堀茂樹のレビュー一覧

  • 嫉妬/事件

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    面白かったんだけど、中絶手術の様子が生々しすぎてトラウマ級に辛かった。ちょっともう一度読める気がしないです。

    人工中絶が合法化していない&技術が発展していない時代、女性はそれだけ過酷な方法で自分の身を守っていたんだということがよく伝わりました

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    2025年07月03日
  • 悪童日記

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    これはいい。

    曖昧さを排除し、真実しか綴らない日記というだけあって淡々とした展開だけど、
    これが非感傷 無感情 効率中の双子の性質を引き立てている
    戦時中の混沌とした世界に適応して、誰も信用せず二人だけの世界で生きていく決意たるや


    アニメ「ミギとダリ」がイメージに重なった

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    2025年06月11日
  • ふたりの証拠

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    悪童日記では名前の分からなかった少年の名前がわかり双子のひとりの視線で物語が進んでいく
    人間の感情を持たないようなサイコパスな少年だった彼が人間らしい感情を持っていたので安心した
    嫉妬で自死する7歳の少年の感情が恐ろしかった
    とにかく続きが早く読みたい終わり方だった
    本当に彼ら双子は2人いたのだろうか

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    2025年06月04日
  • 嫉妬/事件

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    読み友さん、読んでいた本。気になっていた。☺ 一日に没頭した2作品。あまりに、生々しくて読むのが辛かった中絶に関する【事件】 【嫉妬】、誰にでもあるかもしれないし、ここまではないかもしれないし。 久しぶりに翻訳物。やっぱりよかった。 アニー・エルノー。フランスの作家さんで、ノーベル文学賞を受賞された方です。

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    2025年05月30日
  • 嫉妬/事件

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    妄想の代償と行動の反動と、様々な感情にただ振り回されて心が占有される様「嫉妬」

    優生手術の実態を克明に描き、苦悩と戦った女性と、権利に苦悩する息苦しさを謳う「事件」


    一歩違えば嫉妬していたかもしれないし、油断していれば事件に巻き込まれていたのかもしれない。一人称で記されているからこそ他人事じゃなく感じる。生まれた環境が違う、自分の境遇を呪う、なんて自分と他人を比べることがあると思う。そんな表層の話ではない。真に相手や時代に向き合ったとき、見える本性を読んだ気がする。

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    2025年05月27日
  • 悪童日記

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    ネタバレ

    第二次世界大戦期のヨーロッパの地獄を、少年たちの目線から描く傑作。少年たちの日記がそのまま作品になっており、とても読みやすい。
    少年たちの成長物語のような娯楽性を兼ね備えつつも、当時の価値観や世俗を批判的に描いている。
    母親が目の前で死んだり、祖母を自らの手で殺したりと、地獄の経験を乗り越えてひたむきに生きる姿に胸を打たれる。実の父親の死を利用し、ひとりが他国に逃げるラストの余韻がとんでもない。

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    2025年05月25日
  • 第三の嘘

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    ネタバレ

    最後の一行が…悲しい
    タイトルに第三の嘘とあるように、この話も「嘘」なのかもしれない。そう考えるとよくわからなくなってくる。けどそこが面白いと思う。
    この小説の内容は作者の戦争孤児の実体験を元に書かれたものだそうだ。その内容を知れるだけでも貴重なものだと思う。

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    2025年05月20日
  • 悪童日記

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    双子の男の子の話なので、アニメ「ミギとダリ」を思い出しながら読んだ。淡々と書かれているが、内容は結構ハード。え〜っていう展開が続く。最後も意外だった。「戦争がどんなものか、女はまるっきりしっちゃいねえんだ」に対する女の言葉が秀逸

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    2025年05月04日
  • 悪童日記

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    文体がどこまでもシンプルなので非常に読みやすかったが、シンプルすぎる故に言いようのない不気味さも感じられた。あまり他にないタイプの作品だったので新鮮で面白かったし、考察したい要素も散らばっているので再読したい。

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    2025年04月05日
  • 悪童日記

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    だいぶ昔に読み、面白かったのだが消化不良であった本書を再読。果たして物語において双子は本当に「悪童」だったのか。

    双子や母親、祖母との関係性を先の大戦における国家同士のアナロジーとして読んでみたいとも思った。双子の国とは。そこには確かに寓話性がありそうだが、本書だけでは読みきれぬ、しかし確かに何かを示唆する異物感が残る。その正体が何かを知りたく、検索すると『悪童日記』は三部作の一冊であった。そんなことも、今更知ることになる。

    日記なのか。兎っこは何を意味するのか。双子は周到に自分たちを鍛え上げていく。物事を為すにも完璧に作戦を練り上げる。そんな双子が証拠となるような日記を残すという矛盾。異

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    2025年03月01日
  • ふたりの証拠

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    おもしろい。
    前作に続きリュカの話。
    前作よりも文章的には読みやすく、離れ離れになってから愛する子を得て失うまでの心の動きが人間らしかった。
    続編が気になる。

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    2025年02月24日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    前半は退屈だったが、後半になるほど具体的になってきて面白かった。家族構造と教育、人口動態、経済などを有機的に結びつけ、西洋社会の正義からは距離を置いた学者的な分析は興味深い

