堀茂樹のレビュー一覧

  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    遅ればせながら読み始め…前作を上梓してフランス国内では批判の対象となった著者。前作の前書きでは「読売と日経の記者が心のよりどころになったこともあった」と明かしていたが、今作では「あの本を出したことで今、自由に物が言える立ち位置になった」と話す。
    前回よりだいぶ読みやすくなって、持論の人口学的な話もわかりやすかった。

    トッドいわく、イギリス人のいないヨーロッパ、それはもはや民主主義の地ではない。1930年代の大陸ヨーロッパはポルトガルのサラザール、スペインのフランコ、ムッソリーニ、ヒトラー、チェコスロバキア以外はいたるところに独裁者がいた。

    フランス、アメリカ、イギリスは自由を強制されている

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    2018年11月28日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    フランス人の歴史人類学者による、ユーロ圏の政治・経済学的な現状について述べた本。あまり聞いたことのない内容であったが、これが事実なのかもと感じた。通貨ユーロによってドイツが1強状態となり、巧みな政治・外交と歴史伝統を引き継ぐ民族性とで欧州を席巻することを恐れている。中国はドイツとともに台頭を図る仲間となりつつあり、対抗勢力として鍵を握るのはロシアとアメリカだと言う。日本としては今後、ロシアとの連携が重要となると思料。
    「台頭してきた正真正銘の強国、それはロシアである前にドイツだ。ドイツが台頭してきたプロセスは驚異的だ。東西再統一の頃の経済的困難を克服し、そしてここ5年間でヨーロッパ大陸のコン

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    2018年10月24日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    フランス国内向けなので、地名とかピンとこない所も多いけど、フランスで起きているライシテを隠れ蓑にしたイスラム排除は、日本の嫌韓嫌中とよく似ている。その理由も、急激な世界との融合により自分たちの失われつつある昔の文化や価値観への郷愁で、高齢化がその一因でもあること、などよく似ている。世界中どこも同じ問題を抱えてるなとつくづく思う。

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    2018年01月28日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    直系家族の社会は、アングロサクソンの核家族の社会ほど、国家を必要としない。直系家族自体が国家の機能を内部に含むから。核家族は個人を解放するかシステムだが、そうした個人の自立は、公的な、つまり国家の福祉を前提としている。ネオリベラリズムは、それを忘れている矛盾がある。この話は、奇しくも、渡辺京二の話と同じ結論になってる。

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    2017年11月17日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    翻訳本でもあり、そもそも学者の書いているいちいち論理にこだわっている本なので、実に読みにくいのですが、ようやく読み終えました(途中で他の本を読んでたりもしましたけどね)。

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    2017年10月31日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    「私はシャルリ」に感じた違和感がかなり明快に解説された感じがした。
    フランス社会はかつて平等を求めて大多数の人々が信じているキリスト教という強大な権力に立ち向かったけれど、それと同じやり方でイスラム教を批難することはできない。

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    2017年05月04日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    トッド氏の著作3作目にして一番わかりやすく
    あっという間に読むことが出来た。

    個人的な難易度としては

    本作<「ドイツ帝国」が…<シャルリとは…

    トッド氏の著作は毎度だが
    客観的な数字、統計を基にしており
    大変説得力があった。

    盲信することというのは危険だと思うが
    トッド氏の言っていることは非常に確からしいことと思う。

    予言していた!などという帯に違和感はあるが
    まぁ手に取るためのふれこみとしては仕方ないのかしら。

    とにかくまぁ面白かったし為になった。

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    2017年01月09日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    現在の行き過ぎた(と個人的には思っている)グローバリズム、自由主義経済については懸念を感じている。という意味では自分は保守なんだと思う。一方で、本書にも書かれている通り、本来反対すべきグローバリズムを今の保守派が進めているのは、やっぱり謎。
    言葉の響きで単純に「よいもの」と思い込んでいるわけではないだろうし、必ずしも個人(および企業)が自己の利益のためのみに利用しているだけだもなさそうな。そんな謎に対する1つの考えも述べられています。
    個人主義、民主主義の行き過ぎ、識字率、劣化(本書ではエリート・指導層の劣化とあったが、国民全体の劣化ともいえるのではないか?)といったいろんな要素を絡めて考えて

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    2016年12月14日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    ウクライナ問題やトランプ現象等、昨今の大国は「グローバル」から「ネイション」へ回帰しつつある。言うなれば「ソフトナショナリズム」とでも言おうか。かりにそこまで大げさじゃなくとも、主権を守るためにEU離脱を決断した英国の姿勢はなんら不思議ではない。むしろ連合という名のドイツ支配圏と化してしまっているEUこそ危うく、国家的アイデンティティの見えない構成国こそ危険であると著者は説く。人口学という視点からソ連崩壊、リーマン・ショック等を予言し的中してきたからこそ、その説得力に鳥肌がたつ。だが一方で、ナショナリズムが善というわけではなく、むしろ暴走の危険をはらむことを忘れてはならない。そして著者がこのタ

