堀茂樹のレビュー一覧

  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    トッド氏の著作3作目にして一番わかりやすく
    あっという間に読むことが出来た。

    個人的な難易度としては

    本作<「ドイツ帝国」が…<シャルリとは…

    トッド氏の著作は毎度だが
    客観的な数字、統計を基にしており
    大変説得力があった。

    盲信することというのは危険だと思うが
    トッド氏の言っていることは非常に確からしいことと思う。

    予言していた!などという帯に違和感はあるが
    まぁ手に取るためのふれこみとしては仕方ないのかしら。

    とにかくまぁ面白かったし為になった。

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    2017年01月09日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    現在の行き過ぎた(と個人的には思っている)グローバリズム、自由主義経済については懸念を感じている。という意味では自分は保守なんだと思う。一方で、本書にも書かれている通り、本来反対すべきグローバリズムを今の保守派が進めているのは、やっぱり謎。
    言葉の響きで単純に「よいもの」と思い込んでいるわけではないだろうし、必ずしも個人(および企業)が自己の利益のためのみに利用しているだけだもなさそうな。そんな謎に対する1つの考えも述べられています。
    個人主義、民主主義の行き過ぎ、識字率、劣化(本書ではエリート・指導層の劣化とあったが、国民全体の劣化ともいえるのではないか?)といったいろんな要素を絡めて考えて

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    2016年12月14日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    ウクライナ問題やトランプ現象等、昨今の大国は「グローバル」から「ネイション」へ回帰しつつある。言うなれば「ソフトナショナリズム」とでも言おうか。かりにそこまで大げさじゃなくとも、主権を守るためにEU離脱を決断した英国の姿勢はなんら不思議ではない。むしろ連合という名のドイツ支配圏と化してしまっているEUこそ危うく、国家的アイデンティティの見えない構成国こそ危険であると著者は説く。人口学という視点からソ連崩壊、リーマン・ショック等を予言し的中してきたからこそ、その説得力に鳥肌がたつ。だが一方で、ナショナリズムが善というわけではなく、むしろ暴走の危険をはらむことを忘れてはならない。そして著者がこのタ

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    2016年10月16日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    経済音痴の私にとって衝撃的。確かに今の世界は何かがおかしいとはぼんやりと感じていた。本書は、現代の格差の拡大や危機の恒常化の原因がグローバリズムにあり、それが社会を破壊していることを、5人の筆者が座談を通じてわかりやすく説いている。新自由主義(ネオリベラリズム)が制約のない自由として席捲し、隣国同士の経済戦争につながっていることは、EUに見られる。われわれは真の民主主義を守るために、各国がネーションごとにまとまり、独自に規制を定め、グローバリズムから脱却することが必要。しかし世界のエリートの大半はグローバリズムを正しい方向に導く道だと信じているとのこと。…ところで情報のグローバル化は避けられな

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    2016年07月09日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    ネタバレ

    グローバリズム、新自由主義を否定的に捉えた一冊。
    普段からグローバル至上主義とも言える風潮に浸っているため非常に新鮮な内容であった。

    本書を通じて、グローバリズムの弊害を以下のように捉えた。

    ・格差拡大
    国境を越えて経済活動がされるため、資本を持つ大企業が残り中小企業は潰れる。
    さらに大企業の中でも資本家と労働者の格差が広がる。
    (さらに生産量が増え供給力が上がることでデフレに繋がる)

    また、同様に大国が富み、小国は貧しくなる。(搾取される)
    本書では、「経済戦争」というワードが使われていたのが印象的。捉えようによっては経済を武器にした帝国主義なのではないか。

    ・伝統や人間関係の崩壊

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    2016年07月04日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    少し過激な口調で難しいこと話すがみんながわからないようにではなく頑張って調べればわかるように話す。
    ロシアは戦争する気はない、ロシアの出生率は伸びている、ロシアの大学は女子の比率が高い、フランスもイタリアもスペインも実質的にドイツに支配されている、などなどとても新鮮な情報にあふれてた。オランドの話で、一般市民がこんな数字知ってどうするのみたいな話、よく理解しないで騒いで批判する市民を煽るマスコミはときには批判して良いのだと思った

