堀茂樹のレビュー一覧

  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    ヨーロッパ内部の視点から世界がどう見えるか、とても面白かった。家族の成り立ちが政治イデオロギーの成り立ちに影響を与えているという主張は、一見無理矢理感があるが、家族の成り立ちを決める根源的な好き嫌いが社会の構造に影響を与えるのはもっともと思えた。

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    2017年09月03日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    指摘されているドイツと日本の類似性を知らなかった。
    Todd の「燃え上がるレトリックに騙されてはいけないわけですね...。」と対談者が言うのが象徴的。

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    2017年07月01日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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     最近読みはじめたトッド本、3冊目。前の本より手前味噌感がなくもないが、明快な主張は良い。イギリスとドイツ、アメリカ(ついでに日本も)を中心に、イギリスEU脱退直前の状況を分析する。
     現在、まさに脱退後の混乱状態にあるので、続書が出るはず。これをぜひ読み、比べたい。

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    2017年06月08日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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     本書は書下ろしではなく、7編の時事論集である。すべてBrexitやパリ多発テロなど2015-16年頃のものなので、当然ながら似ている内容が多い。また、ほとんどが日本で収録または日本で発表されたものということで、日本に言及した部分も多い。
     ヨーロッパを主にした世界情勢論、家族形態の歴史に基づく文明論、などが展開されているが、いかに日本人向けにアレンジされて読みやすくなっているとはいえ、決して理解が容易な内容ではない。編をまたいて繰り返されることで、辛うじてぼんやりと分かったような気にさせてくれるが、それは本書の主張を支持するものである。
     氏の論調は自国では批判が多いようだが、世界は難しい問

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    2017年05月13日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    短編や講演をまとめた為か、体系だった論点というより、気付きをもらえる本。
    自由を強制される西洋に対し、自由に限界があると認識している日本の方が内面的に自由でいられるというのは、欧米はポリティカル・コレクトネスが行き過ぎてしまった、とも重なるのだろうか。
    大家族主義の国家で共産主義が発達し、各家族主義の国家では発達しなかった、というのは結果論では納得できるし、EUの移民許容度を内婚率(イトコと結婚率)で説明するも興味深いが、その論点だけの説明は、危険なプロパガンダと感じた。(すべて、それが原因なの?)
    本人の主義にのっとり、多様化した視点を聞きたい。

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    2017年05月23日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    グローバリゼーションの崩壊から、
    『多様性の共生』へ。

    人類学的見地からの、家族構成、家族システムによる相違を言及した視点は、非常に感心させられた。

    コチラの本は、これまでのと違って、非常に読みやすく、個人的にはほぼ納得がいくものであった。

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    2017年01月30日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    グローバリズムにより貧富の差は広がり格差社会がひずみをもたらす。保護主義を推奨する。
    必ず毎年利益を出し、年々GDPが上がっていくこと前提の経済の考え方に息苦しさを感じる点で、納得できるところが多い。

    が、グローバル化を止めてしまって、代わりに経済を発展することができるのか?というところに答えは見つからない。その思考自体が間違っているということなのだろうが。

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    2017年01月22日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    20170106〜0118 アラブの春、ユーロ危機といった事象を予言していったエマニュエル.トッド氏の時事論集。ドイツの頑なな財成規律主義が、他のユーロ諸国を危機に陥らせていること、氏の母国フランスは中央部と周縁部の二つに分かれていること、などが示されている。この議論を読むと、日本人は実に宗教的な国民なのだと考えさせられた。

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    2017年01月18日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    エマニュエル・ドット氏と日韓の論客がグローバル資本主義のの行方を語ります。バブルとその崩壊を繰り返し、大企業によるの寡占化、短期利益を求めての目先のパイの奪い合い、株主はクリックひとつでやめられるが従業員はそうはいかない、国家という枠内でのガバナンスの欠如などの問題を洗い出し、それでもネオリベラリズムを支持するのはエリートが内向きな小さなグループに閉じこもって統治を放棄していると糾弾。
    一般人もそれで良しとしてしまうのは、子供の頃貧しかった高齢者が今を豊かだと感じていることに加えて、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」を挙げて論じている。
    2014年6月発売の本書ですが、ドット氏の「新自由主

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    2016年12月31日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    歴史人口学者エマニュエル・トッド氏の来日公演の内容等を本にまとめたもの。

    グローバリゼーションをけん引してきた張本人である英米が逆方向へ舵を切ろうとしている昨今の国際情勢を、社会科学と歴史的考察で分析しています。

    ここ数年、マスメディアといわゆる知識人の思考パターンは、リベラリズム、グローバリゼーション、ポリティカルコレクトネス等を「絶対正」として繰り広げられてきました。
    しかし、歴史や文化、教育、芸術、宗教の観点がごっそりぬけおちているのです。

    トッドは、Brexitはマスコミが言うような大衆の気まぐれな失敗などではなく、これまでも歴史を切り開いてきた英国の目覚めであるとしている。

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    2016年12月27日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    トッド氏が、最近インタビューで述べた言説をまとめたもの。
    内容は、フランス民主主義の崩壊、ドイツの覇権の浮上、ロシアとの紛争の激化などです。
    歴史家、人類学者、人口学者の立場で、ヨーロッパ社会の過去、現在、未来を論じており、ところどころで、日本のことにも触れている。
    内容ですが、
    1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
     自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス
     ウクライナ問題の原因はロシアではなくドイツ
     ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
     アメリカとEUの産業上の不均衡
     アメリカと「ドイツ帝国」の衝突
    2 ロシアを見くびってはいけない
    3 ウクライナと戦争の誘惑
    4 ユーロを打ち砕くこ

