【感想・ネタバレ】万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年11月03日

言うまでもなく、最古の当時の全層の人々から収集した歌集である「万葉集」の入門書というか、「ビギナーズ クラシックス」な、ガイドブックである。
義務教育にも、万葉集を取り上げられていて、今さら入門もないとおもうし、日本史史上初の、五経四書以外で、万葉集から引用された年号の令和の出典元であることから近年...続きを読む存在感が大きいとは思いますが。

万葉集には、4期の編纂があって、20巻には、それぞれの特徴がある。さまざまな写本がつたえられていて、収録された歌の数は、4500あまりとされている。
この書は、4540首を採用しているようだが、同じ、角川ソフィア文庫の新版「万葉集」全4巻の合計は、4516首である。

万葉の葉とは年という意味で、いつまでも(1万年後でも)残る歌集であるという当時の意気込みが伝わってきます。

・枕言葉 ある語の前に置かれる決まった表現 千早振る+神代もきかず... 300弱あり、他にも、序詞(じょことば)がある

・長歌と反歌 長歌とは、七五調でかかられた長文の歌であり、その歌を受けて、続けれられる 五七五七七の短歌が、反歌である。長歌は、260余首あり、他の歌集には、ない多さである。

・部立(ぶだて) 歌の種類をいう。

   挽歌 死者を悼む歌
   相聞 恋、情をうたった歌
   雑歌 挽歌でも、相聞でもない歌
   正述心緒 心情をまっすぐに述べる
   寄物陳思 事物に託して心情をのべる

   他 東歌 東国の人の歌
 
・万葉集の成立 本書によれば、雄略天皇や磐姫皇后の伝承歌を除くと、629年から759年までの130年の歌が収められている。その成立は、700年から780年ごろにかけてとある。
4期にわたっているようであり、母体となったテキストに追加されている形で、膨大なアーカイブが成立したようだ。

構成は、2部20巻

第1部
 巻1 各天皇の歌、雑歌  
 巻2 各天皇の歌、相聞、挽歌 これが、第1期、第2期になる

 巻3 第3期、第4期
 巻4 同上 相聞

 巻5 大伴旅人、山上憶良を中心といた大宰府官人の歌、漢詩を含む
 巻6 雑歌、 ここまですべて歌人が判明

 巻7 すべてよみびと知らず 雑歌、譬喩歌、挽歌の3部からなる、旋頭歌25首、人麻呂歌集から60首
 巻8 四季の歌、雑歌と相聞
 巻9 雑歌、相聞、挽歌の3部
 巻10 四季の歌、雑歌、相聞、ほとんど、よみびと知らず、人麻呂歌集より70首
 巻11 2巻セットで、古今相聞往来歌上
 巻12 2巻セットで、古今相聞往来歌下
 巻13 大和あたりの長歌 よみびと知らず
 巻14 東歌 よみびと知らず
 巻15 部立はなく、遣新羅使節の歌、中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌群
 巻16 由縁有る雑歌 伝説歌、地方民謡 巻15,16は、付属ではないかと推測している

第2部 大伴家持編
 巻17 家持の歌が日次で巻19までが収められている。
 巻18 同上
 巻19 同上
 巻20 防人の歌(家持が役人として担当していた)

掲載されていた歌の中でこれはと思ったのはこの3首でした。

悲劇の皇子、有間皇子の歌
  家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る(142)

笠郎女
  わが形見 見つつ思はせ あらたまの 年の緒長く われも思はむ(587)

遣唐使の母 反歌
  旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 吾が子羽ぐくめ 天の鶴群(1791)

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Posted by ブクログ 2018年11月24日

正岡子規が好きなので、万葉集はいつかちゃんと読みたいと思ってるけど、全部読むと、他の読書が止まり過ぎる予感があるので、これでひとまず誤魔化す。

中平卓馬は万葉なんだな、とか。誤解を恐れずにいえば、日本の詩の歴史における縄文土器。ドカッとした塊の迫力よ。

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Posted by ブクログ 2012年01月01日

自分では言葉にできなかったモヤモヤとした感情を、たった三十一文字で表現してくれている。昔の人も、私たちと同じようなことで悩んだり苦しんだりしていたんだと思うと、本当に勇気づけられる。

「うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 心悲しも ひとりし思へば」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年12月30日

文庫は、安価で持ち運びが楽で、通勤や旅行の時に読めるのでうれしい。

万葉集は、5回や10回読んだだけで、内容が分かるほど、平易ではない。
そのため、100回、200回読むためにも、文庫本がよい。

角川のソフィア文庫は、日本の宝だと思う。

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Posted by ブクログ 2010年03月15日

『万葉集』から選ばれた140首が丁寧に解説されています。巻末には、付録として初句索引や作者索引もついていて、読み返すのにとても便利です。歌枕地図で歌に詠まれた場所を確認できるのも素敵ですね。

