平安時代につづられた女性の日記。東国育ちの作者が京へ上り憧れの物語に読みふけった少女時代。結婚、夫との死別。その後の寂しい生活。ついに思いこがれた生活を手にすることのなかった一生が今の世にも胸に迫る。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
Posted by ブクログ 2020年04月17日
菅原孝標女作ということしか頭になかったが、実際読んでみて何よりも印象的だったのが田舎から京への旅路を細かく書いている点にある。
日記文学であれほどまでに細かく旅の描写があるのはみたことがなかった。
また、この作品のタイトルをつけるとすると'諦念を知った少女"だと自分は思う。
源氏...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年01月07日
平安時代に興味が出てきたので、何か読んでみたいと思っていた。源氏物語は長くて導入部分でつまづくことが分かっていたので、もっと簡単なものを探していたところ更級日記に行き着いた。
作者である藤原高標の娘とは、簡単に言うと文学オタクの中学生女子。京都で流行りの源氏物語を読みたくて、ウズウズしている田舎の...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月07日
『更級日記』(菅原孝標女、川村裕子編、2007年、角川文庫)
「あづま路の道の果てよりも、なほ奥つがたに生いいでたる人、いかばかりかはあやしかりけむを」で始まる平安時代の古典。
物語の中の理想に憧れ続けた少女時代、パートタイムとしての宮中生活、晩年の現実的な仏に頼る生活を描いたもの。
晩年、夫...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月27日
2011/08/12
まだ女性に名前のなかった平安時代、
考標の娘という、幼い頃から物語に憧れ、
日がな読書だけをしていたいという夢を持っていた女性の日記。
物語を読み耽るという夢は叶ったものの、
現実には源氏物語のように素敵な未来が訪れることはなく、
夫の死別後、後年にはそのことを
『よしなき...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年10月23日
一つ一つの喜びも悲しみも、人の一生という長いスパンで考えると、長い川の途中にある滝や急湍のように一瞬のことで、海につくころには緩やかな流れとなって・・・老年になって自分の人生を振り返るのはどんな気持ちだろう。
自分の人生を失敗・反省としてこの日記を書いているような印象を受けた。小説の世界にばかり...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月31日
久しぶりに古典を読んだ。原文と現代語訳が書かれており、読みやすい。日記という名前ではあるが、菅原孝標女が老年になって、子どもの時からの日々を振り返った自伝である。子どもの時に物語をたくさん読み、描いた物語のような格好いい殿上人に出会って恋をして結婚する夢から、33歳で結婚と当時としてはかなりの晩婚で...続きを読む
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