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    2016年12月09日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    新たな歴史的転換をどう見るか?
    人口論からの解析、トッド氏の独自の言説をまとめた本でした。
    1 なぜ英国はEU離脱を選んだのか?
    2 「グローバリゼーション・ファティーグ」と英国の
      「目覚め」
    3 トッドの歴史の方法――「予言」はいかにして可能
      なのか?
      歴史家トッドはいかにして誕生したか?
      国家を再評価せよ
      国家の崩壊としての中東危機
    4 人口学から見た2030年の世界
      ――安定化する米・露と不安定化する欧・中
    5 中国の未来を「予言」する――幻想の大国を恐れるな
    6 パリ同時多発テロについて――世界の敵はイスラム
                    恐怖症だ
    7 宗教的

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    2016年12月05日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    日本だけではなく、フランスでもドイツでも、アメリカも権力中枢にいるエリートたちの頭がおかしくなっているのだそうだ。人類補完計画の始まりなんだろうな...
    気を確かに持ちたいものである。

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    2016年12月01日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    家族システムの分布を伝播主義モデルで説明すると、初期の人類は双系性の核家族で暮らしていたと考えられる。核家族の社会では個人主義的な傾向が強く、直系家族の社会では世代間の連帯が重視され、共同体家族の社会では兄弟間の連帯が重視される。

    ヨーロッパでは、中世末期から直系家族に変化し、宗教改革によってそれが強化された。フランス革命の半世紀前には、パリを中心とする広い地域でカトリシズムが崩壊し、世俗化していた。絶対核家族のイギリスは貧者救済施設を最も早く創った。個人の自立は社会的な援助制度なしには可能ではない。

    イスラム社会の中でも、シーア派では息子がいなければ娘が相続することがあるが、スンニ派では

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    2018年10月31日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    グローバリゼーションの崩壊から未来世界について、人口動態、家族形態、教育、宗教観など多彩な指標からデータを分析して解説すると共に、著者自身の学問的背景についても語り、世界を経済だけではなく広い視野で観る重要性を説きます。
    地域に根付く家族構造によって、共産主義になったり、教育水準が高くなったりするなどとても興味深い考察が詰まっている好著です。

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    2016年11月14日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    前作に続いて独自の視点で欧州を中心とする世界の動向を解説している。
    ただ簡単な本ではないと感じた。欧州のことについての基礎知識を積み上げてから、再び読んでみたい。

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    2016年10月30日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    イスラム諷刺画がISの怒りを招き、テロ事件のターゲットになったフランスの「シャルリ・エブド」。15年1月は「私はシャルリ」とのプラカードを掲げる400万人の大デモが行われた。暴力に対する民主的なアピールとして報道されているが、イスラムを冒涜する自由とは何なのか!?実は排他主義の横行ではないのか。フランスの社会の宗教的な背景から詳細に分析し、デモ参加者はどのような人たちか?を追求する。それは大革命以降の脱キリスト教、反ユダヤとの繋がりの中で、著者が”ゾンビ・カトリシズム”と呼ぶ市民たちが浮かび上がってくる。イスラムとキリスト教の対立ではなく、イスラムと無神論との対立であり、脱キリスト教が最も進む

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    2016年10月29日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    インタビュー形式の翻訳ものなので、ちょっと意味がとりづらいところもあったが、現在のヨーロッパを理解するうえでは役に立つところが多かった。
    どうしても自分が好きな国ばかり勉強してしまうが(私の場合はフランス、イタリア、イギリス)、やはりヨーロッパは1国だけ理解していてもダメで、特に19世紀以降はドイツを抜きにヨーロッパを理解することは、物事の片面しか見ていないことになっていることを痛感した。ドイツおよび中欧、そしてその向こうにいるロシア、これらについてもっと深く学ばなければと思った。来月にはイギリスがEUを離脱するのかどうか住民投票が行われるが、ドイツという存在がこの住民投票に及ぼす影響を注意深

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    2016年05月21日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    フランス人の著者がドイツがヨーロッパ大陸を牛耳りつつあることを、隷属するフランス、ウクライナ問題を皮切りにドイツ圏などドイツが経済的に支配している地域や米国との衝突などを解説、まさに第四帝国化するドイツです。現在のドイツの好調はユーロを巧みに利用した通貨安と工場などを人件費の安い旧東欧に設置して実現している。なるほど、インダストリー4.0が国家プロジェクトである理由がよく分かります。「IoTでものづくり復権」などとぬるいことを言っているどこかの国と違って、国としての戦略が明確です。まぁ、欧州の他国民がどう思うかは別問題ですが。。。

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    2016年03月06日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    緊急出版であり、急いで訳したためか生硬で読みづらい。作者が日本の無宗教に触れているが、無宗教というカタチの日本教は今後グローバリズムや新自由主義の荒波の中で心の空白を埋めることができるだろうか。

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    2016年02月29日