紫式部のレビュー一覧
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「千年の黙」があまりにおもしろかったので、紫式部についてもっと読みたくなって。 この本は、原文に忠実そうな現代語訳、原文、解説、とあって、すごくわかりやすく、読みやすかった。古文嫌いなので原文は飛ばしたけど。(古文法とか旧かなとかが異常に嫌い。ちゃんと勉強して理解すれば好きになれるのか?)おもに、皇后に子が生まれ、そのお祝いごととかの様子が描かれているのだけれど、紫式部はそもそも宮中づとめがイヤでイヤで、イベントごとも嫌いで、仲のよい同僚の局とうしろのほうでこそこそしていた、とか、行事にギリギリに行った、とか、そんな話がおもしろかった。すごく気持ち、わかる(笑)。しかし一方で、あんまり引っ込み
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ネタバレ発行されたのはNHK「光る君へ」に便乗されての事だろうが、おそらくは同シリーズの「枕草子」と対になっている。中の所々に清少納言への語り掛けがある。「枕草子」では歴史的政治的流れなどは一切書かずにただ宮中の煌びやかさ、定子サロンの華やかさを描いていた。「紫式部日記」はその後の時代を描いているが、定子を忘れかねて悲しげな一条天皇、そんな夫に心を閉ざす彰子。そして定子サロンの華やかさを懐かしがる宮中。紫式部の清少納言への反発はそこにもあるのではないだろうか。ここで描かれる紫式部は陰キャだ。ひたすらに目立たないように生きている。かつて清少納言が定子を想ったように、紫式部も定子を想っている。それは内容の
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ネタバレ= 澪標
光源氏28歳。都で復権。帝(源氏の兄)が,藤壺の宮との不義の息子の春宮に譲位して,朱雀院となる。
新帝が年若いため,引退した葵の上の父が摂政となり,源氏は内大臣となる。
承香殿の女御の息子が次の春宮に立つ。
明石の君に娘が生まれる。
源氏は,弘徽殿の大后にはあれこれ世話を焼くが,不遇時代に冷遇された紫の上の父(兵部卿宮=藤壺の宮の兄)だけは許さず,冷たく当たる。
御代代わりのため,斎宮も交代になり,前斎宮の母・六条御息所ともども京に戻ってくる。
六条御息所が息を引き取る前に娘(前斎宮)のことを源氏に託し,源氏は娘を引き取り,帝に入内させる準備を進める。
= 絵合
朱雀院は,前斎 -
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ネタバレ和風ファンタジーの名手,荻原規子によって,源氏物語を再編・現代語訳した
シリーズ。
「紫の結び」は,光源氏が見いだした少女,「紫の上」を中心とした巻で構成されている。
桐壺/若紫/紅葉賀/花宴/葵/賢木/花散里/須磨/明石
光源氏を生んだ桐壺の更衣は,身分が低いにも関わらず,帝の寵愛を受けた事で恨みを買い,様々に嫌がらせを受けた挙げ句,病で若くしてこの世を去る。
成長した源氏は,帝の寵愛を受ける藤壺の宮(女御)に母の面影を見いだし,遂に隠れて関係をもってしまう。しかも,藤壺の宮は懐妊してしまい,藤壺の皇子は,それとは知られずに,帝の子供として育てられる。
ことが露見する事を怖れる藤壺は,源 -
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ネタバレ大河ドラマに合わせてなのか、源氏物語に関する読み物がたくさん出された。これもその一つだろうか。光源氏の最愛の妻、紫の上の幼少期にスポットを当てて描いているようであるが、これは源氏物語のいわば「二次小説」的なものではないだろうか。確かに源氏物語の筋は追っているが、幼い頃の紫の上(=ゆかり)が水神の使いである水鬼に出会い、夢を渡って光源氏や周辺の女性達に会っていくストーリー。文自体は流麗で、読みやすいが、源氏物語ではなく普通に「平安時代のお姫様の物語」にした方が良かったような…。これを「源氏物語」として子供達に読ませるのは、少々抵抗がある。