あらすじ
5人の求婚者を破滅させ、帝の求婚にもの応じないかぐや姫。だれもが知っている物語の全体を、古文の力がなくても十分古典の面白さがわかるように構成。その時代の生活を理解するためにビジュアル面も活用。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
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Posted by ブクログ
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竹取物語は話も知ってるし、映画でも見たし、古文の授業でもやったけど、改めて読んだら、本当に面白いな。日本最古の物語が花鳥風月の月がテーマのSFっていうのが美しいなと思う。日本人は昔から自然を愛でる民族なんだよね。西洋SFが「未知への征服」だとすると、竹取物語のSF性って「異界への哀しみ」なんだよね。そこがすごく日本的で、美しい。あと改めて読むと、かぐや姫って「男性たちの欲望を全部すり抜ける存在」でもあるから、現代的に読んでもかなり面白い。求婚者たちへの無理難題も、ただの意地悪じゃなくて、「所有されない」というフェミニズム的な意思表明に見えてくる。
日本最古の物語の竹取物語は「何故女性が結婚しなければならないのか」っていうウーマンリブの物語らしいw日本は根っからのウーマンリブ国家だよね。
「【寸評】 竹取は、稲作中心の農耕社会のなかでは、身分の低い職業とされた。ここに登場する竹取のじいさんも、つましい暮らしをする貧しい老人というイメージを越えることはない。 ところが、古代では、竹の強い生命力は神秘を感じさせ、竹製の祭具は神霊を招き寄せる力があると信じられていた。今でも、こうした信仰の名残が地方の民俗行事に見られる。 すなわち、竹取のじいさんは、神事にかかわる仕事をしていることになる。じいさんの姓である讃岐氏は、神事をつかさどる一族に属していたという説もある。そうすると、神霊が天くだるようにして竹の節に宿った、かぐや姫の親代わりをつとめる資格があることになろう。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【訳文】 世の中の若い男という男はみんな、身分の上下もおかまいなしで、何とかして、このかぐや姫を自分のものにしたい、妻にしたいと、彼女のうわさを耳にしては恋にもだえていた。 邸に仕えている者でさえ、簡単には彼女の姿を見ることができないのに、この男どもときたら、夜もろくろく寝ないで、邸のまわりの垣根や門に穴をこじあけ、なかをのぞき見しては、うろうろいらいらしていた。 このとき以来、こうした行動(夜這い)を「よばい」(求婚)というようになった。 彼らは、かぐや姫をひと目でも見ようと、まともな人間なら考えつきもしないような場所までうろついてみるが、何の効果もない。邸の使用人にせめてひと言でもと、話しかけてみるが、てんで相手にされない。 それなのに、一日中邸のまわりから離れずほっつき歩く貴公子たちがたくさんいた。かたや、熱のさめた連中は、「むだ足をふんで大損しちまったなあ」とぶつくさ言いながら、離れていった。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
【寸評】 名だたるプレイボーイ五人の登場である。常識ある男性なら、当然あきらめるような状況でも、彼らはあきらめない。何といっても執念がある。プライドなど、とっくに捨てた。いや、プレイボーイとしてのプライドがあるのだ。 どんな悪天候でも、どんなにじいさんに断られようと、めげない。一見すると、かぐや姫恋しさに、理性を失っているように見える。どっこい、熱意の下には、しょせん女は結婚するものという先入観と、いつかはじいさんも折れてくるという打算とが隠されている。 じいさんの断り方が、実の子ではないと言って、かぐや姫の意思を重んじるのも、当時の男尊女卑の風潮にあっては、めずらしい。じいさんの好人物ぶりを示すものだが、やがて、親が子に対してもつ所有欲にけがされていく。また、このプレイボーイたちも、自己過信から、悲喜劇の主人公を演じるはめになるのだ。 さて、注目したいのは、プレイボーイの階級が、皇族・大臣・大納言・中納言と、貴族社会の最上層をランク順に完全網羅していることだ。はんぱではない。ということは、作者が、執筆計画のはじめから、ねらった目標なのである。あとは、最高位の帝がほしいだけだが、最後のトリにちゃんと登場して、ますます作者の意図の計画的であることを立証している。 『竹取物語』の作者は、古い時代の伝奇物語という作品の印象からはほど遠い、きわめて合理的な頭脳の持ち主らしい。登場人物は、皇子・右大臣・大納言・中納言と、階級順に現れ、舞台も、天竺・蓬萊・唐土・日本・宮中といったぐあいに、遠近の順序をきちんと守っている。この整然とした構成は、たんなる思いつきや気まぐれから発想できるものではない。作者は明晰な論理思考を好むタイプだったようだ。 五人の貴公子についても、それぞれモデルとされる実在人物が史書に現れるので、作者の能力・気質からみて、『竹取物語』を執筆したねらいも、単純・素朴なものとは言えないだろう。モデルについては、それぞれのコラムを参照していただきたい。 ──「石作の皇子と庫持の皇子」*、「右大臣阿部御主人」*、「石上麻呂足」*。 なお、「色好み」という言葉については、「解説」*を参照していただきたい。