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    2016年06月10日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    E.トッド氏の文春新書関連で一番この本が面白いと思った(前著は感情的な主張でややシラけた)。「第1章 宗教的危機」は何度か読み返した。

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    2016年05月24日
  • ある女

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    「シモーヌ・ド・ボーヴォワールに一週間先だって死んだ」著者自身の母親の生涯を描いたもの。貧しい家庭に育ち、勤勉に働いて、一人娘を立派に教育し、出身階層よりも上昇させたこの母親がたくましく仕事(食料品店とカフェの経営)をこなし、老いては娘夫婦と同居して中流階級にも適応していく。そんな才気あふれる母親が次第に老い、重度の痴呆症状になる様子は切ない。
    80年代当時のフランスの介護事情や、葬儀までの段取りがリアルに描かれていることも興味深かった。

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    2012年07月20日
  • シンプルな情熱

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    とても感動的な本。外部からの「苦痛」であるパッションを、それに捕らわれながらもなお明晰さを失わず、自立を保っている。そんな彼女の文体は、彼女のパッションに限りなく近い。書くことと愛することが同義であるように。シンプルな情熱、それはとても純粋で、冷たい透き通った水のよう。直截的な表現で少しも自分を誤魔化さず、真摯に自分と向き合うことは、ひどく恐ろしいことだ。一歩間違ってしまえば、狂人になりかねない。それでも彼女は真正面から自分を受け止める。甘いことも、苦いことも、激しいことも、捌け口のない欲望も、かっこ悪くみじめな自分も、しっかりとした目で見据え続ける。そこに留まり、パッションを受け続けた者だけ

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    2010年12月19日
  • シンプルな情熱

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    山田詠美と江國香織の対談で出てきて勧められていた恋愛小説。恋をしていてもたってもいられないもどかしさと愚かさと愛しさに打ちのめされた時に読むのにお勧め。

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    2010年03月22日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか

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    人類史あるいは社会発展を物語る際に現代人は地政学と経済に重きを置いており、社会を語るのに国家・宗教・教育を重要視しがちだが、人間社会の最小単位である家族システムに注目すると、驚くべき相関関係が見出されることを説明する。トッドとしては家族システムで全てを説明できるわけではない、還元主義とは一線を画すと言っているが、論調的には全てを説明しようとしているように見受けられる点が引っかかる。どこまで現実を正確に表しているか、ちょっと後付け・こじ付けがすぎると思われる点もあるが、原因と結果の説明がうまく聞こえることもあるため、非常に興味深い主張ではある。
    まず原初のホモ・サピエンスは外因性・移動性の高い核

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    2026年01月28日
  • 悪童日記

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    戦争のお話でここまで淡々としたものはなかなかない気がします。

    主人公のである双子。なのに2人の名前すら分からない。そんな1種奇妙な書かれ方をしているのに何故だか2人のことを言っていると分かってしまうのがより切なかった。

    悲しいも嬉しいも表現されず、事実だけが書かれている冷たい日記。
    生き残るための最善策なのかもしれないと思うと戦争がどれだけ人を壊し、人で失くすかをよりものがってるようにも感じられた。

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    2026年01月26日
  • 第三の嘘

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    読みながら「スクラップ・アンド・ビルド」という言葉が頭に浮かんできた。
    『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三部作の完結編ということになっているが、普通の小説の三部作とは全く違う。何が違うのかは実際に読んで確かめて欲しいし、そもそも感想を綴るのが非常に難しい作品ではあるのだが、あえて書くとすれば、本作のタイトルにもなっている「嘘」とは何か?という点が物語全体を通した鍵であるということと、大ヒットした作品の続編でこの仕掛けをやったのは凄い、という点に尽きるかな。
    まさにこれこそ「スクラップ・アンド・ビルド」。

