薬丸岳のレビュー一覧

  • 誓約

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    薬丸岳さんの作品を読んだのは、「天使のナイフ」以来2作目。
    解説にもあるように、少年犯罪や、罪と償いを中心に描く作家だと知った上で購入。


    読み始めてから、すぐに魅了され情景が思い浮かぶかのようで、とにかく読みやすかった。
    中盤も中弛みすることなく、主人公の頭の回転の良さに感心しつつ、後半には畳み掛けられるようなストーリーで終盤へと続く。

    罪と償いという題材だろうと思っていたので、読み終わった後かなり重くなるだろうなぁ...と覚悟していたが、こんなに心が温まるような 大切な人への想いを感じ取られる余韻が残るとは...


    薬丸岳を知らない人にも是非読んでもらいたい。
    久しぶりに大変面白かっ

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    2022年12月04日
  • 誓約

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    仕事も家庭も順調そうに見えた向井聡のもとに一通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています」その手紙に恐怖を感じる向井。実は向井には人には言えない過去があり…

    犯人と罪とその裏に隠された衝撃の真実
    薬丸岳さんの小説はいつもラストのラストまで驚かされる!
    それでいて罪と贖罪、愛と救いとを考えさせられる。

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    2022年11月09日
  • 闇の底

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    うわ~!この小説、おもしろかった~!

    子供への性犯罪事件が起こるたびに性犯罪者を殺す…
    殺人で子供への性犯罪を阻止しようとする処刑人・サンソン
    子供の頃に妹を失った過去を持つ埼玉県警の刑事・長瀬
    身内を残酷な事件で失ったものにとって犯人を殺すのは悪なのか?そしてサンソンとは…

    サンソンが…
    驚いた~!

    でもって…ラストも…

    薬丸岳さんって本当にすごい作家さんだわ~!
    まさに世の中の闇にザクッと切り込んで
    「さあさあ…」と迫ってくる
    目をつぶりたくなるような問題を「さあどう思う?」
    と先送りにできないように心に突き付けてくる

    すごいわあ~。
    目の前にグイグイ

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    2022年10月23日
  • 闇の底

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    江戸川乱歩賞の受賞作は好みのものが多いのですが、これも例に漏れず、好きでした。

    【あらすじ】
    少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きる度に、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。
    身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。
    狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ―。絶対に捕まらない―。運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。

    過去に妹を亡くした刑事が過去に同様の犯罪を犯した人間の警護を命じられるという苦悩をも謎解きと共に描いていて完全に作者に翻弄された感があります。
    面白かった!

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    2022年10月23日
  • ハードラック

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    久々の、寝る間を惜しんでの一気読み。
    すっごい面白かったー!

    社会派ミステリーだが、重いテーマで考えさせられるというよりは、単純にストーリーにのめり込んで楽しめる作品。

    でもやっぱりラストはさすが。単なるエンタメでは終わらない。
    「たいした悪だと思っていないこと」への報いも、これ以上「積み重ね」ないような救いもしっかりと描かれていた。

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    2022年09月12日
  • 神の子(上)

    購入済み

    話の展開がすごい!

    まだ10代の少年達がそれぞれ抱える悲しみや怒り諦め、など、子供達の力だけではどうしようもなかった少年時代が読んでいて切なかったです。
    これからどんな人生を歩んでゆくのか続きが気になります。

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    2022年09月03日
  • その鏡は嘘をつく

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    夏目刑事シリーズ2作目。長編。

    夏目刑事視点はないので、他の登場人物の視点から話が進んでいく。
    教育虐待がテーマになっていて、事件の真相は辛いところがあるけれど、それでも命以上に大切なものはない、と話す夏目刑事の優しさに救われる気がする。

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    2022年08月18日
  • 神の子(上)

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    薬物ジャンキーな母親から生まれ、無国籍で育った少年。
    しかし、実はIQ161以上を持っており、物心ついた時はその頭で生きてきた町田博史。その町田を欲しがる謎の闇の組織の男・室井。殺人で少年院に入り、脱走するが失敗。その事件後、社会に出た町田はある工場の家族のもとで居候することになり…。

    おもしろかった~
    町田を手に入れるために二重三重に網を張るとことか
    後半の雨宮とスギさんの関係性とか
    ちょっと奇人な天才繁村とか
    でもって町田の変化とか…

    わくわくしすぎてあっという間に読んでしまった!

    下巻が楽しみすぎる~!
    どうなるの~!?

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    2022年08月09日
  • 刑事の怒り

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    夏目刑事シリーズ。
    娘さんが回復してきているのが支えになる一方で、娘さんの本当の思いを知ることはできないという苦悩もあり。

    社会問題に向き合い、優しく導く夏目刑事を見習いたい。
    馴染みのある錦糸町周辺が舞台になったのもうれしい。

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    2022年07月31日
  • ラストナイト

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    再犯を繰り返す、顔にまで刺青をした男。片桐。
    しかし、それには理由が…
    う…切ない…
    辛過ぎる…
    親友にも、娘にも、三行半を突きつけられ…
    それでも、初志貫徹する。自分の人生をかけて…

    はじめは、何やねん!悪さばっかりして、友達にも迷惑かけてって思ってたけど、ラストになるにつれて分かる真実!

    泣ける!泣ける!泣ける!