「「うれしいことを言ってくださる。じいは、もう七十を過ぎて、今日死ぬか明日死ぬかもわからないほど、残り少ない命です。さて、この人間界では、男というものは女と結婚し、女というものは男と結婚することになっております。そうして、子孫が栄えていくのです。ですから、こんなふうに、姫が結婚しないでいて、よいわけがありません」「どうして結婚などということをするんですか」「姫は異界のお方ではありますが、身は女です。じいがこうして生きている間は、生活に困らず、気楽に独身を通すこともできましょうがねえ。やはり将来のことを思うと、五人のお方が姫との結婚を望んで、長い間こちらに通いつめている状況を、よく考えぬいたうえで、どなたかおひとりを選んで結婚なさい」「わたくしはたいして美人でもありませんから、相手の本心を確かめないで、結婚したあとで浮気されたら、やはりだまされたと後悔するに決まってます。それだけが気がかりです。だから、どんなにすばらしい方であっても、相手の愛情の深さを確かめたうえでないと結婚はできない、と考えているのです」」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「それは、提示した条件の異常な難題ぶりからも明らかなことだ。かぐや姫の言うことなら何でもハイハイのじいさんでさえ、難題の異常ぶりに気づいて、どうしたものかと、頭を抱えるしまつなのだ。仏の御石の鉢、蓬萊の玉の枝、火鼠の皮衣、竜の首の珠、燕の子安貝、どれをとっても、はなっから無理を承知で出した難問である。取って来られるわけがない。そこが、かぐや姫のねらいだった。 つまり、かぐや姫は、自分のほうから結婚を拒否すれば、自分やじいさん夫婦の立場が悪くなることを懸念して、相手のほうから結婚を辞退するように仕向けたわけなのだ。実際、のちに彼女自身の口から告白することになる。 五人の求婚者たちとて、解決不可能な難題であることに気づかないはずはない。けれども、ライバルに対する意地があり、自分に対する過信もある。彼らは、顔をひきつらせながら、対策に取り組むはめにおちいった。 それにしても、五人が同じ品物を探して競い合うのならまだしも、五人がそれぞれ違う難題をふっかけられるのだから、たまらない。かぐや姫の意地悪さは、まさしく、はんぱじゃない。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【コラム】 蓬萊山 * 蓬萊山は、古代中国の思想が生み出した幻の島で、実在しない。東の海にぽっかり浮かび、遠くから見ると雲のようだが、近づくと水の下にある。のぞきこむや、大風に船が引き離されるので、誰もたどり着けないのだという。 仙人が住み、不老不死の神薬があると信じられたので、諸王があらそって、蓬萊山を探索させたというから、御苦労な話である。有名なところでは、秦の始皇帝が不老不死の薬を望んで、徐福という神仙術に通じた男を派遣した。蓬萊山をついに発見できなかった徐福は、日本の熊野あるいは富士山を訪れ、やがて定住したという話が伝わっている。マルコ・ポーロの黄金の島、ジパングを考え合わせると、どうも日本には古来から神秘な島というイメージがつきまとっていたようだ。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「 山のすばらしさときたら最高です。この世にたとえるものがありませんでしたが、なにしろ、この枝を折り取ったものですから、どうにも気が落ち着かなくて、船に乗って、追い風に吹かれて、四百余日かかって帰ってきました。 神仏に願をかけたおかげか、こうして、難波から昨日帰京したというわけです。まったくもう、潮に濡れた衣服も着替えないで、まっすぐこちらにやって来ました。──」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「 山のすばらしさときたら最高です。この世にたとえるものがありませんでしたが、なにしろ、この枝を折り取ったものですから、どうにも気が落ち着かなくて、船に乗って、追い風に吹かれて、四百余日かかって帰ってきました。 神仏に願をかけたおかげか、こうして、難波から昨日帰京したというわけです。まったくもう、潮に濡れた衣服も着替えないで、まっすぐこちらにやって来ました。──」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「 日本人の月に対する関心の深さは、月の異名の多さが一番よく伝えている。新月、三日月、弓張り月(上弦の月・下弦の月)、望月(十五日)、十六夜月、立ち待ち月(十七日)、居待ち月(十八日)、寝待ち月(十九日)、宵闇月(二十日)、有明月(夜明けの空の残月)など。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【コラム】 結婚しない女 なぜ結婚しなければならないのかというかぐや姫の問いには、現代でも通用する新鮮な問題意識が感じられる。男性に従属することを拒否するウーマンリブの思想がうかがわれるからだ。 結婚を拒否するのは、姫が地上の人間ではないからと説明されるが、それだけが原因ではないだろう。むしろ結婚を拒否させるために、作者が、わざわざ彼女を異界の人として設定したとも考えられるのだ。 さらに、注目したいのは、五人の求婚者たちと帝とを差別せず、帝の権威を特別扱いしないことだ。帝の求婚に対して、たしかに断り方は丁寧だが、結婚を拒否する点で変わりはない。 地上のあらゆる権威を否定的にながめる作者の視線には、人間の真実を追求しようとする気迫が感じられる。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「「家来という者は、命を捨てても主君の命令を遂行しようと考えるのが当然だ。竜の首の珠は、日本にない物ではなく、インドや中国にしかない物でもない。竜は、この日本の海山から昇り降りする物だ。いったい何を考えて、お前たちは、手に入れるのは困難だと言うのか」 家来たちは、ふるえあがって、「命令とあらば、いたしかたありません。どんな困難であろうとも、殿の命令に従って、探索にでかけましょう」と答えたので、大納言は機嫌を直して、「お前たちは、このわしの家来として公認されている。わしの命令に背いてよいわけがない」と、にんまりうなずいて、竜の首の珠取り作戦を発令した。