感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2016年05月13日
王朝の理想像「昔男(むかしおとこ)」の人生を追った
連作歌集物語です。
美男で心優しく情熱的な色男。
そんな彼に高貴な人も市井の人も惹かれていくさまが
歌と共につづられています。
王朝の人間模様もわかるとてもわかりやすい一冊です。
Posted by ブクログ 2011年04月21日
感覚ってふるびないものなんだなあ。言葉も生活も違うずっとむかしの作品だけど、なんでかみずみずしく、心に刺さる。
国語の授業や入試問題だと一段だけとかぶつ切りだから、なかなか入り込めず、伊勢物語をおもしろいと思ったことなかったけど。業平の人生、まるごと読むから愛着もわくし感情も入ってきやすくなる。気づ...続きを読むいたら好きになってる。これだから色男は。
Posted by ブクログ 2012年06月29日
あー、もう本当に面白いな!
業平のストライクゾーンが広すぎるし、スケコマシまくってるのにまったく悪びれないところが凄いよ。
東下りでちょっと良い歌を詠んで、みんなで泣いて・・・
って、アンタ上司の女に手を出したからやん!自分のやんちゃが原因やろうになにオセンチぶっこいてんの!!
と突っ込まずには...続きを読むいられません。
イケメンで家柄が良くてエリートで女性を口説くのが上手いとあれば、そりゃあ遊びまくりますわな。
私は生まれ変わるなら業平になりたいわ…
12.06.28 再読
在原業平が恋の歌を量産しながら、日本列島を股にかけて乙女たちをたぶらかしまくる話。
伊勢物語なんて高校の古典授業以来でしたが、意外と面白かったです。
「(恋なんかで)死にそうなんやったら、さっさと死ねば?」みたいな歌もあって、ちょっと感動しました。クールすぎるぜ!
芥川が好きで好きで、当時そこばっか読んでたなぁ。だって「消えなましものを」ですよ!?消えなましものをって・・・どんだけ切ないんだ。
狩の使いの「夢うつつとはこよひ定めよ」もチョーカッケー!とテンション上がったけど、誰も同意してくれなかったのも今はいい思い出…。
09.03.19
Posted by ブクログ 2021年06月06日
中三の息子に伊勢物語くらい読んどけよ、一緒に勉強する為にと買ってみたのですが、先ずは親が読んでなきゃ強いこと言えねえな、と音読もしつつ読んでみました。
100篇以上の小話からなる伊勢物語ですが、メインのお話は、当代きっての遊び人の在原業平の恋愛話です。多くの女性と関係を交わしていく様子が和歌と...続きを読む共に綴られています。業平が成人式を迎えたところから老境に入り死に至るまでが描かれており、さしずめ、やさ男の一生涯といったところかと思います。
さて具体的な恋愛(と言っていいのかな)の内容ですが、結構やばいです。
平安時代は、通い婚姻だし、ってか重婚ということだし、夜這いはあるし、作中で業平は好きでもない人ともエッチしちゃうとか、かわいそうだからって白髪の老女とあれのこれのしちゃうとか、気持ちが受け入れられず呪ってやるとか。。。まあ冷静に見れば現代社会でも似たようなことはあるのかもしれませんが、なかなか激しい。。。
もともと中三の息子に音読でもさせっかと思いましたが、ちょっと保留にしておくことにしました。わざわざアブノーマルな恋愛を教えなくてもいいかと。
なおこうした内容の面白さが実現されているのはひとえに編者の坂口氏の解説によるところが大きいと思います。現代語訳が分かりやすいのはもとより、時代背景の説明が秀逸です。ある業平の恋愛が阻まれる理由に、摂関政治を推し進める藤原氏の影響がある(相手が藤原氏の娘であったため、天皇の外戚になるべく娘を利用するため、業平との恋愛を許さない)とか、教えてもらわないと分かりません。また惟喬親王と業平が親しい理由に、天皇の世継ぎとなれなかった親王と天皇家の血筋ながら政治の中心で活躍できなかった業平の共通点を見出すなど、こうした解説が話を立体的に把握させてくれます。
かつては古典なんて、『めんどくせえ』とかしか思わなかったけど、年を取って読んでみると古典は存外に面白い。特に音読してみると不思議にリズムがしっくりきます。おすすめ。あくまで物語ではあるもの1000年前の平安の日常や恋愛事情の一部が垣間見え、非常に面白かったです。
Posted by ブクログ 2020年12月17日
学校の教員が卒論で伊勢物語をテーマにしていたため、作品に興味をもった。
作者が巻末に述べた、『おしゃべりな行間』は読み手の想像力を掻き立てるものであったように感じた。最初は順序に沿って現代語訳→原文(同時に現代語訳も見る)と読んでいたけれど、途中から原文→現代語訳(同時に原文読む)のようにして自身の...続きを読む感じ方を明確にできるように意識した。
人物が歌で想いを伝える描写は読み取りが正確にできるように考えていました。
古典や文化に興味を持ち始め、関係がある本を読むようになったけれど、まだ現代語訳は全く出来ない…できるようになるぐらい、色んな作品や文を読みたい。
Posted by ブクログ 2020年08月12日
武蔵野の野焼きの煙に耐えかねての場面での和歌
武蔵野はけふはな焼きそ 若草のつまもこもれり我もこもれり
