華麗な宮廷生活を活写しながら、その生活に溶け込めない自身の複雑な心境も語る。同僚女房やライバル清少納言についての言及には対象を批判的に見る目が利いている。『源氏物語』成立の背景を知るための最適の書。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
Posted by ブクログ 2023年05月05日
清少納言曰く「派手好きな旦那」を持ち、華麗なる宮廷ロマンス文学を執筆した紫式部のことだから、見た目も性格も男女関係もさぞかし華やかな人物だろうと想像していた。紫式部日記を読むまでは。
イマイチ乗り気じゃない宮仕えが、やがて自分の得意分野(物語執筆活動や出産時の記録係、彰子への漢文講義等)を活かして...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年06月05日
これでもかっ! という現代語訳の後に古文を配し、そして解説文が続く構成がとても良かった。源氏物語の作者として教科書でも有名な彼女の、中宮彰子に仕えた女房としての記録とエッセイと言える日記を楽しむことができた。天皇の後継者を生んだ彰子に仕える女房のあり方に対する熱い想い、そして枕草子の作者・清少納言へ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月06日
大変貴重な史料だった。もちろん原本は残っていないし後年の写本ではあるものの…。この時代にこんなお手軽に読めることに感謝したい。
1000年も前に生きていた人たちの生々しい生活が垣間見える。いつの年代でも人間は本質的には変わらないんだなと(悪口言ったり意地悪する場面ね)
世の中には清少納言好きで紫式...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月18日
「千年の黙」があまりにおもしろかったので、紫式部についてもっと読みたくなって。 この本は、原文に忠実そうな現代語訳、原文、解説、とあって、すごくわかりやすく、読みやすかった。古文嫌いなので原文は飛ばしたけど。(古文法とか旧かなとかが異常に嫌い。ちゃんと勉強して理解すれば好きになれるのか?)おもに、皇...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年11月22日
平安時代の宮廷生活を活写する回想録。華麗な生活に溶け込めない紫式部の心境描写や、同僚女房やライバル清少納言への冷静な評価などから、当時の後宮が手に取るように読みとれる。道長一門の栄華と彰子のありさまが讃仰の念をもって描かれ、後宮改良策など、作者が明確に意見を述べる部分もある。話し言葉のような流麗な現...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月09日
源氏物語の原作者紫式部が彰子中宮の元で宮仕えをしていた3年程の記録及び体験記とも言える「紫式部日記」の解説本です。
原典と口語訳とを併記されておりまずはとてもわかりやすいです。
タイトルにビギナーズ・クラッシックスと銘打ってあるだけのことはありますw
残念ながら原典の全てが掲載されているわけではな...続きを読む
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