    でも、もっと何か楽な方法というか、生き方は、なかったんかな…
    奥さんをそれだけ、愛してたって事かな?
    何か、悲しすぎる生き方やけど、本人は満足できたのかな?
    そうであると信じたい!
    ええ作品でした!(^_^)v

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    2022年06月28日
  • ラストナイト

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    顔に特殊ないれずみをした主人公。犯罪を繰り返し刑務所を出たり入ったりの日々。
    一度犯罪を犯した者は元には戻れないのか。と思っていましたが、中盤以降に明らかになる主人公の真実がつらい。

    彼はもっと違う方法で愛を表現できなかったのでしょうか?
    最後に周りの人に少しでも理解されたのか…

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    2022年06月12日
  • 友罪【電子特別版】

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    ヘビーな内容であるものの、光景が目に浮かび一気読みしました。
    考えさせられます…
    犯罪でなくとも、元々イメージが悪くなくても
    人から聞く噂が悪印象だとどうしてもその人を色眼鏡で見てしまったりする…最終的に鈴木くんの本質に向き合って友達でいることを選んでくれた益田くんに感謝するとともに、いざ自分がその立場になった時どうか…考えさせられました。
    被害者側でなく加害者側の背景や心情に興味がある方はおもしろいかも。

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    2022年03月27日
  • ラストナイト

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    居酒屋「菊屋」に刑務所を出所したばかりの片桐が現れた。

    片桐が初めて逮捕されたのは、若い頃、ここで傷害事件を起こした時だった、

    それは、暴力団から、この店の店主である菊池の妻を守るための行動だったが、

    それ以降、片桐は人が変わったように、犯罪を繰り返すようになった。



    以前は、家族ぐるみの付き合いをしていた菊池と片桐だったが、

    菊池は、彼に感謝しつつも、

    何故、片桐がこんな人間になってしまったのかわからないでいた。



    そして、徐々に、その謎が明らかになり、

    切ないラストシーンへと・・・



    これは、映画になるなぁ・・・と思いつつ、

    勝手に配役など考えてみたりして・

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    2022年03月26日
  • アノニマス・コール

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    警察とはで、Google先生に聞いてみた。

    国民の生命・身体・財産の保護、犯罪の捜査、被疑者の逮捕、公安の維持など、社会秩序を保つため、国家の統治権に基づいて国民に命令・強制する、行政上の作用。また、その仕事を担当する組織。

    やってる事ちゃうやん!ほんまに( *`ω´)
    自分の組織維持の為に使ってるやん!
    部下がかわいいか何か知らんけど。
    更に、それを暴こうとしてる人に無実の罪着せて…
    そんなんするから、また誘拐とか起こるねん!どうせなら、警察組織維持の為に悪さした人に対してすれば良いのに…
    警察辞めさせられた人をターゲットにするんは…なぁ…

    で、主人公は警察は信用できん。信用するのが、

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    2022年03月02日
  • ラストナイト

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    「自分のことを見放さないでくれる人がいるかぎり、変われる可能性はあると思います」

    「好きだからこそ、何かあったときの絶望はでかい。でもそういう存在が心の中にあれば、不幸でも生きていけることもある」

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    2022年02月13日
  • 友罪【電子特別版】

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    重かった。

    本当の「償い」とは何なのか。
    「償い」の先に赦しはあるのか。
    考えさせられた。

    一読の価値あり。

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    2022年02月10日
  • ラストナイト

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    著者らしいありえない話だとは思いますが、とても練られた作りの切ないストーリーで一気に読んでしまいました。片桐さんや各章の語り手の様な純粋な人たちは現実にはまずいないだろうし、例えいたとしても今の社会では成功したり幸せになるのはやっぱり難しいだろうと思いました。残念な世の中です。タイトルは今ひとつ。もうひと工夫してもらいたかったです。

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    2022年01月08日
  • ガーディアン

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    教師の業務は多岐にわたるな。一生懸命言葉や気を掛けても返ってこない事ばかり。でも子供は子供なりに一生懸命考えている。代償がまだあまりよくわかってないからこそ、残忍で狡猾で複雑なんだと思う。だからこそ簡単に手放すことはせず、きちんと向き合っていかなきゃならないし、教えていかなければならない。先生に限らずいろんな大人がやっていかなきゃなんだよね。一生の課題だ。それにしても八巻は改心したのか?あれだけのことをしてたのに、なんだかあっさりすぎる。

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    2021年12月17日
  • 刑事の怒り

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    夏目シリーズ第4弾!
    相変わらず、洞察力抜群で事件を解決していく短編集4編。
    娘さんも植物状態から復帰して、何かええ感じ。
    とは言え、事件の方は変わらず悲惨です(T . T)

    普通なら、当然、この人が犯人、もしくは、こういう犯行でしょ!と皆んなが思ってるのに疑問を感じる。疑問を感じると納得できるまで捜査する。独りになっても。
    鋭い洞察力もそうやけど、相手の行動を、相手になりきって行動を考えるんかな?
    今回の4事件もその洞察力を発揮する。
    でも、娘さんと同じような状況の人たちが殺されるのには、怒りが!

    このシリーズは、いつも一気読み!
    ええ感じにできてます。
    夏目さん!これからも、頑張ってや

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    2021年12月08日
  • 闇の底

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    ネタバレ

    薬丸岳6冊目。重たい本を読みたくなったら真っ先に手が伸びる。タイトルの闇の底、その一線を越えると何が見えるのか。「闇」か?あるいは「光」か?少女を誘拐・性的暴行・殺害する事件がいつでも起きる。勿論、刑事も被害者家族となる可能性もある。とある被害者家族が犯人たちを殺害していく。被害者である刑事は犯人の犯罪をどう思い、どう対峙するのか。この刑事と犯人とのラストのシーン、刑事が犯人に銃口を向けるがその時にこみ上げるのは犯人への共感と罪を見過ごしてはいけないという刑事の本分。この相対する想いが闇の底だった。⑤

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    2021年12月04日