【感想・ネタバレ】更級日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年04月17日

菅原孝標女作ということしか頭になかったが、実際読んでみて何よりも印象的だったのが田舎から京への旅路を細かく書いている点にある。
日記文学であれほどまでに細かく旅の描写があるのはみたことがなかった。
また、この作品のタイトルをつけるとすると'諦念を知った少女"だと自分は思う。
源氏...続きを読む物語などに魅了され、いつか自分も同じような経験をするだろうと信じてやまなかったが、実際この無情の世では物語のようなことがあるはずもなく、次第に諦念を知っていく。
また、様々な人との別れがあり、会者定離のこの世を物語っている。
そんな無情を嘆きつつも、少女の淡い願いや喜びが所々垣間見れ、そのギャップを感じれるのがこの作品のいいところである。

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Posted by ブクログ 2018年01月07日

平安時代に興味が出てきたので、何か読んでみたいと思っていた。源氏物語は長くて導入部分でつまづくことが分かっていたので、もっと簡単なものを探していたところ更級日記に行き着いた。

作者である藤原高標の娘とは、簡単に言うと文学オタクの中学生女子。京都で流行りの源氏物語を読みたくて、ウズウズしている田舎の...続きを読む少女。
彼女の願い叶って京に引っ越し、源氏物語を昼夜問わず熱中する様。平安時代も現代もあまり変わらないんだなと思った。
物語中では、乳母や姉が亡くなったり、家が火事で燃えたりする。そういう中で、彼女もだんだん年老いていく。外ばかり見てる若い時代から、自分の内面を見つめるように移り変わる。

更級日記とか古文苦手な自分としては身構えていたが、読んでみると分かりやすいし、現代の生活にも通ずる部分があって面白かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年09月10日

2年ほど前、学校の古典の時間に、ほんの少しだけ読み、「夢見る文学少女なんて素敵!」と思い(笑)とうとう、文庫本買ってしまいました。
前半は、物語を読みたいと夢見る少女時代の話。後半は大人になり、宮仕え、子育て、旅をする話など。そして最後は夫の死などがあり、重い雰囲気で終わっていきます。
個人的には、...続きを読む継母との別れ、乳母や姉との死別など悲しい事件があるものの、きらきらした少女時代の部分が好きです。

訳文も原文に結構忠実で、比べながら読むにはよかったです。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

『更級日記』(菅原孝標女、川村裕子編、2007年、角川文庫)

「あづま路の道の果てよりも、なほ奥つがたに生いいでたる人、いかばかりかはあやしかりけむを」で始まる平安時代の古典。

物語の中の理想に憧れ続けた少女時代、パートタイムとしての宮中生活、晩年の現実的な仏に頼る生活を描いたもの。

晩年、夫...続きを読むの出世を望んだり、息子を育てることに生き甲斐を見出だしたりする作者の生き方には感動電球

(2009年8月7日)

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

物語が好きで空想ばっかりしていたり、夫がいなくなってから「もっと大切にすれば良かった」と思ったり、
特にドラマチックなことはないけれど、ささやかな幸せや悲しみのなかで生きている女性の半生。
自分は平安人でも貴族でもないのに、すごく共感できる。

【X】

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Posted by ブクログ 2024年01月24日

苦手意識のあった古典文学ですが、250ページに満たない頁数と、現代語訳→原文→寸評の順で書かれていて非常に入りやすかったです。
全漢字にふりがな付なのも良かった。
平安時代の女性である菅原孝標女の、13歳から40年分に及ぶ日記は、当時の貴族の一女性の暮らしぶりを垣間見ることが出来たようで面白かったで...続きを読むす。
本が大好きで、お祈りのお詣りには不真面目な女の子が宮仕えを始めた矢先に結婚。
源資通との春秋比べの段が一番好きでした。
夫の橘俊通のことはほとんど描かれていないにも関わらず、優しく、菅原孝標女がとても大切に思っていたこともしっかりと伝わるところも良かったです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月01日

