堀茂樹のレビュー一覧

  • ふたりの証拠

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    ネタバレ

    双子の兄弟クラウスに国境を越えさせてからのリュカの物語。父親の子を抱えたヤスミーヌ、障害を持った子マティアス、反逆罪で無実の夫を殺されたクララ、党書記のベテール、本屋のヴィクトールと色んな人間たちが面白い。とても引き込まれて行く物語で一気に読んでしまった。

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    2025年12月29日
  • 悪童日記

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    ネタバレ

    映画視聴後に続きが気になり読み始めました。
    細かい話ごとに分かれてあるので読みやすく、さくさくと読めます。

    映画のラスト同じですが内容はやはり小説の方が濃いです。
    映画も中々だと思いましたが、小説はそれを上回るえぐみがあります。
    また二人の表現力が高く、「頭蓋に受けた愛撫は捨てられない」みたいな表現がとても切なくて好きです

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    2025年12月14日
  • 若い男/もうひとりの娘

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    非常におもしろい。

    無駄な比喩がなく、本質が凝縮されたような文体。つまり、出来事の語りと視点の語りがうまく混ざり合っていた。
    視点にはキリスト教や常識など文化的なものもあるし、立場や個人的な感情に立脚してもいた。

    『若い男』では、周りの人から特別な意味で「見られてしまう」自分たちの関係を、そうした見方とのあからさまな対立を持ちだして掘り下げていくのではなく、相手をプライベートな人間と見なして、つまり好きな人間として相手と関わっていて、それにまつわる感情と知性と官能を描いていた。相手をあるカテゴリーに当てはめることはしてるけど、そうすることで相手を理解しようとかそういうことじゃなくて、自身の

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    2025年11月26日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    フロイトの精神分析的に社会を意識、下意識、無意識の重層的構造としてイメージすると今まで見えなかったものが見えてくる。
    •意識は政治、経済。この経済こそが決定的な要因を持つものとして分析するのが経済学。経済の発展段階の上部構造に政治があるというのが従来の考え方である。
    では、経済はどのようにして決まってくるのが。なぜ世界の地域により経済に差があるのか。
    例えばマルクスは(1) 原始共産制 → (2) 古代奴隷制 → (3) 封建制 → (4) 資本主義 → (5) 社会主義 → (6) 共産主義と生産力の発展に伴って進むと考えたが、西洋視点の偏りという問題点がある。

    これを人間で下意識と無意識

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    2025年11月24日
  • 悪童日記

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    著者が女性というのに気が付きませんでした。
    30年前に書かれた文章ですが、これが60年前だったら
    もっとすごいなと、感じながら読みました。

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    2025年11月19日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

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    人類史を家族構成から読み解き、民主主義の本質に焦点を当てる。
    著者によれば、現在先進国に見られる核家族の形態は原始的なものであるという。原始の人類は核家族を単位として生活していたが、それが直系家族、内婚性共同家族、外婚性共同家族などに分岐し、それぞれ独自の政治的経済的様態を生じるようになった。核家族の形態を持っている先進国においてはある意味原始の形態に収斂した結果という。
    そして核家族の形態の国々(個人の自由という概念が生まれやすい)が民主主義を発展させ、資本主義に基づく豊かな生活を謳歌しているわけだが、著者はこの民主主義に警鐘を鳴らしている。
    特に核家族形態を突き詰めた英米などは、資本主義に

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    2025年10月18日
  • ある女

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    表紙のスーツ姿の女性が、まず実母と重なって…手にとった一冊。こんな色が好きだった母親を想って。
    「歪な関係」を抱えた人、特に親と…少なくはないと思うけれど、そんな人には共感する部分が多い作品だと思う。私的な感情を感情的に語りすぎず、適度にクールな点がより「母親」像を浮かび上がらせていると思う。 同じように、母親の異常に気づき、部屋を片付け、施設を探し、入院、他界まで…一年という時間の中で過ぎていった嵐のような昨年を振り返った。

    作中の母親と実母とが重なる部分が多く、特に認知症を発症してからの様子が手に取るようにわかるため、切なくて思わず涙。

    個としての輪郭が無くなっても、やはり親と子として

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    2025年10月14日
  • 悪童日記

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    タイトルどおり悪童日記です。
    第二次大戦中の欧州のとある国の出来事を、ある双子の子どもの視点で語っています。
    彼等は生きるために知恵を駆使して狡猾に振る舞います。

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    2025年10月12日
  • 悪童日記

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    面白かった。
    2人の少年の感情が書かれていないから、我々はこの2人の少年のことを知っているようで知らないということが起きて面白い。
    森の中で遺体を見つけたらしいと分かるあたりで、この話は全てを書いているわけじゃないんだと分かり(遅かったかも)、最後の最後にあれなのも納得だし手法が凄いと思った。

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    2025年10月10日
  • 悪童日記

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    戦時中の小さな町。主人公の双子は、疎開したその町で、自分たちなりの正義を貫いて生き抜いていく。清冽で苛烈な子どもたち。まだ乳歯が生えている年齢なのに。
    双子の周囲には、野卑で冷たい祖母や将校、貧しく孤独な隣人の女の子などさまざまな人々がいる。読み進むうちに善と悪、聖と俗が入り混じり混沌として、登場人物たちの印象がぐらぐら動いて変わっていった。主人公の正義すらも、正しいのかよくわからなくなった。そして人間はたしかにそういうグラデーションに満ちた存在なのだろう、と思った。
    戦時中の生活や雰囲気の描写は、少し前なら現実感なく古くさいと思っただろう。今は身近な感じがして想像しやすくなっていることが、恐

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    2025年10月02日
  • シンプルな情熱

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    『シンプルな情熱』


    フランスの作家 アニー・エルノー の
    自分自身の体験を語った問題作♡



    【早川書房創立80周年記念
    ハヤカワ文庫の80冊】
    今、ハヤカワ文庫の帯には
    各界の著名人による
    推薦コメントが書いてあるんですよね!