食糧のほかに、所有する絹・綿・銭など、金めのものをすべてかき集めて、軍資金として与え、出動させた。「お前たちの作戦成功と無事帰還のために、わしは心身を清めて祈願して待つことにしよう。竜の首の珠を取るまでは帰ってくるなよ」と、大納言は厳命した。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【寸評】 古代貴族の男女関係では、「見る」ことは特別な意味をもっていた。女性にとって、男性に姿を見られることは自分の魂を所有されることに等しかった。それは、結婚を承諾することにつながっていく。だから、簡単に見られてはならないのである。 どうせ、正面から面会を申し込んでも断られるのが当然だから、男性は女性のすきをねらって「垣間見」した。女性のほうも、「垣間見」される心準備をしたのである(「成人したかぐや姫のもとに群がる求婚者」*参照)。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【訳文】 帝とかぐや姫が、互いに歌や手紙をやりとりして、心を通わすうちに、三年ほどの月日が流れた。 その年の春の初めから、かぐや姫は、美しい月が出ているのをながめては、ふだんよりも物思いに沈むようになった。「月の顔を見るのは不吉なことですよ」 そう言って止める人がいたが、ややもすれば、人目を盗むようにして月をながめては、激しく泣いた。 七月の十五夜のこと、かぐや姫は縁側に出て座り、月を仰ぎながら、深く物思いに沈んでいた。姫にお付きの侍女たちは心配して、竹取のじいさんに注進した。「姫さまは、いつでも月に心を寄せていらっしゃいましたが、このごろのようすは、ただごととは思われません。ひどく嘆き悲しむような悩みごとが、あるに違いないのです。どうか、十分に御注意なさってください」 じいさんも心配になって、かぐや姫の部屋を訪れた。「こんなに物思いに沈んだようすで、月をながめているのは、どんな心境からですかな。けっこうずくめのこの世のはず」「ながめていますと、人の世の営みが、しみじみと心にしみるように感じられてくるのです。悩み嘆くようなことは、何もありません」」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【コラム】 月と狂気―月の顔を見るのはタブー 英語のルーナティック( Lunatic)は、ラテン語ルーナ(月)から派生した語で、「精神異常者」という意味だ。もとの意味は、「月に影響された」である。古代、月が発する霊気を受ければ発狂するという信仰があった。月は狂気の源と信じられていたのだ。 日本語「月」の語源は「尽き」だという説がある。太陽と違い、輝きが尽きる時期があり、それを時間の単位とするからだ。これに従えば、「年齢が尽きて老いる」「命が尽きて死ぬ」といった暗いイメージが生まれるのもわかる。月を見るなという禁忌が生まれるのも無理からぬことだ。 ブラジルでは新生児を月光から隠して狂気から守るというが、これに類した慣習は広く世界各地に見られる。『竹取物語』だけでなく、『源氏物語』や『更級日記』でも月を見ることをタブーとしているが、こうした民俗は今なお日本の各地に残っている。 この月を、かぐや姫の生まれ故郷とした『竹取物語』の作者のねらいは何だったのか。興味はしんしんとして尽きない。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【訳文】 八月十五日に近い、ある夜のこと、縁側に出て月見をしていたかぐや姫は、はげしく泣きじゃくった。今はもう、人目もはばからず、泣きに泣いた。これを見て、じいさん・ばあさんたちは、おろおろしながら尋ねた。「いったい、どうしたというんです」 かぐや姫は、泣きながら、思いもよらぬ秘密を明らかにした。「前々から申し上げようと思っていましたが、申し上げたら、必ず動揺なさると思って、今まで黙っておりました。けれども、そう隠してばかりもいられないと思って、打ち明けるのです。そもそも、わたくしは人間界の者ではありません。月の都の者なんです。それなのに、以前いた天上界での約束があったので、それに従って、この人間界にやって来ました。でも今はもう、帰らなければならない時期になってしまいましたので、今月の十五日、わたくしの故国から迎えの人々がやって来ようとしています。逃れようがなく、どうしても帰らなければなりません。おふたりがどんなに嘆かれるかと思うと悲しくて、この春以来、ずっと悩んできたのです」」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【コラム】 十五夜の月―仲秋の名月 仲秋にあたる旧暦八月十五日夜をとくに十五夜と呼んで、満月の観賞をする風習がある。季節感あふれる行事として、今もすたれることなく続いているようだ。 この十五夜の月には、月見団子とサトイモ・サツマイモなどを供え、ススキを飾るので、芋名月ともいう。 仲秋の名月を愛でる観月の行事は、九世紀ごろ中国から伝来したといわれるが、『竹取物語』の成立時期を合わせ考えれば、それが直接に反映しているかどうかは明確ではない。 満ち欠けする月に生命力を感じて、信仰心を起こし、供物をささげる風習は、農耕社会に共通する古代からの習俗だ。『竹取物語』の場合も、かぐや姫は月神の子として、下界に降り立ったと考えることもできる。 月の黒い斑点を兎に見立てるのは、日本・中国とも同じだが、中国ではヒキガエルもいるとし、日本では餅をついていると想像する。日本には日本独特の月の信仰があったと考えたほうがよい。 また、十五夜を一年の境とする古代の民俗が今に伝わり、月光を利用したり、綱引きをしたりして、一年の運勢を占う地方も少なくない。 ちなみに、旧暦九月十三日夜の月を十三夜といい、やはり月見をする風習がある。平安時代に始まる日本固有の行事といわれ、十五夜の芋名月に対して、豆名月・栗名月あるいは後の月ともいう。