薬丸岳のレビュー一覧
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読んでいる間ずっと胸がざわついていた。
益田の心情があまりにもリアルで、「自分ならどうするだろう」と考えずにはいられなかった。鈴木の過去を知ったときの戸惑い、恐怖、信じたい気持ちと拒絶したい気持ち――そのどれもが痛いほどわかる。
それでも、少しずつ心を開き、償いきれない罪を抱えながらも必死に居場所を探そうとする鈴木の姿が切なくてたまらなかった。
彼がみんなと笑い合うその一瞬一瞬に、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
益田の裏切りには正直、モヤっとした。でも同時に、「きれいごとでは済まない」という現実も痛いほど理解できる。
もし私の大切な友人が、あの神戸連続児童殺傷事件のような過去を背負ってい -
Posted by ブクログ
おびのりさん、雪見酒さんのレビューより興味を持った作品
いつもありがとうございます(o^^o)
あなたは友が犯した過去の罪を許せますか?
同じ時期から働き出し、徐々に関係を深めていった同僚がもし猟奇的な殺人事件の犯人だったら、、、
同僚であり、親友と呼ばれる益田
自身の危機も救ってもらい惹かれ始める美代子
同じ職場の面々
少年院時代に母親代わりとしてサポートしてきた白石
それぞれの目線で物語は進んでいきます。
みんなそれぞれ問題を抱えていて
鈴木に対していろんな見方があるのが興味深かったです。
ちょっと白石さんにイライラするかなー
白石さんが余計なことしなきゃ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作品は、少年犯罪と少年法という難しいテーマを取り扱った作品ですが、これがデビュー作だとはにわかには信じがたい位非常に構成がよく練られた作品だと思いました。
複雑に絡み合ってくるそれぞれの事件とその関係者達。罪を犯しながらも可塑性があるということで、犯罪の質ではなく年齢によって線引きされ、少年法という盾に守られた加害者の少年少女達。反対に何故自分の家族が死ななくてはならなかったのか、もっとも単純で、おそらく犯罪被害者の家族達が一番知りたいであろうこの疑問すらも知ることが出来ない苦悩。犯罪を犯した少年少女達は、その後どう過ごしているのか、自分が犯した罪についてどう考え、どう向き合っているのか -
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やっぱりキツいし、重いわ〜
薬丸岳さん
教誨師か…
中山七里さんの作品で、知ったけど、まぁ、凄い職業やわ!
復讐か…
それも死刑囚相手に…
死ぬの確定やから、それ以外の手で…
死ぬのを何とも思っないから、何とも思うように…
自身に経験ないから、分からんと言えば分からんのやけど、死刑が決まって、死刑執行されても、被害者としては、まだまだ悔しいんやろな。
そういう対象(死刑囚)が、いなくなったら(死刑執行)、どこにぶつけるんやろ。
犯人死刑されたから、ハイ!おしまい!ってならんやろうしな。
最後に死刑囚に贖罪の想いはあったけど…
執行前に、話した殺された娘の隠されていた言葉…
私なら、数分 -
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テンポが良い。サクサク進む。
「ああ、もう!なんで!」という苛立ちやモヤモヤした気持ちが心に湧き上がることがなく、物語のテンポに任せて読み進められるところも気に入った。
途中しばらく読めない期間が続いてしまったのだけれど、再開してからは一気に読み上げた。
快彦の過去と亮介の事件がどう繋がるのか、その謎に興味を惹かれて読み始めた1冊だったけれど、初めは全く想像もつかず。前半は快彦が身元引受人として亮介を引き取ってから2人の関係性が馴染んでくるまでの話、後半が亮介の事件の全貌が明らかになる話、と2部構成になっている。
快彦と亮介の従兄弟コンビがなんとも新しい感じ。お互いにお互いを思いやり、だん