堀茂樹のレビュー一覧

  • ふたりの証拠

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    悪童日記の続編。悪童日記で別れた双子のうち地元に残った方のその後が綴られる。

    ・感想
    飾り気のない平坦な文章は相変わらずだけど日記形式の前回とは違った形態で、それがふたりで完結していたそれまでの世界との違いを感じた。
    相変わらず出てくる登場人物がみんな二癖くらいある人達で、唯一の良心(?)のペテールも実在してるの??してないの?
    前作の最後もあっと驚いたけど今回もあれは結局どういうことなの…そういうことなの?ってなった。
    なので読み終わったその日に続編を購入。

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    2024年03月06日
  • 嫉妬/事件

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    この作品の言葉にはあまり感情が見られない。
    出来事を言葉にすることで与えられてしまう、ある種のフィクション性がなるべく排除されている。
    記憶がドラマチックに歪曲されてしまうことを作者は危惧しているように思う。
    そういった意味で最もノンフィクションに近い小説だった。

    印象的だった箇所
    「当時真実だったただ一つのこと、私はそれをけっして口にしないつもりだったけれど、それは、「あなたと寝たい、そして、あなたにもうひとりの女性を忘れさせたい」だった。他のことはすべて、厳密な意味において、フィクションにすぎなかった」

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    2024年01月26日
  • 第三の嘘

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    ふたりの証拠の最後で「えーっ?」と思って急いで読み始めた第三の嘘。疑問がするする解けると思いきや、更にえっ?あれ?と混乱。どこまでも陰鬱で、心を削られるような哀しみが続くのに読まずにはいられない魅力がある。

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    2023年12月05日
  • ふたりの証拠

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    悪童日記では感情を持たないのかと思ったけれど、今回は小さなマティアスを慈しむ様子が意外であり救いにも思えた。とはいえみんな闇の中であることは変わらない。タイトルの意味が最後の方でつながったと思ったら、「あれっ?」・・・すぐ次の「第三の嘘」を読みます!

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    2023年12月02日
  • 「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロード

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    ネタバレ

    かつて検閲は保守的で道徳主義的な右派のすることであったが、今日では道徳主義的でアイデンティティ至上主義的な特定の左派が行っている。
    文化盗用の定義として、はじめは支配や搾取の要素が含まれていたものの、次第に失われてしまった。
    反レイシズムとして、普遍的なものの名において待遇の平等を要求するフランス的なものと、アイデンティティの名において特別待遇を求めるアメリカ的なものがある。後者は、差異への権利として、ステレオタイプをより強固にし、各々のアイデンティティを競争させる。すなわち、アファーマティブアクションの恩恵を優先的に受けるべき一番の犠牲者が誰かを決めるため、マイノリティ同士が喰いあうような事態となってしまっている。
    大学はあらゆる人に開かれ、異なる考え方が交流する場所であり続けなければならない。
    保守陣営は、特権者たちの支配を復活させるため、単一文化主義に戻るため、好き勝手に言葉を投げつけられるようにするため、ポリコレを批判するため、代案や本当の解決策は、誠実な反レイシストからしか出てこない。

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    2023年09月10日
  • ふたりの証拠

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    悪童日記の続編。
    国境を越えなかったリュカのその後の生活を描いている。
    悪童日記と比べ、ザ戦争描写は表立ってないが、
    初めて女性、子供を愛すること、そしてその葛藤等が綴られてる。
    と思ったら最後のどんでん返し!

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    2023年07月09日
  • 第三の嘘

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    「悪童日記」「ふたりの証拠」と3冊一気読みして、読後ゾワッとした。時系列、人物描写、思い出して辻褄合わせようとしてもグルグル合いそうで合わない、繋がらない。再読しても完全に理解できるかどうか…。作者の闇を感じたのは私だけかな。

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    2023年05月15日
  • 嫉妬/事件

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    ノーベル文学賞に身構えたが、非常に読みやすかった。

    作者の経験をから書かれた、ノンフィクションとも私小説とも言えない感じの文章。
    それだけに生々しく苦手な描写も有り。

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    2023年04月12日
  • 嫉妬/事件

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    『嫉妬』と『事件』の2作品。
    どちらも興味深いテーマだった。
    妊娠、中絶、出産。女性としての生殖機能があれば必ず考えなければならないできごと。
    何を選択してもみんなが幸せになれる世の中になればいいのにね。

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    2023年04月11日
  • 嫉妬/事件

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    私は終えた。嫉妬に囚われた想像界、ここではそれは、嫉妬の虜であり、かつ観客であつわた私自身よ想像界だったわけだが、そこに現れるさまざまな形象を抽出することを。

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    2023年03月25日
  • 凍りついた女

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    アニー・エルノー『嫉妬/事件』の次にこれを読んでみる。

    ひとりの女性の幼少から大人まで。
    独り言をまくしたててるような、短い分の連なり。

    特に少女から大人に移行していく十代後半の脳内は、特有の悩みが充満する。比較、否定、肯定…繰り返し。

    この十代の気持ちが必死に一つに、自分のアイデンティティにしようともがいている様子から引き込まれるように読んだ。自分にも覚えがあるからだろう。

    結婚してからの現実。よくある不満だ。女はこうであらなければならない、男はこうあるべきだからね。
    夫婦がどちらもバランスよく過ごすとしたら、話し合いしかない。
    話し合いができないなら、どちらかが我慢を強いられることになる。

