あらすじ
同級生の殺人容疑で逮捕された14歳の息子。だが弁護士に何も話さない。真相は。親子は少年審判の日を迎える。吉川文学新人賞受賞作
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
↓以下ネタバレです
どんな理由があったにせよ、相手を殺すことは決して許されることではない。その事を理解している上でも、
優斗が殺されてしまった原因を作ったのは、優斗による翼への激しいイジメである。そのため、私の中ではどっちに同情するとしたら、加害者「翼」の方だった。
少年院を出た当日から更生できるわけではない場合もある。心の問題は、常にグラデーションで変化していく。
さらに私は、被害者優斗の父・「藤井」に常に嫌悪感を持ち読んでいた。
イジメの主犯格である優斗の指図で、翼はハムスターの餌の万引きを余儀なくされた。この事件において、優斗の父・藤井が、弁護士の知識を利用し翼をかばったことについて。これは、弁護士として、また大人としての正義感100%から来るものであったかには疑問が生じる。なぜならば、優斗が行った卑劣なイジメを損害賠償の訴訟を起こす事をさしがねとして、公にしないでほしいと翼の父に頼んだ事である。ハムスター万引き疑惑の時点で、すでに藤井は息子優斗の悪事をうすうす勘づいていたからではないか?ここで万引きが公になれば、今までやってきた優斗のイジメが暴かれると計算したからの言動であったからだと思う。
藤井の息子優斗が殺されてしまったという理由で、優斗の行った壮絶なイジメがチャラになるとは思いたくない。
藤井にとっては辛いかもしれないけど藤井は、翼に対して優斗が翼をいじめていたことについて謝罪してほしかった。自分の息子がハムスターを複数回購入し、それを翼に殺させていた事、翼のペットの猫を殺させた事。この出来事に向き合ってほしい。
藤井からの謝罪があれば、翼としても、「真の贖罪」また「真の更生」ができたと思う。
また、加害者の父である吉永に対して、突然、息子が殺人容疑で逮捕されたと聞かされれば動揺するのは当たり前ではあるが、それにしてもどこかしら現実から逃げているようでジレったかった。しかし苦悩に苦悩を重ねた末に、父親としての強さが徐々に備わってきていた。これから、命ある限り永遠に翼の味方でいてほしい。
印象に残った言葉がある。
「やったことの善悪よりも、子供がどうしてそれをしたのかを考えるのが親」
「殺したら、苦しまなければいけないの?」
「動物の命と人間の命はどちらが重いのか?」
「心を殺されたことと、体を殺されたことはどちらが悪いのか?」
などなど、いろいろと考えさせられた。
翼や吉永を見てて思うように、心を殺されても肉体が殺されていなければ、生き返る可能性はある。しかし、心が宿る肉体を殺されたのでは、生き返る可能性はゼロである。さらに肉体を殺された人の周囲の人の心が殺される。そうなると、法律以前に、肉体を殺す方が悪いのである。
優斗のしでかしたイジメは到底許すことのできないレベルだが、ここはやはり翼の方が罪は重いだろう。
藤井の家に吉永と翼が訪れた時の藤井の様子は、個人的には嫌悪感を抱きつつも、相当参っていた。加害者は生きている。被害者はよみがえらない。こんなことを思うのは不適切だとは思うが、藤井の悲しみから、「復讐」は十分に果たせたのではないかな?翼とても重い十字架を背負って一生を送ることになるが、生きていさえすれば、どうにでもなる。翼にはこの先一回でも多く、心から笑えることができたらいいと願う。
追記:あくまでも報復殺人を正当化するコメントではありません。
Posted by ブクログ
仕事もプライベートも順風満帆だった男が突如暗転。14歳の息子が同級生を殺害し逮捕された。
子どもを持つ親としてとても考えさせられた。
もし自分がこの立場になったらきちんと向き合うことができるだろうか、、
終始重く辛い展開だったが、それぞれの立場での苦悩について緻密に描かれており、心を揺さぶられた作品だった。
Posted by ブクログ
心を殺すのと、肉体を殺すのとでは、どちらが罪深いのか
それは忘れずに生きていきたいが、どちらも殺さずにいるには互いにどうしたらいいのか考えさせられた
Posted by ブクログ
自分の子供が加害者や被害者にならない保証なんてない。
殺人を犯した我が子やその罪、そして被害者遺族とどう向き合うのか、更生するとはどういうことなのか、その先に何が見えるのか、痛いほどに考えさせられる。
薬丸岳作品を読んだ後は、様々な少年犯罪を思い出し、その後の関係者がどのように暮らしているのかずっとずっと考えてしまい苦しくなる。
けれど、こうして社会全体で考えてゆくことが大切なのだと改めて思う。
Posted by ブクログ
深く考えさせられた一冊でした。少年犯罪の保護者の目線で話は進みますが、自分も子を持つ親として他人事のようには思えませんでした。
特に最後にかけての親と子の気持ちの葛藤は、とにかく涙腺が緩みました。
Posted by ブクログ
少しのボタンの掛け違い、僅かな意見や感覚の相違、現在自分が置かれている状況のみや、物事を一方向からしか見ることが出来ない精神の未熟さ等からとんでもない事態を引き起こす可能性があるかもしれないということをこの作品を通して学んだ気がします。
