堀茂樹のレビュー一覧

  • 第三の嘘

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    ネタバレ


    (※ネタバレ)

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    実際には離れ離れだった双子。
    二人が一緒にいられた「悪童日記」は、
    二人が一緒にいられない現実から逃避する手段であった


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。

    (あらすじネタバレ)
    クラウスとリュカには悲しい事実(と思われる)があった。2人が4歳の時、父は浮気相手と一緒になりたいと話し、2人の母は父を撃った。その流れ弾がリュカの脊髄を損傷し、離れ離れに暮らすこととなった。2

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    2023年11月30日
  • ふたりの証拠

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    双子のひとり、リュカの暮らし

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、どう生きたかを伝えるために―強烈な印象を残した『悪童日記』の待望の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物の物語を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて全世界の共感を呼んだ話題作。

    (ネタバレ)
    祖母のいなくなった家へ戻ったリュカ。15歳。知り合ったのは自らの父との子をもうけてしまったヤスミーヌとい

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    2023年11月30日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    警告の書、世界経済という視点からグローバリズムという経済活動を検証する

    グローバリズムがもたらしたものは、経済の自立を失い、国家主権さえ失ってしまう状況である。
    EUは、グローバル資本主義のもとに完全な自由貿易、経済的国境の撤廃がもっとも進んでいる地域。
    圏内で関税をなくし、通貨を統合した。しかし、その結果なにが起きたか。各国は通貨の切り下げなど金融緩和や財政出動もできず、独自の産業政策も不可能になりました。
    EUでの勝者は、ドイツだ。ユーロ安でドイツの輸出産業は大いに潤った。経済危機に瀕した国々を低賃金で下請けのように使いユーロ圏がドイツにとって開かれた市場であることをフル活用している。

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    2023年11月14日
  • 嫉妬/事件

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    別れた男の現在の彼女への嫉妬を描いた「嫉妬」、中絶が認められていなかった時代のフランスで中絶する「事件」2編のオートフィクション。
    ものすごい解像度と赤裸々さで、感情とその流れが克明に記されていき、全て本当にあったこととしか思えない。
    性愛を重視していることと、時々ある観念的な考え方はフランスっぽいなと思うが、どの国でも女の思考は共通しているところが多いな、と連帯感を覚えた。「嫉妬」なんて失恋した時に読んだら共感の嵐だと思う。

    やはり衝撃的だったのは「事件」。
    読んでいて自分まで下腹部が痛い気がしてくるほどだった。
    中絶を禁じるって、本当に悪しき文化だと思う。胎児の命を軽視するのはもちろん良

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    2023年09月23日
  • ふたりの証拠

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    一作目の最後、国境を超えなかった「ぼく」の物語。「ぼく」は名前を持つことで、前作とは違った雰囲気を感じる。戦後下の厳しい環境で生きていく主人公は、他人に手を差し伸べながらも、常に孤独を抱えている。地の文に、主人公の感情は一切ない。それでも、彼の心情は、読者へ強く伝わってくる。予測できない展開に、はらはらさせられること必至。

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    2023年08月07日
  • 第三の嘘

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    二人の証拠のラストで、エエェ!
    てなった後の本作。
    悪童日記や二人の証拠であった若々しさ等はなく、
    老いたリュカとクラウスの話。
    全体を通じ、悲哀に満ちていて、なんとも言えない気分に。
    内容が悲哀に満ちているのもそうだが、一人称の私が、リュカとクラウスどっちがどっち?てなることもあったのでもう一度読みたいと思う。
    間違いなく名作。

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    2023年07月09日
  • 嫉妬/事件

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    「嫉妬」も「事件」も女性として考えさせられる小説だった。アニー・エルノーの小説は自伝的。本当の所は知らない。淡々と書かれているけど、情熱的。その相反する読後の印象が自伝的だと思わせるのだろう。「事件」で知った、フランスは中絶が違法だった期間が長かったこと。フランスのイメージとは大きく異なるこの法律にヨーロッパがいかにキリスト教と結びついているのかを改めて見た気がする。
    「嫉妬」の主人公。恐らく表面上は淡々と生活はしていたのだろう。だけど、内面は相手女性への執着でドロドロしている。それを伝える文章は全くドロドロしてはおらず、一歩間違えばメロドラマ的になってしまう内容をいたく知的で詩的なものに感じ

