薬丸岳のレビュー一覧

  • 神の子(上)

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    人間は集団行動を経て、心の痛みや喜びなどを知るんだろうね。面倒だったことが生きていく上で必要なんだ。悪いことをしていたとは言え、ヒロシが不憫でならない。それを少しでも気にかけてくれる大人がいるのが救い。子供は成長していく上で、心ある親や近しい大人が必要なんだな。美香のムロイに対する気持ちはわからなくもないが、彼の奥底にあるモノに早く気づいてほしい、手遅れになる前に。それにしても小杉がものすごく胡散臭い。どっちサイドの人間なんだろう。続きを早く読みたい。

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    2025年07月17日
  • 悪党

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    現実でレイプ事件に関しての理不尽な判決を耳にしてたのでなんだかとてもやりきれない気分になる。被害者遺族は何をもって赦すことができるのか、答えがでない永遠の問い。修一の最後の葛藤が辛すぎる。

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    2025年07月17日
  • 天使のナイフ 新装版

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    薬丸岳作品初めて拝読しましたが、奥深く考えさせられる作品でした、少年犯罪に着眼した作品が多い中本書を選びました、前半は前振りのような展開ですが後半からの展開速度は秀逸で一気読みですし、暴かれていく内容も突飛な展開で仰天の連続です、心理戦もありますがアクションもあり中々の読み応えです。

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    2025年07月15日
  • ガーディアン

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    もう子どもではない、けど幼い正義が作り出した自警団によってかりそめの平和を手にした中学校が舞台
    たくさんの登場人物が出てきて覚えるのが大変だった
    夏目も登場

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    2025年07月13日
  • 刑事弁護人(下)

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    マンションでホストの撲殺死体が発見され
    被疑者は現職婦警
    そして、彼女は男の客であった
    被疑者の女の供述は二転三転する
    その虚偽に隠された真実を弁護人二人は過去に
    遡り究明していく
    作家生活20年という事で新シリーズになりそうですね
    今までの罪と贖罪から少し離れて
    弁護士として罪と弁護の葛藤
    信念と正義と現実の乖離を読ませてくれそうです

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    2025年07月12日
  • 誓約

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    鈍い私にしては珍しく早めに犯人の見当がつくくらい不思議なほど狭い世界での物語でした。負の連鎖は切れないんでしょうね〜被害者がきちんと救われ、加害者がきちんと裁かれる世の中になって欲しいと改めて痛感する物語でした

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    2025年07月12日
  • 刑事の怒り

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    犯罪を犯すに至ってしまう深い心の痛み、苦しさと怒り、隠し通したい真実。夏目刑事の抱く根本には人間としての尊厳への理解と愛があって寄り添って行く、そんな姿勢に好感が持てるシリーズ。シリーズものとしては時間が、さかのぼってしまったようだけど(読む順番が違うのかも)。
    外国人労働者に迫った作品がわりと好きだったが、最後の「刑事怒り」は、一見、自殺幇助とみられた事件を解決していく様は生きていくことの意味を尊ぶ姿勢に貫かれているものだと思った。

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    2025年07月12日
  • ブレイクニュース

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    2025.07.10
    そもそもの疑問。
    こういうキャラクターを主人公に据えるとき、「女性」となることが多いように私には思われる。他の人の感想も聞いてみたい。なぜなら、日本社会では、こういうキャラクターの男性はありえないのが「常識」としての受け止められ方ではないだろうか。そんなことを考えながら読んでいた。

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    2025年07月10日
  • ラストナイト

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    4.0/5.0

    様々な人物たちが交差しながら、辛く救いようのない真実へ向かっていく。

    妻を殺された怒りの炎は、復讐にではなく、今そこで確実に生きている娘へ愛情に変えて注ぐべきだった。
    と、僕は片桐に向けてはっきりとそう言いたい。

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    2025年07月10日
  • Aではない君と

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    14歳の少年はなぜ同級生を殺してしまったのか?
    離婚し新たな仕事と恋を優先しつつあった父親は、最後のチャンスであったかもしれない息子からの電話をスルーしてしまった。
    「心を殺すこと体を殺すことどっちが悪いこと」? 心を殺されてしまい人を殺した息子の事件の真相は何か、息子とどう接していくのか、更生とは何か 、少年Aではなく生身の存在として、生きる意味を問い続ける。

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    2025年07月08日
  • 神の子(下)

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    面白かった。

    並外れた能力を持つ2人。しかし稔という人間を必要とした町田と不要とした室井には決定的な違いがある。 室井が町田の手で稔を殺させようとしたのは自分が持てなかったものを町田が持っていることへの嫉妬のような感情からなのか それとも町田が持っているものへの興味からだったのか…?