この作品は、離婚により元妻と一緒に暮らす中学生の息子がある日突然学校の同級生を殺害してしまったことが端緒となり、それまで自分が如何に息子のことを考えていたつもりになっていたのかに気が付いた父親が、何故息子がそんな事件を引き起こしてしまったのか、息子が発していたSOSに何故自分は気が付けなかったのか苦悩し、また警察に捕まってしまってから一切事件について話をしようとしない息子の頑なな心を解きほぐし、息子に寄り添い、息子から真の贖罪の気持ちを引き出すまでの悪戦苦闘ぶりがとても上手く描かれていると思います。
翼は、幾度となく自分が犯した罪の重さに向き合うよう機会を与えられても中々真の意味での贖罪の気持ちを持てないでいるのがよく伝わってきました。それは、翼が父親に向けて聞いた「どうして動物を殺すことは許されるのに、人を殺すことは許されないの?」や「心を殺すことは許されるのに、どうして体を殺しちゃいけないの?」という台詞からも想像出来るように精神の未熟さ故に、殺されてしまった優斗君にも彼を大事に想い、優斗君を失い悲しんでいる家族がいること、翼がペロやハムスター達を失って悲しんでいるのと同様なのだということに気が付けないでいることからも想像出来るように思います。
翼がユキトや職場の仲間達から距離を置かれ、そして父親と共に優斗君宅に訪問した時に、翼はようやく自分が犯した罪の重さに気がつけたのかもしれません。人間は老若男女問わず誰でも過ちを犯すのかもしれません。けれど、何かを選択し決断する時に本当にその決断で良かったのか、もう一度考えてみることが必要なのではないかと思いました。生きてさえいれば、やり直しが出来ることも命を失ってしまえば、それも叶わなくなるのですから。
Posted by ブクログ
自分の子供が人を殺してしまったら という考えうる最悪の展開の一つのストーリー
薬丸先生の何作目かの作品
自分の子供が同級生を殺してしまった父親が主人公
あの時電話をとっていれば防げたかもしれない。
この文章とシーンが描写されるたびに、日常の何でもないと思っていたことが大きな分岐点になるんだなと実感した。
この本のテーマだと思われる、自分の子供が殺人を犯してしまったら?という主題の裏テーマの一つでは?と思った。
薬丸先生はそれぞれの本のテーマに対して、それがどんなに重苦しいものであってもしっかり真正面から向き合って書いていくのは一貫しており、この作品でもそれを感じたのでとても信頼感がある。
Posted by ブクログ
重いけど、やっぱり良かった。父親として、Aではない息子と向き合う。2人が少しずつ、気持ちを共有していく。どう生きていくのか、わからないけれど、向き合っていかないといけない苦しい気持ちが伝わってきました。薬丸岳さんの本を全部読みたい気持ちです。
Posted by ブクログ
薬丸さんの小説は3冊目。今回も一気読みしてしまった。文章に無駄がなく読みやすい。それでいて奥が深い。父親の子を思う心情に引き込まれた。読み応えがある小説。
Posted by ブクログ
私も犬を飼っていたので読んでいて辛かった…
自分の手で殺めるのは何があろうとありえないけど、もし優斗に殺されてしまったと考えると
私も優斗が死んでもいいと思ったと思う。
死んでしまったら更生できない…それもそうだと思うが、
生きてても更生しないやつもいるじゃないか。
心を殺すのと体を殺すのどっちがダメなのか…凄く考えさせられた。
Posted by ブクログ
少年犯罪をテーマに、息子が同級生を殺害したとして逮捕された父親が、事件の真相と息子の心に向き合っていく物語。
「少年がなぜ犯罪を犯してしまったのか」だけではなく、その周りにいる家族や被害者、そして加害者自身の苦しみまで、簡単に答えを出せないまま突きつけてくる。
中でも、「心とからだと、どっちを殺したほうが悪いの?」という問いには、思わず読む手が止まってしまった。
被害者の家族がつらいのはもちろんだけど、加害者の親もまた、簡単には言葉にできない苦しみを抱えている。自分の子どもが誰かを傷つけたという事実、被害者やその家族への罪悪感、それでも我が子を見捨てることができない気持ち。
読んでいる間ずっと、正解のない問いを突きつけられているような感覚だった。
重いテーマだけど、だからこそ読んでよかったと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
【良かった点】
少年事件を題材にしながら、事件の衝撃だけではなく、人が誰かと向き合う責任や家族の在り方を深く描いた作品。吉永が父親として苦悩しながらも真摯に向き合う姿や、周囲の人々がそれぞれの立場から未来を考える姿勢に心を動かされた。
【気になった点】
登場人物が皆誠実で善意に満ちているため、やや理想的に感じる部分もあった。
【おすすめ度】★★★★☆
【ミステリーとしての意外性】
謎解きより人間ドラマが中心。それでも答えを示さず、読者自身に家族や人間の在り方を考えさせる力を持った作品。
Posted by ブクログ
旅先で一気読み。
殺人を犯した、加害者の少年の親が主人公。
きっつい。
同じように親である自分には1番想像したくない世界。
でも、主人公に言いたいよ。
仕事?彼女?精神が不安定?