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    2023年06月30日
  • 嫉妬/事件

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    女性の環境や人生や感性を、客観的に綴る。

    嫉妬 気が狂わんばかりの嫉妬なのに、語り口が客観的で冷静。ある日突然それがバカバカしいことだと気がつくあるある。

    時間 どこまでも自分が大事で、当然のように自分の道を進もうとする価値観が新鮮。グロテスクであるが、それが人間でもある。ヒッチ

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    2023年04月23日
  • 場所

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    アニー・エルノーの本は、2冊目となるが、彼女の書く文章がやはりどこか好きである。

    この一冊は、彼女の父が亡くなった出来事から始まり、彼が生きていた時代、つまり作者である彼女の幼い頃を小説を通して"書く"ことで、思い返す、そんな話である。

    私が1番面白いと感じた点は、過去の回想シーンと、彼女の書くという行為によって思い出される記憶と、時間が進むにつれて、これらが交錯していく点である。

    また、物語全体を通して、階級の違いが描かれ、とても納得できる部分が多く、客観的に読むことができたように感じる。

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    2023年04月01日
  • 嫉妬/事件

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    凄まじくリアルだが、小説でもノンフィクションでもないという一冊。

    女性の心情を事細かに書いてあるようだが、事実をベースに書いてあるため、非常に読みやすい。

    特に印象に残った文章は、

    ーー正常と言われている世界にいつ戻ってきたのかは、わからない。"正常な世界"とは曖昧な表現だけれども、その意味するところは誰もが理解している。つまり、ぴかびかの洗面台を見ても、列車のなかで旅行客の顔を見ても、もはや何の問題もなく苦痛も感じない世界のことである。ーー(事件)

    表現が分かりやすいのに、どこか奥が深い。そんな文章が最後まで綴られる。

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    2023年03月27日
  • 嫉妬/事件

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    映画の「あのこと」を見てから読んだ。
    映画では痛みをこらえて編み針で堕胎させようとしたり、中絶の費用を私物を売って自分で用意しようとしたりする強い姿が多かったが、この「事件」では不安や恐怖といった感情がよくでていたと思った。
    階級や性差による不自由さや理不尽がよくわかる話。
    「嫉妬」はその嫉妬という感情がこれほど生活に影響するのかと驚いたし、自分ではどうにもできないのだと感じた。

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    2023年03月26日
  • 第三の嘘

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    「んっ?」ってなって、「あぁ。」ってなって、最後は「えぇぇぇっ?」ってwww
    もしかしたら、コレも嘘かもしれない。

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    2023年02月23日
  • シンプルな情熱

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    本作の著者アニーエルノーは2022年のノーベル文学賞を受賞された方だったので、本書を読んでみましたが、まさにタイトル通り「とても激しい、パッション!」を感じる本でした。
    ストーレートで熱い熱を感じるような本で、火傷したような読後感になりました!
    賛否両論ありそうな作品だと思いますが、私は、とても印象的で、人間の本質を刺激する本で、素晴らしい本だと思いました。
    ぜひぜひ読んでみてください。

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    2022年12月26日
  • シンプルな情熱

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    情熱、とだけ聞くと
    何かほとばしるような、
    熱くて燃えるような、
    エネルギーに溢れる、
    そんなことをまず連想するのは、
    なんでだろう?

    熱、という字が入ってるからかな?

    一方で、熱いだけではない情熱というのも
    ある気がする。
    一瞬湧き出た後にも残るエネルギー?
    まだまだ消えないよ、という感じか?