    この『シンプルな情熱』の帯は
    金原ひとみさん 素敵でしょ(ღ*ˇ ˇ*)。o♡


    なんて書いてあるかと言うと……

    「ここまでの超常的な
    俯瞰視点の達成は、

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    2025年10月01日
  • 悪童日記

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    ネタバレ

    両親の庇護のもと、幸せに暮らしていたはずの賢い双子の男の子。
    戦争の苦しみ悲惨さから自分たちを守るため、自ら労働し、勉強し、外国語を習得し、死に対して慣れたり、泥棒したり、傷つけられたりする訓練をする。
    私はどうしても、母親としての視点で彼らをみてしまう。

    心に残る場面が多くあった。
    母親が双子を心配して迎えに来たのに、祖母の元を離れず目の前で亡くなっても動揺せず埋めてしまう2人。
    自分のことでいっぱいいっぱいな父親を、利用する2人。
    人の死にたいという要望を、抵抗なく叶えてしまう2人。
    人の死が当たり前の世界に住んでいて、いちいち傷ついていたら生きていけないのだと思う。
    大人たちが始めた戦

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    2025年07月30日
  • 悪童日記

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     第二次世界大戦が激化していく中、疎遠だった祖母の元へ疎開していく双子の日々の出来事を記した作文あるいは日記の体裁の物語。叙情的な表現を排し、即物的な文章で書かれており、戦争の厳しさすらやや寓意的に思える印象を与える文章だった。
     昔使っていた単語帳に、”cruel” の項目があった。その単語帳は意味と共に例文が載っている形式で、その時の例文は ”The children are cruel.” だった。この小説を読んでいて、なぜだかこの例文を思い出した。
     まだ社会的な価値観が形成されていない双子が、自分たちの目で見た戦時中の景色を自分たちの考えで判断し、世界を発見していく過程が記されており

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    2025年07月19日
  • 第三の嘘

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    今、語っているのはいったい誰なのか?
    虚構と現実が入り乱れ、文字列に振り回されるような読書体験が面白かった。

    いってしまえばフィクションは本来すべて“嘘”だが、私たちは物語の内側に入り込み、登場人物と一緒に一喜一憂したりする。
    ところがこの三部作には、没入したはずの自分自身をも俯瞰し、これは信じていいのか?と立ち止まらせる。 そんな、視点が二層にズレるような奇妙な感覚があった。

    1作目では、双子が「ぼくら」という1つの器官のように振る舞い、感情を排除した淡々とした文体で悲劇を記録する。 その無表情さがかえって不気味な、インパクトのある作品だと感じた。

    しかし三作を読み終えるころに

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    2025年07月08日
  • 嫉妬/事件

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    面白かったんだけど、中絶手術の様子が生々しすぎてトラウマ級に辛かった。ちょっともう一度読める気がしないです。

    人工中絶が合法化していない&技術が発展していない時代、女性はそれだけ過酷な方法で自分の身を守っていたんだということがよく伝わりました

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    2025年07月03日
  • 悪童日記

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    これはいい。

    曖昧さを排除し、真実しか綴らない日記というだけあって淡々とした展開だけど、
    これが非感傷 無感情 効率中の双子の性質を引き立てている
    戦時中の混沌とした世界に適応して、誰も信用せず二人だけの世界で生きていく決意たるや


    アニメ「ミギとダリ」がイメージに重なった

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    2025年06月11日
  • ふたりの証拠

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    悪童日記では名前の分からなかった少年の名前がわかり双子のひとりの視線で物語が進んでいく
    人間の感情を持たないようなサイコパスな少年だった彼が人間らしい感情を持っていたので安心した
    嫉妬で自死する7歳の少年の感情が恐ろしかった
    とにかく続きが早く読みたい終わり方だった
    本当に彼ら双子は2人いたのだろうか

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    2025年06月04日
  • 嫉妬/事件

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    読み友さん、読んでいた本。気になっていた。☺ 一日に没頭した2作品。あまりに、生々しくて読むのが辛かった中絶に関する【事件】 【嫉妬】、誰にでもあるかもしれないし、ここまではないかもしれないし。 久しぶりに翻訳物。やっぱりよかった。 アニー・エルノー。フランスの作家さんで、ノーベル文学賞を受賞された方です。

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    2025年05月30日
  • 嫉妬/事件

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    妄想の代償と行動の反動と、様々な感情にただ振り回されて心が占有される様「嫉妬」

    優生手術の実態を克明に描き、苦悩と戦った女性と、権利に苦悩する息苦しさを謳う「事件」


    一歩違えば嫉妬していたかもしれないし、油断していれば事件に巻き込まれていたのかもしれない。一人称で記されているからこそ他人事じゃなく感じる。生まれた環境が違う、自分の境遇を呪う、なんて自分と他人を比べることがあると思う。そんな表層の話ではない。真に相手や時代に向き合ったとき、見える本性を読んだ気がする。

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    2025年05月27日
  • 第三の嘘

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    最後の一行が…悲しい
    タイトルに第三の嘘とあるように、この話も「嘘」なのかもしれない。そう考えるとよくわからなくなってくる。けどそこが面白いと思う。
    この小説の内容は作者の戦争孤児の実体験を元に書かれたものだそうだ。その内容を知れるだけでも貴重なものだと思う。

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    2025年05月20日