という和歌は
春日野はけふはな焼きそ という和歌をが元となっているのだが、元が野焼きというは早春に火を焼き放つことの和歌であるのに対し、これは全く違う状況を作り出しているのがとても興味深く感...続きを読むじた。
そして、なんと言っても最後のコラム「寡黙な本文とお喋りな行間」がとても魅力的だあった。
狩りの使いという場面では斎宮と昔男が結局どのような結末言ったのかは分からず、それ故に想像力を掻き立てられるのだという。
プラトニックな愛という説もあれば、一夜限りのものであるなど。
斎宮という身でありながらもなぜ男の寝床に行ったかと最初に読んだ際にはただ情動に駆られただけかと思いきや、それだけではなく斎宮の政権に敗れた親王の妹という点と在原業平は薬子の変によって政権から遠けられた平城天皇の孫という不遇の立場同士だったからこそこのようなことに及んでいると思う捉えられるという。
寡黙であるが故にその行間を言葉にしてみたいという思いが溢れてくる。
これを読んだとき源氏物語にも共通しているなと思った。
光源氏のその後や、浮舟、薫の最後が書かれていないからこそ、多くの人が想像をかき立てられ、現代においても色あせない作品になっているのだと思う。
Posted by ブクログ 2013年12月07日
昔の日本の風流に触れ、いまの自分にはまったく無い趣ある詩に感服した。
あえて多くを語らないことで余韻を持たせ読者の想像力を掻き立てる。
逆に全てを語りすぎてしまうと、それは「無粋」というものになってしまい、味わいがなくなる。
粋な心を持った登場人物達による贈答歌には大変興味を惹かれ楽しく読むことがで...続きを読むきた。
Posted by ブクログ 2013年11月24日
一年で最も夜の長い日に、本書を読むという粋な会があると聞き、買って読みました。
私が気になったのは、初段の以下の箇所です。
「この男、かいま見てけり。思ほえず、古里に、いとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。男の着たりける狩衣の裾を切りて、歌を書きてやる。その男、信夫摺の狩衣をなむ、着たり...続きを読むける。
春日野の若紫の摺衣しのぶの乱れかぎり知られず
となむ、おいづきて言ひやりける。」(p.13)
これは!
現代でいうと、
一目惚れしちゃった女の子に、メールアドレス書いた名刺渡しちゃう、ってことですよね?
昔の人は燃え上がる恋心を行動に移したものですよ、とか言ってるけど、現代人も同んなじようなことしてますよ?
Posted by ブクログ 2024年02月12日
源氏物語にも影響を与えたであろう伊勢物語。
有名な歌がここからきていたのか等、面白く読んだ。断片的にしか知らなかったが、全体像はつかめた感じがする。ビギナーズ・クラシックスの良いところ。
Posted by ブクログ 2012年08月19日
前々から興味を持っていた伊勢物語。本書は原文と現代語訳の両方と平安時代の豆知識(一部絵もあり)がついていてわかりやすい印象をうけた。個人的には現代語訳を原文より後に持ってきてもらった方が読みやすいと思ったのが残念な部分だった。しかし平安時代の人の恋愛観念がよくわかり面白かった。それは現代人には理解し...続きを読むにくいものだったり、共感できるものだったり。古典に興味のある人や昔の人の恋愛観に興味のある人にはオススメ。
Posted by ブクログ 2012年03月26日
「伊勢物語って源氏物語の前段」くらいに思ってたけど、意外にや読み応えありました。
恋愛模様にまざった生き様が凝縮されてぼろぼろと掲載されていくので、読書会向き、話がつきない。
この本は伊勢物語の中でも、軽い翻訳もつき、大和物語など同時代ものとの比較コラムもあって、楽しく読めました。
Posted by ブクログ 2012年03月05日
前半は色恋がみずみずしく描かれていて後半はトーンが違うなあと感じたけど、前半は若かりし頃の姿を描き後半は老いた主人公をセルフパロディーみたいに描いてるんだってさ
平安時代のそんな遊び心を持って書かれた作品が古典として残るんだねえ
でもこの頃の女性作家の作品って宮中の女官とかがわーきゃーいいながら...続きを読む回し読みしてたワケでしょ?
なんとなくヲタヲタしいのが多いのも納得な気が
同人誌の人気作家みたいなもんなワケじゃん(笑)
Posted by ブクログ 2011年05月04日
古典はあまり精通していないので、現代語訳と解説を中心に読み、原文に目を通すようにした。
夫の浮気、女の移り気、身分違いの恋、叶わぬ恋…平安時代のさまざまな恋模様が描かれている。なかでも、筒井筒は非常に好きな物語だ。
Posted by ブクログ 2011年02月06日
在原業平がいかにリア充であったかが理解できる本。
こんなリアルに恋の病で死ねる世界なんて…。
個人的に着てる狩衣破いてまで恋文送られたら引く。
Posted by ブクログ 2010年01月11日
古典では伊勢物語がいちばんすき。想いが強い余り夜寝ている間に魂が抜け出て相手の夢にまで会いに行き、魂が体から浮かれ出るのを結びとどめるまじないのことを「魂結び」と言うんだって。この章段がいちばんすき。省略されていて残念。