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Posted by ブクログ 2020年05月25日

他人の作った和歌が読みたいなあ、、とふと思いまずは万葉集からでしょと手にとってみました。

万葉集はますらをぶりと言われるだけあって、一首一首が力強く、はっきりとしていて、直接的で感情がダイレクトに伝わる気がする。
悲しい歌は悲しく、恋しい歌は恋しく、1000年以上の時が経っても人が感情を動かされる...続きを読む場面は変わらず、私たちは遠い昔の人々のことを思い感情を動かされる。…とても素敵で素晴らしく、万葉集を読んでよかったと思いました。

好きな歌は笠郎女の歌で、大伴家持を恋しく想いながら歌った気持ちが痛いほど伝わります。
きっと彼女は燃えるように恋をして、耐えがたいほど悲しかったのでしょう。

君に恋ひ いたもすべなみ 奈良山の 小松が下に 立ち嘆くかも

また、本書は寸評が逸材です。
現代語訳だけだとイマイチ想像しづらい場面もあるのですが、そこを寸評で補っていて、歌が読まれた空気感や情景が目の前に浮かんできます。
この寸評のおかげで更に読みやすく、感情移入しやすくなっていると言っても過言ではないですね。

全首読んでみたいなと思ったので、また全首載っているものを買います。

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Posted by ブクログ 2020年05月05日

「万葉集」は現存最古の歌集と言われている。二十巻。歌数は約4,540首。舒明天皇の時代(629年~641年)から天平宝字3年(759年)まで、約130年間の歌が収められている。700年から780年頃まで数次にわたる作業を経て、奈良時代末に現行の体裁が整ったという。
本書はその中から約140首を選んで...続きを読むある。
1200年も前だというのに、歌われている風景が目の前に立ち上がり、心情が心に響く。これは同じ日本人だからだろうか。海外の人がこの本を読んでどのような感想を抱くのか興味がある。
最後に一首引用しておく。
田子の浦に うち出てて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける
田子の浦を通ってひろびろと視界がひらけるところに出てみるとなんと真っ白に富士の高値には雪が積もっていたのだった

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Posted by ブクログ 2019年04月13日

元号が発表になる前の週、書店でどうしても気になって購入したのですが、なんと、万葉集から「令和」が決まるとは。単なる偶然ですが、なんだかうれしいです。
万葉集の句は、素朴で力強くて、飾り気が少ないような気がします。肩ひじ張らずに、気楽に万葉時代の日本語のリズムに触れてみるのがいいと思いました。古今、新...続きを読む古今にもこの感じで触れてみたい。

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Posted by ブクログ 2019年04月02日

新元号「令和」の出典は万葉集からとのことだが、はて万葉集というものの存在は知っているがついぞ読んだことがないと気づく。

せっかく興味を持ったものの万葉集に関する書籍は山のように出版されておりどうしたものかと悩んでいたところ、「ビギナーズ」の文字が躍る一冊を発見し手に取った次第である。

丁寧な解説...続きを読むのおかげで歌意をおおむね掴むことができ、大変ありがたい。
そして歌そのもののダイナミズム。
和歌というものに触れず生きてきたが美しい響きに込められた在りし日の人々の思いは現代に生きる我々に通じるところが少なからずあり、1000年以上受け継がれる伝統の霊力のようなものを感じた。

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

1300年前には歌しかなかったからなのか、心の有り様を言葉で表現することにおいては現代人よりも遥かに上手(うわて)です。いや、というよりも、気持ちを言葉にすることって、現代人にとっては遠ざかってしまったことのような気もします。

風の様、土のにおい、草木花々の彩り香り、天気や月、星雲の形、誰かを想う...続きを読む気持ちーー。ありとあらゆるものを歌材にしようとする態度は、一瞬一瞬を楽しもうとする姿にも感じます。これほど豊かな表現で万物を歌い上げられる万葉人が我々を見たら、きっと嘆くんだろうなあ。

古典に触れ、その感情を現代で追体験することで、これまでよりずっと素直で豊かな生活が送れるものと思います。

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Posted by ブクログ 2013年11月09日

いやー読むのに時間かかった~
終盤でようやっと、おもしろくなってきた。が、歴史知識が少なすぎて当時の情景創造度合いはとても低いのだろうな。。。
奈良時代のことなんてなんも知らんからな。。。いつかこの時代の書籍にも手をつけえてみよう。

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Posted by ブクログ 2012年11月23日

坂口由美子さんという教師の方の解説が非常にわかりやすいです。特に終盤の注釈においては、ご本人の文学に対する造詣の深さが滲んでいると思います。例えば、大伴家持と室生犀星と谷川俊太郎という、時代の異なる詩人たちに共通した心象風景というものを、ほんの数十行でさらりと論じておられるところなど、ただただ心憎い...続きを読むとしか言いようがありません。お見事です。願わくば、彼女の解釈で万葉集の続編が読みたいと思いました。入門編としてお薦めします。

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Posted by ブクログ 2011年12月10日

古典初心者向けの「万葉集」。
抜き出された歌の数は少ないが、解説が易しく丁寧で読みやすく、まさに初心者向け。文字サイズも見やすい。
図版は白黒で数も多くはないが、歌に詠まれた草花などがイラストで紹介されている。

