堀茂樹のレビュー一覧

  • 第三の嘘

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    悪童日記の三部作目
    悪童日記を読んだのが少し前なので詳しい内容を思い出し思いだし読んでみたけど、なんだか様子が違う?
    双子はどこへ?
    もしかしてあれが嘘だったというの?
    頭が混乱してきた
    誰の話か、いつの話か、どれが本当の事なのか分からないまま最後までいった
    不思議すぎる

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    2025年09月04日
  • シンプルな情熱

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    5年前に、セルゲイ・ポルーニン観たくて映画化したのを観た。
    たしかに、「シンプルな情熱」に自分を捧げる期間は贅沢であるともいえる。
    しんどい気持ちを紛らわすためにさらにしんどかったことを思い出そうとする、みたいなのはわかる〜!って思った

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    2025年04月25日
  • ふたりの証拠

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    長い間、著者の『悪童日誌』に続編があると知らなかった。三部作であり、その続編が本書であると知り、手に取った。

    双子の一人が辿るストーリーにフォーカスされる。二部ではさらに歳を取り青年になるが聡明な雰囲気は変わらない。同時に、どんよりとした小説全体の雰囲気は登場人物の生き辛さと相俟って更に印象を強める。

    愛情表現も、優しさの示し方も、何か偏っているように感じる。一人だからだろうか。それは、孤独だからだという事なのだろうか。「ふたりの証拠」という意味深なタイトルが最初から読者をその世界に誘っていく。

    それと、双子の一人は既にだいぶ落ち着いてはいるのだが、前作での悪事を思い出し、読者を何か落ち

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    2025年04月26日
  • ふたりの証拠

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    ネタバレ

    マティアス、いじめには負けなかったのに…
    見てくれに対する劣等感?嫉妬?絶望?
    前作では冷酷なスーパーマンみたいに感じた双子達が徐々に人間くさい感じ

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    2025年02月02日
  • 第三の嘘

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    ネタバレ

    今までの話は全部嘘で双子の創作だったとは・・・三部作だけど、それぞれの世界が繋がっていないうえに、登場人物が同じ名前で別人として登場するので、最初はなかなか頭の整理が追いつかなかった。

    「第3の嘘」というのは、クラウス?がリュカ?に他人だと告げたことなのか?

    「悪童日記」と「ふたりの証拠」どちらを読んでも双子の片割れを大事に思っていることが伝わる。離れていてもお互い大事に思いあっていたのは確かに感じる。


    そのうえで、あのラストは絶望というしか他にない。「電車か。いい考えだな」という最後の一文があまりにも救いがなさすぎて辛い。

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    2025年02月02日
  • ふたりの証拠

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    ストーリーも文体も前作とはがらっと変わったがおもしろかった。
    前作が傑作で期待しすぎてしまった部分はある。
    作品を真実だと思い込んで読み進めていた自分を滑稽だと笑われているようで恥ずかしさを覚えた。

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    2025年01月15日
  • シンプルな情熱

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    無駄なものを削ぎ落としたシンプルな情熱は、もはや芸術であり、それが爆発する過程を見ているようで、そこには極上の感動があった。

    最高だ。完璧な余韻。耳鳴りとして残る余韻に浸り回想する。

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    2025年01月04日
  • 悪童日記

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    「悪童日記」三部作の一作目
    戦時下にて自らの矛盾、不条理をさらけ出す大人たち。一方「ぼくら」は独自のルールで強かに生き抜いていく
    ラスト1ページの衝撃たるや!

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    2025年01月03日
  • ある女

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    ネタバレ

    ある女

    著者:アニー・エルノー
    訳者:堀茂樹
    発行:1993年7月31日
    早川書房

    2022年ノーベル文学賞、アニー・エルノーの小説。日本で出版された最初の3冊である『シンプルな情熱』『場所』『ある女』のうち、今週は『場所』と『ある女』を続けて読んだ。『シンプルな情熱』は2年前に読んだ。『場所』は死んだ父親について書いた本だったが、この作品は母親について書いた本。前者を読んで著者の父親像を知っていくにつれ、その時に母親(妻)はどうしていたのだろう、どう受け答えし、対応していたのだろう、と何回も思った。この作品でその答えが出るのかと思っていたら、違っていた。父親(夫)との絡みは殆どなかった。

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    2024年11月23日
  • 場所

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    ネタバレ

    場所

    著者:アニー・エルノー
    訳者:堀茂樹
    発行:1993年4月15日
    早川書房

    2022年ノーベル文学賞を受賞した作家。その年に、日本での翻訳出版1冊目である『シンプルな情熱』を読んだ。この『場所』は、日本における翻訳出版としては2冊目。フランスでは、『シンプルな情熱』が1992年出版され、『場所』はその8年も前の1984年に出ている。シンプルな情熱がベストセラーになって注目を集めたが、それまでの代表作は場所だったようである。場所はロングセラーだと訳者はあとがきで言っている。