    淡々と流れる時間の中に
    ポッと湧き出た情熱に対して、
    渦中から少し時が経ってるからこその
    シンプルなのかな。

    熱さと冷静さのちょうどよさ
    (けして、ぬるいわけではなく)
    を感じた。

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    2022年12月23日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    宗教というものは、一部の特権階級がその他の人々をコントロールするために発明されたもの。神話や信仰は知る価値のあるものだけど、それらはについて考える時に権力者の道具であることは常に意識する必要がある。

    「私はシャルリだ」運動は、社会的、歴史的な平等から出たものではなかった。あれは「表現の自由」の皮をかぶったイスラムフォビア、イスラム排斥運動だった。
    当時、イスラム教徒に対して踏み絵のようなことがフランスで行われていたとは知らなかった。

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    2022年12月30日
  • 場所

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    フランスの階層をまたがった親子の話。まず、フランスが階層社会だということに驚いた。しかし、日本とは違い、文化や教養面で階層の差がつく。親のいる下の階層から勉学によって上の階層に上がった娘は、親(主に父親、下の階層の人々)との間にある時から溝を感じつつも、突き放すでもなく取り入るでもなく客観的に見ている。
    自分も、子供の頃は親や先生が絶対的存在だったが、自分が大人になってみると、もっと広い視野を持ち、親世代、老人世代の考え方や行動に疑問を感じることが増えてくる。そういうことと似た側面がある。

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    2022年12月04日
  • シンプルな情熱

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    こんなに恋に溺れて、こんなに冷静に記述できるのか。

    この恋は性的な行為を行うだけで、素敵な会話やデートやイベントなどは全くない。だけど恋する著者の頭は彼のことでいっぱいで、何をしていても彼のことばかり考えてしまう。
    恋、恋情、激しい恋、情熱。様々な色のパッションが描かれる。

    言葉が美しく飾らず荒々しくて直接的だったのが、新鮮に感じた。
    特に91年2月の再会からラストの文章までは素晴らしく、恋の移り変わりは全くもってシンプルではなくそして美しいということがよく現れている。

    著者の恋の感じ方記述の仕方に惚れ惚れとした作品
    (そのため映画を観る意欲なし)

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    2022年11月01日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    こういう見方もあるのかと感心しました。

    ドイツについて、EU内の位置、ロシア、そして、アメリカや、日本との対比を語っています。

    ドイツは、すでに二度にわたってヨーロッパ大陸を決定的な危機に晒した国であり、人間の非合理性の集積地の一つだ。
    ドイツというのは、計り知れないほどに巨大な文化だが、人間存在の複雑さを視野から失いがちで、アンバランスであるがゆえに、恐ろしい文化である。
    ヨーロッパは、20世紀の初め以来、ドイツのリーダシップの下で定期的に自殺する大陸なのではないか。
    ドイツはグローバリゼーションに対して、特殊なやり方で適応しました。部品製造を部分的にユーロ圏の外の東ヨーロッパへ移転して

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    2022年10月12日
  • 第三の嘘

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    ストーリーの整合性を予め確保した、一般的な小説を目指し書いたのではなく、自身の内側に漂い続けているものを小説という形をとって表現したのだと思う。
    訳者の解説が巧みで素晴らしかった。


    双子の、「でも、あなたは、今しがたおっしゃいましたね。〝苦しみは減少し、記憶は薄れる〟って」という言葉に対し、不眠症の男の「そう、確かに私は、減少する、薄れると言った。しかし、消え失せるとは言わなかったよ」という一言が印象的だった。

    理不尽な力によって本来の自分から引き剥がされ、本来ならばそこに存在したはずの自分、家族、自然、国といった幻の中をさまよいながら、完治することのない傷と共に生き続ける人間の強さ、脆

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    2022年10月01日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    翻訳,しかもフランス語の翻訳であることもあって読みにくいというのが率直な感想.自分の理解力不足ももちろんだけど.
    国内に住んでいる人々と移民の「同化」というのはこの国にいるとわかりにくいのだけど,著者はそこに希望を見出しているように読める.

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    2019年04月04日