    私だったら、主人公のように追い込まれるなら、怒り爆発で喧嘩するけどね。
    小さな子の子育てと仕事だと、仕事してる方がラクと感じる場合はある。そっちの方が多いかも。
    ブラックで働いてる人はどうしようもないけど、仕事にやりがいとか面白さがあれば、子育てより面白いからね。

    仕事して、家に帰ってご飯があり、ちょこっと子供相手してくつろげるなら、そりゃ精神的にもラクだわ。

    やっぱり、子育てと家事は当たり前になるぐらい分担する、助け合う関係じゃないと、どっちか壊れるね。

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    2023年03月24日
  • 第三の嘘

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    予想を裏切る展開と、ラスト。
    三部それぞれが、物語として成立していながら、通して読んだ時の、新たなる発見がすごい。
    2人のどちら側からの視点なのか、実際なのか創作なのか、その全部が、層になっていて、切ない。
     匂いや 温度 視覚を感じる描き方だった。

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    2023年03月01日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか

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    冒頭に書いてあるが、トッドによる研究の全貌を一般の読者にも読みやすい形で示した「私にとって最も大事な本」だそうだ。全人類の歴史を、家族システムという補助線ひとつで整理しなおしてみせる手際はおみごと。経済学ばかりが重視される社会科学の現状への異議申し立ても傾聴すべきと思う。「反米を煽るものではない」と言いつつ、アメリカとドイツをディスるときの筆の冴えも面白い。

    日本やドイツの直系家族が経済的な効率性に優れると言いながら産業革命がテイクオフしたのは核家族のイギリスであったり、それはそれで理由が示されるのだが、全般を通して、ああ言えばこう言う的なところも多く、ウクライナ戦争にまつわる言説も含めすべての議論を真剣に受け止めていいいかどうかは留保したいところ。

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    2023年02月05日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    下意識、無意識を分析することから、なぜ今日の世界が形作られたかを読み解き、その洞察は難解だがとても惹きつけられるものであった。
    日本は父系社会であり、女性の地位が低いことや内向きの習俗に囚われているかぎり、衰退の末路を辿るという筆者の主張には、近年の政治・経済・教育の劣化を見る限り納得がいく。
    日本版あとがきに書かれている著者のメッセージが響いた。"アングロサクソン世界の動向、とくに米国の動向が今後の日本にとって最大のリスクになる"

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    2023年02月04日
  • 嫉妬/事件

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    2023.1.14

    喉の奥に胸の奥に、後味がざらりと残る。

    追体験とはこのようなことを言うのか、
    と考えさせられるくらい、とめどない感情の波に呑み込まれ揺さぶられてしまう。
    読者の想像力や思考力を試しているかのような、畳み掛けるような筆致が続く。

    これは、遠い昔の話ではないのではなかろうか。
    いま我が身に起こったばかりのような迫真さ。

    中絶にまつわる世界情勢が巻末で解説されている。
    この本がノーベル文学賞受賞の話題と共に世界に広まることで、女性の人権と政治と宗教を見つめ直す契機とせねばならない。
    だからこその受賞ではと思い巡らせる。

    邦題は「事件」だが、映画版のタイトルは「あのこと」である。
    私にとっての決定的な出来事を指すならば、このタイトルの方が身に迫ってくる。
    映画を観に行こうと思う。

    しかし、喉元の奥に引っかかるのは、主人公の子供への思いのようなものが描かれていないと感じた点。
    敢えてのこの描写なのだろうか。
    それとも、「中絶は子供の命を奪うこと」「罪である」という社会通念自体(または私に刷り込まれた考え)を、その成り立ちと共に冷静に批判的目線で見つめ直した方がよいのだろうか。

    女性が感じる、感じさせられる罪悪感は、社会が罪悪視していることを内面化させられているのでは。
    堕胎した女性が罪の意識に苛まされてしまう世の中がおかしいのかもしれない。

    この感覚は日本だからだろうか。フランスの感覚とは違うのだろうか。
    流産と中絶は異なるが、水子供養のようなものは世界にもあるのだろうか。
    堕胎罪は。
    日本の現状や文化や慣習や法整備の歴史を辿りながら、読後の違和感の正体を考えたい。

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    2023年02月04日
  • シンプルな情熱

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    フランスらしい愛と性の話。24時間が不倫相手の男のためだけに使われている。男はそうではないけど。発展することはもちろんなく、肉体だけで繋がっている、ただそれだけの話。小説自体があっという間に終わるので、あとがきの長さに驚きました。

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    2023年01月28日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか

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    ホモエコノミクスに還元されないそれぞれの地域が持つ特性を、主にそれぞれの地域の伝統的な家族構成によって描く名著だと思う。
    原著執筆から5年が経ち、社会情勢が大きく変化している中でも全くそれを感じさせない内容だった。

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    2023年01月22日
  • 凍りついた女

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    日本は海外と比べて開けていないと思い込んでいたけど、どこの国でも立場や性別で差別されていた時代があったし、今もあるのだろうと思った。

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    2023年01月16日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか

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    今日までの人類の進化は、意識・下意識・無意識によって成り立っている。無意識に当たる家族と宗教の影響が興味深い。
    一方で、翻訳が難解なため理解するのに苦労した。

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    2023年01月08日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    ネタバレ

    EUが欧州統合の象徴ではなく、ドイツをトップにしたヒエラルキー構造であることを分かりやすく説明してくれる。

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    2022年12月31日