薬丸岳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
テンポが良い。サクサク進む。
「ああ、もう!なんで!」という苛立ちやモヤモヤした気持ちが心に湧き上がることがなく、物語のテンポに任せて読み進められるところも気に入った。
途中しばらく読めない期間が続いてしまったのだけれど、再開してからは一気に読み上げた。
快彦の過去と亮介の事件がどう繋がるのか、その謎に興味を惹かれて読み始めた1冊だったけれど、初めは全く想像もつかず。前半は快彦が身元引受人として亮介を引き取ってから2人の関係性が馴染んでくるまでの話、後半が亮介の事件の全貌が明らかになる話、と2部構成になっている。
快彦と亮介の従兄弟コンビがなんとも新しい感じ。お互いにお互いを思いやり、だんだん快彦は閉ざしていた心を開いてゆく。こんな関係あるんだなぁと心温まっていたけれど、そこには意外な意味もあったようで。ああ、そうか、と思った時、グッときてしまった。
ハラハラドキドキが止まらないわけではない。ゆったりとした、まるで南の島のような空気感もありながら、登場人物がこの続きを知りたくてどんどん行動してゆくので、私は物語にただついていくだけでよかった。
薬丸岳さんはちゃんと読んだことがなかったのだけれど、著者の世界観を存分に楽しませてもらった。こんな風に描く人なんだなぁと思ったら他の作品も読みたくなった。
読書の世界をまた広げてもらったようで、嬉しく思う。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったです。
感想書いてみてわかったけど、これは為井(兄)の物語。為井頑張れ・・・!
本当の意味での僕らの敵は町田です。(ネタバレではない)
・振り込め詐欺と少年院から始まり、物語がどの方向に行くのか、結末はどこなのか。飽きずに楽しめた。
・お前もやっぱりスパイか!って感じで裏切り者大活躍活劇。
・町田モテすぎ・・・・頭良すぎ・・・ギルティ・・・!!
・素人が謎解きのために危ない橋渡るのは定番なのかな。ふつうリスク見合わんだろうということまで手を出すんだよなぁ。
・悪いやつを最後成敗せずほったらかしにしたのは感情的すぎないか。冷静に考えて極悪人だろ。警察突き出せよ。ジャスティスはいない。
・町田が最後に人の心を取り戻してハッピーエンド・・・町田最強すぎるだろ!ずるい。弟に負けて女に騙されて逃げられて会社まで追われた為井を見習え!
気になったこと
・健康被害は結局事実だったのか?作為っぽいんだけど。遅々として原因究明が進まなかった点が不可解だった。為井だけで孤軍奮闘してたから?にしてもなぁ。
・革新的製品出すの簡単すぎるだろ。これも町田の才能か・・・クソッ
・前原のカーちゃん元気になったんだろうか
・ん?あれ?なんで雨宮はねーちゃんひき〇したんだ?語られてなくない?
以下ネタバレ含むあらすじ。自分思い出し用
戸籍のないまま育った町田宏、室井とかいう「IQ高いやつが至高」教の悪いやつに認められて→振り込め詐欺やる→真の仲間に入りたくば親友のミノルを殺してみろ→いやだ。なにぃ!ドカッ→ギャー→少年院
室井<知的障害のあるミノルに似たやつ少年院に送り込んで宏クンを懐柔作戦始めるよ!どこの少年院に送られるか分からないから、とりあえず10人くらい知的障害装って事件起こさせて少年院送り込むよ!→雨宮クン当選おめでとう!
室井<宏クン脱走させてよ
→雨宮<えええ・・・
→宏<脱走したい?雨宮は仕方ないなぁ
→雨宮<(ちょろい)
→トラック~磯貝<ドンっ あああ
→失敗
宏大学行って、為井その他大勢と出会いTSN設立。すごい!画期的発明!→業績好調で200人規模の会社に!
昌子→会社大事な時期だけどアメリカ留学してもっと学ぶわ!:は?
昌子→結婚とかよりも今は会社が大事な時期だからね!:は?(為井)
昌子→ごめんねバイバイいなくなるわ:は?(為井)
世間→製品で健康被害が!なんで放置してたんだ!:聞いてないんだけど(為井)
タメイドラッグ引き継いだおめーの弟のワンマンぶりがひどい。女に騙されてるぜ:は?(為井)
TSN創業の地兼町田の身元引受人の工場燃える、為井(弟)と女がひき殺される→町田「旅に出るわ」:は?(為井)
室井(本名木崎)>
全部俺がやったもんねー。昌子も仲間だしー。ミノルもうちで預かってるもんねー悔しければ俺とクイズで勝負だ!
宏>ばーか、大体わかってたもんね。だから次の会社を磯貝と作ってるぜ!義手の会社だ。俺たちの次の船!
室井>ぐぬぬ・・・!
宏>でも引き分けだな。なぜなら俺たちはお互い想ってくれている人たちに気づけなかったから・・・っふ→MA・CHI・DAーーーーーーー!!!!!!
楓>お、私町田ゲット大勝利ENDじゃん。それに引き換え為井・・・(哀)
ミノル>ヒロシちゃんおにぎり下手だね -
Posted by ブクログ
渋谷のスクランブル交差点で無差別通り魔殺人事件の被害者になってしまった明香里と恋人-航平、
犯人の小野寺圭一に興味を持つライターの溝口省吾の3人の(メインは明香里と省吾)視点で物語は進む。
襲われた明香里を助け様とした晃弘はその場で殺されるが間際の「約束は守った…伝えて欲しい」と言う最後の言葉を聞いた明香里は誰に伝えるのか探す。
小野寺と同じ様に虐待を受けて育った省吾は小野寺圭一の過去を探す。
と言う風に重苦しいけどテンポ良く物語が進むので非常に読み易く先が気になりついつい夜ふかししてしまう。
大変おもしろかった。「生きる」ことの難しさが、しみじみ考えさせられる小説でした。
流石、薬丸岳さん! 素晴らしい!! -
Posted by ブクログ
非常に満足度の高い作品でした。
読後も良い気持ちで引きずる終わり方で個人的にはとても好きな作品。
IQ160以上という頭脳がある少年だからこその苦労と波乱の人生、
かたわら同じギフテッドの持ち主であり似た境遇の裏社会の謎の人物室井。
2人の関係性で巻き込まれていく周囲の人間模様、登場人物のキャラも色濃く、
飽きが来ないストーリー展開。
同じ孤独な天才児としてまったく真逆の人生観になっていく様がとても面白かった。
他人からの愛情を受け入れるか受け入れないかは、自分次第。
その大事さに気付くかも。
いかに人間は1人では何も出来ないのかと思わされた素敵なものでした。
最初はただただ、アウトローなサスペンスのようなミステリーのようなハラハラドキドキだけかと思いきや、、
終盤での人間の醜さ、心の在り方、美しさ、汚さ全て詰まってる終わらせ方に、
一気に好きになりました。