関連した歌を続けて紹介したり、代表的な枕詞がコラムで解説されているなど、全体的に読みや...続きを読むすい構成。

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Posted by ブクログ 2011年11月23日

友達が読んでいるのを見て、古典を今読んだらどうだろうと感じ、トライ。
名歌を集めただけあり、授業で聞いたものや、どこかで聞いた事のあるものも。1つひとつの解説を読むことで、詠み手や受け手の関係性、時代背景を想像しなが、読み進められます。こうして読むと、日本史をもう一度学びたくなります(*^^*)
...続きを読むても大胆な歌などは、読んでいて驚かされます。発想とか。
とても良かったです。

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Posted by ブクログ 2010年10月23日

 「上代」という言葉を聞くだけで、上流階級のみに許された高尚な世界を想起してしまったが、そんなことはなかった。庶民の歌はもちろんのこと、上流階級の人々の歌も、今でも「分かるなァ」と感じられるようなテーマが多く、どんどんn感情移入してしまう。胸が熱くなることもしばしば。
 相聞歌などはその典型と思う。...続きを読む額田王と大海人皇子のやりとり、磐姫皇后の嫉妬からは相手を想うストレートな心、大伯皇女と大津皇子や穂積皇子と但皇女からは、どうすることもできない別離の悲痛を。千年以上昔の、それも数十文字で構成された言葉がここまで現代に生きる私達の心に染みるのかと驚かされる。
 学ぶべきことだと思ったのは、季節に関する感性。式が持つそれぞれの顔を十分に理解し、感じ、楽しむための五感を自分は持っているだろうか?
 大学受験の頃、古文に対し「なんでこんなもん勉強するんだろう」という感情しか抱いていなかったが、少しだけその意味が分かった気がした。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

万葉集に収められている有名な歌を訳と簡単な解説付きで紹介していく本です。
たまに細かい文法(上代の文法)に言及していて、編者たちの気合いが見えるようでした。
気に入った歌のページに付箋を貼っていったら、全部で14首になりました。
一番好きなのはやっぱりこれです。

朝寝髪(あさねがみ)
我れは梳(け...続きを読むづ)らじ
うるはしき
君が手枕(たまくら)
触れてしものを

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

2008年7月18日購入
なんというか洗練されてない感じがいい。

冒頭いきなり雄略天皇の成金じゃないんだからみたいな
ある意味かなりいやらしい歌から始まるのだが
なんだか素朴で愛嬌があるといえなくもない。

古今和歌集と合わせて買ったのだが
こっちのほうが好きかな。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

 万葉集を訳と解説付きで読める本です。古典好きだけれど、訳すのが苦手、難しいのはちょっと、と思う方にオススメ。さらっと読めますし、難しい面もあまりないので本当に読み易い本です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

50代の方から頂いた手紙の終わりに、和歌が書いてあるのがかっこよかったし、素敵でした。私もお返しに書いてみようと手に取った1冊。“秋山の 木の下隠り 行く水の 我こそ増さめ 思ほすよりは”その時は恋してましたので、“秋山の木の落ち葉の下を、隠れてそっと流れていく水のように、表には見えないけれど私の方...続きを読むこそ、より深くお慕いしています。あなたが私を思ってくださっているよりも”な〜んて、お姫様気分をおもいっきり味わいました。最近家庭教師を引き受けたの件もあり、歴史を学びなおしていると万葉集がおもしろい!!遷都によって朽ちていく以前の都の虚しさを詠んだもの、有間の皇子が囚われて詠んだもの、弟を殺された大伯皇女の思い。創造力をかき立ててくれます。(右脳刺激で頭よくなるかな?)1冊読み終わった後で、自然とほかの古文も意味がわかるようになってきたことも、よかったこと。
今度は“朝寝髪”で始まる句を送れる人に出会いたいものです。あと、どなたかもっと万葉集を読みたいときにお勧めの本を教えてください。

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Posted by ブクログ 2017年04月21日

最近私の中で日本文化や日本人の心とは何だろうということが気になっていて、その流れで万葉集にも触れてみるかと一番易しそうなのを購入。解説には初歩的だけど一般の人は知らないことがきちんと書いてあって、初心者には嬉しい。適切な挿絵やコラムからも読者への配慮を感じた。

一読してみた全体の印象としては「素朴...続きを読むさ」をすごく感じた。どの歌でも湧き上がった感情が素直に表現されている感じ。なかにはこれ単に事実を述べてるだけじゃないかと思うのもあったが、それも含めて飾り気のなさには好印象を受けた。そのほかよかったと思うのは、貴族を中心に千年以上前の暮らしぶりがうかがい知れたこと。平民の歌も収録されていて、比べると情緒の面では身分で差はなかったんだなあと思った。今でも広く語られている浦島太郎伝説などの説話も万葉集にすでに載っていて、昔話の歴史の長さに驚いた。

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Posted by ブクログ 2009年10月13日

いろいろ解説があってわかりやすかったです!
勉強に役立ちました^^
もとは遙か4がすきで読んでみましたw

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