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【コラム】 小さ子の話―カラシナの種 * 一寸法師に桃太郎、力太郎に瓜子姫。彼ら昔話の主人公に共通するのは、非常に体が小さいことである。古語では「小さ子」という。 不思議な誕生のしかたも共通している。桃太郎は桃から、瓜子姫は瓜から、それになんと、力太郎は不精者のじいさんとばあさんの垢から生まれている。してみると、竹から生まれたかぐや姫も同じ仲間だと言ってよい。だが、決定的な違いがある。かぐや姫は何もしないということだ。当然だが、鬼退治はしないし、結婚もしない。しかし、何もしないように見えて、ほんとうは何かを果たしたはずである。でなければ、罪をつぐなうために人間界に下りてきた意味がない。その意味を読者に考えさせるのが、実は作者の重要なねらいだったのではなかろうか。そこに、昔話と物語との最大の違いがあるようだ。 ところで、かぐや姫の発見当時の大きさを、菜種の大きさだとする場面がある。この菜種は現在の菜種ではなく、カラシナの種子だといわれる。直径一、二ミリで、かぐや姫の体の小ささを誇張表現したものだが、『法華経』の文句を応用したものといわれている。 ちなみに、香辛料の「和からし」は、これを粉末にしたものだ。マスタードはカラシナの別種セイヨウカラシナから作るが、その種子はやはり小さなもののたとえとされ、『新約聖書』に「天国は一粒のマスタードシードのごとし」とあるのも、仏典と発想が共通していておもしろい。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「じいさんは、現実には地上の時間で十年足らずしか経っていないことを十分承知している。承知のうえで、天人の探しているかぐや姫は十歳くらいだろうから、よそにいるはずだと理屈をこねた。かぐや姫を失いたくない親心のなせるわざなのだ。 むろん、そんな理屈が天人に通じるわけがない。ただ、じいさんのうその罪はそれほど重くはないと弁護はできる。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「【コラム】 かぐや姫の着た羽衣 羽衣を身に着けて昇天する天女の話は、日本にも数多く伝わっているが、かぐや姫のように夜に昇天するケースはほとんどない。なぜなら、彼女たちは鳥の化身だからだ。地上の男から取り戻した羽衣は、まさに鳥の羽である。 ところが、かぐや姫の着た羽衣は、飛行の機能をもたない。姫は、天人として変心はするが、鳥に変身することはない。姫の羽衣の場合は、天人の資格を得るためのものであって、飛行の道具ではないのだ。飛行の道具は、別に「飛ぶ車」が用意してある。 この羽衣には、神事を行う前に心身を清めて、神聖な体になるために着用する衣という古代の宗教観念がみられる。単なる飛行の道具となるのは後世である。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
「自由に想像力を羽ばたかせて、楽しく読もう いったい、『竹取物語』をどんなふうに読めばよいのか。何か、読み方に独自の規準があるのだろうか。 ある学説は、五人の貴公子のモデルを徹底的に洗い、最終的に藤原体制を批判する書であると結論する。とてもリアルで説得力に富むものの、それだけでは、なぜかぐや姫でなくてはならなかったのか、意味がわからない。 また、ある SFファンは、かぐや姫を、宇宙船に乗って地球に飛来した異星人に見立てる。科学的空想をふくらませるには好都合のお話だが、それで終わってしまっては、文学の香りが消し飛んでしまう。」
—『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)』角川書店著
Posted by ブクログ
竹取物語は中一で必ず扱う内容なので、身近な古典作品代表って感じなのですが、改めて全文をちゃんと読んだらまあ面白い。よく出来てる。
特にこの本では「かぐや姫の成長や変化」に目を向けられているのが読みやすく、とても面白かった。
授業では部分部分しか取り扱われないので、登場人物の変化をうまく取り上げるというのはなかなか難しい。
でも、そこに大きな面白みがあるのが実感できたから、何とか今年は授業で工夫して読み込みたいなあ。
Posted by ブクログ
いつ、だれが書いたのかわからない。
定説によれば、9世紀、平安時代の初期に成立したのではないかといわれている。
そして、竹取物語は日本最古の物語といわれている。
こうした、天女の羽衣伝説は、全国にいくつかあり、風土記にも取り上げられている。
竹取のおきなとのであい
かぐや姫の成長
5人の若者との物語
帝との恋
姫の昇天
おとぎばなしなのか、日常とは隔絶した荒唐無稽な話を聞きながら大宮人たちは、この物語を楽しんだのであろうか。
目次
竹取のじいさんと、なよ竹のかぐや姫
難題の一・仏の御石の鉢―挑戦者・石作の皇子
難題の二・蓬莱の玉の枝―挑戦者・庫持の皇子
難題の三・火鼠の皮衣―挑戦者・右大臣阿部御主人
難題の四・竜の首の珠―挑戦者・大納言大伴御行
難題の五・燕の子安貝―挑戦者・中納言石上麻呂足
かぐや姫の昇天
解説 「竹取物語」―作品紹介
付録 「竹取物語」―探求情報
ISBN:9784043574032
出版社:KADOKAWA
判型:文庫
ページ数:258ページ
定価:680円(本体)
発行年月日:2001年09月
発売日:2001年09月25日
発売日:2003年07月25日
Posted by ブクログ
フォロワーさんの本棚で見掛けた『竹取物語』。
子供の頃に知った"かぐや姫"は美しい部分を拾って繋げただけで、もはや竹取物語ではないかも。
それでも、求婚者に無理難題をふっかけて諦めさせる流れは、大人になってからどこかで聞き齧った。
とは言え、古典は初心者には読みづらい。
そこで角川のビギナーズ・クラシックス!