    それにしても『悪童日記』は大抵の書店に置いてあるのに、『ふたりの証拠』『第三の嘘』が全

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    2026年01月19日
  • ふたりの証拠

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    『悪童日記』の続編で、前作のラストで生き別れとなった双子の片割れのその後が描かれている。
    戦争を背景にした悲劇の物語というベースの設定は変わらないものの、前作とは打って変わり、5ページ前後だった一章あたりの長さがどんと増えたことが特徴的で、ともなって主人公を含めた登場人物の造詣に厚みが加わったように思う。語り手も双子から三人称のものへと変わり、客観的な描写が主になったので読んでいてずいぶん印象が異なる。
    またよく読むと、特に主役が変わる最終章で顕著なのだが、前作と辻褄が合わない箇所が出てくる。これは次作に繋がる意図的な仕掛けなのだが、読者は面食らうかもしれない。
    総じて『悪童日記』の衝撃度には

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    2026年01月17日
  • ふたりの証拠

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    ネタバレ

    双子の兄弟クラウスに国境を越えさせてからのリュカの物語。父親の子を抱えたヤスミーヌ、障害を持った子マティアス、反逆罪で無実の夫を殺されたクララ、党書記のベテール、本屋のヴィクトールと色んな人間たちが面白い。とても引き込まれて行く物語で一気に読んでしまった。

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    2025年12月29日
  • 悪童日記

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    ネタバレ

    映画視聴後に続きが気になり読み始めました。
    細かい話ごとに分かれてあるので読みやすく、さくさくと読めます。

    映画のラスト同じですが内容はやはり小説の方が濃いです。
    映画も中々だと思いましたが、小説はそれを上回るえぐみがあります。
    また二人の表現力が高く、「頭蓋に受けた愛撫は捨てられない」みたいな表現がとても切なくて好きです

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    2025年12月14日
  • 若い男/もうひとりの娘

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    非常におもしろい。

    無駄な比喩がなく、本質が凝縮されたような文体。つまり、出来事の語りと視点の語りがうまく混ざり合っていた。
    視点にはキリスト教や常識など文化的なものもあるし、立場や個人的な感情に立脚してもいた。

    『若い男』では、周りの人から特別な意味で「見られてしまう」自分たちの関係を、そうした見方とのあからさまな対立を持ちだして掘り下げていくのではなく、相手をプライベートな人間と見なして、つまり好きな人間として相手と関わっていて、それにまつわる感情と知性と官能を描いていた。相手をあるカテゴリーに当てはめることはしてるけど、そうすることで相手を理解しようとかそういうことじゃなくて、自身の

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    2025年11月26日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    フロイトの精神分析的に社会を意識、下意識、無意識の重層的構造としてイメージすると今まで見えなかったものが見えてくる。
    •意識は政治、経済。この経済こそが決定的な要因を持つものとして分析するのが経済学。経済の発展段階の上部構造に政治があるというのが従来の考え方である。
    では、経済はどのようにして決まってくるのが。なぜ世界の地域により経済に差があるのか。
    例えばマルクスは(1) 原始共産制 → (2) 古代奴隷制 → (3) 封建制 → (4) 資本主義 → (5) 社会主義 → (6) 共産主義と生産力の発展に伴って進むと考えたが、西洋視点の偏りという問題点がある。

    これを人間で下意識と無意識

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    2025年11月24日
  • 悪童日記

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    著者が女性というのに気が付きませんでした。
    30年前に書かれた文章ですが、これが60年前だったら
    もっとすごいなと、感じながら読みました。

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    2025年11月19日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    人類史を家族構成から読み解き、民主主義の本質に焦点を当てる。
    著者によれば、現在先進国に見られる核家族の形態は原始的なものであるという。原始の人類は核家族を単位として生活していたが、それが直系家族、内婚性共同家族、外婚性共同家族などに分岐し、それぞれ独自の政治的経済的様態を生じるようになった。核家族の形態を持っている先進国においてはある意味原始の形態に収斂した結果という。
    そして核家族の形態の国々(個人の自由という概念が生まれやすい)が民主主義を発展させ、資本主義に基づく豊かな生活を謳歌しているわけだが、著者はこの民主主義に警鐘を鳴らしている。
    特に核家族形態を突き詰めた英米などは、資本主義に

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    2025年10月18日