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    2025年02月07日
  • 嫉妬/事件

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    別れた恋人のSNSを覗きみたり...
    いつまでも引きずってたり、
    忘れられなかったり...
    そんな経験がある中で「嫉妬 」で刺さりまくり、穴があったら入りたくなる。
    でも、この作品のおかげで自分を客観的に見ることができた、大切な作品。ありがとう。

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    2025年01月31日
  • 嫉妬/事件

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    「彼をもう一度自分のものにしたかった」 

    当時真実だったただ一つのこと、私はそれをけっして口にしないつもりだったけれど、それは、「あなたと寝たい、そして、あなたにもうひとりの女性を忘れさせたい」だった。他のことはすべて、厳密な意味において、フィクションにすぎなかった。

    これが嫉妬の誕生でしょう。

    精神と肉体のステータスを満たすもの、満たしているものを喪失する、奪われる危険性にたいしてだとか、自分が手にできないものに対して抱かれるのではないでしょうか。
    また、それにたいして"努力をしていない"であったり、"努力の程度"が低い者ほど強く抱く傾向にあると

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    2025年01月29日
  • 悪童日記

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    大好きな小説の1つ。
    独特な文体で、淡々とログの様に情景が描写されるその手法がなんとも言えずハマった。
    淡々とつづられる文章とは裏腹に、そんな事が起こってしまうのかというショッキングな出来事もよく起こる。
    気がつけば文章から目が離せず、釘付けになりながら読み進めてしまった小説。
    「双子」のお話だが、その内容は書かれた「日記」という事なので、こういった表現になっているんだろうか。

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    2025年01月12日
  • 悪童日記

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    ここ数年積読だった本。
    Xによると10年前に私は映画を見たらしいけど、記憶がない。
    名前すら出ないおそらく顔と頭がいい乳歯レベルの双子男子がサイコパスな日常を歩んでいる日記。
    双子、どちらが書いているとか名前とかないし常に一緒なのでさっぱり区別がつかない。
    お母さん恋しいのかと思いきやあっさりだし、ラスト急展開だしなんか見落としたのかと思った。
    おばあちゃん、すごい嫌なやつなのにこの双子はなぜ殺さなかったのか?
    なぜ倒れてから甲斐甲斐しく世話をしたのか?
    続編を読まずにはいられないのでネットで買う。

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    2025年01月09日
  • ふたりの証拠

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    ネタバレ

    街に残った方の双子リュカ視点の話。
    前作の悪童日記は日記風の文体だったが、今回は通常の物語の書き方だった。

    その影響もあるのか前作では淡々としていたリュカがだいぶ人間らしくみえた。

    子供を失ったところから、クラウスが出てくるまで怒涛の展開だった。急に時が流れ初老になっていて驚いた。最終巻は一体どんな展開が描かれているのか楽しみ。

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    2024年12月27日
  • 「傷つきました」戦争 超過敏世代のデスロード

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    このままではそのうちウォークと極右しかいなくなってしまうのではないかと恐れているので、本書やハイト&ルキアノフの『傷つきやすいアメリカの大学生たち』のような本を読むと安心するというか これもある意味「傷つき」の回避と言われればそれまでかもしれないが

    「映画も料理も〈DNA〉で評価する」の章が特に面白かった ある映画作品あるいは制作陣やキャストが気に入らないこと(批判すること)と、上映を禁止させるのは違うと(当たり前のことだが)再確認してホッとした。「出自にかかわらずさまざまな役を演じることこそが、つまり、よりいっそう多様な表象によって普遍性を豊かにすることこそが、達成すべき目標なのに。(p.

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    2024年11月24日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    よく言われるのは、資本主義は格差を助長するが、民主主義がその抑止力になる。つまり、少数の富裕者に対し、多数の大衆層により民主主義的な手続きによって、資本主義の暴走にブレーキを利かせられるのではという発想だ。しかし、実感としてはあまりこれが機能している気がしない。本書を読むにあたり、サブタイトルの「民主主義の野蛮な起源」というのが何の事かと思った。革命を通じて成立させたというその起源の暴力性を指すだけなら、その革命の歴史を振り返るだけで、大した本にはならなかっただろう。トッドが指摘するのは、今も野蛮な側面がある、という点だ。

    キーワードから考えるなら、メリトクラシーのような人類の序列化。これを

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    2024年10月07日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか

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    エマニュエル・トッドは乳幼児死亡率に着眼してソ連崩壊を予言した事で有名な歴史学者だが、その著者が、家族形態に注目し、覇権国との因果関係を探る本。序盤、核家族などの家族形態と文明の発展等の結びつきがピンと来なくて読み難い感じがしたが、識字率の解説などから一気に面白くなる。

    集団が物理的、地理的条件から自然発生的に生じ、自他の区別は後付けで発生したと考えるのが無理のない解釈のように思う。地球の真反対に住む集団が繋がっているとは到底思えない。そこでは言語も風習も、恐らくは見た目も異なる。だから、元々一つだった集団が敢えて利権構造によって区別するために言語や風習を違えたというよりも、同族として認識不

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    2024年10月01日