短いお話なので全編収録されていたのも嬉しい。
助かります~。
早速、読み始める。
すると、めちゃくちゃ面白い!!
「竹取物語」は、作者も正確な成立年度も不明。
それでも、「源氏物語」の中でも登場するので、平安時代には存在していたらしく。
子供の頃はおとぎ話として耳にしたけれど、
かぐや姫に最後まで求婚し続ける5人の貴公子にはモデルとされる実在人物がいた。
何も知らなかったのでビックリ。
彼らは皇族・大臣・大納言・中納言という貴族社会の上層で、彼らは物語の中で、かぐや姫にこてんぱんにやられることとなる。
中でも、石作りの皇子のモデルとされる丹比島(たじひのしま)と、庫持の皇子のモデルとされる藤原不比等は、求婚者達の中でも時間を割いて冷酷な権力主義者である人物像が語られ、「竹取物語」の作者が、藤原政権への批判を込めたのであろうとされる。
確かに、そうかもしれない。
この二人に限らず、貴族社会の最上位の人物達がかぐや姫に振り回され、次々と恥をかかされて退散してゆく様は、
当時「竹取物語」を読んだであろう庶民階級の人々にとって、さぞかし面白く痛快だったに違いない。
実際、現代を生きる私が読んでもとても面白いんだもの。
(中納言の結末はショッキングだけれど。)
この面白さと巧みなストーリー展開があったから、作者不明でありながら現在まで語り継がれてきたのだろうな。
しかもかぐや姫は翁に、「どうして結婚などということをするんですか?」と問い掛ける。
この時代、女性は男性に選ばれる側で、妻となり子孫繁栄に尽くすのが当たり前の男性中心社会。
実際つい最近まで男尊女卑の世が続いていたわけだし、現在も完全なる男女平等とは言えない。
そんな中「竹取物語」の作者は、「月という異界から現れた姫」という立場を上手く使って、「女は結婚するものだと決まっているのか?なぜ結婚しなきゃいけないのか?」と問い掛ける。
なんて新しい!
遥か昔、中古の時代に、その時代の"当たり前"に疑問を投じる方が居たなんて!
面白く読めたのは、元々の「竹取物語」のストーリーが面白かった事に加え、
ビギナーズ・クラシックスが上手く作られていたのもある。
本文を短く区切り、『現代語訳』→『ルビのふられた原文』→『解説や捕捉、参考資料』の順で読み進めてゆくことが出来る。
現代語訳を読んでからの原文であり、しかも短い為、苦にならない。
むしろ原文ならではの柔らかな言葉の響きに趣を感じるし、
途中やり取りされる男達とかぐや姫の和歌も韻を踏んでいて、原文で読めることの喜びさえ感じる。
5人の貴公子たちの話にはそれぞれオチもついていたりして、まるで落語のようだし。
武田友宏さんの解説も興味深い。
竹取りの翁は神事にかかわる仕事をしていただとか、
本文の古語がどのように変化して活用形へと発展したのか、現在使われている言葉の語源は何か、
遭難の描写は遣唐使派遣の記事に基づいている…等々。
そしてなんと言っても、その武田さんの解釈文が辛口で笑える。
辛辣に言い放っている部分も多いので、それが面白味を増してくれるのだ。
「竹取物語」をリアルタイムで読んだであろう庶民の皆さんは、傲慢な権力者を自分達に代わってやり込めてくれるかぐや姫に、清々しい思いさえ抱いたに違いない。
末長く語り継がれるって、やはり大衆の心をどれほど掴むか?ってことなんじゃないかなぁと改めて思う。
政権を繋げていくのは上層部だけれど、習慣や流行りを作り上げるのは、いつの世もきっと大衆だろうから。
さて、物語は帝の登場によりぐっと盛り上りをみせる。
前半の面白おかしい痛快話から一転、人の情を描く美しい話へと自然に展開してゆく。
散々な目に遭わされた5人の貴公子たちも、やはり帝の前座に過ぎないと思えてしまう程。
帝もかぐや姫に夢中になってしまうことは変わりないのだが、さすがに帝となる人の立ち振舞いは節度がある。
というか、前座の5人が節操無さ過ぎで、帝は至極当たり前の行動をとっているだけなのだろうが。
さらに、かぐや姫にも変化が起きていた。
5人の貴公子たちとのやり取り、竹取りの翁と媼との生活、これらの日々は、かぐや姫に"人としての情"をもたらした。
彼女の心が、成長したのだ。
いや、成長というより、「天上人であったはずのかぐや姫が、今や地上の人と同じように、情や愛で心を痛めるほどに変わった」という風にこの物語を見た方が、作者の意図に近付くことが出来るのかな?