どんなに一生懸命そばで過ごしてても大変なこといっぱいあるのに、でも寄り添ってるからこそわかるものもあるのに。
なんでそこまで追い詰められてるのにカケラもわからないの。
まだまだ小さな世界で生きてる子供は逃げ道がほとんどない。1人で歩いていけるまで親は一緒に歩んで行かなきゃいけないのに。
罪ってなに。反省ってなに。
人を殺してしまうということって。
ニュース観て、酷いね。こんな犯人最低ね。っていつも思う。
でもこんなに丁寧に罪を犯した側が描写されちゃったら、考えてしまう。
なんでそこまで行ってしまったの?
なぜ止まれなかったの?
罪を犯した者も人間だし
殺された者も人間。
あまりにも薄っぺらい思考力の自分にげんなりして、ちゃんと考えることをさぼらないようにしないと。と思った。
Posted by ブクログ
読むほどに何とも言えない気持ちになりますね
辛くなるというか、終わりが無いように感じます。
『罪を償う』とはどういう事なのか?…と考えさせられる作品でした。
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。えー、どうなっちゃっうのー??と一気に聴いた。
14歳の少年が同級生を殺害。逮捕されても少年は何も話そうとしない。彼の両親は離婚していて、彼の悩みに気がついていなかった。
ずっと辛かった。なんでこんなものを選んでしまったのか。。
身体を殺すのと、心を殺すのとどちらが悪いのけという問いに、明確な理由とともに答えが出たのは良かった。
事件が起こるたびに、犯人の家族がマスコミに追い回されるのは、なぜだろう。犯人の家族が苦しむ様子を見ることで、溜飲がさがるのか。下がらないなー。
また、刑期を終えて社会復帰した人と普通に付き合える?こちらは自分でも自信がないな。
考えさせられることしきり。読んで良かったかと言われたら、う~~ん、どっちだろう。
Posted by ブクログ
犯罪が起きると、被害者や加害者といった当事者だけでなく、家族も苦しむ。ほかの作品でも描かれるが、今回はその家族が主題だったと思う。人間(日本人?)は言葉を持っているのに、愛を伝えるのが上手じゃない。その末路だったように思う。
心の殺人と体の殺人、出てこなかったが魂の殺人もある。どれも赦されないことで、被害者の苦しみは計り知れない。
だけど、身体がある限り、その人を大切だと思う人にとっては関わり続けることができる。苦しみが続く心と魂の殺人は被害者にとってもっと辛いことかもしれないけど、身体の殺人は副次的に心の殺人をいくつも犯している。
Posted by ブクログ
人を殺めては行けない理由。
心を殺す。身体を殺す。
どちらの罪がより重いのか。
痛みとは。
寄り添うとは。
護るとは。
いろいろ考えさせられた。
保護者視点で痛みを共感できる。
個人的には、少し綺麗にまとまりすぎたかな⁈と感じ、マイナス星ひとつ。
ママ友に勧めたい1冊。
Posted by ブクログ
辛いけど、親という立場になったら年に一度読むべき話だと思いました。命について、子供にどのように尊さを伝えるか大変勉強になりました。
炒飯のシーンでは涙が止まりません。
Posted by ブクログ
薬丸岳先生の本を読み終わると、身体中の力が抜けて、ずいぶん力が入っていたんだなと思う。
今更だけど、父親も母親もただの1人の人間で、絶対にお手本にしなければいけない人ではなく、「悪いこと」「いいこと」の判断だって、どこでどう間違えたのか、そもそも間違いなのか、何かが起こってからじゃないと分からないんだなと感じた。
今回も心にグッとくる話だった。
Posted by ブクログ
子供が犯した罪(殺人事件)に対する親の対応、苦悩が描かれる。最後まで子から真相を聞き出すことができない。。
ものすごい苦悩。当然やっていないことを信じたいが、一方で事実も知りたい。。そして、自分や自分の親戚、周りの生活への影響。特別な理由ではなく、本当に何かのきっかけで起こりうることが詳細に描かれ引き込まれた
Posted by ブクログ
物事の良し悪しとは別に、子供がどうしてそうしたのかを考えるのが親だ
子供相手じゃなく日常生活でもいえること。
子供が生きていればどんな状況、状態でも結果可愛いんだなあ
考えさせられました
