堀茂樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヨーロッパの真の敵はロシアではなく、ドイツだという話。
また、EUというのは、一握りの金持ちとドイツを独り勝ちさせるためのシステムで、すでにその従僕となっているフランスは、一刻も早く立ち上がるべきだという内容。
世の常識からすると、びっくりするような話で、著者がフランス人だと聞けば、ああなるほど、ドイツ・アレルギーが嵩じたあげくの世迷言かと思ってしまうが、書いたのがあのエマニュエル・トッドということならば、話は違う。
ベルリンの壁の崩壊や、アラブの春など、この人類学者の将来予測は、けっこう的中するのである。
インタビューをまとめたものなので、中身はそう濃くはないが、その分読みやすい。
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Posted by ブクログ
フランスの風刺週刊誌「シャルリ・エブド」が武装した犯人に襲撃され
たのは2015年1月7日。そして1月11日、フランス各地では犠牲者を
追悼する為のデモ行進が行われた。参加者は300万人とも400万人
とも言われる。
言論機関への襲撃はショックだったし、各国首脳が参加したパリの
デモの様子は壮観でさえあった。だが、最初の衝撃の波がおさまり
はじめると「何かが違う」と感じるようになった。
それはインターネット上に溢れる「Je Suis Charlie(私はシャルリ)」の
スローガンと、フランスが掲げている「自由・平等・博愛」の間に矛盾が
あるのではないかと思ったからだ。
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Posted by ブクログ
「グローバル資本主義によって経済は成長する」と信じられてきましたが、実際のデータを客観的に眺めてみれば、真実はまったく逆であって、「グローバリズムは成長を鈍化させる」
グローバル資本主義を推し進める人々は、ビジネスに自由さえ与えれば富も雇用も創出され、最大限の成長があると信じてきた
アメリカにしても日本にしても「国による産業保護」という規制が成長を生ん
アメリカが、実は世界で最も強力な産業政策を行っているのです。インターネットにせよ、半導体にせよ、航空機にせよ、研究開発を支援したのは国防総省や軍などの政府機関
グローバリズムは国境を前提にしないものであって、国境が存在することを前提とした上で、 -
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Posted by ブクログ
自分の、世界情勢、とりわけヨーロッパ情勢への理解がたりないことを棚に上げて言う。
インタビュー集なので、読みやすいと言えば読みやすいけれど、納得できる感覚が得られにくい。
対談やインタビューの宿命かもしれないけれど。
例えば。
ハワイやインドネシアで育ったオバマ大統領が、ヨーロッパ情勢に疎かったという指摘は、そうなのかも、と思える。
アジア重視の外交政策をとっていたことも知っている。
ただ、再選後から、ウクライナ危機までのオバマ政権の外交策は、「見せかけだけでない革新的な知性によるものだった」と評価だけ書かれていて、どういう面を評価しているのかが、よくわからない。
この人のヴィジョンは、次 -
Posted by ブクログ
ネタバレドイツがヨーロッパでどのような役割を果たし、それによってヨーロッパを変質させて行っているかがわかる本。
■学び
ドイツのように、他国(東欧圏)に対して、賃金が安いが質のよい労働力を確保して、そこでの生産および利益が、自国ないし自国経済の登場人物に還流する仕組み(帝国のシステム)を作りだす志向性を持たなければならないということ。
つまりは、自らそれを志向しなければ、他の帝国を志向する隣人に、位置付けられ、利用され、下位序列化されてしまい、そのシステムから抜け出せなくなるということ。フランスがドイツに飲み込まれてしまっているように。
■気づき
金融資本を操る超富裕層が、国家に金を借りさせてい