物語の終盤でかぐや姫は、月の都の人は美しく年もとらず悩みもないという。
その月の都の姫であるかぐや姫は、地上には老いや病、そして死があること、人の人生の儚さや、この世の無情を心で学んだのだ。
そう思うと、初めはじゃじゃ馬娘だったかぐや姫が地上界で様々な経験を積み、愛や悲しみ、人情、無情を学んだというのに、
最終的には天の羽衣を着た瞬間にそれらの心を忘れて天上界へと昇天してしまうのが腑に落ちない。
ならば何故、人の心を学びにやって来たのだろう。
しかし、そもそも"人の心を学びに…"と思っていること事態が私の傲慢なのか。
だって天からかぐや姫を迎えにきた王は言うではないか、"姫は罪を犯したので、汚れた地上の、こんな身分の低い翁の家に滞在させたのだ"と。
だが、姫が月の都でどのような罪を犯したのかは、最後まで一切語られない。
何をしてしまったんだろう。
更に、天の羽衣を羽織って忘れてしまったかぐや姫はまだいい、富士の山頂で薬や文を燃やすことで踏ん切りをつけるであろう帝もいい、
けれど年老いた翁と媼にはあまりの仕打ちではないか。
慎ましく暮らしてきたであろう二人には、何の罪もないのに。
けれど天上の者からみれば、地上は汚れた場所であり、罪人が罰を受ける場所。
地上の者がどう足掻こうと、天上の者には敵わない。
前半の藤原政権批判も、そこには、庶民がどう足掻こうと敵わない権力者の君臨があったのだろうが、
後半の部分にも、有無をいわさず"汚れ"と扱われてしまう理不尽さや、どうにも抗えない天と地の差が描かれている。
この『竹取物語』、ただの人間模様だけでなく、様々な意味合いを内包した奥深い物語なのだと気付かされる。
他にも、言葉の選び方、伝説の引用、キャラクター選び、オチのつけかた、物語の経過年数や翁の年齢など、作者が実に巧み。
ここまでの物語を描ける作者だもの、他に作品を残していないのだろうか。
実は現在に名を残す、誰かだったりしないのだろうか。
それとも、語り継がれ書き写されしていくうちに、色々な人の技巧が加えられていったのだろうか。
勉強不足で、そこまでは分からないが。
子供の頃に聞かされた"かぐや姫"の記憶が、ただ美しい悲恋物語でおしまいとなっていたのが勿体なかったと思えるほどだ。
改めて読み直す事が出来て本当に良かった。
有意義な時間だった。
読みやすい
物語の祖。日本最古の物語である「竹取物語」。日本昔話の「かぐや姫」として、あらすじは誰もが知っていると思う。しかし全文を原文に近い形で読んでみると、全く印象が変わってくる。原文と見比べながら読めるので、訳者の脚色でないのが驚きだ。SF要素があり、しっかりと意思を通すヒロイン、周りのキャラクターたちの行動や思いも現代にも通じる。古くささを感じないのもびっくりである。
コラムも読みやすく楽しめた。
Posted by ブクログ
一度は読んだことのある竹取物語。
別名:かぐや姫。
具体的な解説とわかりやすい現代語訳付きで
今まで気がつかなかった事がたくさんあった!
解説者の言葉選びがなかなか面白い♪
Posted by ブクログ
原文も現代語訳文も解説も図説も載っていてとても丁寧な本だと思った。高校一年生の時に古文の教材として配布されたけど1ページも読まずにしまってあった。そして今年、高2の3学期に「読書を日課にしよう」と思い立ったはいいが本がなくて渋々読み始めた本。
絵本では知ることのできない「かぐや姫」の真髄を知ったような気がする。古文の勉強にはならないが、人生の教養にはなりそう。
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小さい時から知っていたが、これ程の体制批判のユーモア小説であり、SF小説が平安の昔に書かれていたとは驚愕の事実だとあらためて認識しました。そして、それが今日においてもよく知られる物語として残っている要因として納得しました。面白かったです。
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ゆえあって、感想を書くために購入しました。
全編通して読むのは初めてですが、意外といろいろな要素が詰まった、なおかつ骨のあるストーリーです。
恋愛、喜劇、風刺、SF、成長物語、それに英雄物語の要素も入っています。
簡潔な言葉と短いストーリーでも、これだけの物語を充分に詰め込むことは可能なんだなと勉強になりました。
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昔、竹取の翁というものありけり。
何度読んでも悲しい話。
おじいさんでも悲しいし、
求婚者でも悲しい。
話を、何度読んでも発見がある。
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原語、口語訳、当時の文化や背景の説明の書かれた分かりやすい本。小さな頃から馴染んできた竹取物語が、引用のような名言で終わることを知らない人は多いのではないか。またかぐや姫は6人に言い寄られてたこともこの本で始めて知った。古典は読めないと諦めていたが、高校の頃に出会っていれば、もう少し授業が楽しくなったかもしれない。しばらく古典ブームが続きそうだ。
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ちゃんと読んだの初めてかもしれない。求婚者に不遜な態度のかぐや姫、いい人だけど俗物っぽいおじいさん、みんなキャラが立っている5人の求婚者たち。心を通わせる帝にはかぐや姫が心を開くのも、わかるーとなった。見た目(の噂)だけで求婚してくるなんて、とんでもないと思う。その時代では普通だったんだろうけど。
解説もすごくおもしろかったのだが、「〜するわ、〜するわ」を「〜するは、〜するは」と書いていてすごく残念に思った、、そこにだけ校正が入らなかったのだろうか?