同じような歳の子供を持つ親として、考えさせられました。子供を守れるのはやはり親であり、愛であると痛感します。繊細な心を持つ子が発しているSOSにどうして気付いてあげられなかったのだろうと思わされます。仕事を理由に言い訳している母親の気持ちも理解しがたい。
考えさせられる重たい内容でした
『物事の良し悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ』
という会話での一言があるのですが、すごく自分の心に響いた言葉でした。
親目線、子供目線、色々な感情で溢れました。
被害者も加害者もその家族も立場は違えど一生背負って生きていかなければならないのが辛いなぁと思いました。
Posted by ブクログ
「どうして動物を殺すことは許されるのに、人を殺すことはゆるされないの?」
もし、自分の子どもが殺されたら、どんな理由があろうとも相手のことを憎むに違いない。絶対に許すことなんかない。
だから、「人を殺すことが許されないのだ」が分かります。
Posted by ブクログ
ところどころ、その設定や描写は必要なのかとおもうところがあったり、魅力のあるキャラクターがいなくあまりのめり込めなかった。
母親の存在感なのか?こんな感じで父と息子を書くならば、母親は育児放棄くらいのほうが説得あるし、始終母親が中途半端に感じてしまった。
薬丸岳さんは天使のナイフは、かなり昔に読んで内容すっかり忘れてしまっていて、でも虚夢がとても面白くて読みやすさに惹かれて最近また読み始めて、
とりあえずあと2冊積読があるので、読んでみます。
虚夢超えあるかなぁ
Posted by ブクログ
スイスイ一気に読んだ。
自分がもし違う場所で育っていたらどんな人生を歩んでいたんだろうか、子供ができたとき子供と上手に関わって一緒に成長していくことができるのだろうか?
今の私はあまりにも未熟すぎるかもしれない。
私たちは自分ごとではないと思って少年犯罪を眺めてしまう。しかし少年犯罪は社会的な問題である。少なからず市民みんなが個別の事件に関わっているという自覚を持つことが必要だと思った。
決定論・非決定論など争いはあるが、私たちは犯罪のある世界で、どのように犯罪に向き合っていくのか、犯罪を個別の問題と捉えるのみならず、大きな枠組みで捉えることでもっと良い社会になるのではないかと思った。
Posted by ブクログ
少年がした行為を殺人と呼べるのか、人を殺めたのは確かだけれど文字通りに表面的に判断するべきではないと。なぜそうしたか、そうせざるを得なかった理由があるのか。作品を通していろいろな考え方や可能性があるのだと気付かされました。
子供ができてから改めてこの作品を読んだら違った感覚を持つだろうなと思います。
Posted by ブクログ
「心とからだと、どっちを殺したほうが悪いの?」
中2の息子が同級生を殺害したが、刑事にも親にも弁護士にも全く何も話そうとしない。
父親の吉永は何も分からず、読み手もやきもきする。
もしかしたら本当はやっていないのか?
そんな希望さえ湧いてくる。
離婚して離れて暮らす父子。
大きな事件の裏では、お互いを思い遣ってすれ違う場面もあった。
それでも命があってこそできるのであって、命を奪ってしまったことは、一生をかけて償わないといけない。
今の時代はすぐに個人情報が晒されてしまうので、少年の更生は難しいと思う。
いつ自分の過去が周りにバレてしまうか、その恐怖がつきまとうはずだ。
Posted by ブクログ
少年犯罪系のテーマが多く、いつもモヤモヤさせられる薬丸岳さんの作品。
今回も予想通り、難しい感想。
この人はいつも読後感を悩ませる。今回は特に。
色々書いたけど、長くなりすぎたのでコンパクトに。
あらすじは割愛。作品紹介読んでくだされ。
法に則ったら悪いのは加害者なのは当たり前。
俺もそう思う。ルールを破るのは悪い。
けど、そこに至った理由も理解できる。
そこまで追いやった被害者も十分加害者でしょ。
殺人を許容するつもりはないけど、自業自得なところはあるんじゃないかと。
とは言いつつも、全体的に加害者擁護に感じてしまって、それはちょっと違うよな、と思った。
有意義な読書タイムをありがとうございました
この読後感を噛み締めつつ
自分の子が加害者にも被害者にもなるかもしれないと思うと、とても怖くなる。
子供いないけど。