紫式部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こちらは同じ角川ソフィア文庫といっても、全文が原文と現代語訳で示されている。
脚注、補注、解説も充実している。
文庫の判型による制約はある。
読者からすれば、できれば原文と現代語訳が同じページにあるのがうれしい。
小学館の日本古典文学全集みたいなのが理想。
もちろん、それは文庫の大きさでは難しい。
しおりを複数使って、あちこちページを行き来して読むしかない。
それはともかく、紫式部日記。
前に一通り読むには読んだ。
なぜこの人はこんなに鬱屈しているのかと思いながら。
解説でかなりそのあたりの理解は深まった。
彰子に仕える女房には三種類あるという。
1女房層女房(いうなれば「プロ女房」か)
2零落女房(元お嬢様)
3才芸女房(才能を見込まれた人)
入内にあたって、道長が選んだのは、家柄の良い娘たち。
ところが、これがお嬢様然として、まともに応対もできない。
定子の女房達と比べ、あきらかにひけをとる。
そこで、巻き返しのために集められたのが「才芸女房」。
紫式部も、和泉式部もこの枠だ。
特に紫式部は、その嚆矢となる存在だったそうだ。
となると、明らかに彼女は彰子後宮の異分子。
敵は亡き定子の後宮を慕う宮廷人たちだけでない、ということだ。
さらに、若くはない年齢を気にして、華やかな宮殿で場違い感を持っていた。
そして、出仕前に親しくやり取りしていた友達とも、出仕を機に縁が切れていく。
なるほど、これではつらいはずだ。
千年前の、自分とはまったくかけ離れた世界なのに、何か目の前にいる人のような気が、はじめてした。 -
Posted by ブクログ
大変貴重な史料だった。もちろん原本は残っていないし後年の写本ではあるものの…。この時代にこんなお手軽に読めることに感謝したい。
1000年も前に生きていた人たちの生々しい生活が垣間見える。いつの年代でも人間は本質的には変わらないんだなと(悪口言ったり意地悪する場面ね)
世の中には清少納言好きで紫式部は性格が悪いだの友達になりたくないだの、嫌なことを言う人が多く、編集者さんも同様の人だったらどうしようと不安であったが一切そのようなことはなく、客観的なコメントをされていて安心した。
確かに明るくはなく物憂げな感じではあるが本人としては世間に対し思うことはありながらも生き抜いたんだろうなと…。
どちらかというと紫式部よりの人間なので気持ちがわかる気がする。 -
購入済み
故きを温ねて新しきを知る
いつか読んでみたいと思っていたが敷居が高そうで今日まで開いたことがなかった。今回現代語訳の源氏物語に出合い桐壷という懐かしい名前を見たとたんにとにかく読んでみようと本を開いた。華やかな平安宮中の絵巻物を頭に描いていたが物語は現代にも通ずる人情の機微が描かれておりとても身近に感じ日本人のルーツにも触れることができたように思う。
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Posted by ブクログ
紫の結びではメインの女性にフォーカスして時系列にまとめて描かれていましたが、こちらはそれですっ飛ばしたスピンオフ的な中の品の女性の話がまとめてあります。相変わらず非常に良く推敲されていて、無駄な肉をきりつめるだけきりつめた感じ。非常にシンプルでかつわかりやすい。ただ、源氏物語に慣れているからわかりやすいと感じるのかもしれない。よくある現代語にありがちな主語がしつこく補われていたりせず、雰囲気を壊す説明的な文がないのでスピード感あって良い。
上巻、空蝉、夕顔、末摘花、玉鬘。やはり末摘花は面白いですねぇ。特に源氏のリアクションが面白くて笑えます。玉鬘が六条邸に移って、男性たちの求婚が激化してくる頃、秋好中宮の季の御読経のところまで。 -
購入済み
親しみやすい古典になっています
古典といえば苦手な人も多いはず。
難解な古語を解読する必要がなく内容が理解できるので、この本を読んだあとに原典を読めば古典にも親しみがわくと思います。