    アニー・エルノーは自分のことを書く小説ばかりだが、ノンフィクションではなく、あくまで小説、訳者は「テクスト」と

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    2024年11月22日
  • シンプルな情熱

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    ネタバレ

    2022年のノーベル文学賞。
    読後、ポッドキャストの「翻訳文学試食会」、「空飛び猫たち」、「世界文学放談胡椒とマルガリータ」を聞いたり、ネット上での感想を漁ったり、した。
    読んでいる最中も賛否両論だろうなと予期していたし、実際そうだった。
    個人的には、どうーでもいいー体験がどうーでもいいー水準で綴られる文章だなー、と思っていた。
    というのも、作者自身を思わせる語り手が、エッセイとも当時の覚書とも区分けしづらい文章を綴る、その行為自体を描くタイプの文章だから。
    下世話な覚書を小説に昇華させようとする苦肉の策、とも。
    性質上、作家たるワタクシが、子供もいる中年なのに、子なし妻ありの若い男と期間限定

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    2024年10月15日
  • 嫉妬/事件

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    ネタバレ

    嫉妬/事件

    著者:アニー・エルノー
    訳者:堀茂樹(嫉妬)、菊池よしみ(事件)
    発行:2022年10月15日
    ハヤカワepi文庫
    初出:200年5月、単行本(早川書房)

    ノーベル文学賞が発表される時期になった。2022年の受賞者であるアニー・エルノーは、その年に初めて読み(『シンプルな情熱』)、去年も1冊(『凍りついた女』)を読んだ。これが3冊目。中編小説が2本収められているが、『事件』の方は2022年に「あのこと」というタイトルで映画化されたようである。この文庫本も、本来の表紙カバーと、映画化用のものと、2枚重ねになっていた。

    そのカバーにも書いてある「オートフィクション」というジャンル

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    2024年10月02日
  • 若い男/もうひとりの娘

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    エルノー。一見非常に私的な散文のように見えるが、ここまで究極に個人を描くと、翻って公的な社会のようなものが現れてくる。
    相手のことを見ているようで、実はその相手の中にいる過去の自分を見ている。身体に刻み付けられた過去の記憶という文章が印象的だった。

    でもやっぱりエルノーはフランス語で読んだほうが沁みるね

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    2024年08月31日
  • ふたりの証拠

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    悪童日記とは趣きが変わり、ドストエフスキー的な登場人物をもっと性的に、暴力的に描いたような印象。だと思ってたら最後の章でさらに意外な展開に。
    3部作全て読んでからまた振り返りたい。

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    2024年08月17日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    前提知識が少なく読むのが大変だった。その地域に根差す宗教観や歴史までとらえていないと表面的にはわからない現象だった。

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    2024年07月26日
  • ふたりの証拠

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    どんな過酷な状況も、感じるより慣れることで飄々と乗り越えてきた双子の少年。その青年期となる本書ではそれなりに愛情や絶望に囚われる。

    リュカを取り巻く登場人物も多彩で、それぞれがドラマチックだった。
    現状を変えたくても、自分では変えられない、変われない。それゆえに生じる苦しみを何パターンも見せられているような感じだった。

    にしても、ラストは謎過ぎる。
    3作目も近いうちに借りよう。

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    2024年01月05日
  • 嫉妬/事件

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    身体を傷つける具体的な内容や醜い心を包み隠さない内容等が書かれており、うわ!と思わず声が漏れてしまった。人間が窮地におかれた時の見せない醜くい部分も人間らしいなと思う。

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    2023年08月27日
  • 「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロード

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    被害者至上主義。

    日本でも大概酷くなってると思うのだが、その比ではない。
    それに人種とか、アホみたいな歴史的事実が絡んでくるから、なお恐ろしいことになっている。厨二が厨二のまま生きていけると思っているのは日本だけではないというか、日本をこうしたい人たち。

    誰かが、形を変えた共産主義者だと言ってたな。

    誰もが勝者になりたくて、被害者になる。
    一旦ポジションを得れば、無敵モードだ。

    左派の大学の現状が、目を覆わんばかりで、どうするんだって感じ。

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    2023年08月25日
  • 凍りついた女

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    凍りついた女

    著者:アニー・エルノー
    訳者:堀茂樹
    発行:1995年8月31日
    早川書房

    昨年、ノーベル文学賞を受賞した著者。1冊も読んだことがなかったが、昨年10月に「シンプルな情熱」という作品を読んだ。発売当時は日本でも大反響があり、「場所」「ある女」とあわせて〈証言〉三部作と呼ばれているらしい。それよりも前、1981年に書かれたのがこの「凍りついた女」。
    「シンプルな情熱」は、高校教師と作家をしている中年女性で、子供は大きくなって自宅にはおらず、普段は独り暮らし、東側の国の外交官でフランスに駐在する年下の男との、性愛について語る自伝的テクストだった。今回は、目指していた高校教師になれ

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    2023年08月21日
  • シンプルな情熱

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    積読の本を「片付け」ようと思い手に取った。
    ノーベル賞受賞アニー・エルノーの代表作。映画化されて大層話題にもなった。A役が有名なバレエダンサーで適役だということだったように思う。

    さて、「シンプルな情熱」は、まさしく「シンプル」な「情熱」であった。(繰り返してる笑)
    「シンプル」であることの剥き出しの「情熱」。(再び繰り返してるだけ笑)

    そう、私(たち)はこのシンプルさにこそ感動し共感する。
    近代人はこのシンプルさを捨てて生きてきた。人生は複雑だ。複雑であることは人間にとって重要で、シンプルさを追い求めることは「人間性」の否定でもあり、近代人である我々は複雑さをそのまま受け止めてきた。それ

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    2023年07月30日