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★★★★☆テレビなど昔話としてみていましたが、竹取物語を読んだのは初めてです。解説がわかりやすくてよかったです。子どもの頃見た昔話と違った視点から見てみると違った話になるという面白さがあることがわかりました。
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まず単純に面白い。
現存する日本最古の作り物語らしいが、それがこのクオリティなのはすごいし、このシリーズは解説もちゃんとついていて、しかもそれが興味深くて面白い。
他のも読む。
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楽しくも深い視点の解説のおかげで、今さらながらちゃんと竹取物語を知ることができた。かぐや姫に対するイメージが一新。日本に残る最古の物語がこのお話なんて!日本の先人はすごいな。
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「竹取物語」が平安時代に書かれた物語で
当時の体制をかなり痛烈に風刺したものであるということは
この本にくわしく解説されている
しかし、というか、だからこそというか
その中心人物であるかぐや姫の残していった不死薬は
みかどの意思によって焼かれてしまうのだった
これをどう捉えるかが、個人的な解釈の分かれ目になるだろう
地下茎から一直線に月まで延びてゆくかぐや姫の生
それは、他者にはとりつくしまもない
自己完結した、一種の中空的存在なのである
ある意味、生きながら死んでいるとも呼べるだろうそれによって
もたらされた永遠の命を
みかどがけして受け入れようとしない、というのは
つまり、さんざん公家や武士をコケにしてきたこの作者が
最後の最後で、その悪や愚かさを含めての
人間肯定に転じたということだ
それを愛と取るか、嫌味と取るかは人それぞれじゃないかしら
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教科書で読んであとは日本昔話で流れを知っていただけでここまでしっかりと読んだのは初めてでした。改めて最後まで読んでみると意外な部分がちょこちょこあって面白く読めました。おじいさん意外に興奮すると暴言吐いたり、かぐや姫は最後帝に気持ちが揺らいでたり、罪で下界に降りていたなどなど。昔の話なのに芯がしっかりしていました。さすが昔から愛されている読み物です。
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いまはむかし、竹取の翁といふものありけり――竹取のおじいさんが竹の中で見つけた小さな女の子、なよ竹のかぐや姫。大勢の貴族に求められた彼女は五つの難題で求婚者をはねのけ、帝の寵愛さえも拒む。しかしその中で、彼女は人間らしい愛を学んでいく。けれどももう、時は、いいえ、月は満ちた――還る時が、やってくる。日本最古の“物語”として名高い「竹取物語」の全文を収録し、平易な訳と解説、豊富なコラムで「竹取物語」の世界に誘うぴったりのビギナーズ書。古典が苦手な人でも楽しめること、まちがいなし!
これもまたなが~いこと積読してたものなのですが(ビギナーズクラシックスは、大抵買って満足して沢山積んじゃってます)現在公開中の「かぐや姫の物語」がどうやら原典を予習しておくといいらしく、ならビギクラで読もうかな、と。意外だったのが原文はもっと長いと思ってて、他のビギクラと同じでどっかはしょってるのかなと思ったら全文収録していたこと。というか、収録できるくらい短かったのかっていうことですね。方丈記も短いって言うしなあ。
そんなことを書いた所為で、竹取物語は中学と高校の頃に授業でやった&問題集でやった程度で実はちゃんとよく知らないと言うへっぽこ国文クラスタの実態が明らかになってしまってるわけですが、五人の求婚者の話も、最初の石作りの皇子の話こんなアッサリなんだなーとか、蓬莱の玉の枝の話は一番長いんだなーとか、落語みたいなしょーもないオチついてんだなーwと、いろいろ新しい発見がありました。コラムも面白かったですし、解説も良かった。
私は自分でかぐや姫ものを書いたりもしたので惹かれてるわりにはちゃんと読んでなかった…のですが、何に惹かれたかっていうと姫が月に帰る時に全部忘れてしまうってところにとにかく惹かれたんだろうなあ。あと何の罪を負ってここに来たのかってのも。罪人にしては扱いが丁寧だから、もとは高貴な身分なんだろうか。そんでかぐや姫は何を学んだことで罪を償ったことになったのか……やっぱ人間の愛? 愛すること? 結婚することはどういこととか? でもかぐやは月の世界の人だし、全部忘れたら意味ないか…? とかいろいろ考えます。出来ればまたかぐや姫ものを書きたいなあとも思ってたので、これ読んでいろいろ想像を掻き立てられましたね。「かぐや姫の物語」の方はどんな感じになってるのかなー
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物語の生みの親、そんなコメントを紫式部は竹取物語に寄せています。
竹取物語は「物語」なので、人の心をわくわくさせるものなのです。
そう考えるとこの物語は、かぐや姫の成長物語であり、その過程での笑い(5人の貴公子たちの失態)や、帝との恋は、読者を惹きつける要素なのではないでしょうか。
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解説がなかなか面白く、「古典に触れて欲しい!」という訳者の心の声が聞こえてきそう。
特に5人の求婚者が現れたところの解説は吹いたw
竹取物語って実は部分しか知らない人が多いみたいで、皆さんも子供の頃を思い出すのにちょっと読んでみてはどうですか?