    終盤 あの様な体になった室井が町田の大切なものをことごとく奪っていった経緯には 自分のもとを去っていった町田の生き方と自分の生き方と両方の先にある結末を最期をむかえる時までに見届けたかったからなのかもしれない…。

    室井にとって自分の能力の根底にあったのは〝怒り〟だったのかもしれないが町田にとってはそうではな

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    2025年07月09日
  • 逃走

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    2025.07.04
    薬丸節全開の一冊。
    二転三転するストーリー。罪と人間。薬丸ファンにはいい意味でも悪い意味でも予定調和の作品

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    2025年07月04日
  • 刑事のまなざし

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    短編。長編を重すぎると感じる人はこちらおすすめです。自分も著者の長編好きだけど「よし!」とならないと聞けない感じでしたので、これ良かったです。オーディブルのナレーションも聴きやすかった!

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    2025年07月02日
  • 刑事のまなざし

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    異色の刑事、夏目信人が活躍する、七篇を収めた連作ミステリー。物語は夏目以外の人物の視点で語られている。夏目と出逢う人々は、思い通りの人生を生きている幸福な人とは言いがたい。登場人物の内面は絶えず揺れ動いている。どの編も最後は思いがけない結末が。世の中の理不尽さを感じさせられる。しかし夏目の眼差しに少し救われた。

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    2025年07月01日
  • 籠の中のふたり 【電子書籍版特典付き】

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    弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るい亮介と交流することで人として成長していく。

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    2025年06月28日
  • 死命

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    オーディブルで聴いたのだが、面白かった。警察小説ではいつも仕事に熱心で家庭を犠牲にしている刑事が出てきて鼻白むのだが、これも同じであるのだが、なんだかあまり白けない。主役の犯罪者はとても異常なのだが、なぜか没入することができる。異常な主人公を取り巻く登場人物がとても魅力的で、共感できるのがこの異常な犯罪小説を救っている。

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    2025年06月28日
  • 悪党

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    悪党
    著者:薬丸 岳

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    **あらすじ**
    乱歩賞作家・薬丸岳が贈る、現代の「罪と罰」。
    復讐はなされなければならないのか!? 犯罪者と犯罪被害者、そして残された家族は、事件の後、どう生きてきたのか? 江戸川乱歩賞デビューの注目の新鋭、渾身の社会派ミステリ!

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    **感想**
    中山七里さんのエッセイで薬丸岳さんの名前を何度か目にし、以前から気になっていた作家でした。中山七里さんの作品は数多く読んできましたが、薬丸岳さんの作品を手に取ったのは本作が初めてです。同じ社会派ミステリーのジャンルに分類される両者ですが、薬丸さんの方がより現実に根ざした重厚なテーマを扱っている印象を受けま

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    2025年06月20日
  • その鏡は嘘をつく

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    薬丸岳さん著「その鏡は嘘をつく」
    夏目刑事シリーズの第二弾、前作は短編集だったが今回は長編作品。

    前作でも思ったのだが薬丸作品の醍醐味は刑事視点から描かれるものではないなという感想。今回この作品を読んでみて面白いのは違いないのだが事件の被害者や加害者、その家族等の感情の渦の中に巻き込まれていくようなものは読み込めなかった。

    逆をいえば薬丸作品にはそれを期待してしまっている。取り返しのできない事件、その事件に関わる誰しもの未来が描かれていく事によって窮屈で術のない、答えのない人生の岐路を考えさせらながら深く思慮を廻らせたいと思っている。
    刑事目線のこのシリーズでは自分が求めているものとの違い

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    2025年06月18日
  • Aではない君と

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    「自分の家族が殺人事件の加害者になったら──」

    どう向き合えばいいのだろうか。

    たとえ家族であっても、本当のところは分からないし、怖い。
それでも、唯一の味方である自分たちは向き合い続けなければならない。
少年Aとなった14歳のわが子と。
そして、事件の被害者家族とも。

    愛情は「伝わっている」と思い込んでいても、実際に行動で示さなければ、伝わりにくい。
そのことに、事件をキッカケとして気づかされるというのが、何ともやりきれず、悲しかった。

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    2025年06月15日
  • 虚夢

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    刑法39条「心神喪失者の行為は罰しない」
    この作品の根底にあるこの条文
    様々な事件が起こるなか、私自身も不可解に感じているこの部分を題材に見事に書ききった一冊だと思います
    娘を殺害された夫婦に訪れる絶望
    法律でも犯人を裁いてもらえない絶望
    被害者遺族がなんども味わうことになる暗闇が読んでいて苦しくなるが、救いを求め最後まで一気読みでした

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    2025年06月12日