薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★4.5です。
ネットメディアで活動するジャーナリストを描いた社会派ミステリー。
旧来のマスコミとは一線を画す独自取材で次々と社会問題をニュース発信する人気YouTuber。彼女の追い求める先にあるものとは・・・
数々の社会問題(8050問題、パパ活、冤罪、ヘイトスピーチ、等々)をネットメディアの可能性・リスクとともに作者独自の視点で切り出していて、単純にいろいろと考えさせられて面白いです。
短編連作の形式もテンポ感が小気味良く、それぞれにスパイスの効いた締めがあって上手いですね。短編であまり満足感を得ることがないのですが、本作は楽しめました。 -
Posted by ブクログ
とても深いお話しだった。残酷で許し難い殺人者が
死刑執行されるまでの、知らない世界。
娘を残忍な形で殺された親の気持ちなんて、
そんな、そんな、想像もできない、できるわけがない。
それを事実として受け止めるしかない家族の
深い深い苦しみ。
異常な感情をむき出しにし、止められない怒りを露わにし、意の赴くまま行動し殺人を犯す。
精神鑑定は正常であっても、自分と向き合わず、感情のままに言葉を発しているようでは、悪い事も悪いとわからない。恐ろしいことだ。
犯人が教誨師に伝えた被害者の最後の言葉には身の毛がよだつ思いだった。
いままでの自分と一つ一つ向きあい、もつれた糸を少しずつ解く。教誨師に導 -
Posted by ブクログ
ぶ厚かった。
登場人物、多かった。
青少年犯罪をテーマだと、この作家さん。
デビュー20周年、おめでとうございます!
新型コロナのせいで、たくさんの影響があった。
いい事も、悪い事も、数えきれない。
そんなこと、あんなこと、あったあったと頷きながら読んだ。
青春の真っただ中の青少年にしたら、どんなに孤独で鬱屈した日々を送った事だろう。
まして、家族の中で辛い思いをしている若者にとっては地獄だ。
最初は善良な心でつながり始めても、
人が集まれば、徐々にまとまらなくなってくる。
まして、そこに邪な人物が入り込み、支配しようとすれば、とんでもないことになる。
困っていそうな人を、見ず知らず -
Posted by ブクログ
衝撃の展開だった。
私自身、刑法第39条の存在を知らなかった。心神喪失と認められると刑が軽くなるのではなく、不起訴処分になるなんて…。被害者側からしてみればあり得ないし憤りを処理できない。本の中でも語られるように、心神喪失と認められた加害者が果たして本当にそうなのかは、専門家の判断でも信じられない部分があると思う。
心神喪失状態になる状況や病気はいくつかあるのだろうが、藤崎(この本における統合失調症の加害者)の場合はきっと罰しても効果はない(反省には繋がらない)。でも3年で出てくるのは社会的にもさらなる被害者が生まれるため良くないし、被害者側はたまったもんじゃない。じゃあどうするのか。
一生 -
Posted by ブクログ
あなたは隣にいる友人が過去に残虐な殺人事件を起こした少年Aだと知ったら、どんな選択をしますか?
同僚だったら、恋人だったら。今の関係を続けることができますか?
ジャーナリストを目指していた益田と、住み込みの職場へ同日入社した鈴木。
入社当時、他を寄せ付けない雰囲気の鈴木はどこか危うさがあり馴染めないでいた。毎晩「ごめんなさい…ごめんなさい…」と酷く魘されている鈴木はどんな過去を抱えているのか。
そんな鈴木も同僚の介抱や益田の怪我・入院などを経て少しずつ社会へ溶け込めていく。益田のことは親友だと言う。
だがある日、益田は14年前に地元で起きた残虐な殺人事件「黒蛇神事件」の犯人が鈴木なのではない -
Posted by ブクログ
薬丸岳が徹底的な取材を元に構想17年を費やした渾身の法廷リーガルミステリ。
それにしても刑事弁護人とは割に合わないというか過酷な仕事だと思う。ニュースなどで残虐な殺人事件が報道された際に「何でこんな鬼畜の刑を軽くしようとするんだよ!」と弁護士に対する反感を持ったことは一度や二度ではない。まして被害者遺族にしてみれば犯人の肩を持つ共犯者と同じような人間に見えるのだろう。作中でかつて主人公・持月凜子の父親を殺害した犯人である被害者の母親が「殺されて当然」と言った言葉は背筋を凍らせる。刑事弁護人の存在意義とは何か、本作の主要なテーマの一つだ。
犯人がなぜ罪を犯さざるをえなかったのかという点を詳細に描