元祖ヲタク。物語に恋焦がれた13才の時からの40年に渡る日記です。

楽しかったですね。きらきらした若い日々。夫を亡くしてからの孤独な日々。

平安の女性の人生はこうだったのかと思い、本を閉じました。

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Posted by ブクログ 2022年05月30日

読みやすいというか入りやすい。
更級日記と言えば昔NHKで放映していたアニメ「まんがで読む古典」を思い出さずにいられない。サラちゃん。またあのシリーズを放映して欲しいものだ。

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Posted by ブクログ 2016年11月17日

物語が好きになり、読みたくてたまらなくなる純粋だった主人公が、現実を知り、埋没していく中、運命の出会いをして、でも現実は物語のようにうまくいくわけでなく。ただ夫は冷たい訳ではないのでそこは蜻蛉〜の兼家とは違う部分です。

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Posted by ブクログ 2011年09月27日

2011/08/12

まだ女性に名前のなかった平安時代、
考標の娘という、幼い頃から物語に憧れ、
日がな読書だけをしていたいという夢を持っていた女性の日記。

物語を読み耽るという夢は叶ったものの、
現実には源氏物語のように素敵な未来が訪れることはなく、
夫の死別後、後年にはそのことを
『よしなき...続きを読む(何の役にも立たない)物語』などと
切り捨て、後悔しているのがとても悲しい。

古典は主語が往々にして省略されるので、
原文だけで読み進めるのは非常に難しいと思った。
また、更級日記の名前の由来が姥捨山だということには、
驚かされるとともにとても切ない思いがする。

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Posted by ブクログ 2010年10月23日

 一つ一つの喜びも悲しみも、人の一生という長いスパンで考えると、長い川の途中にある滝や急湍のように一瞬のことで、海につくころには緩やかな流れとなって・・・老年になって自分の人生を振り返るのはどんな気持ちだろう。
 自分の人生を失敗・反省としてこの日記を書いているような印象を受けた。小説の世界にばかり...続きを読む思いを馳せ、実生活でやらねばならないことを疎かにするあたりは耳が痛いが、やっぱり愚かなことだ。
 でも、解説にもあるように、どこか楽しい思い出として過去を思い出しているのがイイ。自分にとって「失敗だ、黒歴史だ」とおもっていることはもちろんあるが、数十年後の自分がそれを振り返った時、自分は何を想うだろうか。

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Posted by ブクログ 2024年03月25日

学生時代は古典は読みにくくて敬遠していたけど、ふとまたトライしてみようと思って手に取りました。
現代語訳+解説があってやっとこんな話だったんだと理解。昔の人は今より熱心にお寺を詣でたりしてた印象なのに、この孝標女は少女時代全然信心がないのが面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年11月19日

読みやすかった。
感性豊かにキラキラした文章が心地良かった。
物語の最後は暗くなっていて心配だったが、このままで終われないという強い決意を表していてホッとした締めくくりでした。

作者は菅原道真の子孫。
流石ですね。

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Posted by ブクログ 2019年08月31日

久しぶりに古典を読んだ。原文と現代語訳が書かれており、読みやすい。日記という名前ではあるが、菅原孝標女が老年になって、子どもの時からの日々を振り返った自伝である。子どもの時に物語をたくさん読み、描いた物語のような格好いい殿上人に出会って恋をして結婚する夢から、33歳で結婚と当時としてはかなりの晩婚で...続きを読むあったが旦那と仲睦まじく過ごしたと思われるとき、最後には夫が遠地(長野)に赴任して上京してきたと思ったら半年ほどで亡くなり一人さみしい暮らしを過ごす。そんな彼女にとって思い出を振り返りながら書かれており、彼女の気持ちを押し量りながら読むと面白い。

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Posted by ブクログ 2011年08月06日

原文、現代語訳、解説に加えて、写真やコラムも挿入されているお得な一冊。…なんつって、ほとんど原文は読まなかったけど。主人公の、先のことを考えず、ただただ大好きな物語を読んで過ごす姿が他人とは思えず。私もいつかこの主人公のように後悔するのかなあ。

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