新しいかぐや姫の世界がひらけるかも。
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超かぐや姫を見た勢いでなんか気になってしまい購入。
子供向けの絵本程度の知識しかなかったが、無理難題を要求するくだりがこんなにボリューム大きいとは。
原文と現代訳、出てくる単語に関するコラム等で構成されていて読みやすいです。
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オペラ版の予習のためにを読み始めたのだが、存外に面白く感じられた。過去に二、三度、映像化されたものを観た際には、正直なところ退屈に感じたのだが、今にして思えば、それは脚色の影響が大きかったのだろうと思わされる。原作に触れてみて、その魅力を損なうことなく、オペラ版がどのように表現するのか、期待が高まった。
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角川のビギナーズ・クラシックで初めて古典を読んだ。切りのいい所で話が分けられていて、現代語訳で内容を理解した後、原文を読み、解説者による解説が入るという構成。古文を読めない人でも、古文の雰囲気を楽しみつつ、全文が読めて楽しかった。
解説者は、平安初期当時の藤原体制批判として読む読み方や、異星人襲来のファンタジーとして読む読み方を認めつつ、自身は、一貫して地上界に来た「かぐや姫」の成長譚として読解していく。地上界における男女関係や結婚を理解しない「かぐや姫」が、五人の求婚者に難題を与え、帝に見初められる過程の中で、人間の情を理解していく物語として、かぐや姫の言動を解釈する。説明が一環していて分かりやすかった。
また、古代の信仰や当時の常識といった知識を得ることで解釈が面白くなることを体感できたのもよかった。
例えば、「竹取」という仕事は、農耕社会の日本においては、身分の低い職業とされる。しかし、古代においては、竹を神聖なものとする信仰が各地にあり、ある意味「竹取の翁」は神事に支えていたとも解釈することができるという。このような解釈、のちの翁の出世の伏線になっているといった解釈は、真偽はともかく、知識を得ることで、当時の感覚になれば、それぞれの出来事の意味が変わるという意味で面白かった。
昔も今も変わらない人間の性がある、といった話はしばしば聞くが、解説を読めば読むほど、古典における世界観を、現代人の感覚で読むことの危うさが分かってくる。
古文は苦手だけど、古典の世界観に触れてみたい人には、とてもいい入門のシリーズだと思う。
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じいさんの手で育てあげたのに、どうして思いのままにならないのか。
古代貴族の男女関係では、「見る」ことは特別な意味を持っていた。女性にとって、男性に姿を見られることは自分の魂を所有されることに等しかった。
いつ、だれが書いたのか、わからない
作中より
竹取物語、竹取の翁の物語、かぐや姫の物語、名称は数多く、様々なパターン、バージョンがあると言われている竹取物語の編集本。
訳文、本文、解説とチャプターごとに進行していくのでわかりやすかったです。時代によって、主人公の立て方、書き手によって、いかようにも姿が変わる古典。
それでも十分に当時の男女関係の不自由さ、反体制的なラインが読み取れます。最初は作者は女性か、それに近い性別の人間が書いたのかな、と思っていましたが、有力候補は中級貴族の男性知識人とのこと。
高貴の姫君は人ではないのね
かぐや姫の物語より
高畑勲監督の『かぐや姫の物語』でもこれを題材にされていました。女性の生きづらさ、普通に求婚を断ることの難しさがよく描かれていました。なので、姫のことを意地悪、冷酷、強か、と捉えることはどうしても思えませんでした。時代が時代で、男性の自尊心は今では想像できないほど肥大していたことでしょう。ですが、それは相手も同じです。相手も同じように自尊心を持つ人間なのだということも作品に込められたメッセージなのかな、と思いました。
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ずっと前から持っていたのだけれど、登録していなかったので今更ながら。
角川ソフィアの古典は、とっつきやすさでは一番だと思うし、何より表紙がステキ。
「物語の出で来はじめの祖」と呼ばれる『竹取物語』だが、その世界観からキャラクター設定まで、よく練られているよなあ、と唸ってしまう。
特に、かぐや姫の体の成長と心の成長のアンバランスさ、でも「情」の姿が垣間見え、最後のお別れシーンになると、本当の意味で彼女を好きになってしまうこと必死。
また、解説の付け方も上手く、固くなりすぎず、しかし押さえる所を押さえていて読みやすい。
どうして、かぐや姫は地球に来たのか。いつもいつも考えてしまう。そんな謎も秘められていて、面白い。
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古典とは思えないガッチリしたSF。
大昔によくこんなぶっ飛んだ設定を思いついたもんです。
途中、おばあさんが一切登場しなくなったので、死んだの…!と思いましたが、元気そうで良かったです。
まあ、昔の既婚女性はそうそう出しゃばらないものですよね。
13.02.01
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あ~らら、不思議!
古典がすらすら理解できる本(笑)
学生時代には、辞書片手に解読していたのに~
笑える解釈も面白かった。
かぐや姫は、天上で罪を冒して
地上におくられる、とか。
おじいさんの慌てぶりとか。
みぃちゃんの本棚で見つけて読んでみてよかったよ。
まさどんも、結構早いスピードで読んでいたみたい。
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学校では習わない竹取物語の内容がわかります
授業では勉強の為に読むものだが個人で読むといいものですね
わかりやすく現代訳になっていますので
気軽に読めます