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    2016年10月16日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    経済音痴の私にとって衝撃的。確かに今の世界は何かがおかしいとはぼんやりと感じていた。本書は、現代の格差の拡大や危機の恒常化の原因がグローバリズムにあり、それが社会を破壊していることを、5人の筆者が座談を通じてわかりやすく説いている。新自由主義(ネオリベラリズム)が制約のない自由として席捲し、隣国同士の経済戦争につながっていることは、EUに見られる。われわれは真の民主主義を守るために、各国がネーションごとにまとまり、独自に規制を定め、グローバリズムから脱却することが必要。しかし世界のエリートの大半はグローバリズムを正しい方向に導く道だと信じているとのこと。…ところで情報のグローバル化は避けられな

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    2016年07月09日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    グローバリズム、新自由主義を否定的に捉えた一冊。
    普段からグローバル至上主義とも言える風潮に浸っているため非常に新鮮な内容であった。

    本書を通じて、グローバリズムの弊害を以下のように捉えた。

    ・格差拡大
    国境を越えて経済活動がされるため、資本を持つ大企業が残り中小企業は潰れる。
    さらに大企業の中でも資本家と労働者の格差が広がる。
    (さらに生産量が増え供給力が上がることでデフレに繋がる)

    また、同様に大国が富み、小国は貧しくなる。(搾取される)
    本書では、「経済戦争」というワードが使われていたのが印象的。捉えようによっては経済を武器にした帝国主義なのではないか。

    ・伝統や人間関係の崩壊

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    2016年07月04日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    少し過激な口調で難しいこと話すがみんながわからないようにではなく頑張って調べればわかるように話す。
    ロシアは戦争する気はない、ロシアの出生率は伸びている、ロシアの大学は女子の比率が高い、フランスもイタリアもスペインも実質的にドイツに支配されている、などなどとても新鮮な情報にあふれてた。オランドの話で、一般市民がこんな数字知ってどうするのみたいな話、よく理解しないで騒いで批判する市民を煽るマスコミはときには批判して良いのだと思った

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    2016年06月10日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    E.トッド氏の文春新書関連で一番この本が面白いと思った(前著は感情的な主張でややシラけた)。「第1章 宗教的危機」は何度か読み返した。

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    2016年05月24日
  • ある女

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    「シモーヌ・ド・ボーヴォワールに一週間先だって死んだ」著者自身の母親の生涯を描いたもの。貧しい家庭に育ち、勤勉に働いて、一人娘を立派に教育し、出身階層よりも上昇させたこの母親がたくましく仕事(食料品店とカフェの経営)をこなし、老いては娘夫婦と同居して中流階級にも適応していく。そんな才気あふれる母親が次第に老い、重度の痴呆症状になる様子は切ない。
    80年代当時のフランスの介護事情や、葬儀までの段取りがリアルに描かれていることも興味深かった。

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    2012年07月20日
  • シンプルな情熱

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    とても感動的な本。外部からの「苦痛」であるパッションを、それに捕らわれながらもなお明晰さを失わず、自立を保っている。そんな彼女の文体は、彼女のパッションに限りなく近い。書くことと愛することが同義であるように。シンプルな情熱、それはとても純粋で、冷たい透き通った水のよう。直截的な表現で少しも自分を誤魔化さず、真摯に自分と向き合うことは、ひどく恐ろしいことだ。一歩間違ってしまえば、狂人になりかねない。それでも彼女は真正面から自分を受け止める。甘いことも、苦いことも、激しいことも、捌け口のない欲望も、かっこ悪くみじめな自分も、しっかりとした目で見据え続ける。そこに留まり、パッションを受け続けた者だけ

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    2010年12月19日
  • シンプルな情熱

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    山田詠美と江國香織の対談で出てきて勧められていた恋愛小説。恋をしていてもたってもいられないもどかしさと愚かさと愛しさに打ちのめされた時に読むのにお勧め。

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    2010年03月22日
  • ある女

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    冷静な観察。この人の、心の中に暑さや温かさを持ちつつも、こうも表層がドライなのはなんなんだろう?不思議な後味。

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    2026年03月28日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    新しい視点、家族のあり方、民主主義の野蛮性を得られたことで、世界を見る目に広がりを得たようにかんします。

    少し論に飛躍というか、そこはどうだろうとか思う部分もあったけれども、そこも含めいろんなことを考えたりしながら読めたのでおもしろかったです。

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    2026年03月16日
  • 第三の嘘

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    三部作の最終巻。作者は第一巻『悪童日記』を書いたときには、続編を書くことは未定だったけれど、書く余白を残していたという。

    悪童日記では、残酷ながらも双子の強い絆や戦時下で生き延びる強かさに、多少の憧憬があったが、まさかの全否定。

    母親を殺し、自分も死ぬことを考えるラストの救いは、その目的が再び4人になるということ。

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    2026年03月01日
  • ふたりの証拠

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    悪童日記の続編

    「ぼくら」双子が別れ、「おばあちゃん」の家の国に残ったリュカの物語がメイン。
    戦争が終わったものの、全体主義?が支配する重苦しさがある世界。

    前著ではなかった固有名詞が出てきて、リュカにも個人的に人間関係を築いていく。前著同様に、感情を排した文章ながら、それぞれの人物の感情を感じさせる事柄が描かれる。
    そして、リュカも、実の父親との間に生まれた子を抱える母親とその子を家に住まわせ、自分の子のように愛情を注ぐ。

    リュカの話がメインで進むが、終わりにもう一人の双子が登場する。そこでは日記がもう一人のクラウスの妄想であるようなことがほのめかされる。

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    2026年02月21日