薬丸岳のレビュー一覧
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【自分の娘を殺された教誨師vs.犯人=死刑囚のやり取り/死刑制度を巡る新しい論点提示】
・ かつて、子を身籠った恋人を死なせてしまい罪の意識を持ちながら牧師となった保坂宗佑は 、自分が父親であることを隠して娘の成長を見守ってきた
•しかし、その娘が結婚・出産を目前に子供もろとも殺されてしまう。犯人石原は祖母をはじめ4件の殺人を行っており死刑判決が下り、本人も死刑を望み反省も生への執着もないまま刑が執行されると思われた
・理由も無く突然娘を失った宗佑は、刑務所での教誨の経験から、石原に教誨師として近付き娘の無念を晴らす為の復讐を画策する
・石原に生きる希望を持たせたところで死の直前に絶望の淵に突 -
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野依美鈴という存在が現代にも必要なのかなと思う。
自分の発言で炎上するのはともかく、第三者が勝手にしたことで炎上する事案も多く、一方の話しか聞かないメディアだったり、何を持ってして解決なのかが未だに決まってない事が世の中に多すぎるなと思った。
時代は令和でも、個人がアップデートされる訳でもなく、パワハラされて育った世代はそれが悪いことだと思ってないし、令和の世代の子達は多様性を認めて欲しいと主張する割に、郷に入りては郷に従えという言葉は無視する。
そういう中で生まれた歪みが炎上となり、見ることができる情報が多すぎて、何を信じるかを選択できる時代というのもややこしいなと思わせられた。
最後の -
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2026.07.23 ★4.0
刑事夏目信人の第三弾
夏目が飄々と独自の洞察力を持って事件の真相に迫っていく短編集。
事件の被害者となり、植物状態になった娘絵美を気にかけながら事件と対峙する姿は心が痛むし、応援したくもなる。
最終話『刑事の約束』では感情の振り幅が大きく、思わず涙がこぼれた。
個性の立った脇役が多く、これからも続編を楽しみにするシリーズである。
↓↓↓内容↓↓↓
■収録作
「無縁」……「小説現代」掲載
「不惑」……『デッド・オア・アライヴ』掲載
「被疑者死亡」……「小説現代」掲載
「終の住処」……「小説現代」掲載
「刑事の約束」……書き下ろし
椎名桔平主演で連 -
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本当に更生したかどうかは目に見えては分からないから難しい。犯罪者じゃなくても前科者じゃなくてもろくでもない人間はいるし、捕まってないだけの犯罪者もいる。作中にもいた。かつての猟奇殺人犯鈴木の現状だけを見ると辛い展開が続く。周りの仕打ちにあんまりだと思う。だけど鈴木は自身が傷付いたことを吐露出来ない。正当な反論も出来ない。怒りを露わにすることも出来ない。過去に罪を犯した自分が悪いのだからと全然飲み込む。それが切なかった。今の彼だけを見るなら、ちゃんと罪を背負っていると感じるし、人並みの暮らしをさせてあげたいと思う。でも怖いという気持ちも分かる。過去の事だと容易く割り切れる程に軽い罪ではない。自分
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薬丸岳さんは好きな作家。罪を犯した者、加害者と被害者、贖罪がテーマの重い小説が多い。
そんな薬丸岳の小説の中によく登場するのが、刑事の夏目信人という人物。彼は少年鑑別所の法務技官をしていたが、実の娘が通り魔にハンマーで頭を殴られ、植物状態になってしまったことで、犯人を探すために刑事になった男。その夏目刑事のエピソードが7篇収録されている。いずれも刑事としての鋭い観察眼と、想像力で犯人を追い詰めていく。そして最後の話では、娘を植物状態にした憎き犯人を突き止める話。点と点が線としてつながる展開が、ちょっとスリリングでした。
夏目刑事を主役にしたドラマも過去にTBSで製作されており、椎名桔平が演 -
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ネタバレ片桐達夫は、かつては愛する妻・子どもと幸せな家庭を築き暮らしていたが、ある傷害事件をきっかけに、人生が180度変わり、それ以降何度も罪を重ねて刑務所への出入りを繰り返している。
なぜ彼は罪を重ねるのか?
章ごとに語り手が変わり、同じ場面でも目線が違うと見え方がガラッと変化する。そして章が進むごとに、点と点が少しずつ線になり、片桐という男の秘めたる思いが明らかになっていく。
結末は悲しくて、切なくて、虚しくて。
エピローグの後、不器用で真っ直ぐな1人の男の人生が、きっと影響を与えたであろう周りの人たちのその後の人生や心情の変化まで答え合わせが欲しかった。それくらい、救いが欲しかった。
余 -
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探偵の佐伯を中心とした短編集。それぞれの物語が交錯し、姉をレイプし殺した3人の男の復讐へと導いていく。
薬丸岳さんはよく、贖罪を「(罪人が)幸せになること」だと描く。私もそのとおりだと思う。どんなに罰を与え苦しめ痛めつけても、行動の後悔に繋がったとしても反省には繋がらない。だけど、幸せなときに初めて、大切な誰かを失うことや幸せを壊されることの辛さを実感する。
今回の作品は、その過程を描くのではなく、被害者側が復讐として、加害者がそうなるよう仕向けていた。その意味では、私は最後録音を聞かせても良かったのではないか、坂上が死んだ後のりさや細谷を描いても良かったのではないか、とも思う。(もっと重いド -
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薬丸岳さん著「アノニマス•コール」
だいぶ著者の作品は読んできたがその中でも極めて疾走感のある作品だった。
調べてみたら「アノニマス」とは「匿名」とか「正体不明」とかの意味らしい。
半年位前に「アサヒビール」が「アノニマス」という集団からサイバー攻撃された事件を思い出した。
そういう意味だったのか…
その時は言葉の意味を深く考えずそのままの時事として受け入れてしまっていたと反省。
知らない言葉はやはりその都度調べるべきだと今回思い至った。
物語は奥行きこそ余り感じなかったが、特質として疾走感に富んだ作品だった。
警察、もしくは何かしらの権力によって引き起こされた誘拐事件なのはすぐに察しがつ -
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実際にあった少年による殺人事件と結びつけてしまう。そして、あの時の犯人が名前を変えて自分の近くにいたとしたら、しかもそれが友達だったらと考えてしまう。果たして、彼を受け入れる事ができるのか。
受け入れることは難しく、かと言って切り捨ててしまうことは辛すぎる。
過去の罪を背負って生きる人の苦悩。
苦悩という言葉では軽すぎる、地獄と言ってもいいくらいの壮絶な苦悩。
だからと言って、手を差し伸べることなど容易ではない。自分だったらどうするのか。ずっとそう思いながら読み進め、結論が出ないままに読み終わった。
作中の主人公の結論はとても感動的である。あくまでも自分も、そうありたいという気持ちとは別に。