薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
渋谷のスクランブル交差点で無差別通り魔殺人事件の被害者になってしまった明香里と恋人-航平、
犯人の小野寺圭一に興味を持つライターの溝口省吾の3人の(メインは明香里と省吾)視点で物語は進む。
襲われた明香里を助け様とした晃弘はその場で殺されるが間際の「約束は守った…伝えて欲しい」と言う最後の言葉を聞いた明香里は誰に伝えるのか探す。
小野寺と同じ様に虐待を受けて育った省吾は小野寺圭一の過去を探す。
と言う風に重苦しいけどテンポ良く物語が進むので非常に読み易く先が気になりついつい夜ふかししてしまう。
大変おもしろかった。「生きる」ことの難しさが、しみじみ考えさせられる小説でした。
流石、薬丸岳さん! -
Posted by ブクログ
非常に満足度の高い作品でした。
読後も良い気持ちで引きずる終わり方で個人的にはとても好きな作品。
IQ160以上という頭脳がある少年だからこその苦労と波乱の人生、
かたわら同じギフテッドの持ち主であり似た境遇の裏社会の謎の室井。
2人の関係性で巻き込まれていく周囲の人間模様、登場人物のキャラも色濃く、
飽きが来ないストーリー展開。
同じ孤独な天才児としてまったく真逆の人生観になっていく様がとても面白かった。
他人からの愛情を受け入れるか受け入れないかは、自分次第。
その大事さに気付くかも。
いかに人間は1人では何も出来ないのかと思わされた素敵なものでした。
最初はただただ、アウトローなサ -
Posted by ブクログ
特に何も考えず、薬丸さんの他の作品も読んで見ようと手にしたのだが、やはり重厚だった。
牧師であり教誨師でもあった保坂が娘を暴力的に奪われる。しかも娘を奪った犯人には全く反省の色が見られない。
訳有りの親子だった為に保坂の苦しみは増すばかりだ。
赦しを選ぶのか、復讐を選ぶのか、だが復讐を選んだとしても出来る事は限られる。
相変わらず登場人物の心理描写が非常に丁寧なので読んでいるこちらも心を掻き乱される。ただ保坂がどういう結末を選ぶか見守るだけだ。
その決断に大きな衝撃を受けた。
だが、これは別の視点から考えてみると犯人は救われた事になるのかも知れない。読み手に寄っては色々な解釈も出来るだろう