堀茂樹のレビュー一覧

  • 凍りついた女
    フランス女性作家として邦訳、これが4冊目というが・・全く 知らなかった。刊行は1981、当作の邦訳は30年弱前。
    ありきたりの言い方ながら、さすがフランス女性としか・・言いようもない。
    フランス女性と一括りにするのは大嫌い・・日本女性だって、同年代でもピンキリ、多種多様。ただ言えるのはフランス女性の...続きを読む
  • 場所
    2022年 ノーベル文学賞受賞者アニーエルノーの1984年発行でルノードー賞受賞作。
    シンプルな情熱は1991年発行。
    物語は著者の父親の生涯を描いたようなもの。しかし、編年体で何をした何がおこったということよりも、フランス社会の階層、貧困、そのなかでの幸せ、人間関係、暮らしをその地域特有の問題とし...続きを読む
  • シンプルな情熱
    原典、Passion Simple
    邦題、シンプルな情熱
    今の私には、贅沢とは、ひとりの男、またはひとりの女への"激しい恋”(=パッション)を生きることができる、ということでもあるように思えるように。


  • ふたりの証拠
    ■ Before(本の選定理由)
    前作「悪童日記」から継続。
    一心同体ともいえる双子の兄弟の行方は。

    ■ 気づき
    大人になるとはこういうこと?
    前作と違い戦時下の影響は控えめで、青年へと成長したリュカの内面が描かれる。家族を持ち、そして失う過程は凄惨そのもの。

    ■ Todo
    続編もあるようだが、...続きを読む
  • ふたりの証拠
    読んだ記憶があるような、ないような。

    片割れ同士になってしまった、祖国に残った方の少年の話。なかなか普通ではない主人公なので度肝の抜かれること多し。

    子供をそだてつつも、やはり母を求めて年上の愛人の家に行くわ、子供の母親は子供を連れて出ていくかもしれないと思い殺すわ、なかなかヤバい人物。でもかな...続きを読む
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論
    自分の見てきたヨーロッパはとても解像度が低かったんだと改めて感じた。

    今のEUがドイツが牽引していて、EUの移民政策に関しても、他国ではさほど問題になっていない人口減少がドイツでは深刻で、それを移民でまかなおうとした結果だというエマニュエルさんの見方も面白かった。

    もっと他の本も読んでみよう
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧
    ウクライナ問題に関する著者の見解がユニークなものだったので、こちらも読んでみた。

    これは2015年1月におきた『シャルリー・エブド』事件にともない起きたデモなどフランスの反応についての分析。

    原著の出版は、その数ヶ月後であることから、エッセイとか、インタビューを集めたものかと思って、読み始めたら...続きを読む
  • 第三の嘘
    えらい本を読んでしまった
    アゴタ・クリストフさん怪物やでぇ…



    物語として素晴らしい完結をしていたと思っていた悪童日記がグラついて、ずっと夢の中にいる感覚

    悪童日記は完結していた
    でも3部読んだとき、全く別の完結が見られる
  • 第三の嘘
    第二作の「?」がつながったような、つながっていないような。流し読みだから、もう一度じっくり読んでみようと思う。つながったらすごく面白いんだろうな。クラウス(K)がよくわからない。どうなっている??「彼」もリュカなのか、クラウスなのか。小説の再読は基本しない派だけどもう一度読もうと思える作品でした。
  • ふたりの証拠
    前作に引き続き一気に読んでしまいました。
    「悪童日記」とは違い人物の名前が出てきたのは個人的には少し残念だけど、やっぱり世界観が好きでした。独特の文章と、あの淡々とした感じ。
    双子で一緒にいた時は、感情的にではなく、論理的に動いていた印象だったけど、リュガはすごく人間らしくて、クラウスといたことであ...続きを読む
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論
    ブレグジットに対して、いわゆるエリートが反対し、庶民が賛成した構図と断言されている。日本でもだいたいそういう論調だったと記憶してます。トランプ現象に対しても同様。
    5年が経過した今、世界はコロナとCO2と戦っているわけですが、控えめに言って訳がわからない。虚構と戦っている。それでもグローバリズムを維...続きを読む
  • ふたりの証拠
    『悪童日記』の続編。生き別れになった双子のひとりのその後を描く。一作目とは違い、情の厚い人柄が随所ににじみ出ている。後半にかけては、やはり、「ん?」と何度も読み返さざるを得ないびっくりする展開が待ち受けていた。次作もつい気になってしまう。
  • 第三の嘘
    悪童シリーズ三部作、ラストのお話。今作は一人称。おそらくクラリス目線……なのかな。
    冒頭で「私は自分の身の上話を書こうとするが、それは私自身を深く傷つける。だから私はすべてを美化し、こうあってほしかったという思いに従って描く」(p14)とあるので、どこまでが事実でどこまでが嘘なのかもうわからない。
    ...続きを読む
  • 第三の嘘
    「悪童日記」「ふたりの証拠」の結末「第三の嘘」。100%ネタバレです。

    物哀しい曖昧な色合いの夕暮れのような作品だった。

    「悪童日記」の内容は「ふたりの証拠」で、「ふたりの証拠」の内容もろとも一旦否定された。が、本作では冒頭に「事実であるだけに耐えがたく(中略)話に変更を加えざるを得ない」と、過...続きを読む
  • ふたりの証拠
    アゴタ・クリストフの「悪童日記」の続編。続編であるが、それらは「悪童日記」、本作「ふたりの証拠」、そして「第三の嘘」の三部作になっており、「悪童日記の続編」というよりは、「三部作の第二部」と呼んだ方が良い。
    ハンガリーとドイツの国境とおぼしき街で、祖母と一緒に暮らし育った双子のリュカとクラウス。第一...続きを読む
  • ふたりの証拠
    有名な『悪童日記』の続編。三部作の二作目。
    『悪童日記』の主人公であった双子の片方(名前はリュカ)が今作の主人公である。前作より少し歳をとったリュカが擬似家族を作って暮らす青年期を描いている。
    前作と少しトーンが変わり、いくつかの謎を残すつくりとなっている。続く三部作の最終作『第三の嘘』も早く読まね...続きを読む
  • ふたりの証拠
    リュカに焦点を当てて話が展開されていく…
    《悪童日記》からの続編と言う事で兎に角面白い!
    3rdstageはどんな展開が待っているのだろうか?
  • 第三の嘘
    悪童日記からふたりの証拠、そして第三の嘘まで、取り憑かれた様に2日間で全て読んでしまったのだが
    三部作と言われてはいるが、決して続いていると言う訳ではなさそうだ。そんな簡単なものではなさそうだ。

    と言うのは、悪童日記からふたりの証拠までは何となく続いているのかな?と思ったけれど、第三の嘘は、双子の...続きを読む
  • グローバリズムが世界を滅ぼす
    新自由主義とかいうものが何なのかもよく分かっていない状況で読んだ。

    経済に対する規制を外して、より開かれた状態にすること。そしてそれは、グローバリズムによって国外にも扉を開き、世界を組み込んだ市場経済を作り出す。労働力は自由に移動するし、企業はより広くマーケットを拡大できる!

    やたら持ち上げられ...続きを読む
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論
    「今、世界で一番危なっかしいのは、アメリカではなくヨーロッパなのです」2016年刊行時点の衝撃的な発言だが、改めて読み返してみるとなるほどと感じてしまう。EUの求心力低下が危惧される。