呼ばれる。
准太上天皇は,そういう正式な称号があったわけではない。太上天皇に准ずる待遇の意。

= 若菜 上

朱雀院が病を得,出家を急ぐようになる。
出家に当たっては,不遇だった藤壺の女御の忘れ形見である女三の宮の行く末が心配になる。
女三の宮の嫁ぎ先としては,柏木も考えられていたが,この時点でまだ官位が低いため,
見送る事になり。朱雀院のたっての願いで,源氏が引き受ける事になった。
女三の宮の格が高すぎるため,紫の上は自分の今後の立場を思って心を痛める。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

抄訳でもなく超訳でもなく、これはもう編集ですね。「玉鬘」は潔くばっさりと切り落とし、「若菜」へと向かう。
著者のはっきりした指針の下だから、これはこれでいいし、スタスタと読み易いのも確か。

しかしもちろん現代とは結婚の様式も恋愛観も異なるとはいえ、そして源氏の君には女性たちを見捨てない甲斐性と恨まれないだけの器量があるとはいえ、いろいろと都合がよ過ぎて腹の立つことよ。
よくもまあ白々と…と思い、また紫の上もよく受け入れるよなあと半分感心し、半分呆れる。

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2017年07月01日

Posted by ブクログ

いろんな女性を気にかける光源氏に、紫の上だけじゃダメなのかなぁと思う。
浮気じゃなく本気で他の女性を気にかけているから、たち悪いと思っちゃったりも。

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2016年06月18日

Posted by ブクログ

光源氏が都に復活して栄華を極める!そして次世代へ(^^) 今のところ何とか着いていけてます(^^;)ても相関図とか欲しいなぁ(--;)

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2014年05月08日

Posted by ブクログ

作者が意図しただけあって、
展開に流れがあって、物語に惹き込まれ易い。
大胆な巻の省略が上手く機能している。

絵合わせ、香比べ、書比べと、
優美で典雅な世界に魅了されつつ、
そこに潜む人間批評のスリルにドキドキする。

しかし、自分の愛しい人が他の女の話をする。
それってどんな気持ちだろうか。
とは持っている感覚が、常識が違うとは言え、
人が抱く想いにそう違いがあるとは思えない。

平安時代ですら、古の方が良いものがあるという考えがあったことに驚いた。
永遠に人が持ちうる感覚なのかなあ。

言葉の少ない原文に近いこの文章は、
想像する余白が多い。
文章に、物語に集中しないと読み進めない。
でも、これこそが本来の「物語」なんじゃないかと思う。
表現が豊かになった分、失うものもあるということか。

1より2が良くなってる。最終巻に期待。

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2014年03月18日

Posted by ブクログ

1巻に続いて挿絵がすてき。
光源氏の30歳代の様子を描いた2巻。

お話の方は、けっこう読みやすいです。が、、、
平安の言葉?(裳着→もぎ、とか)
をすぐに忘れてしまって、
「えーーーっと、なんだっけ?」みたいに
前のページに戻ること数え切れず。。

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2014年04月07日

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