世の中すべてが大きく転換する無常のさまを直に見つつ、混迷の中を生きた長明が書き記した日本古典の傑作『方丈記』。原文も通釈も総ルビ付きだから、この美しい文体が誰にでもすらすら読める。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
Posted by ブクログ 2023年02月18日
時代こそ違うが、同じ人間、思考する内容感じる内容は現代人と変わらず、驚くほどに共感できる。
1000年前と比べて間違いなく文明は発達しているものの、自然災害を前にすれば今も人間は無力である。
また、見栄や虚勢に左右され疲弊する様も同様である。
自分はどのように生きるのか、生きるべきか、現代人の我々に...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年12月05日
自然の力の前では人間なんて無力なものです.大震災を受けて痛感しました.鴨長明はたくさんの震災を受けて,無常観に目覚めます.震災後のこんな時だから,これからのライフスタイルを構築する上で何かの足しにならないかと方丈記を手に取りました.
贅沢に慣れ切ってしまっていて,ちょっと停電になっただけでも不便で...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月08日
「冬は雪をあはれぶ。積もり消ゆるさま、罪障にたとへつべし。」p.120
どこかに出典がありそうでもありますが、この例えは好きです。
罪は自然に消えず、行動で雪ぐしかないという固定観念があったのですが、雪に例えるなら時間と共に消えてしまうものになります。
それは方丈の庵での生活の清々しさが洗い流してく...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月18日
かなり面白く読みました。
読み手によって感じるところが結構変わるんじゃないかと思いました。
私には、いろんな敗北感とかトラウマを感じながら喧騒を離れて、これでいいんだ、これがいいんだ、と書き付けているように感じました。そうだとしたら、いたく共感します。
そう思いたくなるときもあるし、心の奥底には...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月31日
時代背景を記す部分が言わば長い前書きのよう。方丈の庵について描いた28〜34章は読み応えがあったが、最後の2章で執心をめぐる問答となって、ずっこけた。平安末期〜鎌倉の時代にもかかわらず、人々の感じ方や考え方は、現代とそれほど変わらないのだなと感じた。
ビギナーズ・クラシックスのシリーズは現代語訳が...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月29日
角川のビギナーズ・クラシックスシリーズは大好きなのに、
この編集者の武田友宏という人は一体なんなの?
ばかなの?くずなの?しぬの?
始終長明の人格を攻撃することに狙いを定め、
どの注釈にも必ず「また自画自賛」とか「また自慢が始まった」とかがつく。
編集者が長明を嫌うのは分かるけど、
その嘲りに満ち...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月03日
方丈記の原文と対訳が節ごとに掲載されている。解説も解説者の主観がかなり入っているように感じるものの、必要最低限で分かりやすかった。
出世の機を逃した鴨長明は隠遁を気取りながらも、社交界と接触を続け、天皇とも懇意にしていたという。そんな人物が自己を肯定したり否定したり、ブツブツ言いながら人生を模索...続きを読む
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