感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2014年03月14日
虫愛づる姫君で有名。解説にもあるが堤中納言物語が散逸しなかったのはそれぞれの話が持つ意外性だと思う。結果が予想できなくて、ページをめくる手が止まらなかった。
一部ご紹介します。
・虫愛ずる姫君「人々が『花よ蝶よ』とほめるのこそ、考えが浅く奇妙なことです。にんげんというものは、誠実さがあり、物の実態を探し求めてこそ、心掛けが素晴らしいというものです。」
「人間というものは、何事につけても、良く見せようと取り繕うところがあるのはよろしくない。」
「評判...続きを読むなんてどうでも構いません。すべてのことは、もとをたずねて結果を見てこそ因果関係がわかるのです。子どもでもわかることです。あの毛虫が蝶となるのです。」
「絹といって人の着る物も、蚕がまだ羽のできないうちに作り出します。蝶になったら糸も果てて無駄になってしまうのですよ」
「私が、蛇のあなたと、御縁がありますなら、生まれ変わって、極楽で、お会いしましょう。この世では、あなたがその姿で、そばにいるのは、難しいと思います。」
「悟ってしまえば、何事も恥ずかしくありません。人は夢幻のような世に生きています。いったい誰がいつまでもこの世に生きながらえて悪いことを見、善いことをも見て、善悪を見極めることができましょうか。誰もそんなことはできないのですよ。だからはかないこの世では、善いとか悪いとかいっても結局意味のない価値判断で、絶対的な真理はないのです。」